2012年予算議会
企業立地交付金のずさんな実態明らかに
2012年3月22日 中山いくみ市議の総括質疑
3月22日、日本共産党の中山いくみ市議は、福岡市議会条例予算特別委員会の総括質疑に立ち、大型開発推進による市長の「稼ぐ都市」論を批判。この中で、新年度拡大が提案されている企業立地交付金のずさんな実態が明らかになりました。
高島宗一郎市長は、投資によって都市が稼ぐという「稼ぐ都市」論という持論を展開していますが、市長がその一つとして力を入れている観光産業振興について中山市議が税収効果を質すと、経済振興局長は具体的な数字を答えることができませんでした。
さらに企業を呼び込むために設けられている企業立地交付金の制度について、詳細に尋ねると、正規労働者数、固定資産税、法人市民税がいくら増える見込みなのか、これもまったく市は答弁できませんでした。
さらに交付された企業のうちこれまで25社が撤退。交付金の返還請求をしたのは何社かとただすと「ない」と市は答弁。議場がどよめきました。
中山市議は人工島事業、都心再開発、「博多港長期構想」などについて質問し、高島市長になって再び大型開発をふくれあがらせ、市の借金をふやすおそれがあることを警告。パネルをしめして、大型開発をすすめても、市債残高だけが膨張し、固定資産税や市民所得などはまったくのびていない冷厳な事実を示しました。
中山市議が人工島事業の中止、「稼ぐ都市」論を撤回して内需をあたためる施策への予算組み替えを提案すると、市長は内需をあたためることには同意したものの、「稼ぐ都市」論には固執し、人工島事業についても「最善の方向へ導く」として推進姿勢を示しました。
中山市議は、この他、市長がすすめようとしている「福岡らしい英語教育」、大阪市の橋下市長の教育基本条例案への高島市長の態度などについてもとりあげました。