2012年9月議会
保育所整備、人工島道路整備、就農支援をただす
2012年9月7日 熊谷敦子市議の議案質疑
2012年9月7日、福岡市議会が開かれ、高島市長から保育所整備助成、人工島の道路整備、青年就農給付金などの補正予算案が提案されました。これに対し、日本共産党の熊谷敦子市議が議案質疑に立ちました。
●待機児解消へ他市の先進例に学び、新築中心で保育所整備すすめよ
今年4月、福岡市の保育所の待機児童数は過去最高となり、7月には952人に。市は34億円の保育所整備助成の補正予算案を組みましたが、熊谷市議は「今回の補正で来年4月に待機児童はなくなるのか」と質問。市側は「解消する」とは答弁できず、市長の公約である「待機児ゼロ」とは程遠い実態が明らかになりました。それどころか、市長は年1~2カ所だった過去の整備数よりも増やしたことを“自慢”。保育所に入れない子どもや親の深刻な実態を一顧だにしない冷たい姿勢が浮き彫りになりました。
熊谷市議は、保育需要を低く見積もって整備をおさえてきた市の計画が完全に破綻したと指摘。民間保育園建設の土地賃料の一部を補助する方式で新築整備をすすめて待機児を大きく減らした他市の例を紹介し、福岡市でも土地の無償貸与、賃料補助で新築中心の整備をすすめ、待機児童をなくすよう提案しました。
あわせて、深刻な保育士不足の対策について、市は保育士の掘り起こしをするための研修を実施したものの、15人しか再就職につながっていない事実が明らかに。熊谷市議は、保育士不足の背景に劣悪な待遇があると指摘し、短大卒4年目の正規職員で手取り月15万円、非正規では13万円しかない実態をつきつけ、賃上げなど待遇改善の手だてをとって保育士を確保することを求めました。
●緊急性ない人工島の道路整備などは中止を
市が提案した人工島の道路整備(1億2千万円余)は物流の増加に対応するものとされていますが、熊谷市議は2014年まで使われる見通しがないことを指摘。補正を組んでまで行う緊急性がないとただすと、市側はまともに答弁できませんでした。
関連して、物流拠点の機能強化を看板にして市が人工島に大水深の新岸壁(D岸壁)を建設しようとする動きについて質問。博多港のコンテナ量が今年度伸びていない事実を示して、D岸壁整備は税金の無駄遣いであり、やめるべきだと迫りました。
また、箱崎ふ頭に大型客船をつけるための施設整備の補正予算案も出されましたが、熊谷市議は、市の需要予測に何の根拠もないうえ、事前調整すれば、従来通り中央ふ頭で対応できると述べ、新たな施設整備はムダになり必要ないと追及しました。
高島市長は開発推進姿勢をあらわにしました。
●新規就農者をふやす市独自施策「検討」
この他、新規就農者をふやす問題について、熊谷市議は市独自の施策を要求し、農林水産局長は中高年の就農などを促す施策について「検討する」と答弁しました。