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議会報告

2012年12月議会

2011年度決算諸議案に対する反対討論

2012年12月13日 熊谷敦子議員

おはようございます。私は、日本共産党市議団を代表し討論を行います。討論に入ります前に、昨日の北朝鮮による、いわゆる「ロケット」発射問題について一言述べます。これは、アジア各国をはじめ国際社会の懸念と打ち上げ自制を求める声を無視し、「弾道ミサイル技術を利用した発射」の中止を求めた国連安保理決議1874号に違反する行為であります。日本共産党は、北朝鮮が情勢を悪化させる発射を再び強行したことに強く抗議致します。わが党は、北朝鮮が国連安保理決議を順守し、2002年の日朝平壌宣言、2005年の6カ国協議の共同声明に立ち返るよう強く求めるものです。また、国連安保理をはじめ国際社会が、非軍事・外交的手段に徹しながら、この地域の緊張をこれ以上高めることなく、一致した対応で北朝鮮への働き掛けを抜本的に強めるようよびかけるものであります。


私は、日本共産党市議団を代表して、2011年度一般会計及び特別会計並びに企業会計決算諸議案のうち、議案第145号~148号、151号、152号、154号~156号、158号、160号~162号、164号~166号に反対し討論を行います。


周知の通り、2011年度は東日本大震災と福島原発事故を受け、国民の命と暮らしを守る政治と行政のあり方が根本から問われました。また、働く人の所得が減り、消費が落ち込み、内需が冷え込む「デフレ不況」が深刻になっていました。

こうした中で本市の行財政運営に求められていたのは、市民の暮らしと福祉、命を守るという自治体本来の使命を果たし、また内需拡大のための景気対策を講じることでした。ところが、高島市長が初めて編成した2011年度当初予算は、「アジアのリーダー都市」「稼げる都市」を看板に、財界奉仕のための市政へ踏み込み、無駄な大型開発を推進し、福祉や教育、暮らしの分野を抑制するなど、市民の願いに反する内容でした。2011年度決算は当初予算の悪しき特徴がそのまま示されています。

歳入についてみると、厳しい雇用情勢等の影響を受け個人市民税が前年度と比べ14億円も減少し、地方交付税も約19億円減少しています。市債発行は3年連続増額の776億円、一般会計に占める割合が10%と増えて、借金頼みがいっそう深刻となっています。歳出決算をみると、福祉、医療、介護、保育、教育など市民生活関連の施策が抑制、縮小され、市民の願いに背を向けた一方で、人工島事業推進に150億円を充てるなど、財界が喜ぶ大型開発には湯水のように税金・公金をつぎ込んだというのが、最大の特徴となっています。

借金総額は3会計合計で2兆4,969億円、市民一人あたり171万円と、政令市の中で大阪市についで2番目です。公債費が10年連続で1,000億円を超え、2011年度一般会計歳出の13.9%を占め、さらに外郭団体などの隠れ借金が432億円もあり、借金財政は依然として深刻です。

したがって、わが党は2011年度決算諸議案を認定することはできないのであります。


次に、わが党が反対する諸議案のうち、主な問題について、その理由を明らかにしておきます。


第1は、福祉、医療、介護など市民生活に関わる問題です。

まず、国民健康保険は、一人あたり国保料が引き下げられたとは言え、所得の2割を超えるなど重い負担に市民が苦しめられています。決算を見れば、一般会計繰入金を予算額から19億円、前年度から6億円も減額し、とりわけ法定外繰入を10億円も減らした一方で、国保会計の収支差額が16億円も生じていますが、これらの財源を活用すれば国保料の引き下げは可能だったのであります。国保料が高すぎて払いたくても払えないため、収納率は87.07%へと落ち込み、政令市ワースト5位となっています。滞納の16,000世帯から保険証を取り上げ、資格証明書発行12,867件、全世帯に対する比率5.7%は政令市最悪です。差押は生活費を含む預貯金まで対象にして、過去最多の2,192件、8億8,000万円にも達し、わずか4円の預貯金を差し押さえた例もありました。まさに「カネの切れ目が命の切れ目」というべきこうした無慈悲な国保行政は抜本的に改めるべきであります。

また、生活保護は、雇用悪化にもかかわらず、保護開始世帯数が前年度と比べて減っており、生活保護を必要とする人が受けられない事態となっています。保護費決算額の増加傾向を問題視する意見がありますが、その財源を見ると前年度と比べて国庫負担金が増え、市の一般財源は11億円余減っており、必要に応じていっそう拡充することこそ求められているのであります。

特別養護老人ホームの入所希望者が前年度当初7,517人に上る非常事態でしたが、当局の勝手な調査で待機者数を2,400人へと恣意的に絞り込み、整備数を400人程度にとどめたのであります。また、重い利用料のため、とくに低所得者が利用できないのが実態です。介護保険制度は、低賃金・過密労働の中でも必死に努力されている介護労働者など現場の苦労によって支えられているのが現状であり、市の取り組みは極めて不十分だと言わなければなりません。後期高齢者医療制度は一人あたり72,784円もの高い保険料を課し、3282人もが滞納せざるを得ない事態です。やらないと言っていた短期証発行を行い、1,097人から正規保険証を取り上げたことは問題です。

こども病院の人工島移転については、調査委員会が現地建て替え経費を1.5倍に上乗せした見積もりの根拠がないことを認め、また人工島移転のデメリットを数多く指摘したにもかかわらず、高島市長は独断で決定しました。これに対し市民の怒りと不安の声が上がり続けています。東日本大震災を受け行われた中央防災会議専門部会は「病院等の建設は浸水リスクの高い地域を避ける」よう提言しており、さらに新病院の260床計画を県は認可しておりません。人工島の新病院用地購入代金返還を求める住民訴訟においては、市の説明を覆すゼネコン回答が裁判所によって証拠採用されました。新病院を手掛けるPFI業者選定は1グループのみの入札で、その代表企業は市の指定管理業務において重大な契約違反を犯していたことも判明しました。どこから見ても道理がないにもかかわらず、市長は今月にも人工島のこども病院建設を強行着工しようとしていますが、これは断じて許されないものです。また、市長が記者会見で表明した、こども病院現地周辺の「新たな小児科づくり」なるものはカラ約束だったことがはっきりしました。西部地域が小児二次医療の空白地となれば、子どもの命が守れなくなるのであります。


第2は、子ども、子育てと教育についてです。

保育所は、2011年度始めの時点で待機児が727人、年度途中に1,000人を超えたにもかかわらず、新設整備を6カ所にとどめたため、今年度始めには893人へと増加し、未入所数は1,746人と過去最悪を更新しました。「働きたいのに保育所に入れず働けない」という深刻な事態を生み出した責任は重大であります。土地の無償貸与を有償化した結果、保育所新設がますます困難になっています。既存の保育所は、適正規模とされる定員60人、政令市平均の104人を大きく超えて本市では142人とマンモス化は深刻です。さらに定員を超える詰め込みが押し付けられ、ただでさえ低い面積基準や保育士配置基準のぎりぎりの状態になっている現場から悲鳴が上がっています。民間保育所への補助金を減らしてきたため、保育士の労働条件悪化と非正規への置き換えが進み、保育士不足が深刻となっています。賃上げと過密労働解消こそ求められますが、本市は何の手立ても取っていないのであります。留守家庭子ども会事業については、関係者の要望を受け、老朽・狭隘だった施設の建て替えやトイレ整備が進みましたが、近年の入所希望者の増加による大規模化を解消する手立ては不十分でした。

教育費は、前年度からまたも減らされ、一般会計の6.52%とピーク時の半分以下、最低水準にとどめました。一方28億円もの不用額を出しております。その結果、過大規模校、校舎の老朽化、危険箇所が放置され、教職員の過重労働は一向に解消されず、子どもたちが待ち望んでいる教室エアコン設置に背を向けるなど、現場に多大な困難をもたらしているのであります。全学年実施が望まれる少人数学級も拡充されませんでした。「いじめ」問題の解決のためにはカウンセラーなど専門家を学校に配置することが欠かせませんが、抜本的な拡充はありませんでした。児童生徒数に見合ったトイレの設置が不足している学校が残されています。通学路の安全対策の取り組みも不十分であり、ただちに対策を強化すべきであります。

少年科学文化会館の六本松移転が決定されましたが、文化ホールを整備しないとしていることは子どもの芸術鑑賞の権利を奪い、文化を切り捨てるもので許されません。子ども専用の文化ホールを整備すべきです。


第3は、雇用・中小企業対策と景気対策についてです。

安定した雇用を抜本的に増やすことは急務ですが、本市の雇用対策は国の財源を使って短期、非正規を若干増やしたばかりで、公的分野での正規職員の拡大など本市独自に安定した雇用を確保する施策は皆無でした。

地元経済の主役である中小企業・業者が苦境にある中、仕事を確保するための施策として、住宅リフォーム助成制度の創設を求める声が高まっているにもかかわらず、いまだ実施されていません。中小企業対策費は28億円程度、一般会計のわずか0.37%にすぎません。地元中小企業の仕事起こしのため、生活密着型の公共事業を拡充すべきですが、2011年度の官公需発注率は79%にとどまっています。足りない保育所や特養ホーム、児童館などの増設が求められており、とくに市営住宅は、応募倍率が最高で183倍、高齢単身者の平均で28.5倍、一般でも18.5倍と入居希望者が殺到していたのに、新設は一戸もありませんでした。この10年間で市内の商店数が4割も減っているにもかかわらず、市の商店街支援策が十分活用されているとは言えません。新規出店者への支援や個別補助の拡充が必要です。地域の商店が自治会などと協力して行われている、いわゆる「買い物難民」対策をもっと支援すべきです。

農林漁業については、予算の増額とともに、低迷する所得と経営を支援するための各種助成制度、販売促進の支援、後継者づくりの支援、鳥獣被害対策の強化などいっそうの拡充を求めるものです。


第4は、原発問題と防災についてです。

福島第一原発の事故は「収束」するどころか、その被害は拡大し、多くの被災者の方々は先の見えない苦しみのもとにおかれています。福島県の避難者は16万人にのぼり、放射能による被害は全国に広がっています。原発ゼロを求める国民世論が高まり、使用済み核燃料の処理方法がない中で、原発再稼働の条件はありません。わが党は即時原発ゼロの実現を提案し、市長に対しても脱原発宣言を行うよう要求しました。また福岡市中心部から50キロメートルにある九州電力玄海原発について、わが党は再稼働中止、老朽化した1号機と危険なプルサーマル運転の3号機の即時廃炉を国と九電に要求するよう求めてきましたが、市長は原発問題について何の動きも起こしていません。九電と締結した原子力安全協定はあまりにも不十分です。これでは市民の命を守る市長の責任を果たしているとは言えません。原発即時ゼロにむけて、本市の自然エネルギーによる発電目標を定めて推進すべきであります。

人口密集地帯にある警固断層帯で直下型の大地震が起きれば甚大な被害が予想されます。住宅の耐震化を促進する助成制度をいっそう充実させるべきです。また、水害対策はわが党の提案も受けて河川整備や地下貯水施設整備などが進められていますが、いっそうの対策強化を図るべきです。


第5は、大型開発の問題についてです。

2011年度、人工島事業の推進に前年度比17億円増の約95億円、新青果市場用地買い取りを含めて150億円もの事業費がつぎ込まれました。市工区の土地は2011年度一件も民間には売却できず、土地購入やインフラ整備など各局を動員し、税金は使わないとしていた人工島への税金投入は566億円にも達しました。土地処分の見通しが立たないなか、市長は人工島未来フォーラムの提言を受けて、土地の売却単価引き下げや賃貸方式導入、立地促進交付金の増額、新たな箱モノなど、まさになんでもありの救済策に踏み込む、5度目の事業計画見直しを行うとともに、予定通りいっても160億円から最大410億円もの赤字という収支見込みを明らかにしました。わが党が「税金投入の泥沼だ」と警告してきた通りの事態となっており、推進勢力の責任は重大であります。

その他、土地区画整理5事業に75億円、都市高速道路に約6億円、五ヶ山ダム建設関係19億円など、大型開発に莫大な事業費を費やしました。箱崎九大跡地利用の検討が進められていますが、地元の要望を無視する首都機能バックアップ誘致などは許されません。


第6は、行財政改革の問題です。

本市の借金財政の根本原因は、1994年に着工された人工島事業をはじめ、歴代市長がムダな大型開発を推進して市債を大量発行してきたからに他なりません。市当局も議会の推進勢力も「本市の発展に不可欠」「成長戦略」などと言って都市膨張路線にしがみつき、財界奉仕を推進してきましたが、この10年間、市民所得も税収も増えなかったのが現実です。それどころか、何の責任もない市民に犠牲を押し付け、福祉や教育の経費削減や負担増を進めてきたのであります。そもそも扶助費など社会保障費は、どんなに財政難であっても最優先して措置しなければならないというのが憲法25条の生存権の精神であります。また本市は、職員数も人件費もすでに政令市で最も少なく、公務職場で様々なひずみを生じさせているのが実態です。一方で、高島市長は、前任者が実施していた市長給与の1割カットを就任早々中止して満額の給与を受け取り、また、市長の海外出張も2年間で前市長の倍のペースで行って公費を費やしてきたのであります。指定管理者制度が導入された市民体育館やプールで民間企業のずさんな管理を市が見逃していた問題も発覚しました。行政責任を放棄するやり方は許されません。外郭団体について言えば、九州電力と本市が出資してつくった「株式会社福岡クリーンエナジー」は、九電の利益のために本市のごみ焼却事業を利用するものに他ならず、委託契約を始め抜本的に見直すべきです。

高島市長は行財政改革プランの策定にむけ、今回81項目に及ぶ「事務事業の効率化・スリム化と健全な財政運営に向けた主な取組み検討項目」を発表しました。これは、私学助成や文化、スポーツ団体などへの補助金のカット、市民センターなど公共施設利用料の値上げ、婦人会館や市立幼稚園の廃止、がん検診の自己負担増、博物館・美術館の指定管理者制度導入、市営渡船の減便など、市民いじめ、切り捨てのオンパレードであります。一方で、高島市長は「アジアの交流拠点都市」「稼ぐ都市」路線を掲げ、「選択と集中」などと言って、外需頼み・呼び込み型の施策ばかりに税金をつぎ込んでいますが、ムダづかいは許されません。

いま必要なのは、安心できる社会保障など暮らしを応援する施策を充実させ、安定した雇用と市民所得を増やし、消費購買力を高め、地元中小業者の仕事を増やす、まさに地域循環型の総合的経済対策であり、そうしてこそ税収を増やすこともできるのであります。


第7は、市長の政治姿勢に関わる問題についてです。

高島市長は昨年、政治資金パーティを開いて財界から資金援助を受け、大企業の儲けづくりを推進する道に突き進み始めるなど、財界奉仕へ軸足を完全に移したのであります。市長の結論先にありきの「第三者委員会」方式や議会軽視の政策決定のやり方など、市民を置き去りにした独断的な政治姿勢に批判や不信の声があがっています。こども病院人工島移転に反対する市民から再三面会の申し入れがあっているにもかかわらず、市長は声を聞くことすら拒否し続けています。また、市長が鳴り物入りで昨年度予算に盛り込んだオープントップバスの購入や市役所西側広場の改修事業をめぐって予算決定後に国の交付金の対象外となった問題や、須崎ふ頭の港湾用地の日清製粉への売却をめぐる不可解な動きなど、市政運営の不透明さもあらわになりました。149万市民の暮らしと命を預かる市長は、パフォーマンスに走るのではなく、市民の声に真正面から向き合うべきであります。


以上でわが党の反対討論を終わります。


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