2011年予算議会
2011年予算議会における代表質問
2011年3月1日 星野美恵子議員
私は、日本共産党福岡市議団を代表して、高島市長の施政方針と2011年度予算案、及びその他の諸議案について、市長並びに教育委員会に質問致します。
国民の期待を担い民主党政権が誕生して1年半が過ぎましたが、期待は幻滅と怒りに変わり、国民はいま「何のための政権交代だったのか」と閉塞感を深めています。閉塞状況を打破し希望ある新しい政治を求める国民の真剣な模索が続く中、昨年の福岡市長選では公約違反の市長に厳しい審判が下されました。
日本の政治はなぜ閉塞状況から抜け出せないのでしょうか。私は、「財界・大企業の要求やアメリカの意向を優先させる」という自民党政治の古い枠組みがいよいよ行き詰まっており、民主党政権が自民党政治の根本を変えないことに、閉塞状況の根っこがあると考えます。それでは、どうすれば抜け出せるのでしょうか。日本経済の異常な歪み、すなわち10年以上も賃金が下がり続け、労働者の3人に1人は非正規雇用、内需が冷え込みGDPが伸びない、一方で大企業の内部留保は244兆円と空前のカネあまり、という異常を正して、国民の生活と権利を守る「ルールある経済社会」をつくる改革が必要であります。またアメリカいいなりと米軍基地押しつけ、軍事力至上主義の安全保障の路線から抜け出し、戦争はしない、軍隊は持たないと決めた憲法9条を生かした平和・自主・独立・アジア尊重の新しい日本外交への転換であります。これが日本共産党の掲げる日本改革の展望であります。
地方政治をめぐる状況はどうでしょうか。民主党政権のもとで住民福祉の切り下げや地方自治の破壊、地域経済と地域社会の疲弊が加速しています。「地域主権」の名で、福祉の最低基準をなくす、公共サービスの民間まかせ、大企業奉仕の仕組みづくりと道州制が狙われています。これは自公政権時代の「地方切り捨て」を引き継ぎ、加速させるものであり、「住民の福祉と暮らしを守る」という自治体の原点を壊し、自治体が自治体でなくなるという事態をいっそう深刻にするものと言わなければなりません。
一方、福岡市民は近年ますます市政への関心を高め、声をあげ、動かす力を発揮してきました。人工島住民投票直接請求、オリンピック招致反対、こども病院人工島移転反対、国民健康保険料引き下げ要求など、市民が市政の大問題を自らの問題として真剣に考え、数万、数十万人が署名運動に協力するなど、発展を遂げています。まさに「市政の主人公は市民」であり、市長や市幹部と議会の一部勢力だけで勝手に決めて市民は黙っておけという時代は過去のものとなっているのであります。議会も、住民の苦しみ、痛みに心を寄せ、住民の声と願いがとどくような改革が求められています。行政のムダづかいや市民無視、利権や不正を厳しくチェックすると同時に、住民に情報と問題点を明らかにし、住民要求実現のために働く、議会の本来の役割を果たすべきであります。
わが党は悪政の批判者であるとともに、未来への展望をさし示す「提案する党」、市民と共同して要求実現にがんばる「行動する党」としてさらに奮闘する決意であります。
(1)
そこではじめに、政府予算案についてお尋ねします。
菅内閣の2011年度予算案は「新成長戦略」の名のもとに、財界いいなりで1兆5000億円の法人税減税、高速道路や巨大港湾など従来型の大型公共事業予算が温存され、巨額の軍事費も聖域とされています。市長は国に対して、バラマキと浪費を改め国民の暮らしと地方財政を応援する予算へ切り換えるため、雇用拡大と総合的な賃上げ政策、医療・介護・年金・福祉制度の拡充、子育て支援と教育条件の拡充、中小企業予算の倍増、沖縄の新基地建設計画の撤回と米軍への思いやり予算の廃止などを要求すべきだと思いますがご所見を伺います。また、大企業・大金持ち減税の穴埋めのために国民に負担を押し付ける消費税増税に反対すべきではありませんか。あわせて、国民の中で大問題となっている環太平洋連携協定・TPPは「例外なき関税撤廃」を原則とするもので、我が国の農林水産業を破壊し、食料自給率を急落させ、国民への食料の安定供給と日本の経済主権を失うのは必至であり、「開国」どころか亡国と売国の道に他なりません。市長として反対を表明すべきではありませんか、明確な答弁を求めます。
次に、市長の施政方針と新年度予算案についてお尋ねします。
自治体の本来の役割は住民の福祉の増進であり、国の悪政から住民を守る「防波堤」であります。本市においてはこの間、国保料が連続的に引き下げられた他、少人数学級や子どもの医療費無料化の拡充などが実現し、新年度予算案には保育所や特別養護老人ホームの増設、子宮頸がん等ワクチン公費助成が盛り込まれました。これらは市民のねばり強い運動による成果であり、わが党もその声を受け繰り返し提案してきたものであります。
一方、市民は賃金も仕事も年金も減り続け、くらしの願いがますます切実となる中、雇用対策や福祉・子育て施策の充実、保険料や公共料金の負担軽減など暮らし応援策は不十分な予算案だと言わなければなりません。中小企業対策は融資枠の拡大はあるものの、中小業者が強く求める住宅リフォーム助成制度の創設は提案されておりません。教育費は一般会計の6.9%にとどまり、少人数学級は拡充されず、教室エアコン設置もありません。暮らしを応援することは、家計をあたため消費拡大につながり、地元中小業者の仕事が増えます。「地域と市民を元気にする」というなら、こうした地域でお金が回る循環型の景気対策こそ推進すべきであります。
市長は「アジアのリーダー都市づくり」を標榜されていますが、歴代市長が「アジアの交流拠点都市づくり」などと言って大型開発優先でくらしに背を向けた行政を続けてきたことを繰り返そうというのでしょうか。現に、市長は「国際ビジネス拠点の形成」などとして本市最大のムダづかいである人工島事業の推進に156億円の予算をあてた他、福岡空港の滑走路増設、五ヶ山ダム建設、第二産学連携センター建設、青果市場統合・人工島移転、新たな展示場の整備検討など不要不急の大型公共事業を推進しようとしています。景気低迷の影響で税収が厳しく苦しい財政運営が続く中、ムダな開発で借金を増やして財政難を深刻にし、そのツケを市民負担増や民営化など公的責任放棄にまわすやり方は許されません。市民の願いにこたえながら財政再建を進めるには人工島事業など大型開発のムダづかいに思い切って切り込む必要があります。市長にかけられている期待は、市民目線で市政を変えることではないでしょうか。
したがって、わが党は、人工島事業を始めムダな大型開発の推進にかかる予算を削除し、暮らし応援で、福祉・教育の充実と地域経済活性化、財政再建を両立させる予算への組み替えを要求するものです。市長の所見を伺います。
(2)
次に、市政の最大の焦点となっているこども病院人工島移転問題について質問します。
2006年の市長選挙で大きな争点となったこの問題は、「見直し」を掲げて当選した前市長が「検証・検討」を行ったものの、人工島を適地とし、移転計画を強行してきました。我が党市議団は、この検証が「偽装」だった疑惑を議会で繰り返し質問し、現地建て替え試算の1.5倍水増し問題等を暴露、追及してきました。「公約破りは許せない」「市内のどこからでも平等に命が救われ、小児医療のバランス、ネットワークを形成している現地が最適なのは明白であり、人工島では子どもの命が守れない」と市民の怒りは大きく広がり、市民の世論は「こども病院の人工島移転反対」が圧倒的多数となり、市長と議会に寄せられた署名は30万筆を超えたのであります。そしてついに市長選挙で前市長に審判が下り、人工島移転決定過程の検証を掲げた高島市長が当選し、1月に「こども病院移転計画調査委員会」を発足させたのであります。我が党市議団は12月議会において、市民や患者ご家族、小児科開業医の代表を入れるとともに、会議の公開を提案していましたが、これに沿う形で進められており歓迎するものです。ところが第一回会議の開催にあたって、調査委員会事務局が事前にマル秘の会議シナリオを委員11人のうち7人のみに配布、説明したという不平等、不公正な取り扱いが発覚し、市民からは「デタラメだ」との怒りの声が上がったのであります。公平・公正・透明であるべき委員会の運営が市当局によって誘導され、歪められることは許されず、我が党市議団は直ちに高島市長に対し抗議し、是正の申し入れを行ったところであります。そこで市長はこの問題についての責任を明確にするとともに、今後、調査委員会の進行や調査期間等について事務局が一切誘導することのないようにすべきだと思いますが答弁を求めます。また、「再検証」については、前市長時代に市内部だけで検証し、現地建て替え試算をゼネコンに聞いたとして1.5倍に水増ししたことなど「人工島移転先にありき」の不透明な経緯を徹底的に解明して、調査委員会から提起されている疑問に積極的に答えるべきではありませんか。その上で、強行策定されてきた「新病院基本構想」については、未だ県の認可がない260床というベッド数、市の経営責任を放棄する独立行政法人化、先進事例の破綻が続いているPFI手法の導入等、問題だらけの内容であり白紙撤回すべきだと思いますが、あわせて答弁を求めます。新病院の整備場所については、現地建て替え計画を急いで進めるべきではありませんか、御所見を伺います。また、2010年度独立行政法人化されたこども病院と市民病院については、効率化が優先され職員給与の削減、非正規化、問題のある二交代制等、職員の待遇や勤務条件の悪化が進められており、医療の質や患者サービスの低下が懸念されております。さらに、市の直営から切り離されたことにより、今後の経営状況によっては職員体制や診療科の縮小、病院の存続さえ危ぶまれる事態となるのであります。従って、住民の命と健康に責任を持つ自治体病院として両病院とも市の直営に戻すべきだと思いますが答弁を求めるものであります。
(3)
次に、暮らし応援で地域を元気にする緊急対策についてです。
九州・沖縄の上場企業の業績が回復する一方で、本市の雇用者報酬はこの10年間で年平均77万円も減っております。大企業さえ呼び込めばそのおこぼれで地域が栄えるという発想はもう通用しません。市民生活と地場中小企業を応援し、地域経済を元気にする政策に転換するため、日本共産党市議団として4つの緊急対策を提案します。
緊急対策の第一として、国保料を一人1万円引き下げて、市民生活を直接応援することを提案します。
本市の国保料は政令市の中で2番目に高く、払いたくても払えず、滞納世帯は1月末現在6万1541世帯と加入世帯の27.8%、4分の1を超え、資格証明書発行世帯は1万0651世帯にも上っています。保険証が取り上げられ、病気になっても病院に行けず、命を奪われる事態が少なくありません。こうした中、国保料の引き下げを求める市民の大きな運動で、2008年、2009年度と保険料の引き下げがおこなわれました。しかし、それでも本市の国保料の高さは、菅首相も鳩山前首相も「そうとう高い」と認めざるを得ないほど異常であります。約29万に及ぶ市民の引き下げを求める署名運動が広がる中、高島市長は昨年の選挙で国保料の引き下げを公約し、その具体化として2011年度、一般会計繰入金を8億8000万円特別に追加し、一人あたり保険料を2000円引き下げる提案をされました。市の試算によると、年所得233万円の3人世帯で年額9100円の引き下げになります。しかしそれでも保険料は43万1400円となり、所得の2割を超える重い負担であります。また本市では滞納世帯に対して、年金や学資保険、わずか68円しかない預貯金などを容赦なく差押えする過酷な実態が増えています。そこで提案ですが、一般会計からの繰り入れをさらに30億円増やし、国保料を一人1万円引き下げるべきではありませんか、答弁を求めます。また特別な事情を把握せず、機械的に資格証明書を発行するやり方はやめるとともに、差押えなど過酷な取り立てをやめるべきだと思いますが、お尋ねします。
緊急対策の第二として、保育所や特養ホームなど生活密着型の公共事業への転換を提案します。
高島市長は新年度予算案で保育所整備費にかつてない20億円をつけ1100人の定員増、特別養護老人ホームは建設費助成を402人分へ1.5倍加しました。しかし、保育所の潜在的待機児数は厚労省の調査でも公式待機児数の18倍以上いるとされており、不況の中、保育所に子どもを預けて働きたい人の数はいっそう増えると見なければなりません。また、特養ホームの待機者数は7517人にものぼり、今後も入所希望は増える一方で、今回の増員程度ではまったく解消しません。待機者解消を見込める規模で、保育所と特養ホームを抜本的に新設・増設すべきではありませんか。また、大阪市のように整備促進へ市有地を無償貸与すべきではありませんか、あわせて答弁を求めます。
地元の中小企業に発注する生活密着型の公共事業は、雇用の効果が高く、そのお金はくり返し地域を循環します。東京などの大手企業に投資分の大半が吸い上げられるだけの、人工島事業など大型開発中心の公共事業のあり方を改め、特養ホーム・保育所・市営住宅の建設、教室の冷暖房設置など生活密着型の公共事業へと本格的に転換すべきと考えますが、ご所見をお伺いします。
緊急対策の第三として、民間需要の喚起のため「住宅リフォーム助成制度」の創設を提案します。
景気回復のための経済対策には公共事業だけでなく、民間需要の拡大が不可欠です。住宅リフォーム助成制度は、住宅の寿命をのばすなど環境対策として効果が見込めるとともに、秋田県では予算額の25倍を超える経済波及効果を生んでいます。全国180以上の自治体、相模原市など政令市にも広がり、大きな流れになっています。他方、本市で創設された住宅省エネ改修助成制度は、工事対象に非常に狭い限定をつけているために、これまでの実績を見ると予算の4割ほどの 4000万円しか申請がありません。本市でも、対象工事に条件をつけない住宅リフォーム助成制度を早急に創設すべきと思いますが、答弁を求めます。
緊急対策の第四として、人間らしく働ける雇用を広げることを提案します。
大企業が派遣やパートなど不安定な雇用を広げ、新卒採用をしぼりこみ、さらに賃金をおさえつけることによって、家計消費と内需は冷え込んでいます。そこで、一つめに労働者派遣法の抜本改正、二つめに最低賃金の大幅引き上げ、三つ目に大企業と中小・零細企業との公正な取引のルールを強め、労働者の賃金格差をなくすこと、四つ目に無法なリストラ・解雇を規制するルールの強化など、総合的な賃上げ・所得安定の政策を「ワンパッケージ」で実行に移すよう国に対して迫るべきと考えますが、答弁を求めます。
本市の「緊急雇用創出事業」は短期間かつ低賃金の非正規雇用が大半です。少人数学級の拡大、生活保護や児童虐待へのきめ細かな対応など、公的な雇用を拡大すべきではありませんか、お尋ねいたします。
国や自治体の仕事を受注する企業に、人間らしく働ける賃金と労働条件を義務づけることが必要です。全国でも川崎市などで公契約条例がつくられ、本市議会では公契約に関する基本法を求める意見書が採択されました。市として公契約条例を制定すべきではありませんか、答弁を求めます。
多くの学生が卒業と同時に失業者になるという現状は放置できない大問題です。福岡県では就職が決まっていない高卒者を臨時職員として採用しながら民間への就職を支援していますが、本市としても地元中小企業の紹介とあわせ、大卒者に対象を広げた同様の支援をすべきではありませんか、市長のご所見をお伺いします。
(4)
次に、医療、介護、生活保護、障害者福祉など社会保障の改善について質問します。
質問の第1は、後期高齢者医療制度の問題です。
後期高齢者医療制度が導入されて3年、本市においても受診抑制や保険料滞納件数が増えるなどの問題が起きています。民主党政権は、公約に反し未だ同制度を廃止せず、 75歳以上の大多数を今後都道府県単位に広域化するとしている国保に入れ、70〜74歳の患者窓口負担の2倍化、75歳以上の保険料軽減措置の段階的縮小など国の負担を減らし、さらなる負担増を高齢者に押し付け、一層「差別」を拡大する「新制度」への改悪を検討しております。高齢者をこれ以上苦しめることは許されません。したがって、後期高齢者医療制度は直ちに廃止して元の老人保健制度に戻すよう、政府に強く要求すべきではありませんか。答弁を求めます。併せて、75歳以上の医療費は無料にすることを国に求めるとともに、当面、本市独自に軽減策を実施すべきではないかと思いますが、市長の所見を伺います。
質問の第2は、介護保険制度の改善並びに高齢者対策についてです。
介護保険制度が始まって10年経ちましたが、高い保険料や重い利用料負担、介護認定の軽度化などで、必要な介護が受けられない事態が広がっております。このような中、厚労省は、さらなる保険料・利用料の大幅引き上げとサービス削減を進めようとしています。本市議会においては、昨年の12月議会で、これ以上の制度改悪に反対する意見書が成立するなど、市民の負担軽減と制度充実のための願いは切実であります。したがって、市長は制度改悪を中止し、国庫負担の割合を増やすよう要求するとともに、保険料の引き下げと本市独自の低所得者むけ減免制度の拡充や利用料の助成制度を創設すべきではありませんか、答弁を求めます。併せて、要介護認定や利用限度額の廃止及び介護労働者の報酬や労働条件の改善を求めるべきだと思いますが、所見のほどを伺います。
また、生き甲斐のもてる安心した高齢者対策が求められており、市の責任でシルバー人材センターの仕事づくりや就労の機会を大幅に増やすべきだと思いますが、答弁を求めます。
質問の第3は、障害者対策についてです。
昨年12月強行成立した障害者自立支援法の改定、いわゆる「つなぎ法」は、国が「人間としての尊厳を深く傷つけた」とする自立支援法訴訟弁護団との「基本合意」を踏みにじり、「応益負担」を温存するものとなっています。したがって、市長は、応益負担と施設報酬の日割方式をやめるとともに、障害者が真に人間らしく暮らせる総合的な保障制度を確立するよう国に要求すべきではありませんか。所見を伺います。
また、自立支援法が廃止されるまでの間、本市独自の負担軽減制度を継続拡充するとともに、重度心身障害者医療費助成制度の所得制限をやめ、貴重な越年支援給付となっている重度心身障害者福祉手当は存続、拡充すべきだと思いますが、答弁を求めます。
質問の第4は、生活保護についてです。
長引く経済悪化の下、失業者数の増大など貧困と格差がいっそう強まるなか、本市の生活保護世帯は昨年12月で2万8070世帯となり前年比14.7%増という深刻な事態となっています。市長は、政府に対し、生活保護費を全額国庫負担にするよう要求するとともに、保護基準を抜本的に引き上げ、福岡高裁で「廃止は違法」との判決が下った老齢加算を復活するよう求めるべきと思いますがご所見をお伺いいたします。また、市独自に夏期・年末の「福祉手当」を創設すべきではありませんか、お尋ねをします。併せて、生活保護申請が急速に増大するなか、本市のケースワーカーの配置は「118対1」と不足し、現場に多大な困難をもたらしています。今回102人増員されるとのことですが、そのうち正規職員はわずかで半数以上が今回条例改正まで行って本市が初めて導入する「任期付短時間勤務職員」であります。ケースワーカーという専門的、恒常的な職務を不安定雇用で補おうとするやり方は認められません。不足するケースワーカーは正規職員として大幅に増員して、ホームレス対策を含め、迅速かつ親身な対応ができるようにすべきだと思いますが、答弁を求めるものであります。
質問の第5は、公共料金の福祉減免の創設についてです。
給与や年金の減少に加えて、社会保障費の負担などで高齢者やひとり親家庭の貧困率が高くなっています。わが党市議団の市民アンケートでは公共料金の減免を求める声が多数寄せられています。そこで市長は、他都市ですでに広く実施されているように、高齢者や障害者、ひとり親家庭の負担軽減を図るため、水道・下水道・ごみなど公共料金の福祉減免を行うべきではありませんか。答弁を求めます。
(5)
次に、子どもの健やかな成長と子育て支援、教育、文化の問題についてお尋ねします。
質問の第一は保育行政についてです。
一点目は公立保育所の民営化についてです。保護者や地域住民、関係者の不安や反対の声を無視し、公約に違反して、公立保育所の民営化を強行した前市長は、厳しい審判を受けました。しかしながら、新年度、壱岐保育所、大井保育所、城の原保育所の3ヵ所が新たに民営化され、本市から公立保育所がなくなろうとしています。そこで、市長は公立保育所の民営化を直ちに中止するとともに、公立保育所の充実によって本市における保育水準の向上に公的責任を果たすべきではありませんか。答弁を求めます。
二点目は保育料についてです。本市の市民税所得割非課税世帯の保育料は政令市で最も高く、課税世帯でも収入の7〜9%を占めるなど、保育料は限界を超え、大きな負担になっています。市費の繰り入れを増やし、保育料を引き下げるべきだと思いますが、答弁を求めます。
三点目は民主党政権が導入を狙う「子ども・子育て新システム」についてです。この「新システム」は現行の保育制度の解体という重大な問題があり、本市の保育協会や保護者からも大きな反対の声があがっています。この制度が導入されれば、保護者は保育所と直接契約することとなり、保育所に入れない子どもがいても、国と自治体は公的責任を負わないというものです。市長は公約通り、この新システムを撤回するよう国に要求すべきではありませんか。また、国に対し保育所の施設設備基準など児童福祉施設最低基準を改善するよう求めるべきではありませんか。あわせて答弁を求めます。
質問の第2は子どもの医療費についてです。本市がおこなった小学生を持つ保護者へのアンケートでは充実すべき子育て支援策のトップはこどもの医療費助成であります。子育て世帯の負担を減らすため、通院・入院の医療費はともに中学生まで無料にすべきではありませんか。また乳幼児の医療費無料制度を国の制度としておこなうよう要求すべきと思いますが、ご所見をお伺いいたします。
質問の第3は留守家庭子ども会についてです。児童数70名を超える留守家庭子ども会は81箇所もあり、大規模化が放置されています。予算を増やし、施設と指導員体制を大幅に拡充して、子どもの生活の場として適正規模へと改善を図るべきだと思いますが、ご所見をお伺いします。また労働強化となっている指導員の待遇の改善をおこなうべきではありませんか。併せて、保護者の負担となっている利用料は無料にもどすべきだと思いますが答弁を求めます。
質問の第4は児童館についてです。子どもたちが放課後や休日に安心してすごせる児童館の重要性がますます高まっているなかで、本市では中央児童会館一つしかないという異常な状況であります。「子どもプラザ」や「公民館」などでは児童館の代わりになっていません。専門職員のいる児童館を小学校区を基本に、まずは各区に建設すべきではありませんか。答弁を求めます。
質問の第5は児童虐待問題についてです。貧困の広がり、子育ての社会的孤立化が進む中、児童の虐待死が増加の一途をたどっており、本市においても2009年度こども総合相談センターに寄せられた児童虐待の相談件数は495 件、虐待死は5件6人となり、全国でもトップになるなど大変深刻な事態です。新年度の職員配置では、子ども総合相談センターに4人、各区役所に6人が増員されるとのことですが、必要数から見ると極めて不十分です。児童福祉司や児童心理司の増員をはじめ経験を積んだ職員を大幅に増やすべきではありませんか。また相談活動に対応できる児童相談所の増設を行うべきだと思いますが、ご所見をお伺いいたします。
質問の第6は教育行政についてであります。
民主党政権が発足した後も、家庭の貧富の差による教育格差は是正されず、教育を受ける権利が十分保障されない事態となっております。学校現場では施設整備の遅れから安心・安全が脅かされている事態となっております。憲法と「子どもの権利条約」の立場に立ち、全ての子どもの「人格の完成」を目指す教育の実現と学校環境の改善が求められております。
そこで、1点目は教育予算増と施設整備についてであります。本市においてはこの間、学校施設の点検・改善予算の縮減が続けられ、小・中学校の窓サッシが相次いで落下するなど、こどもの命と安全さえも脅かされてきました。にもかかわらず、新年度の教育予算は一般会計の 6.9%と依然政令市中最低水準であり、極めて不十分であります。築25年以上の大規模改造、施設・設備の点検、改善を急ぐとともに、過大規模校の解消、教職員体制の充実をはかるために教育予算を抜本的に増額すべきではありませんか、市長の御所見を伺います。また、教室の温度を不適正なまま放置し続けることは許されず、エアコンを設置すべきだと思いますが、お尋ね致します。あわせて、市民に知らせないまま進めようとしている給食センターの再整備構想は現在の4か所を3か所に集約、大規模化させ、PFI手法を導入する等、大問題であり、白紙に戻し中学校も自校方式に転換すべきだと思いますが答弁を求めます。
2点目は教育を受ける権利の保障についてであります。経済・雇用情勢の引き続く悪化により、経済的理由で給食費の支払いや就学が困難となる子どもが生み出されています。従って、就学援助は国の指示通り、クラブ活動費や PTA会費を項目に加え、適用基準を大幅に広げて、メガネ購入費等、項目を拡充するとともに国に対して制度の充実を求めるべきではありませんか、お尋ねいたします。また、本市の教育振興会奨学金は必要な家庭が受けられるよう定員を増やし、国に対し公立、私立ともに実質無償化を求めるべきだと思いますがお尋ね致します。特別支援教育については、教職員の大幅な増員を求めるとともに、必要な学校すべての特別支援学級の設置、特別支援学校の大規模化の解消、支援員、介助員の増員・正規化を行うべきだと思いますが御所見をお伺いします。
3点目は義務教育の指導内容と体制についてであります。今日、日本の教育は過度の「競争」や非人間的な「管理」が子どもの成長を歪めており、国際機関からも是正を勧告されております。本市の「新しい福岡の教育計画」は憲法および子どもの権利条約に基づき、一人一人の子どもの学びを保障し、人格の完成をはかるものへと抜本的に見直すとともに、学校間の競争を激化させ、子どもと教職員の困難を増大させている一斉学力テストへの全校参加は、やめるべきではありませんか。答弁を求めます。
教育現場では多忙化が進み、教職員の健康破壊も深刻となり、休職、中途退職者も後を絶ちません。教職員の超過勤務、持ち帰り仕事の削減をはかる抜本的な措置を講じるとともに、学校カウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の専門職員も大幅に正規で増員し、児童・生徒の「荒れ」等、課題が多い学校に対しては教員の緊急加配ができるよう手立てをとるべきではありませんか、答弁を求めます。
4点目は少人数学級の拡充についてであります。市民の世論と運動を受け、本市においては小学校4年生までと中学校1年生の一部が35人学級となり、全学年実施が急がれております。ところが、新年度、国の新たな加配が見込まれるにもかかわらず、実施学年の拡充は計画されておらず、これは市民の期待を裏切るものであります。市長は国からの加配活用と当面常勤講師の採用で全学年を35人学級にすべきではありませんか。また、国と県に対して早急な30人学級実施を求めるべきだと思いますがお尋ねいたします。
質問の第7は文化・スポーツ行政についてであります。
文化・スポーツ施設が不足しており、既存施設だけでは希望する市民が利用できない状況となっております。青年をはじめ市民が安価で文化・芸術・スポーツやサークル活動等に利用できる施設を身近なところにつくる必要があると思いますが、市長の所見を伺います。早良区の地域交流センターは地下鉄沿線に用地を確保し、子どもの居場所、文化の拠点として早急に整備すべきではありませんか、答弁を求めます。
(6)
次に、中小企業対策と産業振興についてです。
質問の第一は中小企業対策についてであります。
本市の全企業の99%を占め、雇用の7割を担う中小企業・自営業者が“がけっぷち”においやられているいま、その経営の存続と安定をはかることは市政の緊急の課題であります。2011年度、本市の中小企業予算は28億4700万円であり、1事業所あたり約4万円にすぎません。市長は中小企業予算を大幅に増額すべきと思いますがご所見をお伺いします。
下請代金の未払いや大手ゼネコンによる低単価発注などをやめさせるためのルールが守られておらず、実態を把握し対策を講じるべきと思いますがお尋ね致します。また、中小零細建設業は仕事がなくてあえいでいます。競争入札資格のない未登録業者にも自治体の小規模な建設工事や修繕工事などを受注することができる小規模工事登録制度を創設すべきと思いますがご所見をお伺いいたします。
貸し渋り、貸しはがしが生じないよう金融機関への働きかけ、本市制度融資の保証料のいっそうの軽減、返済猶予や利子補給の実施など制度融資の充実を図るべきだと思いますが、市長の答弁を求めるものです。
第二は農林水産業の振興についてです。
「食料自給率をあげてほしい」「安心・安全な食品を」「後継者が育つように」など農林水産業への期待は大きなものがあります。本市農業を守るために、本市において生産量が多い花卉、野菜の価格安定対策や助成制度を改善・拡充することを国に要望すべきと思いますがご所見をお伺いいたします。農家の後継者とともに、近年、増えつつある非農家や他産業からの農業への新規参入者の定着に力をいれ支援体制を整えるべきと思いますがご所見をお伺いいたします。また、漁業・林業の振興に努めるとともに後継者対策に取り組むべきと思いますがご所見をお伺いします。「青果市場が人工島に移転すれば、商売をやめざるをえない」など、青果関係者から多くの不満がいまだ噴出し続けています。青果市場の人工島への移転はやめるべきと思いますがご所見をお伺いします。
(7)
つぎに、人工島事業など大型開発のムダづかいについてです。
人工島事業は、これまで3000億円の事業費を投入し、公共事業による税金投入も453億円に及んでいますが、当局の見込み通りに土地は売れず事業計画の度重なる変更を余儀なくされるなど混迷を深め、市民から批判が挙がっています。市長は、前市長と同じく人工島事業推進の立場を取り、新年度、約156億円の予算を付けました。しかし、今年度売却予定であった「みなとづくりエリア」の土地5.1ヘクタールは売れ残り、売却は来年度へ先延ばしとなりました。一昨年12月に発表した「新事業計画」は、「みなとづくりエリア」の市 1〜4工区での土地処分では2027年度までに約1020億円を、また「まちづくりエリア」の市5工区についても659億円の分譲収入を見込んでいましたが、初年度から計画通りにいかないという事態に陥りました。また、土地の処分価格でも計画では「みなとづくりエリア」の平米単価を13万円としていたにもかかわらず、新市場予定用地として10万9千円で売却するなど、収支計画通りにいっていません。収支計画の赤字転落は明白であり、港湾特別会計や基金も破綻して、救済のために更なる税金投入の泥沼につきすすむのは避けられず、新事業計画はすでに破たんしていると言わざるを得ないのであります。従って、新事業計画は撤回し、人工島事業は凍結し抜本的な見直しを行うべきだと思いますが、所見をお伺いします。
高島市長は、「土地利用や売却について、誘致を促進する新たな手法を検討します」などと述べていますが、先の2月議会の委員会審議で港湾局長は「現時点では新しい手法とは言っても目新しいものはない」と答弁しました。まったく無責任な態度であります。市は人工島の土地を買った企業に対して最高10億円の交付金を出すという制度まで作っていますが、それでも売れません。手法の問題ではなく需要がないということであります。出来た土地さえ売ることができないにもかかわらず、4工区はこれから512億円をかけてヤフードーム11個分の埋め立てをおこなおうとしていますが、新たな埋め立てを継続するのはムダづかい以外の何物でもありません。これ以上の埋め立ては即刻やめるべきではありませんか。同時に人工島の売れない土地処分のために「投資額の10%、限度額10億円」を大企業に投げ渡す企業立地促進交付金制度はやめるべきと思いますがご所見をお伺いします。
国がおこなった「国際コンテナ戦略港湾」の選考に、博多港を含む北部九州港湾は最下位、大差で落選しています。今以上の港湾施設は必要ないというのが冷厳な実態です。したがって、新たなバースを整備する必要性はなく、D岸壁整備計画はやめるべきと思いますがご所見をお伺いします。
第2は、ダム建設についてであります。
本市の水供給施設能力は、すでに一日最大供給水量の1.5倍にものぼり、これ以上の水源開発は明らかに必要ありません。それにもかかわらず総事業費1,050億円かけて福岡県が進めている五ヶ山ダム建設は、本市に368億円もの負担を強いるものであり、治水にも効果はなく、建設計画を中止するよう県と国に要求するとともに、本市の水需給計画を抜本的に見直すべきだと思いますがご所見を伺います。
第3は、空港問題についてであります。
福岡空港の旅客数は 2000年頃をピークに横ばいとなり、近年は徐々に減少しており、国・県・市の検討委員会が出した需要予測の6割に過ぎず、さらに今後は、少子高齢化、 ITの普及、そして九州新幹線開通などで需要がいっそう減るのは明白です。空港問題は、既存ストックの有効活用や、近隣空港との連携等で解決し、不必要な滑走路増設のために1800億円もの公金をつぎ込むことはやめるよう国や県に要求するとともに、本市としてこの計画から撤退すべきだと思いますが答弁を求めます。
第4は、都心部の再開発推進の問題についてです。
ウォーターフロントエリアを取り込んでの「国際競争力を備えた都心のまちづくり誘導策」とは、天神通線等の幹線道路整備などを口実に、更新期を迎えた天神の民間建築物の建替え等に公金を投入する仕組みづくりに他なりません。大企業の利益と、銀行やゼネコンのもうけづくりのために莫大な公費の投入につながる誘導・支援策づくりはやめるべきだと思いますが、ご所見を伺います。
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次に、生活・安全・環境を優先する都市づくりについてです。
第1は、公営住宅の問題についてです。
不景気と深刻な雇用状況、さらに低所得で身寄りのない高齢者の増加等々市営住宅を切望する市民が増えています。ところが市は2005年度以降新規建設は行わず、さらに入所対象枠の削減を行うなど冷たい住宅行政を続け、いまや高齢単身者の応募倍率は48倍にものぼる深刻な状況であり、早急に市営住宅を大幅に新設すべきだと思いますが答弁を求めます。また弥永団地の建替えにあたっては、住民の意向を反映し、従前の戸数以上の住宅建設や特別養護老人ホーム等の設置を行うべきだと思いますがご所見を伺います。あわせて、UR住宅の用途廃止計画や、雇用促進住宅の全廃方針は、本市の住宅政策にとっても深刻な事態を引き起こすものであり、国に対し計画をやめるよう求めるべきだと思いますがご所見を伺います。
第2は、九大移転跡地等、公共用地の活用についてです。
六本松九大跡地の活用について、10年余にわたる市民意見の集約等々の地元の努力を無視することは許されません。九大が無人となり、打撃をうけた近隣商店等の活性化と街の再生のためにも、地域あげて切望されている緑と少年科学文化会館の設置を早急に具体化すべきだと思いますがご所見を伺います。また箱崎キャンパス跡地利用については、四校区協議会提案などの住民要望を反映させ、一体的活用を基本に市が責任を持った利用計画をつくることが必要だと思いますが、あわせて答弁を求めます。千早駅前公共施設については、地域住民が切望している「総合文化・コミュニティ施設」の他、児童館、特別養護老人ホームなどを設置し、早急に整備すべきだと思いますがご所見を伺います。
第3は、住環境を守る問題についてです。
共同住宅も空家も全国一高い比率の本市で、いまだにマンション建築紛争は後を絶ちません。住環境を守るために開発規制を強化する用途地域の見直しを行うとともに、用途地域変更の住民提案、建築協定、地区計画の周知と積極的適用に努め、また工事協定もないままの一方的な建築確認申請や工事強行を防ぐため、「建築紛争の予防と調整に関する条例」に関係住民の同意や、建築主に対する罰則規定などを盛り込み、遵守を強く指導すべきだと思いますがご所見を伺います。さらに人体への無害性が確立されていない携帯電話等の無線基地局を設置する際は、教育・医療福祉施設から一定距離離すとの指針を制定するとともに、事前に近隣住民に通知し、了承を得るよう通信・電話会社と設置契約者に指導すべきだと思いますがご所見を伺います。あわせて、緑地保全については保全林地区指定を促進するとともに、予算を大幅に増額し、都市緑地の保全・買取を積極的に推進すべきだと思いますが答弁を求めます。
第4は、公共交通を守る問題についてです。
西鉄等の交通事業者に対しこれ以上の路線の休廃止を行わないよう強く要求するとともに、市民生活を守るため福岡外環状線のバス運行や公共交通空白地域でのコミュニティバスなどの代替交通について、市が積極的に取り組むべきだと思いますがご所見を伺います。またJR下山門駅、西鉄三苫駅へのエレベーター設置を急ぐとともに、JR筑肥線や西鉄天神大牟田線の可動式ホーム柵の設置を要請すべきだと思いますが、あわせて答弁を求めます。
第5は、水害および地震対策の強化についてです。
本市の共同住宅耐震改修助成費の活用は、2年続けて0件とまったく制度がいかされておらず補助額の引き上げ等の拡充や、広報の強化をはかるとともに、耐震ドアやベッド、窓や屋根の補強等を含め助成要件を緩和し、予算の活用を促進すべきだと思いますが、所見をお伺いします。市有建築物の耐震化については計画を前倒しして、早急に取り組むべきだと思いますが答弁を求めます。また市街地を流れる那珂川・樋井川・周船寺川・宇美川などの水害対策は喫緊の課題であり河床掘削、護岸整備などの事業期間を短縮し早期に完了するよう県・国に強く要求するとともに、上流域では公的施設を活用した地下貯留施設やバイパス雨水管等の整備を早期に具体化すべきだと思いますが答弁を求めます。天神周辺地区の浸水対策についての進捗率は2010年度末見込みでいまだ14%にすぎず、事業計画を短縮するとともに、公共施設を活用した貯留池の導入など抜本的見直しを行うとともに、中央区の下水道分流化事業についても年次計画を立て早期に推進すべきだと思いますが、ご所見を伺います。
第6は、地球温暖化対策及び、環境、ごみ行政についてです。
本市における二酸化炭素の排出量は業務部門が最も高く、事業者の自主性まかせでは「削減目標」の達成は難しく温室効果ガスの削減方策の設定や指導を強化するとともに、エネルギー対策は温暖化抑制の要であり、太陽光発電など自然エネルギー利用の促進と補助制度の拡充を行うべきだと思いますが、所見をお伺いします。
また、ごみの発生抑制と再資源化・リサイクルは、重要な課題であり、分別収集については、事業系の可燃性ごみを含め、現在の四分別、九区分を他都市並みに拡大、充実すべきだと思いますが、所見をお伺いします。
(9)
次に、民主的で公正、清潔な行政運営と平和問題についてです。
質問の第1は、汚職・腐敗の一掃、入札改革についてです。
本市行政をめぐっては、人工島をめぐるケヤキ・庭石事件をはじめ政官業の構造的癒着が横行してきました。市長は、企業・団体献金の全面禁止及び、本市発注公共事業の受注企業や下請け企業への政治資金パーティー券の販売禁止をすべきだと思いますが、所見を伺います。また、一般競争入札の運用にあたっては、談合防止や、地元中小企業・業者の仕事確保の観点から逆ランク制を採用するなどその拡充を図るべきだと思いますが、所見を伺います。
質問の第2は、同和問題についてです。
福岡市は全国の流れに反し、同和対策を特別扱いし事業の継続をしていますが、一般対策も含め「同和」を要件とする特別な施策は直ちに止めること、また部落解放同盟福岡市協議会への補助金2530万円は廃止すべきだと思いますが所見をお伺いします。
第3は、市民参加と住民自治の確立についてです。
市民のくらしに身近な市政への関心が大きく広がるなか、地方自治への市民参加の重要性が高まっています。政策決定に市民が直接参画できる仕組みを作るとともに、各種審議会等への市民公募枠の新設や拡大を図り、また「住民投票条例」を新設すべきだと思いますが所見をお伺いします。あわせて、自治協議会との「共働」と称して、補助金をテコに行政の下請け仕事を押し付けたり、コミュニティー推進の名で自治組織に不当に介入したりすることはやめるべきだと思いますが、ご所見を伺います。また、公民館運営・事業費の削減は社会教育施設としての役割と各種団体の活動を脅かすものであり、充実を図るべきだと思いますが所見をお伺い致します。
第4は、男女平等の推進についてです。
今日、労働環境悪化に伴う女性の健康・母性破壊は深刻であり、仕事と家庭・子育てとの両立は困難が増しています。また、職場におけるセクハラ被害やDV被害相談も増加の一途をたどっています。従って、市長は、罰則などの強制力をもった「セクシャル・ハラスメント防止条例」をつくるとともに、男女共同参画推進の拠点施設である女性センターを新たに整備するなど、女性の権利向上に積極的に取り組むべきだと思いますが、答弁を求めます。
第5は、行政改革と市職員削減問題についてです。
市長は「効率的な市役所」などと言って、民間委託や指定管理者制度の活用など行革を推進しようとしていますが、この間、指定管理者制度をめぐって不公正な選定の問題や利用者への不利益、労働条件の劣悪化などの問題が生じており、公共施設の指定管理者への民間営利企業の参入をやめるとともに、行政サービスを儲け道具へと変質させる民営化、民間委託の拡大、PFI手法の導入はやめるべきだと思いますが、お尋ね致します。また、新年度市職員の削減が打ち出されていますが、今でも政令市一少ない職員をこれ以上減らすことは、職場環境を悪化させ、職員の体と心の健康を阻害するだけでなく、ひいては市民サービスの低下を招くものに他なりません。臨時や嘱託、派遣など非正規雇用におきかえるやり方は「官製ワーキングプア」を作り出すものであり言語道断です。したがって、必要な部署での増員、超勤手当の未払い解消とサービス残業の根絶など、職員の労働条件の改善を図るべきではありませんか。市長の答弁を求めます。
第6は、平和行政に関してであります。
板付米軍基地施設倉庫の一部解体に伴い、基地撤去を求める機運が高まっております。市長は、米軍基地の即時全面返還を強く要求し、福岡空港の軍事利用をやめさせるべきではありませんか、お尋ねします。また、博多港には、核搭載の疑いのある米軍艦船の入港が相次ぎ、市民の安全が脅かされております。港湾管理責任者である市長は権限と責任を明確にし、博多港への米軍艦等の入港をいかなる名目であれ拒否するべきだと思いますが所見を伺います。
また、非核自治体宣言を行い、「福岡市非核平和条例」を制定すべきだと思いますが所見をお伺いします。
以上、私は市民の切実な要求である暮らし、福祉、経済対策と雇用、教育、子育てなどの問題についてただしてまいりました。市長並びに教育長の誠意あるかつ明確な答弁を求めるものであります。長時間のご静聴に感謝し、日本共産党市議団の代表質問を終わります。