2011年9月議会
9月議会を終えて
2011年9月16日 日本共産党福岡市議団
福岡市の9月議会が16日閉会しました。日本共産党は市民の願いに背く高島市政を追及し、また市民要求の実現に全力をあげて奮闘しました。
玄海原発問題で消極的な姿勢しめす高島市長をただす
東日本大震災から半年が過ぎました。福島原発事故の被害が広がるなか、危険な玄海原発の再稼働反対、廃炉を求める世論がますます広がっています。星野美恵子市議は一般質問で、玄海原発の2・3号機の再稼働中止、老朽化の激しい1号機の廃炉を求めました。市長は九電の「やらせメール事件」について「言語道断」「あってはならない」と答弁したものの、原発再稼働については自ら行動することもなく、「国の責任」と繰り返しました。この期に及んで「玄海原発で過酷事故は起きない」という安全神話に浸りきり、市民の命と安全を守る責任を放棄するような市長の姿勢は重大です。また、九電関係者からの政治献金について市長は否定しました。
学校給食の放射性物質検査の実施・公表を約束させる
福岡市の小学校21校の給食に放射性物質に汚染された疑いのある牛肉が使われたことが発覚し、市民・保護者から怒りと不安の声があがっています。子育て世代から請願も提出されました。星野市議は市長と教育委員会に対して、食材の地産地消の徹底、放射能汚染の検査と公表を要求しました。市教委は質問通告を受けて、学校給食に放射能汚染の食材が使われないようにする一定の改善を発表しました。一歩前進ですがさらに給食の安全確保のためにがんばります。あわせて、放射能汚染の廃棄物の福岡市への受け入れは市民の納得が得られず拒否するよう要求しました。また党市議団は、国に対して、放射能汚染から子どもと国民の健康を守る対策の強化を求める意見書を提案し、全会一致で可決されました。
市は住宅用太陽光発電システム補助金の枠を500件分拡充しました。綿貫英彦市議は議案質疑で1件あたりの補助額を今の10万円から増やすよう求めました。また、福岡県に対して同様の補助金制度の創設を求める意見書(共産党提案)が全会一致で可決されました。
こども病院人工島移転問題――反対署名2万提出
市長による移転決定後、新たな署名活動に取り組んできた「こども病院の人工島移転に反対する連絡会」が1万9,505筆の署名を提出しました。こども病院に関する署名は累計で36万8千筆を超えました。さらに追加提出にむけて日本共産党もがんばります。
新病院建設のPFI業者が決定されたことを受け、宮本秀国市議は、2回続けて九電工・松本組グループの1者入札だったことを指摘し「競争入札とは言えず、始めから決まっていたのではないか」と談合の疑いを追及しました。市側は否定しましたが、このまま進めることは許されません。
人工島事業の新たな破たん救済の動き
また人工島事業については、市長が財界主導のフォーラムを立ち上げて、大型コンベンション建設や土地の賃借方式導入、企業立地促進交付金の拡大など新たな破たん救済策を打ち上げようとしています。果てしない税金投入に突き進む市長の責任は重大です。党市議団は人工島事業にかかわって、推進経費を含む、また過去の借金に関わる補正予算案に反対しました。一方、一部与党議員から埋立て途中の4工区について凍結せよとの議会発言があるなど、人工島のゆきづまりの深刻さが浮き彫りになりました。ところが、日本共産党以外のすべての会派、議員が補正予算案に賛成しました。
市民の切実な願いを市政へ届けてがんばりました
日本共産党は深刻な待機児の解消を求めてきましたが、市は今回、保育所整備の予算を追加して定員増をはかります。つめこみ方式ではなく必要な地域に新設することを要求しました。また、保育料の滞納が増えていることが明らかになりましたが、他都市と比べて高い福岡市の中低所得層の保育料を引き下げるべきです。
市教委は中学校給食をつくる給食センターを現在の4カ所から3カ所に減らし、1カ所あたり1万3千食の超マンモス化の統廃合計画を進めています。また給食公社の「経営改善」と称して、大量の人員削減や給与引き下げ、非正規化が進められようとしています。学校給食の安全と食育推進のため見直しを要求しました。
また地域要求として、生活交通を確保するためコミュニティバスの運行や、樋井川の水害対策の強化を要求しました。
10月は決算議会が開かれます。市民の要求実現へさらに奮闘する決意です。