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議会報告

2011年12月議会

議案に対する反対討論

2011年12月21日 宮本秀国議員

私は、日本共産党市議団を代表して、本議会に提案されている諸議案のうち、議案第174号~176号、178号~180号、182号、184号~187号、201号、208号~212号、215号~221号、224号、225号、227号~229号、233号~235号に反対し、討論を行います。


まず、議案第179号、職員給与条例改正案及び、議案第185号、学校職員給与条例改正案についてです。

今回給与改定は、今年10月の人事委員会勧告に基づき、職員の給料表を引き下げることなどにより、0.06%の引き下げを行うものです。これによって、現行より年4,000円の減額となります。

本市職員の給与については、1999年以来この13年間賃上げは一度もなく、毎年のように引き下げられており、その影響は通算すれば年額86万7,000円、教職員では本俸だけでも85万円にもなるのであります。職員からは「生活設計が成り立たなくなる」「給料を下げられるような働き方はしていない」という声があがっています。今、貧困の広がりや国の各種制度変更などによって業務量が増え多忙を極める中、たとえ賃下げが続いても職員のみなさんは公務員としての誇りを持って日々奮闘しています。また東日本大震災という国難のなかで、住民奉仕という公務員の使命が改めて見直されています。賃金を始め公務員の身分をしっかり保障してこそ、心身ともに健康を維持しながら「全体の奉仕者」としての職務に専念することができるのであります。給与引き下げはこれに真っ向から反するものと言わなければなりません。もともと人事委員会制度は公務員がストライキ権など労働基本権を制約されていることの代償措置として設けられたものであり、給与引き下げを勧告すること自体、その役割を放棄しているのであります。市長が間違った勧告に従わなければならない道理はありません。

また、職員給与の引き下げは嘱託職員や臨時職員、委託業務に関わる労働者、保育士や福祉関係など幅広い労働者の賃下げに連動し、民間企業の給与にも影響を与え、可処分所得と消費購買力のマイナスは市内全体でみれば数億円規模になります。景気回復のためには内需拡大こそ求められており地域経済をいっそう冷え込ませる賃下げは許されません。

したがって、わが党は職員給与の引き下げに関わる条例案に反対するものであります。


次に、議案第186号、博多南地域交流センターにかかる指定管理者の指定について他、公の施設の指定管理者の指定にかかる議案20件についてであります。

1点目に、各区市民センターの指定管理者の指定7件についてです。市長は市民センターの管理運営について今回初めて指定管理者を公募し、来年4月から7ヵ所すべてで現在の直営をやめて民間企業に管理運営をまかせようとしています。

言うまでもなく市民センターは、大ホールや中小の会議室、視聴覚室、図書室などを備え、市民が安価で気軽に利用でき、学習や文化活動、交流ができる拠点施設であり、市民の社会教育にとってなくてはならない施設です。だからこそ、その管理運営は市が直営で行い、職員を配置して責任を持って運営されてきました。ところが今回管理運営をまかされようとしているのは民間のビル管理会社であり、市民の社会教育活動が保障されるとは言い難いものです。当局は問題ないと言われましたが、社会教育など利用者の活動と施設の管理運営は密接なものであります。さらにコスト削減の名で、結局は人件費が抑えられることになり、窓口などの職員が低賃金の非正規労働者に置き換えられて、しかも次々入れ替わり、ひいては公平・公正な運営やサービスに支障をきたすことにもなりかねず、個人情報の漏洩も危惧されます。市民センターの管理運営はこれまで通り直営で行うべきであります。

したがって、市民センターの管理運営を民間営利企業にまかせる指定管理者の指定にかかる議案に反対するものです。

2点目に、その他の公の施設の指定管理者の指定にかかる議案のうち、体育館4ヵ所、市民プール6ヵ所、地域交流センター2ヵ所、駐車場4ヵ所についても民間営利企業を指定するものであり、わが党は反対します。

わが党は、公の施設の指定管理者制度について、営利目的の民間企業にゆだねれば行政の責任があいまいになり、住民と議会によるチェックができにくくなるとともに、サービスの低下や住民負担の増加、個人情報の漏えいの危険などを伴うものだと繰り返し指摘してきました。博多・南両市民プール及び体育館の指定管理者「ミズノ・日本管財グループ」による協定違反問題が発覚し、わが党の指摘が現実となりました。事前の計画書では受付業務に正社員を置くとしていながら実際は再委託して別会社に行わせていたこと、プールの水質検査を毎月することが義務づけられていたにもかかわらず4ヶ月間も行わなかったこと、修繕費を不当に水増し請求していたこと、こうした悪質な協定違反行為が本市監査委員の監査によって今年発覚しました。のちに改善されたから良しとし、契約解除などの厳しい対応を取らなかった当局の態度は問題です。さらに深刻なのは所管の市民局はモニタリング要綱を設けて定期あるいは随時に点検することになっていたものの、現場立ち会いも抜き打ち点検も3年間一度も行っていないということが明らかになったように、行政によるチェックが全く機能していないということであります。また、市営築港駐車場の指定管理者である九電工関連会社は、収納した駐車場料金を自社の売上金と混同させたため、実際よりも少ない金額で市に払い込んでいたことが判明しました。サービス向上どころかサービス悪化、コスト削減どころか不当請求、不適切な会計処理まで起きている。ミズノと日本管財、九電工グループといえば業界大手ですが、やはり儲け優先の営利企業ではこうしたことが繰り返されることは避けられません。わが党がこうした問題を指摘し、公の施設の管理運営に民間営利企業を参入させないよう要求したのに対し、市長は相変わらず「民間のノウハウを活用する」などと言って推進する姿勢ですが、事実を見ない態度は許されません。

もともと指定管理者制度は、財界の要求を受けて「官から民へ」のかけ声のもと、国、地方自治体の業務、施設を民間に開放してビジネスチャンスをふやすという戦略にもとづいて導入されたものです。公の施設の管理、運営は数十兆円の市場といわれ、民間企業等が大もうけをねらうなか、本市においても公の施設を次々民間営利企業に投げ渡してきたのであります。ところがこの間様々な問題が起きています。市民生活に関わる公の施設の管理運営は原則直営に戻すよう求めるものです。


次に、議案第235号、土地の処分についてです。

今回議案は須崎ふ頭の1.2ヘクタールの市有地を約12億5,800万円で日清製粉株式会社に売却するためのものです。

当該土地の売却をめぐっては、既存施設の解体撤去や物件補償にかかる経費が当初予算に計上されていたものの不足が生じたとして、先の6月議会において約2億円追加し10億1,900万円とする予算補正が行われました。わが党は不可解な経緯について質してきましたが、今回の質疑によって新たな問題が判明しました。港湾局は日清製粉と昨年6月から交渉を始め、12月には高島市長名の文書で誘致願いを行い、日清製粉は今年1月31日に須崎ふ頭への工場進出を記者発表しました。ところがその時点では既存施設の2階部分を所有する企業2社との立ち退き協議が行われておらず、2日後の2月2日にようやく協議開始となったものの、必要経費を適当に計上したために4月の再協議でも補償費の折り合いが付かず、予算オーバーとなったのであります。こうした経緯を見れば、港湾局が日清製粉誘致ありきの不正常な取り扱いを進めてきた結果、税金を余計に費やすことになったと言わなければなりません。

また、日清製粉との交渉についても、土地取得を約束する文書を得ないまま一貫して口頭で行われ、本市は「港湾計画の変更」「臨港地区の将来にわたる維持」などを誓約する一方的な内容の誘致願いを出したのであります。あまりにも卑屈な態度であります。市民から「なぜそこまで日清製粉を優遇するのか」と厳しい指摘の声があがるのも当然です。港湾局長は製粉工場誘致で雇用や税収の効果があるなどと言われましたが、いったい何人雇用するのか、先方からの約束を一切取り付けることもなく単なる希望的観測を述べたにすぎません。既存2社の立ち退きによるマイナス効果を無視した意味のない経済効果を言うのは不見識にも程があります。

したがって、こうした不可解な経緯のある今回土地処分はわが党の容認できるところではありません。


次に、議案第178号、事務分掌条例改正案についてです。

今回議案は現在の経済振興局の名称を「経済観光文化局」に変えるとともに、市民局にある文化部門及び教育委員会にある美術館、博物館、文化財部門を移管する組織改編を行うものであります。

市長は文化を観光行政の中に位置づけようとしていますが、文化芸術振興基本法は芸術文化を創造し享受することが国民の権利であることを記し、人々によって芸術文化がなくてはならないものと位置付けており、国・地方に条件整備をすすめる責務を課しています。文化行政が観光集客の部署といっしょにされて、経済効果を求められるということになれば、役に立たないと見なされた文化活動は抑圧されて、法の精神が歪められることになりかねません。とりわけ、本市の文化財部門については、最近も、元岡古墳群から「庚寅(こういん)」の銘が入った「象嵌(ぞうがん)太刀」、まさに国宝級の貴重な発見があったように、わが国の歴史を解明するうえで重要な役割を果たしています。文化財法は「政府及び地方公共団体は、文化財がわが国の歴史、文化等の正しい理解のため欠くことのできないものであり、且つ、将来の文化の向上発展の基礎をなすものであることを認識し、その保存が適切に行われるように、周到の注意をもつてこの法律の趣旨の徹底に努めなければならない」と定めています。本市の文化財を多くの人に見ていただくのは当然ですが、どれだけ儲かるかという尺度を文化財部門に押し付けるべきではありません。文化財や美術館、博物館を経済振興関係の部署に統合する、そのようなことをしている政令市は一つもありません。経済部署から独立させて文化行政の充実発展を図るべきです。

また、高島市長は観光に力を入れることを強調し、会見でも「観光を全面に出していくということは福岡の財源もしっかり涵養していき、…これからの福祉に回すお金作りということは非常に重要になってくる」と述べていますが、観光によって潤うのは一部のサービス産業であり、それによって本市の財政が豊かになるというのは幻想です。ましてや、観光で税収を増やさないと福祉を良くしないと言わんばかりの態度は許しがたいものです。いま最優先で取り組むべき経済政策は、家計を応援し、福祉を充実させ、雇用と生活を支えている中小企業・業者を支援する内需拡大型の景気対策であります。

したがって、わが党は、問題の多い組織改編にかかる条例案に反対します。


次に、議案第174号、一般会計補正予算案中、本庁舎1階ロビー改修工事関連についてですが、市長は今回1億3,800万円を新たに追加して年度内に改修工事を始めようとしています。西側広場の改修工事とあわせた総事業費は概算で2億3000万円とされています。市が業者に委託して作った「福岡市本庁舎等の利活用に関する基本計画」を見ると、一日30万人が乗降する天神地区は観光客を含めて多くの人がやってくることを指摘したうえで「本庁舎はシティプロモーションなどの都市戦略上の重要な役割を担える立地条件を備えている。また市役所西広場は…利活用効果の高い都市装置となる可能性がある」と述べています。また、「WeLove天神協議会」が作成したガイドラインを示して「『毎日がフェスティバル戦略』において、市庁舎広場はイベント中心核として位置づけられて」いるとし、「本庁舎の利活用計画も、こうしたまちづくりの意識、戦略上に捉える必要がある」などと述べています。つまり、市役所を人をたくさん集めて儲けるためのイベント会場や観光施設に変質させようというものであります。財政局は、パネル展など現在無料で市民に開放しているものを一部有料化することを否定しませんでした。これでは市民が気軽に相談に訪れたり、憩う場として利用したりしにくくなるのではないかと、危惧せざるを得ません。市長は来年のどんたくに間に合わせようとしているようですが、年度途中に多額の予算補正までする必要性も緊急性もありません。

したがって、わが党は、一般会計補正予算案に反対します。


次に、議案第184号、小学校設置条例改正案及び、議案第174号、一般会計補正予算案中、住吉中ブロック小中連携校(仮称)新設工事実施設計業務委託にかかる債務負担行為補正についてです。

教育委員会は「学校規模適正化」の名のもとに、住吉小学校、美野島小学校の2つの小学校を統合し、住吉中学校との小中連携校を設置するため、新校舎の基本計画をまとめました。説明によると、現在の美野島小学校用地11,000平米に地上6階の校舎を建設するとのことですが、800人を超える児童、生徒数見込みに対してあまりにも狭すぎます。とりわけ3階部分に設置されるというグラウンドは、小学校設置基準及び中学校設置基準に従えば9,300平方メートル必要であるところ、わずか5,200平方メートルしかなく、トラックは一周150メートルしか取れません。これは照葉及び計画中の舞鶴小中連携校のわずか3分の1の面積であり、こんな不平等はありません。小学校と中学校が同時に使うことができないため体育の授業の調整に苦労することは目に見え、教育条件の劣悪化は避けられません。さらに小学校の校庭開放と中学校の野球部など部活動とは両立できず、中学生が校区外まで出かけることになります。また、基本計画の具体的な姿が見えてきた時点で保護者や地域住民に広く知らせ、多様な意見を聞いて取り入れていく丁寧な対応が求められていますが市教委は必要以上に急いでおり、このままでは住民意見が十分反映されないまま、強行されることになりかねません。住吉小、美野島小、住吉中の児童生徒が毎日楽しく通うことのできる学校づくりを目指し、住民参加であらゆる知恵を集め、合意を得ていく必要があります。また、学校跡地の貴重な市有地を安易に売却すべきではありません。

教育環境を明らかに悪化させる計画を容認し、狭い学校に詰め込まれることになる子どもたちの気持ちが分からない高島市長、あなたの責任は極めて重大です。

したがって、わが党は、住吉中ブロック小中連携校の設置にかかる関連議案に反対するものであります。

以上でわが党の反対討論を終わります。

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