2010年9月議会
9月議会を終えて
2010年9月23日 日本共産党福岡市議団
吉田市長の今任期最後の定例会となる9月の福岡市議会が開かれ、日本共産党市議団は吉田市政の4年間を厳しく総括し、市民本位の市政への抜本的転換を訴えるとともに、住宅リフォーム助成の創設を初めとする真の経済対策や児童虐待対策の強化などを求めて奮闘しました。
住宅リフォーム助成など緊急経済・雇用対策の転換を提起
急激な円高・株安など景気減退が心配されるなかで、家計や地場中小企業への支援を中心とした経済・雇用対策が求められています。
吉田市長は緊急経済・雇用対策の補正予算案を提案しましたが、その中身は雇用対策の分野では、「生活保護費返還金等納付指導事業」を民間派遣会社に丸投げし、個人情報を危機にさらしながら丁寧な生活保護世帯への指導という市本来の責任を放棄するなど、職員削減路線を改めないまま、短期の外部委託ですませようというものが少なくありません。また、公共事業も、多くは渡辺通り春吉線・直轄工事負担金をはじめ大手ゼネコンの仕事づくりがほとんどです。さらに国がおこなった扶養控除の廃止による約37億円もの増税を吉田市政は追認し、市民にかぶせようとしました。
熊谷敦子市議は扶養控除廃止の中止を国に要求するよう求めるとともに、経済・雇用対策については正規職員化と、秋田県で助成額の25倍もの経済効果を生んでいる住宅リフォーム助成制度の実施を提案し、自治体本来の仕事をしながら内需と経済を立て直す道を示しました。
児童虐待対策の強化を求め市長が「重く受け止める」と答弁
学校施設の改善を提起し「緊急に対処」と答弁、窓サッシ補修にも予算
福岡市で前年度比45%増で過去最悪になっている児童虐待への対策についてひえじま俊和市議が質問し、根源にある社会的貧困への対策を迫ると同時に、福岡市こども総合相談センターの児童福祉司の抜本的増員、虐待を見抜く能力の向上、虐待防止のネットワークの強化を提案しました。市長から責任について「重く受け止める」、こども未来局長から「体制の充実、能力の向上に努めたい」との答弁を得ました。
また、市民と共同して学校施設を調査する学校ウォッチングの結果をもとに、ひえじま市議は那珂小の雨水排水、プール通行止柵の改善、月隈小のグランドのり面崩落の改善措置を要求し、教育長は「緊急に対処したい」と答弁しました。連続する学校の窓枠サッシ落下事故についても、わが党の追及と市民の運動の結果、2億3635万円の補修予算がつきました。
熱中症対策、新年度予算での少人数学級実現の意見書が採択
9月議会ではわが党の立案した、生活保護世帯への夏季加算をふくむ熱中症対策や少人数学級を新年度予算化することを国に求める意見書など6本の意見書が採択されました。このうち、自民・公明・みらいが提案した米価下落についての意見書は、戸別所得補償打ち切りの要請項目が中心となっており、わが党の星野美恵子市議は農家の現状を示して同施策の打ち切りを求めることを厳しく批判し、過剰米の緊急買い入れや価格保障の確立の必要性を訴え、反対討論をおこないました。
市民の期待と公約を裏切り大型開発優先と市民犠牲路線をひた走った吉田市政の4年間
わが党の中山いくみ市議は、吉田市政の4年間を①こども病院の人工島移転②人工島事業③保育所民営化④くらし・福祉の施策⑤職員削減と民間活用の5点にわたって厳しく検証し、市民の期待と公約を裏切り大型開発優先と市民犠牲路線をひた走った4年間であることを示して「平気で公約を破り続け、市民の暮らしを顧みることのできないあなたは本市の市長にはふさわしくなく、この際市長選挙への出馬はやめて身を引くべき」とつきつけました。
市長を擁護する民主・社民、対決軸をまったく示せない自民・公明
対照的だったのが吉田市政を支えてきた議会勢力です。民主党は吉田市政は公約を守り評価が高まっているかのような擁護質問をおこない、社民党は議会開催中に「吉田支持」を打ち出しました。
「対立」候補を出す自民党・公明党などは、吉田市政との対決を打ち出す質問や論戦をまったくおこなうことができず、これらの勢力は人工島事業、こども病院人工島移転推進という基本問題で吉田市長以上にひどい大型開発優先路線をとっており、わが党をのぞく議会勢力が、吉田市政を支える「オール与党」状態になっている実態が浮き彫りになりました。
市民と公約を裏切って何の反省もない吉田市長やそれに追随してきた議会勢力が擁立する人物に市長の資格はありません。日本共産党市議団は、国民健康保険料引き下げ運動など市民とともに歩んできたありま精一さんとともに、市政の民主的転換のために奮闘する決意です。