2009年9月議会
こども病院 なぜPFI導入にこだわるか
市長はまともな説明できず
2009年9月10日 ひえじま俊和議員の議案質疑
福岡市は9月議会に、人工島の「新こども病院」の建設と管理運営に民間手法を持ち込むPFI方式を導入するための議案を提出しました。もともと6月議会に提出しようとしていたものですが、他都市でPFI病院の失敗が相次ぐなどしたため再検討を余儀なくされていました。
「コスト削減」の口実崩れた
昨年12月に公表された「新病院基本構想」では、医療関連業務のうち給食やベッド管理、医療事務など10業務と施設建設・管理の7業務をすべて一括して民間会社に委託する計画でしたが、今回、医療関連9業務を除外しました。
病院建設の資金調達についても「民間1割、市9割」へと変更しました。当初計画では「民間資金5割、市の借金5割」、6月時点では「すべて市の借金」と説明していました。
今回変更で「コスト削減」の効果は85億円から17億円に大幅に減ることになりました。
本会議質疑で日本共産党のひえじま俊和市議は、PFI導入の理由が崩れたことを指摘し、「PFIに固執する必要がどこにあるのか」と追及しました。これに対し、保健福祉局長は「リスクの高い部分を除外した。民間資金を最低限活用することにした」などとはぐらかし、「メリットがある」と強弁しました。
また、今回の計画変更もコンサルタント会社「PwCアドバイザリー」への委託だったことや、予算の重要な根拠である建設単価が大幅に変更されていることなども発覚しました。
独法化とPFIは行政の責任放棄
これでは子どもの命は守れない
さらに、ひえじま市議は、市立病院の「地方独立行政法人化」によって市の責任があいまいになり、PFIの破たんとともに公立病院としての存続も危ぶまれることを厳しく指摘。「子どもの命よりも病院経営が優先されるのではないか。独法化しPFIを導入する新病院計画は白紙撤回すべきだ」と迫りました。
吉田市長は「より安全で確実な手法で新病院を整備したい」などと述べましたが、PFI導入の疑問に何一つ答えることができませんでした。それでも強行しようとする態度はあまりにも異常です。