2009年6月議会
完全に破たんした新病院構想は撤回せよ
2009年6月16日 中山いくみ議員の一般質問
日本共産党の中山いくみ議員は6月16日、こども病院の人工島移転構想の破たんを厳しく指摘し、撤回を迫りました。
移転構想は、民間資金を活用したPFI方式によって人工島に新こども病院を建設するもの。市当局は6月議会に関連議案を提出する予定でしたが、「入札開始にあたってより安全で確実な事業を進めるため」などとして見送りました。
中山議員は、「先行事例の近江八幡市や高知県のPFI病院で失敗しており、病院事業運営審議会でも疑問や不安の声が相次いだ。それでも市はPFI方式にこだわる姿勢だ」と批判。市の資料では新病院建設の財源について民間資金を使わず「全額起債で措置する方向」と変更しており、中山市議は「議案先送りは、関連企業の利益を確実に生み出せる中身に変えるために時間が必要だというのが真相ではないか」と追及しました。
中山議員は、病床数を190床から260床へと増やす市の計画が福岡県医療審議会で認められなかったことを示し、「患者数も病床利用率も市の見込みを下回り、年間赤字は30億、40億円とふくれあがるのではないか」とただしました。
さらに、市が現地建て替え費用をゼネコンに聞いて1.5倍にし、その関係書類が破棄された問題について、先に開かれた移転反対のシンポジウムで弁護士から「行政運営においては方針決定の根拠を示す民主的手続きがなく過程が不透明であれば、結論の正当性はない」と指摘されたことを紹介し、吉田市長の姿勢をただしました。
「構想をこのまま進めてよい要素は何一つない。破たんした構想は撤回すべきだ」との中山議員の追及に、市長はまともに答えられず「新病院づくりに全力で取り組んでいく」と述べるのが精一杯でした。