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2008年度予算議会
委員会の担当局を変更するため条例改正を強行
>>>「福岡市議会委員会条例の一部を改正する条例案」に対する日本共産党の反対討論
自民党、みらい福岡、民主・市民クラブ、ふくおかネットワークから常任委員会の担当を変更するための条例改正案が提案され、公明党、みらい福岡、福政市民クラブ、無所属も賛成して可決されました。日本共産党は第二委員会の負担が重くなり、十分な審議に支障がでるとして反対し、倉元達朗議員が討論を行いました。
2007年度
- ●第一委員会
- こども未来局、教育委員会、市長室、総務企画局、財政局、市民局、会計室、その他
- ●第二委員会
- 保健福祉局、環境局、交通局
- ●第三委員会
- 経済振興局、農林水産局、港湾局、農業委員会
- ●第四委員会
- 都市整備局、建築局、消防局
- ●第五委員会
- 土木局、下水道局、水道局
2008年度以降
- ●第一委員会
- 市長室、総務企画局、財政局、市民局、会計室、その他
- ●第二委員会
- 保健福祉局、こども未来局、教育委員会
- ●第三委員会
- 経済振興局、農林水産局、港湾局、農業委員会
- ●第四委員会
- 住宅都市局、消防局、交通局
- ●第五委員会
- 環境局、道路下水道局、水道局
「福岡市議会委員会条例の一部を改正する条例案」
に対する日本共産党の反対討論
2008年3月25日 倉元達朗議員
私は日本共産党市議団を代表してただいま議題となっております自民党市議団、みらい福岡、民主・市民クラブ、ふくおかネットワークが提案する議案第102号「福岡市議会委員会条例の一部を改正する条例案」に反対し討論をおこなうものであります。
本議案は、第一委員会の所管である教育委員会とこども未来局を第二委員会に所管換えし、第二委員会の交通局を第四委員会に、環境局を第五委員会に移管するものです。これは極めて問題のある議案であります。
問題の第一は、本議案は委員会の間に新たな不均衡を生みだすということです。
保健福祉局と環境局、交通局を所管する第二委員会は、前期4年間に55件の請願が提出されています。これに教育委員会とこども未来局に提出された38件の請願を加え、転出する環境局、交通局に出された12件を差し引いても81件となり、従前と比べて147.3%、約1.5倍の件数となります。また、第二委員会協議会に報告された件数についても同様です。前期4年間の第二委員会協議会への報告は19件、教育委員会とこども未来局に報告された15件を加え、転出する環境局と交通局への報告7件を差し引くと27件となり、従前と比べて142.1%、約1.5倍となるのであります。もともと第二委員会は付託される議案数が多く過重ぎみになっています。先に述べた数字からも明らかなように本議案は第二委員会に更に負担を押し付けるものであります。
保健福祉局、教育委員会、こども未来局は暮らし、教育、子育てにかかわる切実な要望が市民から多数寄せられるところです。それだけに議員が行政をチェックする意味でも第二委員会にこれら3つの局を所管させれば十分な審議に支障が出るのは明らかであります。だからこそ、他都市をみてもこの3局を同一の所管にしている政令市はありません。
本来、常任委員会とは、社会経済の進展に対応して、行政が著しく多様化し専門化してくると、本会議だけでは到底多数の議案を能率的かつ効率的に処理することが困難になってしまうために、このような専門部門別に審査を分担するのが委員会制度であります。この委員会の負担を従前の約1.5倍に増やすなどは、委員会の役割を果たすことと逆行することは明らかであります。
問題の第二は第一委員会と第二委員会にかかわる所管換えを急ぐ必要はないということです。
今回の所管換えの議論は、当局の局再編にともない第四委員会にかかわる都市整備局と建築局の統合、第五委員会にかかわる土木局と下水道局の統合に端を発したものです。この議論の中で、比較的過重となっている第一委員会の負担を軽減すべきではないか、という議論が始まりました。しかし、その際、基本的には4年間の任期の途中でもあり大胆な変更をおこなうべきではないということを前提に議会運営委員会で議論を進めることとなりました。
もともと第四委員会と第五委員会にかかる変更は今回の局再編にともなうものでありますが、4月からの第一委員会と第二委員会の所管換えを急ぐ必要はまったくありません。常任委員会の所管を決めるという重要な案件ですから当然十分な時間を取って審議されるべきです。審議の中で我が党は、環境局と交通局の第二委員会からの転出は自民党案に同意するとともに、第二委員会が過重負担にならぬように第一委員会から教育委員会とこども未来局ではなく市民局を第二委員会に移すことを提案するなど話し合いの一致をみるため先に述べた具体的な数字も示して努力してきました。また、議論の中で、我が党以外も公明党、社民市政クラブから異論が出ていました。だからこそ、議会運営に関する事項はすべての会派が一致するまで議論を尽くすということが基本であり、そのために各会派が努力すべきであります。
しかし、議論の余地がまだあり、全会派が意見の一致をみないにもかかわらず、議会運営委員会において委員長が議論を打ち切り、自民党が自らの考えを押し通すために立案し、共同提案者であるみらい福岡、民主・市民クラブ、ふくおかネットワークも自民党に追随し本議案が提出されました。議会運営について議会運営委員会で意見が一致しないといって議員提案という形で自分たちの意見を強行し少数意見を切り捨てることは許されません。まさに、議会運営のルールを踏みにじるものであります。また、「大胆な変更をしない」という約束をも反古にする二重の暴挙であります。
以上のように、本議案は委員会の間に新たな不均衡をもたらし、請願など市民の負託にこたえることや行政のチェックを後退させることにつながります。同時に、本議案提出の過程をみても議会運営は全会派一致で進めるというこれまでの議会のルールを破るものであり、我が党はこのような議案には断固反対するものであります。
以上で我が党の反対討論を終わります。