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議会報告

2008年度予算議会

人工島など大型開発を削除し、
一人あたり1万円の国保料引き下げのための予算組み替えを

日本共産党福岡市議団は「2008年度福岡市一般会計予算案」「国民健康保険事業特別会計予算案」についての組み替え動議と、「国民健康保険条例改正案」に対する修正案を提出しました。

>>>予算組み替え動議と国保条例修正案の提案理由説明

>>>平成20年度福岡市一般会計予算案及び国民健康保険事業特別会計予算案の組替えを求める動議(案)

>>>国民健康保険条例の一部を改正する条例案に対する修正案

予算組み替え動議と国保条例修正案の提案理由説明

2008年3月25日 本会議 ひえじま俊和議員

私は、日本共産党市議団を代表して、議案第37号「平成20年度福岡市一般会計予算案」及び、議案第39号「平成20年度福岡市国民健康保険事業特別会計予算案」の組み替えを求める動議、ならびに、議案第71号「福岡市国民健康保険条例の一部を改正する条例案」に対する修正案について、その提案理由の説明を行います。

吉田市長が編成した2008年度予算案は、「生活重視」の公約に反して、市民に冷たく、また「大規模開発の見直し」という公約に背くものとなっています。

とりわけ、国民健康保険への一般会計繰入金を7億円も減らして、すでに高すぎて払いたくても払えなくなっている保険料を一人あたり1,209円引き上げようとしております。一方で、人工島事業の推進に212億円もの予算をつけるなど、大型開発のムダづかいを続けています。

市長は「大型開発をやめ、福祉・教育への重点配分を行う」との公約に立ち返り、税金ムダづかいの開発行政を根本から改め、福祉や教育など市民生活の充実に責任を持つ「自治体らしい自治体」づくりを進めるべきであります。

そうした立場から、市長が2008年度予算案の組み替えを行い、再提出することを要求するとともに、国保条例改正案の一部修正を提案いたします。

まず、予算組み替えについてであります。

組み替えの基本方針についてですが、一般会計予算案のうち、人工島関連事業など不要不急の大型開発4事業を推進するための歳出予算を削除し、それによって市債発行を抑制しつつ、新たに生み出した財源を国民健康保険料の引き下げのために国民健康保険事業特別会計への繰入金として振り向けます。不足する財源は財政調整基金を活用します。

1点目は、大型開発事業を凍結することです。人工島事業、五ヶ山ダム建設、渡辺通駅北土地区画整理事業、九州新幹線博多駅整備事業の4事業を推進する事業費及び負担金を削除することで、39億円余の歳出削減を行い、同時に、市債発行と国庫支出金あわせて20億円の歳入を取りやめます。これによって約19億円の財源を生み出します。

2点目は、国保料を引き下げることです。高すぎる国保料の引き下げは、いまや多くの市民の強い願いとなっております。かってない14万6000筆の請願署名の提出を受け、継続審議としている本市議会として、この切なる願いにこたえることが強く求められているのであります。さらに、国保運営協議会が市長に対し「保険料の負担軽減に努めるよう要望する」と異例の答申をしましたが、それを具体化する必要があります。そこで、新年度の国保料を一人1万円引き下げるため、一般会計から国保特別会計への繰入金を約36億円増額します。その財源は、先に述べた約19億円と、財政調整基金の取り崩し17億円をあてます。

次に、国保条例修正案についてです。

市長提出の条例改正案は、新年度の国民健康保険料について、均等割および世帯割を据え置く内容となっております。これでは、いくら所得割料率が引き下がる見込みだと言っても、所得割が適用されない低所得者の保険料負担は全く軽減されません。均等割の引き下げこそ必要であります。

したがって、国保条例改正案のうち、均等割の金額を1万円引き下げて、12,187円とするものであります。

以上が予算組み替えと国保条例修正案の提案であります。これは、開発予算を削除し国保料引き下げ財源を確保するために必要な最低限の提案ですが、市民の願いにこたえるものと確信するものであります。

議員各位のご賛同を宜しくお願いいたします。

以上

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平成20年度福岡市一般会計予算案及び
国民健康保険事業特別会計予算案の組替えを求める動議(案)

平成20年度福岡市一般会計予算案(議案第37号)及び福岡市国民健康保険事業特別会計予算案(議案第39号)について、市長は下記要領により速やかに組替えを行い、再提出することを要求します。

1 組替えを求める理由

吉田市長が編成した2008年度予算案は、「生活重視」の公約に反して、国民健康保険の一人あたり保険料を1,209円引き上げるなど市民に冷たく、また人工島事業の推進に212億円もの予算をつけるなど「大規模開発の見直し」という公約に背くものとなっています。また、市債残高は減少しているとはいえ、全会計合計の2008年度末見込みで2兆5,721億円、市民一人あたり184万円と依然として深刻です。

市長は「大型開発をやめ、福祉・教育への重点配分を行う」との公約に立ち返り、税金ムダづかいの開発行政を根本から改め、借金財政の立て直しを図りながら、福祉や教育など市民生活の充実に責任を持つ「自治体らしい自治体」づくりを進めるべきです。そうした立場から、市長が新年度予算案を組替えることは喫緊の課題です。

2 組替えの基本方針

一般会計予算案のうち、人工島関連事業など不要不急の大型開発4事業を推進するための歳出予算を削除し、それによって市債発行を抑制しつつ、新たに生み出した財源を国民健康保険料の引き下げのために国民健康保険事業特別会計への繰入金として振り向けます。不足する財源は財政調整基金を活用します。

3 組替えの内容

(1)大型開発事業の凍結に伴う一般会計歳出・歳入の減額

ア 人工島事業を推進する予算を削減する

人工島事業推進予算は総額で212億円にのぼります。水深15m岸壁の建設工事は、近年大型コンテナ船の博多港入港が激減し、人工島既設岸壁の着岸実績も皆無である状況から、無用の長物となることは必至です。こうした必要のない事業を凍結します。

港湾局関係の人工島予算約99億円の財源の多くは、市債と国庫補助金ですが、一般財源からも約2億円が充てられており、これを削除します。

「住宅市街地総合整備事業」として道路整備やマンション建設に対する補助金は、人工島を特別扱いにし、博多港開(株)の売れない土地を売るためのまさに破たん救済の税金投入です。歳出から事業費10億円余を、歳入から国庫支出金5億円を削除します。

イ 五ヶ山ダム建設を進める予算を削除する
福岡県と福岡市が中心になって進めている利水ダムである五ヶ山ダムは、都市膨張政策に基づき人口が増え続けることを前提とした水需給計画を根拠としており、全く過大な計画です。必要性も妥当性もない五ヶ山ダム建設事業にかかわる出資金を削除します。
ウ 渡辺通駅北土地区画整理事業を進める予算を削除する
「新都心構想」の一環として国と市が巨額の補助金をつぎ込んですすめている渡辺通駅北土地区画整理事業は、再開発事業も一体的に計画されており、九州電力(株)などに便宜を図るものに他なりません。同事業費を削除し、あわせて関係する市債と国庫補助金を減額します。
エ 九州新幹線博多駅整備事業への負担金を削除する
現在工事が進められている九州新幹線博多駅の駅舎整備は、改悪された全国新幹線鉄道整備法に基づき、事業費270億円のすべてを国と県、福岡市が負担するもので、JR九州(株)の負担は一円もありません。自治体と住民に負担させるこうした無責任な財源スキームそのものに問題があり、負担金を削除します。

(2)国民健康保険料の被保険者負担軽減のための一般会計歳出の増額と、国民健康保険事業特別会計への振替

高すぎる国保料の引き下げは、市議会に提出された14万6000筆の請願署名にも示されたように、市民の強い願いとなっており、これにこたえて新年度国保料の引き下げを図ることが求められています。均等割を引き下げることによって被保険者一人あたり1万円引き下げます。保険料の歳入が36億円余り減少しますが、それを補てんするため一般会計繰入金を増やします。

(3)財政調整基金からの取崩し

上記(1)、(2)によって生じる財源不足を補うため、財政調整基金を17億円余取り崩します。同基金は2008年度末現在高見込みで56億円余りとなりますが、3年間で2倍近くまで増やしてきており、ため込むのではなく市民の負担軽減のために活用すべきです。


(3 組替えの内容の内訳)

一般会計

歳出の減額
人工島事業関連(港湾局)▲  192,345千円
住宅市街地総合整備事業(人工島)▲ 1,077,798千円
五ヶ山ダム建設に係る出資金▲ 1,073,350千円
渡辺通駅北土地区画整理事業▲  881,500千円
九州新幹線博多駅整備事業負担金▲  695,000千円
 計▲ 3,919,993千円
歳入の減額
国庫支出金(住宅市街地総合整備事業関連)▲  538,043千円
国庫補助金(渡辺通駅北土地区画整理事業関連)▲  459,800千円
市債(渡辺通駅北土地区画整理事業関連)▲  370,000千円
市債(九州新幹線博多駅整備事業負担金関連)▲  675,000千円
 計▲ 2,042,843千円
歳出の増額
国民健康保険事業特別会計への繰出金3,632,000千円
 計3,632,000千円
歳入の増額
財政調整基金繰入金1,754,850千円
 計1,754,850千円

国民健康保険事業特別会計

歳入の減額
保険料▲ 3,632,000千円
 計▲ 3,632,000千円
歳入の増額
一般会計繰入金3,632,000千円
 計3,632,000千円

以上

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国民健康保険条例の一部を改正する条例案に対する修正案

議案第71号「福岡市国民健康保険条例の一部を改正する条例案」の一部を次のように修正する。

附則に1項を加える改正規定のうち第56項第2号中「22,187円」を「12,187円」に改める。

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