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2008年度予算議会
小児科医師も患者も反対している
こども病院の人工島移転は撤回せよ
2008年3月18日 星野美恵子市議の総括質疑
星野美恵子市議は3月18日の条例予算特別委員会総会で、こども病院の人工島移転問題について質問しました。
吉田市長は「こども病院の人工島移転を見直す」と公約していましたが、昨年検証・検討した結果、人工島への移転が適当だとして強行しようとしています。
星野市議は、こうした市長の方針に対し反対世論が高まっていることを指摘し、市民の怒りがどこにあるかを詳細に示しました。
○ こども病院や九大小児医療センターなどと地域の小児科医院と連携して、市内の小児救急医療体制が築かれており、こども病院を今の場所から東区の人工島へ移転させれば、配置バランスが崩れる。
○ 拠点病院を失うことで空白地が生じるとして、市内の多くの小児科医師がこども病院の人工島移転に反対を表明している。
○ もっとも影響を受ける患者の家族の声を市は聞いていない。
○ こども病院の患者は緊急入院のケースも多いが、移転によって遠くなれば命に関わる。重い病気を抱える子どもを見守る地域のつながりを捨てて人工島近くに引っ越せと言えるのか。
○ 全国各地から長期入院で来る患者家族は、病院近くの安いアパートに住んで看護に通っているが、人工島にはそうした条件がない。
○ こども病院の医師、看護師は緊急呼び出しにこたえるために病院周辺に居住しており、人工島に移転されれば出勤時間のリスクを負うか、転居するかの選択が迫られる。辞めるしかないという声も上がっている。
○ 人工島は3本の橋でしか行き来できないが、阪神大震災のとき同じ埋立地のポートアイランドにあった神戸中央市民病院が孤立し医療活動がマヒした。災害時に機能しない可能性が高い。
○ 市はヘリポート設置が可能だという点を評価して人工島が最適だと言っているが、人工島上空は福岡空港の離発着コースにあたり、管制下にあるため、たとえ緊急ヘリでも上空で待機させられることがあり、決して最適だと言えない。
○ 人工島の病院予定地のすぐ西側は24時間稼働の国際コンテナターミナルがあり、深夜でも明るく照らされ荷下ろしやトラックの騒音も激しく、子どもの療養に不適切な環境。
星野市議はこうした問題点をあげて当局の見解をただしましたが、当局は言い訳に終始し、まともな反論はありませんでした。その上で「人工島はこども病院の整備場所としてふさわしくない」と述べ、市長に撤回を迫りました。
市長は「審議会に諮問しておりその答申をいただいた後、市としての方針を総合的な観点から決定していく」と答弁しました。
さらに、星野市議は、いま人工島移転反対の運動に取り組んでいる患者家族のみなさんの声を紹介。「吉田市長を応援し、当選して移転がなくなったと喜んだみなさんに、市長はどう釈明するのか。見捨てるのか。患者のみなさんの意見を無視せず聞くべきだ」と市長に迫りました。
こうしたなか21日、患者家族のみなさんが要望していた市長との面会が実現し、集まった反対署名5万6390人分を直接手渡しました。
日本共産党はこども病院の人工島移転反対運動にとりくみ、建て替えは現地か近辺で行うよう提案します。