2008年9月議会
こども病院人工島移転 議案を撤回せよ
2008年9月12日 中山いくみ市議の議案質疑
福岡市の9月議会が12日開会し、吉田市長はこども病院の人工島移転をすすめるための議案を提出しました。これは、人工島の病院用地3.5ヘクタールを取得するための47億円の病院事業会計補正予算案。24日の最終日に採決されます。
日本共産党の中山いくみ市議は12日の議案質疑で、市民の反対世論を無視して強行しようとする吉田市長を批判し、議案をただちに撤回せよと迫りました。
中山市議は吉田市長の「こども病院人工島移転の検証」が偽装だったことを暴露しました。
市長は「こども病院の人工島移転の見直し」を公約していましたが、就任後も山崎前市長が病院統合移転のための作業をしていた「PwCアドバイザリー株式会社」に継続して業務委託。同社に、こども病院の現地建て替えは困難だという前提での調査をさせていました。さらに、市長がたちあげた「検証検討チーム」は現地建て替えの費用を不当に上乗せして「人工島が最適」という結論を出していたことが分かりました。
中山市議は「市長は当初から見直す気がなかった」と批判しました。
市長は、病院事業運営審議会に「整備場所」を諮問せず、その後「周辺環境」「敷地の拡張性」などと強調し始め、市民説明会では「敷地面積は最低3ヘクタール必要」と説明。結局、移転候補地は人工島しかないという結論です。こうした経過を見れば、はじめから人工島に決まっていたと言わざるを得ません。
中山市議は「何が何でも人工島の空き地を埋め、大学や美術館、コンベンションセンターなどを誘致する起爆剤にしたい、人工島開発を進めたい、つまり財界の意をくむ番頭に成り下がったということではないか」と追及しました。市長はまともに答弁しませんでした。
反対世論が高まるなか、市内の産婦人科開業医40人と小児科医21 人、さらに総合病院の産婦人科医24人も加わって、市長に対して、こども病院の人工島移転に反対を表明した「現場の専門医師からの緊急提言」が出されました。圧倒的多数の医師たちの声として極めて重いものです。
これについて市長は「組織的なものでない」と答弁。協力関係にあるはずの医師の意見さえ無視する態度はまったく異常です。