2007年度決算特別委員会(2008年10月)
「無保険」子ども700人も 福岡市
国民健康保険証とりあげで医療受けられず
2008年10月23日 星野美恵子議員の質疑
高い国民健康保険料が払えず滞納した世帯が保険証をとりあげられ、子どもが「無保険」になって医療が受けられない事態が全国的に大問題となっています。厚生労働省は調査を始めましたが、福岡市でこうした無保険の子どもが968人いることが分かりました。
日本共産党の星野美恵子市議は、10月23日の決算特別委員会総会で、子どもが医療を受けられるよう早急な解決を要求しました。
福岡市には就学前までの子どもの医療費を無料にする「乳幼児医療費助成制度」がありますが、市が無保険の乳幼児には適用せず、窓口で全額負担を強いていることも問題です。
これに対し他の市では、「滞納世帯でも子どもには保険証を交付する」「子どものいる世帯の保険証はとりあげない」など対策がすすんでいます。
吉田市長は星野市議の要求に対し検討さえしようとしない冷たい態度を示しましたが、国保料を高くしておいて、払えない家庭から保険証をとりあげ、子どもまでも無保険状態に放置することは許されません。
少なくとも子どもには早急に保険証を交付して子どもの健康と命を守るべきです。
ひどい! 市が学資保険を勝手に「差押え」
福岡市は国民健康保険料の滞納世帯に対し、財産「差押え」を強化し、3年間で7倍に増やし、昨年度は828件、約4億円に。星野市議は、冷酷非情な差押えの実態を示し追及しました。
Bさんは自営業を廃業したため滞納していた国保料の減免申請を区役所に提出していましたが、担当者は提出書類の不備をBさんに伝えないまま期限切れに。その後も区役所は相談どころか連絡さえとらずに、10月に満期となった学資保険から28万円の国保料を勝手に差し引き、その通知を一方的にBさんに送りつけました。
星野市議は「子どもの進学のためにとこつこつ貯めてきた学資保険を取り上げられ、大変ショックを受けている。お金を返して謝罪すべきだ」と迫りましたが、保険福祉局長は拒否しました。
市は「差押えも重要な手段」と言いますが、そもそも差押えの前に、滞納している家庭の実情をよく聞き、減免や分納など親身な相談にのることこそ、行政の仕事です。
今年度も政令市一高い福岡市の国保料
福岡市の国民健康保険料は14万署名の力で所得割の引き下げを実現したものの、依然政令市一高いまま。収入の2割など、支払能力をはるかに超えています。
2008年度の国保料は、年所得割算定基礎額200万円の3人世帯の場合、福岡市459,200円(負担緩和措置適用前)で、政令市で最も低い川崎市197,300円の2.33倍にもなります。
滞納世帯からの保険証とりあげ(資格証明書の発行)は、福岡市で 15000件(発行率で政令市最悪)にのぼります。命と健康を守る医療保険が、市民の貧困をひどくし、社会的弱者から医療を奪うことなどあってはなりません。日本共産党は国保料を抜本的に引き下げることを提案します。