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議会報告

2008年6月議会

2008年6月議会 意見書について

福岡市2008年6月議会では、7つの意見書案が提案され、全会一致で可決されました。主なものを紹介します。

石油と食料価格の高騰に関する意見書

石油と食料価格の高騰は、世界経済にインフレの危機と景気後退を及ぼそうとしています。

とりわけ、食料価格の高騰は、アジア・アフリカの数千万の人々にとっては食料危機となり、生存の危機を招いています。

その原因は、投資マネーの先物市場への流入による投機的取引等にあり、また、この価格高騰が産油国の生産の抑制的動きや食料生産国の輸出規制を招き、その高騰に拍車をかけています。

我が国においても、原油価格の高騰に加え、小麦を原料とする食料品などの値上げが相次いでおり、学校給食等にも影響を与えています。生活必需品の値上げラッシュなど、物価高は国民の暮らしを直撃しています。

また、物価高は消費者だけでなく、農業者や漁業者、クリーニング業や運送業などの中小企業の経営を圧迫し、倒産や廃業の危機が広がっています。

よって、福岡市議会は、国会及び政府が、次の事項について積極的に取り組まれるよう強く要請します。


1 食料やエネルギーの投機的取引に対し的確な分析と適切な対応ができるようサミット参加国の合意形成に努めること。

2 次世代のクリーンエネルギーの開発促進と食料自給率向上について実効性ある施策を実施すること。

3 当面の物価対策として、中小企業、農業者や漁業者に対する支援や生活関連物資の便乗値上げへの対策など、国民生活を守ること。


以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

平成 年 月 日

衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、外務大臣、財務大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、環境大臣 あて

議長名

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教育予算の確保と充実を求める意見書

子どもたちに確かな教育を保障することは、極めて重要なことです。

しかし、義務教育費国庫負担金の負担割合が2分の1から3分の1に縮小されたことや地方交付税削減の影響、厳しい地方財政の状況などから、学校施設等、教育条件の自治体間格差が広がりつつあります。一方、就学援助受給者の増大に現われているように、低所得者層の拡大も進んでいます。

自治体の財政力の違いによって、子どもたちが受ける「教育水準」に格差があってはなりません。

子どもたちがどこに生まれ育ったとしても、ひとしく良質な教育が受けられる必要があります。

すべての子どもたちに「豊かな学び」を保障するために公教育の充実は喫緊の課題です。

よって、福岡市議会は、国会及び政府が、義務教育費国庫負担制度を堅持し、教育予算の確保・充実を図られるよう強く要請します。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

平成 年 月 日

衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、文部科学大臣 あて

議長名

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父子家庭に対する児童扶養手当の支給を求める意見書

児童扶養手当法に基づく児童扶養手当は、母子家庭のみを支給対象としており、父子家庭はその対象とされていません。

近年、母子家庭、父子家庭という言葉に代わり、両者を区別しない「ひとり親家庭」という呼称が広まりつつありますが、児童扶養手当については、児童扶養手当法の規定により、父子家庭に支給されることはありません。

戦後、母子家庭は支援の必要性が高い経済的弱者として、母子及び寡婦福祉法や児童扶養手当法などの国の法制度が整備され、母子家庭に対する施策が推進されてきたところです。近年の社会・経済状況の大きな変化の中で、子どもと共に生活するために必要な収入が得られない父子家庭も増加しており、地方自治体の中には、法改正を待てず、やむを得ず、独自の事業として父子家庭に対する財政援助を行っているところも出てきている状況にあります。

平成11年に制定された男女共同参画社会基本法では、「男女共同参画社会の実現を21世紀の我が国社会を決定する最重要課題と位置付け、社会のあらゆる分野において、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の推進を図っていくことが重要である」とされています。子育てにおいても、母子家庭、父子家庭の別なく、ひとり親家庭として、同じ制度のもとで療育できる社会福祉制度の整備が必要です。

よって、福岡市議会議員は、国会及び政府が、児童扶養手当法を改正し、父子家庭についても児童扶養手当の支給の対象とされるよう強く要請します。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

平成 年 月 日

衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、外務大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣 あて

議長名

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子宮頸がん予防ワクチンに関する意見書

女性のがんである子宮頸がんの死亡率は高く、毎年約8,000人が子宮頸がんと診断され、約2,500人が亡くなっています。

子宮頸がんには、他のがんにない特徴があります。一つは、発症年齢が低いということです。子宮頸がんの発症年齢層のピークは年々低年齢化しており、1978年ごろは50歳以降だったのに対し、1998年には30代になり、20代、30代の若い女性の子宮頸がんが急増しています。

また、子宮頸がんは、検診を受けることにより早期発見・早期治療ができると言われています。

もう一つは、子宮頸がんの原因のほとんどが、ヒトパピローマウイルス(HPV)による感染であるということです。約8割の女性が一生のうちにHPVに感染するものの、感染した女性がすべて発症するわけではなく、持続感染により子宮頸がんが発症すると言われています。

このHPV感染を予防するワクチンの研究開発が進み、2006年6月に米国を始め80ヵ国以上の国で承認されています。つまり、子宮頸がんは「予防可能ながん」ということになります。

しかし、まだ日本ではこの予防ワクチンが承認されていません。我が国においても予防ワクチンへの期待は高まっています。

よって、福岡市議会は、国会及び政府が、子宮頸がんの予防・早期発見のための取組を推進するため、次の事項について早急に実現されるよう強く要請します。


1 子宮頸がん予防ワクチンの早期承認に向けた審査を進めること。

2 子宮頸がんの早期発見のために子宮頸がん検診の普及を促進すること。


以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

平成 年 月 日

衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、厚生労働大臣 あて

議長名

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臓器移植推進に関する意見書

日本では、脳死での臓器提供が少ないため、移植を待ちながら亡くなる人たちが多く、健康な家族からの生体移植や海外渡航移植に変更せざるを得ない人もいます。

また、日本の法律(臓器の移植に関する法律)の運用に当たっては、15歳未満の子どもからの脳死での臓器提供は認められていないことから、国内では小さい子どもへの臓器移植が困難な状況にあります。

しかしながら、海外での移植手術となると渡航費用、滞在費、治療費などに多額の費用がかかりますが、保険が効かないため、大変な費用負担となります。

高度な医療が可能な我が国において、海外渡航移植に頼らず国内で臓器移植を受けることができるようにするためには、できる限り多くの人々に移植医療に対する理解を普及する必要があります。

よって、福岡市議会は、国会及び政府が、臓器移植の一層の推進を図るため、国民に移植医療に対する理解を普及し、臓器を提供する側である本人・家族の臓器提供の意思を確認するための効果的な取組を全国に推進されるよう強く要請します。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

平成 年 月 日

衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、厚生労働大臣 あて

議長名

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