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議会報告

2007年9月議会

2007年9月議会 意見書について

福岡市2007年9月議会では、5つの意見書案が提案され、4つが可決されました。「安保理決議のないテロ対策特別措置法の廃止を求める意見書」は日本共産党が立案し、民主・市民クラブ、ふくおかネットワーク、社民・市政クラブとともに、共同提案しましたが、自民党、公明党、みらい福岡などの反対で否決されました。

また「地方議会制度の充実強化を求める意見書」は、地方議員報酬の引き上げにつながるものだとして反対しましたが、日本共産党以外の賛成で可決されました。意見書を紹介します。


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独立行政法人都市再生機構の
賃貸住宅居住者の居住の安定を求める意見書

本年6月22日に閣議決定された「規制改革推進のための3か年計画」は、独立行政法人都市再生機構の賃貸住宅事業に関して、現在の77万戸の規模は過大であるとした上で、公営住宅階層の居住者が大半を占める物件は地方公共団体への譲渡などについて協議すること、建て替えに係る現行制度の見直しにおいて居住者の周辺団地等への転居や家賃減額の縮小を検討すること、77万戸の賃貸住宅について今後の削減目標数を明確にすること等の措置すべき事項定め、平成20年度までに結論を得て、早急に措置するように求めています。

現在、機構は保有する賃貸住宅の再生・活用の長期的な方針について、年内の策定を目途に検討中とのことですが、「3カ年計画」を受けて物件が売却・削減され、居住の安定が脅かされるのではないかとの不安が居住者の中に広がっています。

公的賃貸住宅には、国民の住宅に関するセーフティネットとしての役割があり、居住者の居住の安定を図り、良好なまちづくりを推進することが期待されています。

よって、福岡市議会は、政府及び機構が、次の事項について取り組まれるよう強く要請します。


  1. 居住者の居住の安定に配慮し、賃貸住宅の売却・削減をしないこと。
  2. 市場家賃(近傍同種家賃)を基本とする家賃制度を見直し、収入に応じた家賃制度の導入など、家賃負担の軽減を図ること。
  3. 機構法附帯決議を始め、国会諸議決の実現に努めること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。


平成 年 月 日

内閣総理大臣
国土交通大臣
独立行政法人都市再生機構理事長

議長名

(全会一致)

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悪質商法を助長するクレジットの被害を防止するために
割賦販売法の抜本的改正を求める意見書

クレジット契約は、代金後払いで商品が購入できる利便性により消費者に広く普及している一方で、強引・悪質な販売方法と結び付くと高額かつ深刻な被害を引き起こす危険な道具にもなるものです。

現在、クレジット会社の与信審査の甘さから、年金暮らしの高齢者に対し、支払能力を超える大量のリフォーム工事、呉服等の「次々販売」が繰り返されたり、年齢・性別を問わず、クレジット契約を悪用したマルチ商法・内職商法その他の詐欺的商法の被害が絶えないところですが、このようなクレジット被害は、クレジット契約を利用するがゆえに悪質な販売行為を誘発しがちとなるクレジット契約の構造的危険性から生じる病理現象であると言えます。

経済産業省の産業構造審議会割賦販売分科会基本問題小委員会は、このように深刻なクレジット被害を防止するため、本年2月から、クレジット被害の防止と取引適正化に向けて割賦販売法の改正に関する審議を進めており、本年秋には法改正の方向性が示される見込みですが、今回の改正においては消費者に対し、安心・安全なクレジット契約が提供されるために、クレジット会社の責任においてクレジット被害の防止と取引適正化を実現する法制度が必要です。

よって、福岡市議会は、国会及び政府が、割賦販売法改正に当たって次の事項を実現されるよう強く要請します。


  1. クレジット会社が、顧客の支払い能力を超えるクレジット契約を提供しないように、具体的な与信基準を伴う実効性ある規制を行うこと。
  2. クレジット会社には、悪質販売行為等にクレジット契約を提供しないように、加盟店を調査する義務だけでなく、販売契約が無効・取消・解除であるときは、既払金の返還義務を含むクレジット会社の民事共同責任を規定すること。
  3. 1〜2回払いのクレジット契約を適用対象に含め、政令指定商品制を廃止することにより、原則としてすべてのクレジット契約を適用対象とすること。
  4. 個別方式のクレジット事業者(契約書型クレジット)について、登録制を設け、契約書面交付義務及びクーリング・オフ制度を規定すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。


平成 年 月 日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
経済産業大臣

議長名

(全会一致)

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薬害肝炎訴訟の全面解決とウイルス性肝炎患者救済を求める意見書

現在、我が国のウイルス性肝炎の感染者は約350万人と言われ、その大半が、輸血、血液製剤の投与、予防接種における不適切な医療行為による感染、すなわち医原性によるものであると言われています。司法の場においても、国や製薬会社の過失責任を認める司法判断が相次いでいます。

また、B型、C型肝炎は、感染してもほとんど自覚症状がないため、感染していることに気付かない場合が多く、放置すると慢性肝炎から肝硬変や肝臓がんに移行する危険性の高い深刻な病気です。さらに、1年間の肝臓がんの死亡者数は3万人を超え、そのうち約9割はB型、C型肝炎患者です。このことから、政府は直ちに患者の救済策を実施する必要があります。

よって、福岡市議会は、国会及び政府が、薬害肝炎訴訟の全面解決とウイルス性肝炎患者救済のため、次の施策を速やかに講ぜられるよう強く要請します。


  1. 薬害肝炎問題の全面解決へ向けて、国としての政治決断を行うこと。
  2. 潜在患者の早期発見・治療に向けた体制の整備・充実
  3. 患者の医療費負担軽減と治療水準の向上

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。


平成 年 月 日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
法務大臣
厚生労働大臣

議長名

(全会一致)

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地方議会制度の充実強化を求める意見書

多様性と創造性にあふれた住民本位の分権型社会の実現に向けて、いわゆる第2期分権改革の取組が行われています。自治体の自己決定、自己責任の範囲がますます拡大する中で、市民の負託を受けて自治体の最終的な意思決定を担う議会の役割と責任は極めて重要なものとなり、一層の充実強化が求められています。

とりわけ、基礎的自治体としての行政に加えて、都市圏の中枢都市として道府県並みの事務業務を行っている指定都市においては、議会の活動領域も広範で多岐にわたっており、その更なる活性化は喫緊の課題です。

議会の活性化については、第28次地方制度調査会の答申に基づき、平成18年に地方自治法の改正が行われ、委員会への議案提案権の付与など一定の措置が図られました。しかし、残された課題もあり、指定都市議会がその役割と機能を十分に発揮していくためには、なお一層の取組が必要です。

国におかれては、7月に発足した第29次地方制度調査会において、引き続き「議会制度のあり方」について調査・審議が行われる予定ですが、とりわけ、第28次の同調査会答申において「引き続き検討する必要がある」とされている「議員の法的位置付け」などについては、できる限り早期の対応が求められています。

よって、福岡市議会は、国会及び政府が、議会活動を制約している関係法令の諸規定の緩和など地方議会の一層の充実強化を図る抜本的な制度改正を図るとともに、議員の法的位置付けを、市民の直接選挙によってその地位に就任したという「公選職」として明確に規定し、この位置付けにふさわしい諸制度の改正を早急に図られるよう強く要請します。


平成 年 月 日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣

議長名

(賛成多数で可決。日本共産党は反対→反対討論

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「地方議会制度の充実強化を求める意見書(案)」
に対する日本共産党の反対討論

2007年9月27日 中山郁美議員

私は日本共産党市議団を代表して、ただ今議題となっております意見書案第15号「地方議会制度の充実強化を求める意見書案」について反対を表明し、討論を行います。

今回提案された意見書案は、指定都市議長会からの要請をうけ、国会及び政府に対して「議員の法的位置付けを『公選職』として明確に規定し、この位置付けにふさわしい諸制度の改正を早急に図ること」を要請するものです。

この要請事項のもとになっているのが、今年、4月19日に「都道府県議会制度研究会」がまとめた「自治体議会議員の新たな位置付け」と題する「最終報告」です。これは、全国都道府県議会議長会、全国市議会議長会、全国町村議会議長会や総務省の審議会である地方制度調査会での議論を進めるために提案されているものです。

この報告は次の2つのことを提案しています。一つは任命職と同じ枠組みの中に位置付けられている議員を「公選職」とすることであり、もう一つは議員活動に対する公費支給について検討することです。

その中で「議員の法的位置付けにふさわしい諸制度」として、報酬を「地方歳費(仮称)」に改めるとともに、「議員の職務活動領域の拡大を考慮して、適切な水準または額が検討されるべき」とされています。

つまり、本意見書案は、地方議員の報酬の引き上げを求めることにつながるものとなっているのであります。

今、大企業を応援する構造改革路線の中で、庶民には増税などの負担増が次々に押し付けられ、貧困と格差が大きく広がっている中、地方自治体は国の悪政の防波堤となり「住民の福祉と暮らしをまもる」という役割を果たすべきであります。その立場に立った地方議会の活性化、議員の役割の発揮が今ほど求められるときなく、わが党も地方議会制度の充実強化を進めることには賛成であります。

しかしながら、人工島などの大型開発に莫大な税金をつぎ込み、借金を増やして、「財政難」の名で、市民に負担増と福祉の切り捨てを押し付ける市政を推進してきた議員が、他方で、100万円もの税金を使った豪華海外旅行や「政務調査費」の事務所費流用、切手の大量購入を行っていたことなど、議員の活動のあり方、とりわけ「政治とカネ」の問題に市民から厳しい批判が寄せられています。

そうした中で、地方議員の報酬の引き上げにつながる意見書を決議することは、市民の理解が得られないものです。わが党以外の会派は「指定都市議長会からの要請だから」などといって、賛成していますが「都道府県議会制度研究会最終報告」でも「広く住民に納得できるような審議」の必要性について述べており、拙速に結論を出すのではなく、慎重に議論を続けるべきです。本来、地方議会制度のあり方など、重要な問題は党派間で十分な論議をしていくべきものです。

したがって、現時点での決議は時期尚早であり、わが党は、地方議員の報酬の引き上げに道をひらく本意見書案には反対するものであります。

以上で、反対討論を終わります。

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安保理決議のないテロ対策特別措置法の廃止を求める意見書案

11月1日のテロ対策特別措置法の期限切れを前に、政府・与党は自衛隊の活動を給油・給水活動に絞り、現行法にある国会の事後承認規定を削除した新法をまとめることを検討するなど、テロ対策特別措置法を延長しようとしています。

しかし、世論調査でもテロ対策特別措置法の延長に54.5%が反対するなど、国民は延長を望んでいません。

「同時多発テロ」直後、ブッシュ政権は自衛権の行使と称してアフガニスタンへの「報復戦争」を開始し、集団的自衛権の行使を決めたNATO(北大西洋条約機構)をまきこんで、攻撃作戦を拡大・強化してきました。こうした中、アフガニスタンでは米軍などによる無差別の武力掃討作戦によって多くの民間人が殺害され、それが外国軍の駐留への怒りを強め、自爆テロを急増させるという悪循環がおこっています。戦争ではテロはなくせないということが明らかになっています。

「同時多発テロ」直後の安保理決議は、国連加盟国に協力を要請したのであって、戦争を容認したのではありません。1970年10月の国連総会決議で採択された「友好関係原則宣言」は、「武力行使をともなう復仇(ふっきゅう)行為」の禁止を明確にうたっており、どこから見てもアメリカによる戦争の継続は許されません。安保理決議に根拠がなく、憲法にも違反した自衛隊による米軍などへの補給支援はやめるべきです。

テロ対策特別措置法を延長し、日本がアメリカの報復戦争に加担することは、日本がテロの標的になる危険を高めるものです。テロ根絶のために、今、日本に求められているのは、テロ対策特別措置法を延長することではなく、自衛隊を一刻も早く撤退させるとともに、テロの土壌をなしている貧困や教育の問題での支援です。

よって福岡市議会は、国会及び政府が、テロ対策特別措置法を延長せず、廃止されるよう強く要請します。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。


平成 年 月 日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
外務大臣
防衛大臣

議長名

(日本共産党が立案。賛成少数で否決→日本共産党の賛成討論

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安保理決議のないテロ対策特別措置法の
廃止を求める意見書案に対する日本共産党の賛成討論

2007年9月27日 ひえじま俊和議員

私は日本共産党市議団を代表して、ただいま議題となっております意見書案第 号「安保理決議のないテロ対策特別措置法の廃止を求める意見書」(案)に対する賛成討論を行います。

2001年9月11日の「同時多発テロ」から6年が経ちます。この間、ブッシュ政権は自衛権の行使と称して、アフガニスタンが国際テロ組織アルカイダの拠点だとして、インド洋などに部隊を展開し、攻撃を拡大・強化してきました。また、これに呼応して、日本政府は、憲法が禁じる「武力行使との一体化」につながるという多くの国民の反対の声を押し切って、同年11月、テロ特措法を成立させ、イラク戦争に出撃している艦艇への燃料補給など同法に違反してまで米軍の戦争に加担してきました。6年たった現在、アフガニスタンでは、わが党が心配していたことが現実になっております。米軍などがひどい空爆を無差別におこない、何んの罪もない子ども、女性、老人などの民間人がどんどん犠牲になっており、そのことが外国軍への憎しみを広げているのであります。事態は反政府武装勢力タリバンが再び復活し、テロの温床であるアルカイダのネットワークも世界中に拡散しました。今や、報復戦争ではテロは絶対になくせない。このことがはっきり証明されたのが、この6年間だったのではないでしょうか。

日本のNHK、イギリスのBBC、アメリカのABCがイラク全土で2200人を対象に行った世論調査によると、イラクの人々の72% が、米軍駐留が「治安を悪化させた」と回答し、79%が米軍と外国軍の駐留に反対、即時撤退も47%にのぼります。

日本共産党は、この間、各国政府に書簡を出して、「報復攻撃は、テロ行為と武力報復の悪循環をもたらし、戦争を泥沼に導く」として、「必要なのはテロ犯罪者を、法にてらして厳正に処分するとともに、その国際ルールをつくること」を主張してきました。しかしながら、日本政府はアメリカのいうがままに自衛隊を戦場であるインド洋に派兵し、米軍艦船等に燃料補給を続け、国連決議に反する「対テロ」戦争を支援し、テロ行為と武力報復の悪循環を助長してきたのであります。

一方、この9月19日、突然、国連安保理が海上自衛隊の参加する米軍の「不朽の自由作戦」海上阻止行動(OEF)に対して「謝意」を盛り込んだ決議を採択しました。この真相は、参議院選挙における自民・公明などの政権与党が惨敗し、このままではテロ特措法の延長が危うくなるとしてアメリカとの裏工作のもと、その「延命」のために画策されたものであります。ロシアは、「今回の決議案は日本というある特定の国の国内事情のためであり、国際社会全体の課題を協議する安保理の性格にそぐわない」として棄権し、強い不満を表明しました。国連安保理は、本来、国際社会の平和と安全のための活動をする場です。アフガン戦争に際しても、イラク戦争に際しても、国連安保理に対して、この間、国連憲章を守るためのまともな働きかけは何一つしてこなかった日本政府が、政権の「延命」という党略を持ち込み、安保理を利用しようという行為は国際社会で批判されるべき恥ずかしい行為と言わなければなりません。しかも、今回、採択された決議はアフガニスタンに展開する国際治安支援部隊(ISAF)の活動を継続することを主題として決議の前文に、米軍中心の報復戦争への「謝意」を書き入れただけのもので、何ら法的拘束力を持たないものであります。

こうしたなか、直近の世論調査でも、テロ特措法のなしくずし的な延長に国民の54.5%が反対しております。今、日本政府に求められていることは、日本を戦争する国にすることではなく、世界の平和の宝である日本国憲法第9条をしっかり守って、国際テロの土壌をなしている貧困や教育の問題にこそ、その支援を進めていくべきであります。

この6年間の情勢悪化のもとで、政府与党がテロに対して報復戦争支援という手段で対応してきたことは根本的な誤りであり、何よりも、日本国民のくらしよりも米軍への戦争支援を優先することは、絶対に許されません。

したがって、わが党は、政府がテロ対策特別措置法を直ちに撤廃するとともに、活動を給油・給水に絞るとした「新法」等の成立をやめ、自衛隊を一刻も早く撤退させ、日本が報復戦争から手をひくことを、強く要求するものであります。以上で、わが党の賛成討論といたします。

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