2007年9月議会
人工島コンテナ施設はこれ以上必要ない
2007年9月18日 宮本秀国市議の議案質疑
福岡市の吉田市長は9月議会に、人工島のコンテナクレーン2基を新設するための工事請負契約と関連補正予算案を提案しました。
これに対し、宮本秀国市議が質疑に立ちました。
宮本市議は、博多港の東航路を使うコンテナ船の入港について、人工島には3万トン以上の大型船が2006年度まで1隻もないこと、隣の香椎パークポートでも2万トン以上が5年間で半減していること、小型コンテナ船が全体の約6割を占めていることなどを示して、コンテナ貨物の増加に対応する必要があるとする市当局に対し、その根拠はないと指摘しました。
クレーンを含むコンテナ施設の収支について、市は工事や維持管理などの費用を借金でまかない使用料収入で返済していく計画。宮本市議は、返済が70年もの長期計画になっており「極めて大きな問題だ」と追及しました。
宮本市議は「博多港の各ふ頭を活用すれば、巨大コンテナクレーンも、大水深の岸壁整備もこれ以上の整備は必要ない」と述べて、工事の中止と議案の撤回を迫りました。
港湾局長は「港湾整備は本市発展のために喫緊の課題だ」と必要性の有無や収支計画の見通しを無視してあくまでも推進する姿勢を示しました。
港湾用地の売却−計画は絵に描いたモチ
市長は、人工島のコンテナ施設の整備を推進する一方で、人工島の「検証・検討」にとりくんできましたが、その結果報告は、人工島事業の破たん救済に一層の税金をつぎこむものとなっています。
人工島のみなとづくりエリア(西半分)の「臨海土地整備事業」は、埋立地を港湾関連の企業に売却する計画。
宮本市議は、分譲開始からの4年間で計画の60%しか売れず、約30億円の不足額がでていることを指摘。収支計画も崩れているために市が借金延長の借換えまで検討していることを明らかにしました。
市側は、土地売却を促進するために「国際物流拠点づくり」などの戦略で企業誘致に力を入れると述べましたが、宮本市議は「何の具体性も展望もない、まさに絵に描いたモチだ。収支計画を安定させるというが机上の空論だ。前2代の市長と何も変わっていない」と厳しく追及しました。さらに、埋立途中の市4工区の凍結・中止を求めました。
市長は「人工島を破たんの道にしてはならない。しっかりやっていかねばならない。市民に迷惑をかけないように全力をあげていく」などと答弁しました。
青果市場の人工島移転やめよ
青果3市場の統合・人工島移転について、市長が調査費を盛り込んだ補正予算を提案しました。
宮本市議は、経過と関係者の声を紹介し、統合移転が業界の総意ではなく、市が押しつけたものだと述べ、「青果市場の移転は人工島の破たん救済ではないか」と迫りました。さらに、財政負担について、新市場の土地代と建設費が360億円、都市高速道路の延伸の市負担分が75億円であることを明らかにしました。
宮本市議は、存続を求める声があがっている西部市場の存続と、人工島移転の中止を要求しました。
農水局長は「客観的に検討した結果、人工島が最適だと判断した」などと開き直りました。