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議会報告

2006年度決算特別委員会

大企業・銀行いいなりの人工島破たん救済やめよ

2007年10月24日 倉元達朗議員の質疑

倉元達朗議員の質疑

倉元達朗議員は10月24日、決算特別委員会総会で質疑に立ち、人工島事業について吉田市長の姿勢をただしました。


人工島 博多港開発の銀行団の貸し手責任は明白。
市は手を引くべきだ

人工島事業のこれまでの事業費合計は2,579億円、博多港開発工区における公共事業への税金投入は387億円にのぼることが、倉元市議の質疑で明らかになりました(※表1参照)。あわせると3,000億円近くの税金・公金を人工島につぎ込んできたことになります。

博多港開発工区はこれまでに52haを売却しましたが、そのうち市が買い取ったのが57%で、市住宅供給公社分も含めれば金額で326億円、全体の76%を占めることが分かりました。

倉元市議は、「博多港開発の売れない土地を税金で買い支えており、でたらめだ。博多港開発株式会社は表向き黒字だが、実態は大赤字だ」と指摘しました。

一方、融資銀行団は博多港開発に対し904億円を融資し、その利息は総額で112億円にもなります。「人工島は銀行のもうけ口に過ぎない。博多港開発は、市に土地を買ってもらい、行き詰まった埋立を400億円で市に引き渡し、増資や緊急貸付まで市から受けてきた。こんな会社に融資し、事業継続に手を貸してきた銀行の責任は明らか。融資返済の一定期間凍結など責任を取らせるべきではないか」と追及する倉元市議に対し、港湾局長は「銀行団の理解を得ながら事業を着実に進めてきた」と答弁しました。

倉元市議は「銀行いいなりの態度は前の市長時代と何も変わっていない。これではさらに税金投入され、市民に犠牲が押し付けられる。破たんした博多港開発からきっぱり手を引くべきだ」と市長に迫りました。

吉田市長は「博多港開発は本市と一体となってアイランドシティ整備事業を進めてきた。厳しい金融環境のなかで銀行団の理解を得ながら土地処分を進めてきた。これは市民の財産であると認識している」などと開き直りました。


大企業誘致の補助金ばらまきの問題点

市の「人工島事業検討・検証結果」で新たに打ち出されたのが、「立地交付金の拡充」。現在限定されている交付対象を緩和し、交付金の上限5億円を引き上げて、人工島への企業誘致を促進する計画です。

倉元市議は「立地交付金」の名による税金投げ渡しがどこまで膨らむか分からないと指摘。他の自治体では数十億円の補助金を出したものの雇用拡大や中小企業の活性化に効果がないと問題になっています。「新たな人工島破たん救済策は許されない」と迫りました。

さらに倉元市議は、「市長は市民に対し、『人工島を今から海に戻せるか』と言われたそうだが、誰も埋め立てた土地を海に戻せなどと言っていない。一円も税金を使わないという約束が破られて湯水のように税金が投入され、そのつけで福祉や教育が削られてきた。だから市民は人工島の見直しを願っている。しかし市長は前市長と同じように人工島推進。これ以上の埋立を凍結し、税金投入をやめるべきだ」と追及しました。

吉田市長は「アイランドシティを将来の福岡市にとって価値あるものにしたい」などと答弁しました。


吉田市長と福岡銀行との関係について

倉元市議は、昨年10月19日の吉田市長に関する政治資金パーティーについて質問。吉田市長は、自身の支援団体「ふくおかFUNクラブ」の開催で、パーティー券売り上げが1,200万円余りだったことを明らかにしました。

倉元「福岡銀行が20万円パーティー券を購入しているが、承知しているか」

吉田「ふくおかFUNクラブがどういう所に買っていただいたのか、私は承知していない」

倉元「福岡銀行といえば、本市の指定金融機関、地元財界の中心であり、博多港開発株式会社の大株主であり、融資銀行団の筆頭。こういう銀行から政治献金を受けることは問題ではないか」

吉田「ふくおかFUNクラブが集めたお金が私の所に来たのか全く承知していない」

倉元「問題ないという認識か」

吉田「内向けの団体だ」

倉元「福岡銀行は人工島事業で莫大な利益を上げてきた。こういう銀行から献金を受けているから人工島事業をやめられないのではないか」

吉田「特定の企業について、アイランドシティをどうのこうのということはない」

倉元市議は、「市長は大企業・大銀行ではなく、市民の暮らしにこそ目を向けなければならない」と述べ、公共事業を生活密着型に切り替えるべきだと主張。あわせて、人工島事業への税金投入をやめるなど大型開発路線から脱却し、暮らし・福祉優先の財政運営で、真の財政再建を行うよう要求しました。

吉田市長は「不必要なものは造らない、大型公共事業はしない、身の丈にあった財政運営が必要だ」などと答弁しました。


※表1

■ 人工島整備事業費(2006年度まで)
国(岸壁整備など)561億円
福岡市(護岸・埋立工事など)1,433億円
博多港開発(護岸・埋立工事など)585億円
合計2,579億円

■ 博多港開発工区における公共事業(2007年度予算含む)
事業費133億円(道路33億円、公園・緑地79億円、上下水道21億円)
用地費254億円(道路84億円、公園・緑地126億円、学校等44億円)
合計387億円 

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