トップ > 議会報告 > 2006年度決算特別委員会> 福岡市の国民健康保険について
2006年度決算特別委員会
福岡市の国民健康保険について
2007年10月10日 星野美恵子市議の質疑
野美恵子市議は10月10日の決算特別委員会総会で質問しました。国民健康保険行政についての質疑と答弁の概要を紹介します。
星野まず、2006年度の国民健康保険の加入世帯数と5年間の被保険者数の推移をお尋ねいたします。
石井保健福祉局長26万841世帯。被保険者数は平成14年度が42万739人、平成18年度が45万1,714人となっています。
星野被保険者数増の特徴は何ですか。
局長まずは少子高齢化の進展に伴い、高齢者の増加とりわけ団塊の世代が定年退職期を迎えることによる増加とともに、近年の就業形態の多様化等によります加入者が増加傾向をしめしていると考えております。
星野要するに政府の責任による不安定雇用の拡大の下で、加入者が増えているということです。それでは日本は国民皆保険制度をとっています。これは何のためのどういう制度か、その中で国民健康保険が果たしている役割は何なのか、説明してください。
局長国民健康保険制度は、保険料と国や県の補助金等で運営する相互扶助の社会保険制度でございまして、自営業者や農林漁業従事者、会社を退職された方などを対象とした医療保険制度のいわゆるセーフティネットとして国民皆保険制度におきます役割は大きいというふうに考えております。
星野セーフティネット、国民だれもが健康保険に加入して、必要なときに医療を受けることができるという、まさに命綱の保険制度だということです。この問題で9月5日にテレビ朝日の報道ステーションが、本市の国保行政の実態を放映しました。病気のため働けない50代の男性。ほそぼそと生活費を稼ぐのがやっとで、国保料は滞納、保険証は取り上げられています。この方が「病気の治療をしたいので保険証の交付を」と区役所に行ったら、「50万円持ってくれば保険証を渡す」こう言っている場面が全国に放映されました。病気の人からも保険証を取り上げる、これが本市の実態ではありませんか。いかがですか。
局長国民健康保険制度は、安心して医療を受けることができる医療保険制度のセーフティネットとしての役割を果たしておるわけでございます。しかしながら、本制度は低所得者や高齢者を多くかかえ、財政基盤が極めて脆弱であるなどの構造的問題を抱えております。そのため、医療費適正化を進め、収納率の向上を図るとともに、多額の市費を繰り入れるなどできる限りの努力を重ねているところでございます。しかしながら、こうした課題を解決するためには医療保険制度の抜本的な改革が必要であるというふうに考えてございまして、国への要望を続けてきたところであります。
星野要するに福岡市の国保行政がセーフティネットたり得るのかということです。昨年12月にもNHKが、「もう医者にはかかれない」こういうショッキングなタイトルで特集番組を放映しました。左官業を営む60代の男性、ヘルニアの痛みをこらえながら下腹をサポーターでぐるぐる巻きにして痛みをしのぎ、仕事を続けているが生活費に事欠き、保険証もお金もないため病院にも行けない。こんな内容でした。吉田市長、ごらんになりましたか。必要な時に医療を受けることができない本市のこのような実態について市長はどう考えられますか。
吉田市長12月のNHKの番組は私も見ました。このあいだの「報道ステーション」のほうはちょっと見そびれましたが、いずれにしろメディアが注目するということについてはいろんな意味合いがありますけども、その舞台に福岡市が選ばれていること自体は、いろんな意味で注目をしておかなければならないというふうに思っております。
■低所得者からの保険証取り上げは問題ではないか
星野福岡市の国保の行政、市民の命の問題です。見そびれたではなく、ビデオでも見れるわけですから、ぜひご覧になるべきですよ。お金がない人は医療から締め出されてもやむをえないという今の実態について、あなたが何をするのかという問題なのです。あなたがたは国民健康保険を相互扶助だと言われました。つまり市民相互の助け合い制度のように言われますけれども、とんでもないです。国民健康保険法の第一条には、はっきりと「社会保障」の制度と書かれているではありませんか。つまり国民の命と健康を守るため、国や地方行政が責任を持つべき制度なのです。本市の国保行政がその役割を果たしていないとそして異常だから、この2つの報道だけではなく、これまでも、何度も全国ニュースで取り上げられてきています。具体的な問題についてお尋ねします。まず資格証の問題です。国保証の代わりに資格証が交付されることがありますが、それはどういうもので、どのような世帯に交付されるのですか。また本市の資格証交付は何世帯ですか。
局長国民健康保険法の規定に基づき、特別の事情もなく保険料を一年以上滞納されている世帯主に対して、被保険者証の返還を求めた上で資格証明書を交付する制度でございます。これは被保険者間の負担の公平を図る観点から、滞納者への措置として昭和62年に導入され、平成12年度から国民健康保険法第9条の規定に基づきまして、資格証明書の交付が義務化されております。なお、資格証明書の交付世帯は平成19年3月末現在で1万4,597世帯ということになっております。
星野特別の事情がない世帯だと。それなのに払ってないというふうに言われましたけれども、本当にそうですか。本市の滞納者の86%以上が年所得200万円以下の世帯の方です。それではこの年所得200万円以下の世帯の資格証発行は全体の何%ですか。
局長平成19年5月末現在で、93.4%ということになっております。
星野93.4%。年所得200万円以下とはどういう世帯でしょう。生活保護費と比べてみたいと思います。例えば、保護を受けておられる未成年の子を持つ母子家庭の場合の保護費は年聞、およそいくらですか。
局長母子2人世帯の生活扶助、住宅扶助、教育扶助、および期末一時扶助の年間の生活保護の総額は、241万1,984円ということでございます。
星野母子家庭でギリギリの生活で保護費240万なんですよ。そういう世帯です。高齢者夫婦の生活保護費は約200万円です。保護費というのは総収入から税金等を引いたいわゆる所得のことですよ。だから年所得200万円以下というのはこういう生活保護水準以下という生活をしておられる、ギリギリの生活をしておられる世帯です。保険料を「払わない」というのではなく、「払えない」世帯ではありませんか。資格証では病気治療の時、医療費全額を払わなければなりません。あなたが言った、国民皆保険、国民健康保険が果たす役割、この役割は果たせないんですよ。生活費に事欠き、保険料すら払えないこれらの世帯でだれかが病気になった時、「資格証」があるからということで安心して病院にかかることができますか。お尋ねします。
局長資格証明書によります受診でございますが、資格証明書は被保険者の資格があることを証明するというものでございまして、受診される際は医療機関の窓口で治療費等全額が自己負担ということになりますが、後日、保険者に申請することにより、療養費の支給を受けるということができるというものでございます。やはり必要な保険料については納付していただく、しかも、いわゆる納付能力があって納められない、そういう方についてはやむを得ずいわゆる資格証明書を発行しておるという現状でございますので、その点はご理解をいただきたいというふうに思います。
星野あなた方が相互扶助だということを強弁することで、今の間違いが起こっているんですよ。生活保護費の水準の以下の方たちですよ。払えるのに払えないというのではないでしょう。それで、資格証ということで10割払わないといけない。これでは病気の治療が受けられないんですよ。これまでの調査でも、資格証しか持たない人、この人たちは保険証を持っている人の100分の1しか本来受けるべき治療を受けられていないと、これが実態です。それでは、お尋ねしますけれども、本市の資格証発行世帯は何%で、これは他の政令市の比率と比べるとどのような状況ですか。
局長平成19年3月末現在の各政令市の資格証明書の交付率で申し上げますと、福岡市が5.6%でございまして、政令市の中では一番割合としては多いという状況にございます。その次には千葉市が4.8%、横浜市が4.4%、逆に交付率の低い都市はさいたま市がゼロ%、世帯数にして20世帯、名古屋市が0.2%、仙台市が0.6%となっています。
星野資格証発行の比率は、政令市の中で福岡市が一番高い。一方、さいたま市はゼロ%、名古屋市もわずか数件しか発行はしていません。本市でも、資格証の発行つまり、国保証の取り上げというのは、なくすことができるのではないですか。
局長特別の事情もなく保険料を滞納され、納付について誠意がみられない方に対しましては、やむを得ず資格証を交付しているということでございますので、ご理解を賜りたいと思います。
星野保険証はほしいんですよ。保険料払いたいのに払えないんですよ。言われたことはですね、政令市で一番保険証を取り上げる。その理由にはいっさいなりません。国保法36条では加入者にたいし、「療養の給付を行う」と規定しています。これが法の本旨です。資格証では病院に持っていっても、10割ですからね。10割払わないといけない、無いのと同じですよ。市長に福祉の心があれば、その考え一つで他の都市のように取り上げないこともできるのです。西区の70歳の女性は最近まで1800円の保険料だったのが一挙に1万3,000円になったそうです。とても払えなくなった。あなたがたはこの方からも保険証を取り上げたんです。もともと老人保健法適用の方や、あるいは報道されたような方たち、病気の方から保険証を取り上げたりすることは国民健康保険法違反ではありませんか。お尋ねいたします。
局長可能な限りいわゆる相談と言いますか、ご理解を得るということで対応いたしておりますけれども、どうしても理解が得られないそういう場合につきましては資格証の交付というものをいたしておるという状況でございますので、ご理解をお願いします。
星野相談に行っても、50万円持ってこなければダメと。これがあなたたちがやっている相談ということです。規則や政令で細かく国保証返還請求の対象としてはならない事例が書かれています。あなたがたはこれまでも被爆者の方、入院中のお年よりの方等々、明らかに保険証を交付しなければならない方へも資格証を発行し、問題を指摘されると謝罪でごまかしてきています。許されないことです。軽度で治る病気をわざわざ重篤な、命に関わる病気に進行させているのが実態ではありませんか。これは予防医療にも逆行し医療費の引き上げにもつながるものです。市長、あなたがやっていることが、お金のない人を医療から締め出し、病院にかかれないようにしているのです。これは明らかに社会保障の理念に反しており、このような保険証の取り上げはやめるべきだと思いますがご所見をお伺いいたします。
局長私どもの運用といたしましては、特に配慮が必要な方、そういう場合には一定の要件の元に保険証を交付して受診できるよう、そういう措置も講じておるということでございますので、その点はご理解をいただきたいと思います。
星野それは当然なんですよ、法で決まっているんですから。それ以上の取り上げをしていることが問題なんですよ。本当に冷たいです。法違反にもつながり、市民の命をも危うくする保険証の取り上げはやめるべきです。
■差押え 払いたくても払えない人を「悪質」と決めつけるのか
星野しかもこの問題の冷酷さはそれだけではありません。保険証は取り上げた上に、今度は「差押え」です。本市の「差押え」件数の推移はどうなっていますか。
局長負担能力がありながら、納付相談や催告等にも応じられない、いわゆる悪質な滞納者に対しましては、やむを得ず差押え等の滞納処分を実施いたしております。過去3年間の差押えの状況でございますが、平成16年度が114件、平成17年度が57件 平成18年度が363件でございます。
星野悪質な人だけですか。そうではないでしょう。こうやって年々増え続けているんですよ。先ほど言った70歳の方のところにも「差押予告通知書」がきたそうです。「この身を削って持っていってもらうしかない」とこのように言われています。あなたたちは事情も聞かずに、病気の人、低所得者、高齢者お構いなしに差押通知をだしています。早良区のAさんは滞納分をまじめに分納してきました。ところが夏場に仕事が少なくてどうしても払えない。2ヶ月分支払うことができなかった。徴収員の方に事情をきちんと話していた。にもかかわらず、あなた方は一方的に差押通知を送りつけたんですよ。ひどい仕打ちです。差押よりも、必要なのはまずこの方たちの事情を聞き、親身な相談にのり、救済することではありませんか。一方的に悪質だと決めつけるんですか。
局長督促状、催促書の送付や訪問によります、可能な限り理解と協力を得て納付していただくということで、相談を実施するということで、努めて、そういう相談に努めておりますけれども、どうしてもやむを得ない場合には差押えというものを実施しておるわけでございます。
星野こういう相談をしていても、そして事情を話していてもあなた方は一方的に悪質だと払う気がある人にも差押え通知を送りつけているのが実態です。こういう脅しではなく、親身に相談にのることこそ必要です。元々これらの問題の根源は、あなた方が「払いたい」のに「払えない」ほど、本市の国保料を、国民健康保険料をどんどんと高くしていることに問題があります。
■国保料はなぜこんなに高いのか
星野次に、この高すぎる保険料についてお尋ねします。年所得200万円までの世帯は、被加入世帯の何%を占めますか。
局長80.4%ということでございます。
星野生活保護基準、あるいはそれ以下の方が圧倒的に多いと。それでは、年の所得割算定基礎額200万円の3人家族の場合の実際のですね、本市の国保料はいくらですか。2004年からの額をお答えください。
局長40歳代夫婦二人と子ども一人の3人の医療分と介護分を合わせた保険料は平成16年度が26万5,100円に対しまして、平成17年度は配偶者特別控除の廃止や配偶者に対します均等割非課税の廃止等のいわゆる税制改正によります市民税額をもとに算定し、35万1,400円ということになってございます。このため平成18年度には賦課方式を市民税方式から、税制改正の影響の少ない所得比例方式に変更し、算定しておりますが、負担緩和措置後の額で申し上げますと平成18年度は40万5,100円、平成19年度は43万7,600円でございます。
星野要するに2004年は26万5,100円で、それが今年は43万7,600円になっていると。これが負担緩和措置もして、こういう状況だということです。何とわずか4年間で1.65倍にも上がっているということです。それではこの43万7,600円、これが負担緩和措置がない本来の国保料というのはいくらになりますか。
局長46万9,600円ということでございます。
星野同じ条件で3人家族の国保料、他の政令市の場合を試算してみました。本市はですね、47万円ですね。これは政令市で一番高いわけです。ずばぬけて大きい額ですよ。安いのは横浜市、川崎市でどちらも24万1,000円台です。そして広島市、神戸市、名古屋市につづき千葉市が27万円、ここまでが20万円台です。本市の国保料の47万円はこれらの市の倍近くにもなります。お尋ねしますけれども、本市の保険料は他都市に比して、なぜこんなに高いのですか
局長国民健康保険料は医療費や老人保健拠出金等の歳出に対しまして、保険料の収納状況や国や県からの補助金などの歳入を勘案して算定するというものでございますけれども、本市におきましては主に医療費が高額であり、依然として増加傾向にあること、また、被保険者の所得水準が割合高いこと、あるいは若年者が比較的多い年齢構成等により、こうした要素を勘案して算定されます国や県の交付金が少ないということに加えまして、収納率が低迷しておるということで、国からの交付される調整交付金も一部カットされておる、こういったいろんな要素が相互に影響して、保険料というのがこういう現状になっておると、こういうふうに考えております。
星野国の補助金の削減、これについては私どもも不当だと思います。国からの補助金が少なくなったこと、これも一つ保険料を上げる要因になっていると。これは補助の大幅増を国に要求するのは当然です。しかし、これは他の自治体も同じ条件なんですよ。お尋ねしているのは、なぜ他の都市の倍近くになるほど、本市が高いのかということです。これは、一つには総医療費が高いためだということを言われています。それでは本市の一人当たりの医療費はいくらで、政令市ではそれは何番目に当たりますか。
局長平成18年度の本市の一人当たり医療費は、43万6,728円で、政令市の中では5番目ということになっております。なお一番高い都市は、北九州市で52万4,613円ということでございます。
星野一人当たりの医療費が一番高いのは北九州の52万4,613円です。本市よりも10万円も高いと。それでは一人当たりの保険料、国民健康保険料が一番安いところはどこですか。
局長北九州市でございます。
星野医療費が高額だから、高くなるんだと言われましたけれども、本市よりも10万円も高いのが北九州市。ところが、一人当たりの保険料が一番安いのは北九州市。ようするに医療費がどんなに高くても、国保料は安くすることができるということではありませんか。
局長医療費と保険料には、必ずしも相関関係が見られませんけれども、これは被保険者の所得水準、あるいは年齢構成等を反映して算定されます老人保健拠出金、および国県の交付金や保険料の収納状況、およびこの収納率にかかります調整交付金の減額措置の有無等の影響によるものと考えられます。
星野要するに、市が努力をすれば医療費総額が高くても、国保料は安くできるというのが実態ですよ。やる気があるのかどうかということです。具体的にお尋ねします。市は毎年一般会計から国保会計への繰り入れを行っています。その繰入には法定内繰入と、法定外繰入があります。どういう違いがあるんですか。
■国保料を引き下げるために他都市はどういう努力をしているか
局長法定繰入は国民健康保険法などの規定によりまして、被保険者の所得水準や年齢構成等を反映して算定されるものでございます。一方、法定外繰入は法令に定めのあるもの以外で、負担の公平性などを勘案し、一定の考え方のもとに必要に応じて市町村が独自に行うというものでございます。
星野法定外の繰入については「独自に」とおっしゃいましたけれども、何かこれだけと決まった額、あるいは定めがあるんですか。
局長保険制度の主旨に鑑み、国民健康保険以外の被保険者の方との負担の公平性をこういったものを勘案し、慎重に行うべきものと考えております。
星野もっと他に慎重に支出してほしいものがたくさんありますけどね。要するに「法定内」というのは、法律で決まった分で当然出さなければならない分と。そして「法定外」の分は各自治体の裁量で出すと。被保険者の負担軽減のための努力分ということです。あなた方はこれを「慎重に」ということを中心に考えておられる。しかし、それでは、本市の法定外繰入額はどういう内容で、いくらですか。
局長法定外繰入につきましては、条例に基づきまして保険料の減免分、乳幼児医療費などの助成による医療費への波及分や診療報酬の審査支払い手数料などで、平成18年度は約67億円でございます。
星野それでは法定外繰入総額の多い政令市の名前と額を3番目まで教えてください。
局長大阪市が約173億円、名古屋市が約163億円、横浜市が約134億円でございます。
星野ケタが違うんですよね。各自治体でこの国保料減額のために様々な名目、内容で繰入の努力がなされています。その中の一例ですけれども「市独自減免の財源のための繰入」というものがあります。これを比較してみますと、2005年度の額をみると本市はわずか1億4000万円だけなんです。しかし、神戸市や名古屋市は約20億円、京都市は28億円、大阪市はなんと63億円もこのために繰入をしているんです。さらに赤字分を一般会計からの繰入で圧縮しているところ等、実態に応じてですね、繰入の努力をしている。被保険者の保険証を取り上げないでいいように、その努力がされているんですよ。それでは、各政令市の、この法定外繰入金の各都市での総額、これがどのくらいの規模なのかを比べてみたいと思います。財政規模の違いを勘案するために、各政令市の普通会計の歳出決算額に占める法窓外繰入金の割合をお尋ねします。率が高い政令市の名前と率を2番目まで教えてください。
局長まず、一番多いのが川崎市で2.0%、ついで名古屋市が1.7%でございます。
星野福岡市は、何番目で率は何%ですか。
局長1.0%で9位でございます。
星野川崎市は普通会計の2.01%の繰入をしています。本市はなぜわずか1%しかないのですか。これは少なすぎるんではないですか。おたずねしますけれども、例えば川崎市のように普通会計の2%の補助をし、保険料引き下げに使うとすれば、被保険者一人当たりの保険料をいくらひきさげられるのですか。
局長約1万5,000円ということになろうかと思います。
星野一人1万5,000円、二人世帯なら3万、四人世帯なら6万、これだけ下げられるのですよ。今の本市の国保行政には、このような抜本的な改善こそ必要です。本市の高すぎる国保料が、収納率悪化の原因にもなっています。98年までは収納率は90%以上あったものが、国保料が毎年毎年上がるにつれて、収納率はどんどん減ってきています。2006年度は差押の脅しで若干増加したものの、減傾向は変わりません。そこで収納率の問題で国は補助金にペナルティを掛けていますがどういうもので、本市への影響額はいくらですか。
局長保険料の収納率低下によって調整交付金の減額がされるものでございまして、平成18年度で申し上げますと9%の適用で額にいたしまして約8億5,500万円ということでございます。
星野1O年間で50億円です。先ほどあなた方はこれも一つの保険料上げる要因になっていると言われました。この補助金削減ですが、これもまた被保険者の保険料に上乗せをしていると。そして、言われたように保険料引き上げの要因に、あなた方はしてきたんですね。確認します。
局長収納率低下にともないます国から交付される調整交付金の減額は、保険料算定に影響しているというふうに考えております。
星野それを当然のように言われるのが、とんでもないことです。ペナルティ分まで保険料に上乗せをする。一人当たり保険料が一番安い北九州市は、収納率が一番高いんですよ。そうするとペナルティがないんですよ。払える額にすることが重要なんです。本市の状況をみると、保険料が高くて払えない人が増える。そうすると収納率が下がる、すると国からはペナルティが課せられて、国保会計はいっそう深刻になる。その影響をまた被保険者に上乗せをして、保険料を払えない人を増やしている。その一方で本市ではさらに深刻なのは資格証発行により、病院にかかれない人を増やしているんです。この病気の悪化による医療費の高騰を招き総医療費をますます引きあげている。そしてますます上がる保険料は、払えない人を増やし、さらに収納率をダウンさせる。まさに、このままでは抜け出しようのない「悪魔のサイクル」ではありませんか。これを断ち切るためには保険料の引き下げが必要だと思いますが、ご所見をお伺いいたします。
局長国民健康保険料というのは、やはり被保険者の相互扶助ということでございます。我々としては、当然保険料の収納状況の改善、収納率の向上というものは、しっかりとやっていく必要があろうかと思っております。やはりこの国民健康保険制度というのが、高齢者、あるいはニート等若者、さらにはいわゆる就業形態の多様化、こういったまさに基本的と申しますか、問題が内在しておるというふうに考えておりますので、このへんについてはしっかり、やはり抜本的な見直し、これについて国にしっかり意見申し上げていく必要があろうかと考えております。
■「悪魔のサイクル」を断ち切るためには国保料の引き下げが必要ではないか
星野国に抜本的な制度の拡充を図らせると。これは大事なことです。しかし、問題になっているのは、本市がこの国民皆保険制度とはいったい何なのか。そして、国民健康保険法第1条にある社会保障の制度なんだという、これをよく考えなければならないときです。今の繰入では、本市の深刻な現状の改善はできていないんですよ。「悪魔のサイクル」を断ち切るものにはなっていません。しかも本市では、これに加えて医療費削減のための「予防医療」にも逆行する全国一の保険証とりあげまで行っている。まさに市民の健康を犠牲にしながら、いっそう保険料高騰の道を突き進んでいるということではありませんか。今、あまりにひどい本市の国保行政に悲鳴をあげた市民が、国保料引き下げを求めた署名運動に取り組んでおられます。わずか一ヶ月で、5万5881筆もの署名が集まり本市議会に提出され、さらに運動は大きく広がっています。街頭での署名に手を合わせて「お願いします、お願いします」と何度も頭を下げられたお年寄りが何人もおられます。「春日市から転居してきたが、国保料が20万円も上がった」と福岡市への怒りを燃やしておられる方、訪問すると待っていたとばかりに国保への不満を述べ、たくさんの署名を預かってくださった老人会の会長さん、等々、あまりにも残酷な実態を何とかしなければと党派を超えた多くの方たちが、真剣にこの国保料の引き下げのために動いておられます。市長は、この市民の切実な声に真撃に耳を傾け、人工島への無駄な予算投入をやめ、一般会計から国保会計への繰入を大幅に増やし、被保険者の国保料の大幅な引き下げに取り組むべきだと思いますが、ご所見をお伺いいたします。さらに市民の命を脅かす国保証の取り上げはやめるべきだと思いますが、この問題の最後に市長の答弁を求めます。
吉田市長医療保険制度のセーフティネットとしての国民健康保険の運営というのは極めて重要であると思いますし、これまで多額の市費を繰り入れるとともに収納率アップに努めてきたところであります。しかしながら、今この制度、今後のいっそうの少子高齢化の進展、それから就業形態の多様化の中で医療費が高くなることが考えられる一方で、保険料収入や国、県からの補助金などの財政基盤も極めて脆弱であります。運営が厳しさを増すこの構造的課題を抱えておりまして、議員ご指摘のサイクルに陥っているとすればその元凶が何かしっかりと見極めて、そのメカニズムをきちんと解明して我々としても取り組むべきことがあるとは思います。これはしっかりとこれから先も取り組んでいく大変重要なご指摘だと思って受け止めています。