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2007年12月議会
就任1年 市民の声きかない市長を追及
2007年12月12日 宮本秀国議員の一般質問
こども病院の人工島移転の撤回を要求
市立こども病院の人工島移転計画について、宮本市議は、市内の小児科医69名が人工島移転反対の要望書を市長に出したことや、こども病院院長が病院事業運営審議会で利便性の配慮を求めたことなど、反対意見が大きく広がっていることを力説。「こども病院の人工島への移転計画を見直す」との吉田市長の選挙公約を示し、「公約を破るのか。こども病院の人工島移転決定は民意を無視している」と厳しく批判しました。
さらに「真のねらいは、人工島の土地処分ができずに厳しい経営状況の博多港開発の土地を市が買い、福岡銀行など融資銀行団への返済金をつくってやるためではないか」と追及し、移転計画の撤回を要求しました。
宮本市議は、こども病院の場所に関し、人工島が「交通手段は最悪。災害時緊急対応ができない。市内に3つある小児医療の拠点病院の配置バランスが崩れる」などその問題点を指摘。こども病院の近くの当仁中学校跡地が市有地で土地代が要らないことなどを示し、現地建替えまたはその近くでの整備を検討すべきだと主張しました。
市長は、「財政健全化や官民パートナーシップの観点から、手順を踏んで検討してきた。移転すれば現在の患者と家族に影響することは認識しているし、現地整備の声も分かるが、アイランドシティ(人工島)が最適。今後、専門家の意見も聞く」と答弁しました。
「グランドデザイン」は前市政と同じ市民犠牲型
宮本市議は、吉田市長が12月に発表した「2011グランドデザイン」概要について質問しました。
「グランドデザイン」は「政策推進プラン」「行政改革プラン」「財政リニューアルプラン」の3本で構成され、吉田市政の基本となるものです。
「政策推進プラン」について、宮本市議は、2003年3月の「新・基本計画」の実現を掲げており、山崎前市政の政策を踏襲するものだと暴露。「アジアの交流拠点都市」と称して人工島や九大学研都市、香椎副都心などの大型開発を進めようとしていることを批判しました。
「行政改革プラン」についても、前市政同様、「民間でできるものは民間で」として行政業務や市民サービスの民営化や民間委託を進めようとしていることを指摘し、「公的責任を放棄し、市民に犠牲と負担増を押しつけるものだ」と批判しました。
「財政リニューアルプラン」は財政健全化目標として毎年の市債発行額を690億円から2011年度に450~500億円へと抑制することを掲げています。宮本市議は、これまで先延ばしされてきた学校や市営住宅、水道、下水道など市民生活に関わる施設の建て替え・更新・耐震化が今後十数年間必要となってくることを示し、「ムダな大型開発を優先したまま市債発行を減らそうとすれば、生活関連の公共事業が後回しにされるのではないか」と追及しました。
また財源不足の解消として、公共料金値上げや福祉切り捨てなど、市民に犠牲を押しつけることは許されないとただしました。
財政局長は「歳出全般において必要性、効果、民間との役割分担など様々な視点で見直しを行い簡素で効率的な行政にしていく」などと答弁しました。
吉田市長と財界との関係について
吉田市長が今年の自らの誕生日(9月18日)に地元財界トップの数人と会食していた問題についてただしました。
市長は「山笠の台上がりの有志による反省会で、お誘いを受けて行った。たまたま私の誕生日だった」などと事実関係を認めましたが、誰と会ったのか、会費を払ったのか、など詳細については答弁を避けました。
宮本市議は「人工島にしても天神開発誘導(容積率の規制緩和によるビル建設促進)にしても、市長は財界の要求を次々受け入れているが、財界関係者との会食の場でその約束がされたということか」と疑問を投げかけ、「財界の酒席にのこのこ出かけて行き食事や酒を振る舞ってもらう。こうした政治腐敗をまねく財界関係者との不適切な関係はやめるべきだ」と迫りました。
市長は「いろんな人の意見を聞く必要がある。節度を持ってやっていく」と開き直りました。
宮本市議は「市長は国保料引き下げを求める市民との対話集会を断ったそうだが、財界ではなく市民の声こそしっかり聞くべきだ」と市長の姿勢を批判しました。