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議会報告

2006年予算議会

助役の選任についてに対する日本共産党の反対討論

2006年3月28日 中山いくみ議員

私は、日本共産党市議団を代表して、現在議題になっております人事案件、議案第103号、「助役の選任について」に反対し討論を行います。

本議案は、山崎市長が「今後の福岡市政における重要な諸課題に適確に対応していくため」等として、新たに3人目の助役に江頭和彦氏を提案しているものであります。

市長は、2期目の就任後間もなく、「局の自立経営を促すことにより、より柔軟な経営も可能であると判断した」としてそれまでの3人体制を2人にしたにもかかわらず、同じ任期中に再び3人体制にするというのは朝令暮改、まさに市政のひきまわしであります。助役を1人増やせば2300万円という人件費に加え、秘書や運転手の配置、助役室等の整備や交際費、出張費用等含めれば、1億円を超える費用が必要となります。市長は、今議会において、留守家庭子ども会に利用料を導入し、1億7000万円を取り上げる議案を提案する等、市民への負担増路線を推進しています。市民には負担を押し付け、市長の勝手な市政運営を補佐させるためには惜しげもなく市費投入をする、こんな財政運営は断じて認められないのであります。

次に新たな助役が、どういう仕事をするのかという問題であります。

倉元議員の質問でも明らかになったように、3人目の助役は山崎市長が勝手に進めるオリンピック招致、そしてこれを口実に港湾や都心開発に突き進むため、その仕事を担当するものであります。今、オリンピック招致について市民からは「これ以上借金を増やすなどとんでもない」「市民の意見も聞かず勝手に決めるのは許せない」等、人工島事業に続く無駄な大型開発と市民無視の市政運営に対する怒りの声が渦巻いております。TNCの報道によれば、アンケートの結果、招致反対は67%と賛成30%の2倍以上にのぼっているのであります。ところが市長は市民の声を無視し「招致には一円もかからない」「金のかからない五輪を目指す」等とし、2005年度市民局予算から4900万円を流用するなど異常な政治姿勢のまま招致に突き進んでいます。しかも市長はオリンピック招致に伴う財政計画を未だに一切明らかにしておりませんが、須崎埠頭をメインクラスターとするオリンピック構想は、競艇場の移設によるメインスタジアム建設、サブグラウンドや選手村建設、更に各競技場整備も合わせるとそれだけでも2500億円、これに新・都心構想による道路等のインフラ整備費用も加えると4400億円もの市費投入は避けられないのであります。さらに、区画整理等都心再開発が進められることによって、移転補償など莫大な税金投入が避けられません。3人目の助役はこのような仕事を推進するために専任されようとしているのであり、現在2兆7千億円にのぼる本市の借金を更に膨れ上がらせ、市財政を破綻させるものであることは明白であり、そのツケは市民に押し付けられ、大きな犠牲がもたらされることになるのであります。このような助役の配置は認められません。

次に、江頭和彦氏が助役にふさわしい人物なのかという問題であります。江頭氏は、1987年から本市港湾局計画部長をつとめ、博多港の長期構想、博多港港湾計画による人工島計画を作成した張本人であり、その後、運輸省や国土交通省を歴任し建設会社へと天下りをした人物であります。周知のように人工島事業は破綻し、本市財政と市民生活を圧迫する元凶となっており、この計画をつくった当事者としての責任は重大だと言わざるを得ません。

地方自治法では地方公共団体の役割について「住民の福祉の増進を図ること」としており、住民の福祉、暮らし、教育、安全が最優先にされなければならないのであります。然るに山崎市長は市民には背を向け、財界と一部の支援者の方ばかりに顔を向け、大型開発とイベント行政を推進する一方、福祉や教育を削り続け、本市を全国一の借金財政へと陥れてきたのであります。今回の助役選任は、この間違った市政運営に更に拍車をかけるものであり、認めるわけにはいかないのであります。

以上のように、3人目の助役選任は、市民無視の異常な山崎市政を補佐し、開発優先の山崎市政を更に推進、本市財政を破綻させ、市民の苦難を拡げ犠牲をもたらすものに他ならず、我が党は断じて同意できないのであります。

以上で反対討論を終わります。

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