2006年9月議会
助役と収入役の人事案件に対する反対討論
2006年9月15日 中山いくみ議員
私は、日本共産党市議団を代表して、本議会に提案されている人事案件のうち、議案第199号助役の選任及び、議案第200号収入役の選任について、同意できないことを表明し、意見を述べるものであります。
山崎市長は、今回3役人事に当たって、助役に現収入役の永松正彦氏を、収入役に市民局長の北嶋雄二郎氏を提案しております。
市長は、今年4月から助役を2人から3人に増やしました。3月の予算議会で、わが党倉元達朗議員の質問に対し中元助役は、3人目の助役は「オリンピックの招致など重要課題」を担当すると答弁していました。本市のオリンピック国内候補地落選が決定したわけですから、この担当助役は何も仕事がないということではないでしょうか。そうであるならば、今回空席となる助役の後任は置かず、助役を元の2人制に戻すのが筋であります。ところが市長は、わざわざ永松収入役を助役に充て、その収入役にオリンピック招致で奮闘した北嶋市民局長を引き上げるのであります。本来ならば、無謀なオリンピック招致に突き進んだ担当局長として、市長とともにその責任が厳しく問われる立場にある北嶋氏を、昇進させることにどういった意味があるのか、オリンピック招致に反対した多くの市民は納得しないでしょう。このような人事は、市長が、市民を無視し、4億円を超す税金をムダづかいして、オリンピック招致に突き進んだことに何の反省もないことを示すものに他なりません。
周知のように、地方自治法は助役の職務について、普通地方公共団体の長を補佐し、長に事故あるとき、または長が欠けたときは、その職務を代理すると定めており、地方公共団体にとって極めて重要な職務であります。また、収入役の職務については、普通地方公共団体の会計事務をつかさどると定めており、会計事務について普通地方公共団体を代表するものであります。したがって、助役等の選任に当たっては、国民主権と基本的人権の保障、民主主義の諸原則を定めた日本国憲法と地方自治法を遵守すること、また、住民自治を基本に地方自治体を発展させ、市民に奉仕することを貫く意志と実績があるかどうか等が厳しく問われているところであります。
今日、国の悪政から市民生活を守る防波堤の役割を果たす地方自治体の存在意義が真剣に問われる中、本市においても、開発行政から市民生活優先への転換が強く求められております。しかるに、山崎市長は、市民の願いに反して、人工島などむだな大型開発を最優先し、破綻救済に湯水のごとく税金、公金をつぎ込み、隠れ借金を含む市債残高を8年間で5000億円増やして、2兆7000億円、市民一人あたり200万円にふくれあがらせて深刻な財政危機をつくり出しました。一方、家庭ごみの有料化や留守家庭子ども会の利用料導入など100億円を超す公共料金値上げ、敬老金カットや老人医療費助成制度の廃止など、借金財政のツケを市民に押しつけてきました。
永松氏及び北嶋氏は、こうした山崎市長のもとで局長等を歴任してきた人であり、国の構造改革路線に追随した福祉と教育の切りすて、市民無視の開発優先の市政運営を中心部から支えてきた本市幹部です。こうした2人を含む今回の3役人事は、山崎市長がすすめる新都心構想や須崎ふ頭再開発、新福岡空港建設など大型開発のムダづかい路線をいっそう推進するためのものであり、わが党は断じて容認できません。
したがってわが党は、永松氏の助役選任、及び、北嶋氏の収入役選任に同意しがたいのであります。
以上、わが党の見解を述べ、反対討論を終わります。