2006年6月議会
必要ない人工島の護岸工事はやめよ
2006年6月13日 倉元達朗議員の議案質疑
福岡市の6月議会で山崎市長は、人工島を新たに埋め立てるための仮護岸工事の契約にかんする議案を提案。日本共産党の倉元たつお議員が、この問題を追及しました。
市は、現在はまだ海であるこの地域(市3工区のC2地域)を埋め立てて、15メートルという大水深の岸壁とコンテナ置き場をつくり、そこに大型船をたくさん入港させるという絵を描いています。こうした事業全体で399億円もかかる見込みです。
倉元議員は、第一に、人工島では大型船の利用は見込めずそのための岸壁づくりはムダづかいになること、第二に、土地が売れず、すでに収支計画が破たんしている人工島事業にこうしたムダな岸壁をつくることは、いっそう深刻な事態をまねくこと──この二つの角度で市をただしました。
第一の問題について、倉元議員は、そもそも大型船が入る15メートルもの大水深岸壁は必要ないと指摘。欧米などへ行く3万トン以上の大型コンテナ船の入港数は人工島には1隻もなく、となりの香椎パークポートでもどんどん減っていることを明らかにしました。
さらに、たくさんの荷を一度に運ぶ大型船が必要な欧米航路の利用は減少、中国・韓国・アジアからの近海航路がふえており、小さい貨物を小さい船で博多港に運び込むのがトレンドになっていると指摘しました。倉元議員は「『船が大型化している』という市の整備理由は崩れている」「15メートル岸壁は過剰投資であり、やめるべきだ」とただしました。
また、第二の問題、人工島の収支計画についても追及。従来の貯金を崩して帳尻を合わせていることを明らかにし、2005年度は計画の区域の土地が1件も売れていない事実をつきつけて「収支計画は崩れている」と批判しました。
市側は、15メートル水深の岸壁の必要性について、「海運事情は変化する」「世界の動向はアジアも北米航路も利用が増え、コンテナは大型化している」「アジアでは15メートル水深は主流」などと弁明し、収支計画についても「会計全体では収支がとれている」などと正当化。事実に目をふさぎ、ムダな公共事業につきすすむ姿勢をあらわにしました。