2005年9月議会
意見書について
2005年予算議会では、4つの意見書が全会一致で可決されました。可決された意見書を紹介します。
あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律及び関係法令の遵守と無資格取締りの強化に関する意見書
あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律において、医師以外の者で、あん摩、マッサージ若しくは指圧、はり又はきゆう(以下「あん摩等」という。)を業としようとする者は、それぞれ、あん摩マツサージ指圧師免許、はり師免許又はきゆう師免許を受けなければならないと定められています。
しかしながら、近年、全国各地において、マッサージ類似店舗等の増加に伴い、無資格であん摩等を施術するといった事例が増加しており、これらの無資格者が事故を起こすことも懸念されています。
よって、福岡市議会は、国会及び政府が、あん摩業、マッサージ業及び指圧業の健全な発展と視覚障がい者の就労の場を確保するため、無資格の取締りを強化するとともに、法改正を含め、同法の運用基準を明確化しその遵守を徹底させるなど、早急に適正化対策に取り組まれるよう強く要請します。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
平成 年 月 日
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
厚生労働大臣
国家公安委員会委員長 あて
議長名
(全会一致)
福岡県西方沖地震災害を激甚災害に指定すること等を求める意見書
今月20日午前10時53分、本市北西40キロメートルを震源とするマグニチュード7の福岡県西方沖地震が発生しました。同地震は、最大震度6弱の揺れを記録し、いまだ余震が断続的に続いており、所によっては震度5強の揺れとなる余震の発生が懸念されるなど、予断を許されない状況が続いています。
本市では死者1名、負傷者600人以上の人的被害が出ています。また、山間部・都心部を問わず相次いで避難勧告が出され、玄界島ではほぼすべての島民が避難したのを始め、避難者は全市で2,800名を超え、なお、継続的な援助を必要としています。
また、物的被害も甚大であり、2,000戸を超える家屋被害のほか、道路、港湾施設等のインフラにも大きな被害が発生しています。
現在、昼夜を分かたず、懸命な被災者支援、災害復旧・復興対策等に努めていますが、地震による被害修復が長期にわたることは必至であり、仮設住宅の建設や被災者の生活再建支援など、多くの課題に速やかに対応する必要があります。
本市を始めとする被災自治体においては、現在、多くの財政負担が生じており、今後も被害復旧に向けて更に多額の財政措置が必要になってきます。
よって、福岡市議会は、国会及び政府が、災害応急対策、災害復旧・復興対策等を積極的に講ずるとともに、本災害を激甚災害として指定し、財政支援措置を実施されるよう強く要請します。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
平成 年 月 日
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
防災担当大臣
総務大臣
財務大臣
国土交通大臣 あて
議長名
(全会一致)
発達がい者に対する支援促進を求める意見書
自閉症、学習障がい(LD)、注意欠陥・多動性障がい(ADHD)、アスペルガー症候群などの発達障がいへの対応が緊急の課題となっています。発達障がいは、低年齢で現れることが多く、文部科学省の調査では、小中学生全体の6%に上る可能性があるとされています。
このような中、平成16年12月に発達障害者支援法が制定され、本年4月から施行されます。この法律には、国及び地方公共団体の責務として、発達障がいの早期発見や支援などについて必要な措置を講ずるよう定められています。
発達障がい者に対しては、幼児期から学齢期、就労まで一貫した支援策が必要です。そのためには、教育・福祉・保健・就労などの業務を担当する関係機関が連携し、一人一人の状況に応じた個別指導を行うなどの対応が欠かせません。
国は、都道府県ごとに発達障害者支援センターを設置するとしていますが、よりきめ細かな支援策を実施するには市区町村の役割が極めて重要であり、支援のネットワークづくりが急務となっています。
よって、福岡市議会は、国会及び政府が、地方自治体において次の事項を早急に実施できるように、財政支援等の措置を講ぜられるよう強く要請します。
- 関係機関と連携して支援体制を整備すること。
- 発達障がいの早期発見に向けて、乳幼児健診や就学時健診を充実するとともに、新たに児童健診制度(4〜5歳児健診)を確立すること。
- 保育園、幼稚園、放課後児童健全育成事業における発達障がい児の受入れを促進するとともに、指導員を養成し配置すること。
- 専門医の養成及び人材の確保を図ること。
- 発達障がい者への理解を深めるため、意識啓発を推進すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
平成 年 月 日
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣 あて
議長名
(全会一致)
政令指定都市に対する県費補助の改善を求める意見書
本市では、乳幼児や重度心身障がい者など、いわゆる社会的弱者とされる市民を対象に、保健の向上と福祉の増進を図るため、自己負担分に係る医療費の助成制度を実施していますが、近年の厳しい財政状況において、制度継続に当たり、その財源確保は喫緊の最重要課題の一つとなっています。
福岡県においては、県下の全市町村を対象に、乳幼児や重度心身障がい者などの医療費公費負担対策として県費補助を行い、県民の福祉の増進に寄与しているところですが、乳幼児及び重度心身障害者医療費支給事業費県補助金については、県内の政令指定都市は、補助の対象から除外されています。
しかしながら、これらと同様の医療費助成事業を実施している他の道府県においては、政令指定都市も補助対象とされています。本市は、福岡県に対して、県民に等しく福祉行政の受益が及ぶよう、その早急な改善を求めてきたこところですが、いまだにその状況は改められていません。
また、福岡県心身障害者共同作業所運営費補助金などの医療費助成事業以外の補助事業においても、同様の取扱いがなされている状況にあります。
よって、福岡市議会は、福岡県が、乳幼児及び重度心身障害者医療費支給事業費県費補助金について、政令指定都市も補助対象とするとともに、福岡県心身障害者共同作業所運営費補助金などの医療費助成事業以外の補助事業についても、同様の改善措置を講ぜられるよう強く要請します。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
平成 年 月 日
福岡県知事 あて
議長名
(全会一致)