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議会報告

2005年9月議会

議案に対する反対討論

2005年9月30日 比江嶋俊和議員

私は日本共産党市議団を代表して、本議会に提案されている諸議案のうち、議案第262号および265号ないし267号、271号、272号ならびに278号に反対し、討論を行ないます。

まず、議案第262号、一般会計補正予算案のうち、人工島の住宅市街地総合整備事業の追加についてです。この2億8,700万円余は、アイランド西3号線の用地取得費と道路にかかる工事費です。当初予算とあわせて、本年度約15億円もの税金が博多港開発工区の道路整備に投じられることになります。そもそも人工島事業は独立採算であり、税金投入は行わないとして強行されたもので、博多港開発工区の道路整備は博多港開発が自らの負担で行うべきものであります。今回の整備は市長が事業計画を変更して、市が肩代わりするというものであり、破綻救済に他なりません。

人工島事業については、1999年の大規模事業点検に関わって、市長は「ひきかえす勇気を持って見直す」などと言っておきながら、赤字であった収支報告書を事業継続先にありきで、黒字に改ざんしたことが明らかになりました。また、「貴行に損害を与えないことを約束いたします」という2001年3月30日付け文書について、市長はわが党の質問に答えて、銀行団の要求に応じて「イヤだったが文書を出した」と述べました。さらに、同年8月20日には市長同席のもと、博多港開発の融資銀行団との間に、より拘束力の強い協定書が交わされたことも明らかになりました。これらにもとづき、今回住市総も含め、博多港開発の破綻救済のために、新事業計画にもとづく200億円を超す税金投入、中央公園や学校の建設、市民病院とこども病院の統合移転計画、博多港開発2工区の直轄化など、銀行に損害を与えないためのあらゆる手だてが次々具体化され、市民の税金は湯水のように使われつづけています。こうした事実を見れば、銀行いいなりの市長の文書と協定書が、違法な債務保証であることは明白です。人工島事業継続のためなら、事業点検の改ざんも違法行為の債務保証もするという市長の行為は、市民を欺く背信行為であり許されません。

したがって、補正予算案のうち住市総関連については削除すべきであります。


次に、議案第271号老人医療費助成条例を廃止する条例案についてです。これは市民税本人非課税世帯など、一定の所得以下の67歳から69歳までのお年寄り約1万 4,000人を対象に、老人保健医療と同等の自己負担1割になるよう助成する現在の制度を来年3月で廃止するというものです。これにより、一人平均8万5,700円の負担増となり、必要な医療が受けられない人が増え、お年寄りの命と健康を危険にさらすものであります。

小泉構造改革のもと、この4年間社会保障を削減の対象にして、自立自助の名で公的扶助を削り、医療や介護、年金の改悪が次々行われ、高齢者には大負担が強いられています。

こうした中、市長は小泉内閣に追随しこの7年間で、敬老無料パスの廃止で5億円、老人医療費助成制度の縮小で2億5,000万円、敬老金の縮小で2億5,000万円と、これまでで10億円、その上、今回の老人医療費助成制度の廃止で10億円、あわせて20億円をお年寄りからむしりとり、追い打ちをかけようとしています。市長は、人工島事業を何が何でも進めるために、その破綻救済には惜しげもなく税金をつぎ込み、しわ寄せを高齢者をはじめ市民に押しつけています。こんなお年寄りいじめの市政は断じて許されません。したがって老人医療費助成制度の廃止に、わが党は断固反対であります。 


次に、議案第278号葬祭場用建物の取得についてです。これは新しく建設された葬祭場の建物を約51億円で、くらしの環境財団から本市が取得するものです。新葬祭場は、市民の反対を押し切って建設されましたが、改築・改修であれば30億円で済むものをわざわざ新築するという無駄遣いであります。また、入札をめぐっては、随意契約で株式会社淺沼組に決定するという従来とは違う形の談合が行われた疑惑が指摘されるなど、大きな問題があり、わが党は同議案を認めることはできないのであります。


次に、わが党が賛成する議案のうちいくつかの問題について意見を述べておきます。

まず、議案第270号乳幼児医療費助成条例の一部を改正する条例案は、就学前までの乳幼児の通院にかかる医療費を無料にするというものであり、わが党はこれまでくり返し要求してきたものですが、実施にあたっては段階的に行うのではなく、来年4月から就学前のすべての乳幼児を対象にするとともに、市民の要求の強い初診料についても無料にすべきであります。


次に、議案第275号指定管理者の指定については、市営住宅の指定管理者を市住宅供給公社に指定するものです。わが党は、市民生活に直結する公の施設の管理については、本来直営を原則とすべきと主張してきました。今回、市営住宅の指定管理者を公募せずに、市住宅供給公社に指定したことは、公共性維持の観点から見て当然のことであります。民間営利企業が管理するようになれば、公共の関与がなくなり、企業の恣意がはたらき、個人情報漏えいや入居者の負担増、不正入居のような管理の問題などが起きることが危惧されます。したがって、市営住宅は将来も引き続き、市住宅供給公社が管理すべきであります。


以上で、わが党の反対討論を終わります。


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