トップ > 議会報告 > 2005年4月臨時議会 > 人工島建設事業について福岡市住民投票条例案

議会報告

2005年4月臨時議会


議案第197号

人工島建設事業の継続について賛否を問う福岡市住民投票条例案

上記の議案を提出する。

平成17年4月18日

福岡市長 山崎広太郎

理由

この条例案を提出したのは,平成17年3月30日地方自治法第74条第1項の規定による条例の制定請求を受理したので,同条第3項の規定により意見を附けて議会に付議するものである。


人工島建設事業の継続について賛否を問う福岡市住民投票条例

(目的)

第1条 この条例は、アイランドシティ整備事業(以下「人工島建設事業」という)の継続が福岡市の行財政と市民生活に重大な影響を及ぼすことから、人工島建設事業の継続について市民の意思を明らかにし、もって市政の民主的かつ健全な運営を図ることを目的とする。


(住民投票)

策2条 前条目的を達成するため、人工島建設事業の継続に対する賛否について、市民による住民投票(以下「住民投票」という)を行う。

2 住民投票は、市長が執行するものとする。

3 住民投票は、市民の自由な意思が反映されるものでなければならない。


(住民投票の実施とその措置)

第3条 住民投票は、本条例施行の日から2ヵ月以内に、これを実施するものとする。

2 市長は、人工島建設事業に関して、地方自治の本旨に基づき、住民投票における有効投票の賛否いずれか過半数を得た結果を尊重しなければならない。


(住民投票の期日)

第4条 住民投票の期日(以下「投票日」という)は、第3条1項の期限で市長が定める日曜日とし、市長は10日前までにこれを告示しなければならない。


(投票資格者)

第5条 住民投票における投票の資格を有する者は、以下のいずれかの要件を満たす者とする。

(1) 住民投票における投票の資格を有するもの(以下「投票資格者」という)は、投票日において福岡市に住所を有するものであって、前条に規定する告示の日(以下「告示日」という)において福岡市の選挙人名簿に登録されている者、及び告示日の前日において、選挙人名簿に登録される資格を有するものとする。

(2) 投票日において福岡市に住所を有する者であって、前項に規定する告示日の前日までに福岡市に3ヵ月以上在住していることが住民票によって確認される者であって、告示日の前日に満18歳以上の日本国民である者。

(3) 地方自治法13条の2に定める住民の記録のうち、外国人登録によって、前条に規定する告示日の前日までに引き続き1年以上の日本在住が確認される定住外国人のうち、告示日の前日までに福岡市に引き続き3ヵ月以上在住していることが外国人登録によって確認される者であって、告示日の前日に満18歳以上の者。


(投票資格者名簿)

第6条 市長は、投票資格者について、人工島建設事業の継続について賛否を問う住民投票資格者名簿(以下「資格者名簿」という)を作成するものとする。


(投票の方式)

第7条 住民投票は、秘密投票とし、投票は1人につき1票とする。

2 投票資格者は、人工島建設事業の継続について、投票用紙の次の各号のいずれかの欄に自ら○の記号を記載して、投票箱に入れなければならない。

(1) 賛成

(2) 反対

3 前項の規定にかかわらず、身体の障害等により、自ら投票用紙に○の記号を記載することのできない投票資格者は、規則で定めるところにより代理投票をさせることができる。

4 前2項の規定にかかわらず、目のハンディをもつ投票資格者は、規則で定めるところにより点字投票をすることができる。


(投票所においての投票)

第8条 投票資格者は、投票日に自ら投票を行う場所(以下「投票所」という)に行き、資格者名簿又はその抄本の照合を経て、投票しなければならない。

2 前項の規定にかかわらず、規則に定める理由により、投票所に自ら行くことのできない投票資格者は、規則で定めるところにより投票することができる。


(投票の効力の決定)

第9条 投票の効力の決定に当たっては、次条の規定に違反しない限りにおいて、その投票した者の意思が明白であれば、その投票を有効とする。


(無効投票)

第10条 住民投票において、次のいずれかに該当する投票は、無効とする。

(1) 正規の投票用紙を用いないもの

(2) ○の記号以外の事項を記載したもの

(3) ○の記号のほか、他事を記載したもの

(4) ○の記号を投票用紙の賛成欄、反対欄のいずれにも記載したもの

(5) ○の記載が投票用紙の賛成欄及び反対欄のいずれに記載したかを確認し難いもの

(6) ○の記号を自ら記載しないもの


(投票運動)

第11条 住民投票に関する運動は、自由とする。ただし、買収脅迫等市民の自由な意思が拘束され、不当に干渉されるものであってはならない。


(投票及び開票)

第12条 投票場所、投票時間、投票立会人、開票場所、開票立会人その他住民投票の投票及び開票に関しては、公職選挙法、同法施行令、同法施行規則の規定の例によるものとする。


(結果の告示など)

第13条 市長は、住民投票の結果が判明したときには、速やかにこれを告示するとともに、市議会議長に通知しなければならない。


(委任)

第14条 この条例の施行に関して必要な事項は、規則で定めるものとする。


付則

この条例は、公布の日から施行する。


>>>「2005年4月臨時議会」トップへ戻る

付属資料

福岡市条例制定請求書(写)


人工島建設事業の継続について賛否を問う
福岡市住民投票条例制定請求の要旨

I 請求の要旨

博多湾は古くから私たち福岡市民に豊かな自然環境を提供するとともに、福岡市を海に開いた国際都市としてはぐくんできた、かけがえのない財産です。

その博多湾で進行している人工島の建設は、一方においてはケヤキ・庭石事件を生み出すなど、福岡市政に於ける政・官・業の癒着を生み出すとともに、他方において巨額の市費投入を余儀なくし、福岡市財政逼迫の原因となっています。

最近、人工島建設に携わっている博多港開発株式会社救済のために、その一部を引き継ぎ福岡市の直轄事業としており、人工島事業にともなう債務の返済に今後59年間かかり、私たち福岡市民の孫子の代まで重荷を背負わせることになることも明らかになっています。

このような状態の中で、今福岡市民の中には、このまま人工島建設を続けていっていいものかどうかについて様々な意見が出はじめ渦巻いています。人工島の建設について福岡市に是非一言もの申したいという市民が続出し始めています。

しかし、福岡市はこのような福岡市民の直接の声を聞かないまま人工島の建設を更に続行しようとしています。

私たちは、福岡市の財政にも大きな影響を及ぼすことになる人工島建設の継続について、福岡市が、人工島建設継続に賛成の意見、反対の意見などその意見の内容の如何を問わず、ここで立ち止まって福岡市民の直接の意見を聞くべきだと考えます。

その為に、人工島建設継続の賛否について福岡市民が直接意見表明する機会を作るために、日本国憲法および地方自治法第74条にもとづき人工島建設継続についての賛否を住民投票に付するための条例制定を直接請求します。


2 請求代表者
住所職業氏名
福岡市南区長住7丁目19番27号九州大学名誉教授安東  毅(印)
福岡市中央区警固3丁目4書21号福岡大学名誉教授石村 善治(印)
福岡市中央区草香江2丁目18番1-104号主婦嶽村久美子(印)

上記のとおり地方自治法第74条第1項の規定により別紙条例案を添えて条例の制定を請求いたします。


平成17年3月30日

福岡市長 山崎広太郎


>>>「2005年4月臨時議会」トップへ戻る


>>>「議会報告」一覧ページへ戻る

政策と活動
議員の紹介
トピックス
議会報告
市議会ニュース
リンク
お問い合せ

↑上へ