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議会報告

2004年9月議会

意見書について

福岡市議会2004年9月定例会では、16日(最終日)、6つの意見書案が提案、全会一致で可決されました。そのうち3つは日本共産党が提案したもの(「米軍ヘリコプター墜落事故に関する意見書」「生活保護費の国庫負担削減に関する意見書」「原子力発電所の総点検と安全確保を求める意見書」)。

「緊急地域雇用創出特別交付金の改善・継続を求める意見書」は、建設交運一般労働組合福岡県本部と福岡地区労連の請願を受け、第3委員会が起案しました。

意見書を紹介します。

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米軍ヘリコプター墜落事故に関する意見書

2004年8月13日、沖縄県宜野湾市の沖縄国際大学構内に、米海兵隊所属のCH53D大型輸送ヘリコプターが墜落するという事故が発生しました。

大学の建物は黒煙と炎に包まれ、ヘリコプターの部品が付近の民家を直撃し、大学の職員、学生、地域住民を死の恐怖に陥れました。市街地への墜落という深刻な事故の発生は、福岡市民にも、大きな衝撃と不安を与えました。

この事件では、米軍が一方的に立ち入り禁止区域を設け、事故現場を封鎖し、沖縄県警の現場検証も拒否して、事故機の撤去作業を強行しました。米軍は日米地位協定をその理由にしていますが、主権国家ではあり得ない異常な事態であり、不平等な日米地位協定の見直しが求められています。

そもそも、国民の生命と財産を守ることは、政府の責任です。そのため、このような事故が二度と繰り返されることのないよう、事故の再発防止等に政府は全力を尽くすべきです。

よって、福岡市議会は、国会及び政府が、米軍に対し、住宅地上空での飛行訓練の禁止を要求するとともに、事故原因の究明を日米共同で行い、あわせて、日米地位協定の抜本的な見直しを行われるよう強く要請します。


地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

平成 年 月 日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
外務大臣
防衛庁長官 あて

議長名

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生活保護費の国庫負担削減に関する意見書

厚生労働省は来年度予算の概算要求に当たり、生活保護費の国庫負担率の引き下げを進めようとしています。現在、生活保護費に占める国庫負担率は4分の3です。これを3分の2に引き下げて、約1700億円の削減方向を自治体に提示しています。既に、政府はこの4月から70歳以上の高齢者に保護費を上積みする「老齢加算」を減額しており、向こう3年間で全廃するとともに、来年度から保護母子世帯への「母子加算」も廃止しようとしています。

今、長引く不況で生きる糧を失い、生活保護を必要とする人は増え続けており、制度の充実こそ求められています。

こうした中、国の補助率引下げが強行されるならば、地方自治体への負担転嫁と制度の後退は避けられません。もともと、生活保護は憲法25条の生存権に基づき、生活に困窮するすべての国民に健康で文化的な最低限度の生活を保障することを国の責務として定めた制度であり、国庫負担削減はその国の責任を放棄するものです。

よって、福岡市議会は、国会及び政府が、生活保護費の国庫負担率を引き下げられないよう強く要請します。


地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

平成 年 月 日

衆議院議長
参議院議長
総務大臣
財務大臣
厚生労働大臣 あて

議長名

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原子力発電所の総点検と安全確保を求める意見書

11人が死傷、5人の作業員の命を奪った関西電力美浜原子力発電所3号機の配管破裂・蒸気噴出事故は、原子力発電所の安全管理体制を浮き彫りにしました。

美浜原発事故は、二次冷却系の配管が、稼動以来28年間一度も検査されず、腐食や磨耗によって肉厚がわずか0.4ミリメートルまですり減ったために破断して起きたものです。

二次系配管については、国が検査基準を持たず、電力会社任せにしており、関西電力の外でも点検漏れが発覚しています。また、30年以上稼動している原発が全国で6基あるなど老朽化も進んでいます。原発の安全を確保する体制は極めて不十分であり、国の責任があいまいになっています。

福岡市の近くには九州電力玄海原発があり、原発の安全神話が崩れる中、市民の不安が高まっています。

よって、福岡市議会は、国会及び政府が、美浜原発事故の原因究明に全力を挙げ、全国の原子力発電所の全面的な総点検を早急に実施するとともに、配管等の管理・点検に国が責任を持って体制づくりを行うなど、安全確保を最優先されるよう強く要請します。


地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

平成 年 月 日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
経済産業大臣 あて

議長名

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緊急地域雇用創出特別交付金の改善・継続を求める意見書

長引く不況・リストラなどにより、ここ数年、我が国の失業率は5%前後、完全失業者数は300万人以上という深刻な事態が続いています。失業者数は、今後、ますます増大することが予測され、また、一度失業すれば容易に就職できないのが現状です。とりわけ45歳以上の就職は厳しく、高校卒業予定者の就職内定率が極めて低いという残念な状況も続いています。

この状態がこのまま改善されなければ、地域経済は一層深刻な状況に陥ることは必至です。

このような中、国が平成13年度から予算化した緊急地域雇用創出特別交付金は、地域における雇用の創出に一定の役割を果たしてきましたが、地域の雇用問題は、いまだに耐え難い厳しさにさらされています。

また、緊急地域雇用創出特別交付金事業は、予算規模が小さいことや、雇用期間及び事業内容等に制限があることから、失業者の雇用対策としては不十分なものであり、より効果的な雇用対策として改善が求められています。

よって、福岡市議会は、国会及び政府が、緊急地域雇用創出特別交付金事業について、平成17年度以降も継続して事業を実施されるよう強く要請します。


地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

平成 年 月 日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
厚生労働大臣 あて

議長名

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中国残留日本人帰国者に関する
実効性のある施策を求める意見書

1945年の敗戦時の大混乱において、幼くして中国大陸(主に旧満州)に取り残され、中国社会において実に40年近くの苦難の人生を過ごし、日本に帰国してきた中国残留日本人帰国者たちは、日本社会で自立して生活することを切望しながら、十分な日本語教育も受けられず、言葉の壁もあって就業機会に恵まれず、加齢と共にその約7割以上が、生活保護に頼らざるを得ない、不自由かつ不安な生活を強いられています。

このような中国残留日本人帰国者たちの厳しい現状は、敗戦直後から1980年の第1回日中閣僚会議で日中双方が合意するまで帰国することができなかったことと、国の帰国後の自立支援政策が不十分だったことなどが原因です。

中国残留日本人帰国者の多くが、人生の晩年を迎えている今、残された人生を人間としての尊厳をもって地域社会において遇され、家族と共に真に自立した生活が送れるよう、政府による実効性のある継続的な施策が求められています。

よって、福岡市議会は、国会及び政府が、中国残留日本人帰国者に対し、残された人生を人間らしく生きるにふさわしい援護制度を実施し、あわせて中国の養父母への訪問や、見舞い、墓参りなどについて、交通費などの援助措置を行われるよう強く要請します。


地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

平成 年 月 日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
法務大臣
外務大臣
財務大臣
厚生労働大臣 あて

議長名

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地球温暖化防止森林吸収源対策の推進による
森林・林業・山村の活性化を求める意見書

我が国の森林は、木材の生産はもとより、災害の防止、良質な水の安定供給などを通じて、人々の安全で豊かな生活に寄与してきました。

また、森林は、私たちの生活環境を守る上で、重要な役割を果たしており、特に、近年では、地球温暖化の主たる原因である二酸化炭素の吸収源としての役割が期待されています。

地球温暖化対策では、京都議定書において、我が国の温室効果ガス削減目標を6%、うち森林による吸収量の枠を3.9%と定めており、森林による吸収量を確保し、削減約束を達成するためには、現状を上回る森林の健全な育成が不可欠なものとなっています。

しかしながら、我が国の林業は、国産材需要の減少や木材価格の長期低迷等により採算性が悪化し、間伐などの必要な手入れや植林が行われておらず、このままでは吸収量の確保を含め、森林の有する多面的機能が大幅に減退するおそれがあります。

このため、森林整備に必要な財源を確保し、あわせて国産材の利用を推進することにより、森林吸収源対策を着実に進めていくことが極めて重要であり、この対策の推進は、林業の活性化を通じて、山村地域の振興にもつながるものです。

よって、福岡市議会は、国会及び政府が、多面的機能を持つ森林整備の諸対策を一層充実させるために、新たな財源確保に努め、地球温暖化防止のための森林吸収源対策の確実な推進と森林・林業・山村の活性化を図られるよう強く要請します。


地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

平成 年 月 日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
農林水産大臣
環境大臣 あて

議長名

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