2004年9月議会
2004年9月議会での反対討論
2004年9月16日 日本共産党福岡市議団 星野美恵子議員
私は、日本共産党市議団を代表して、本議会に提案されている諸議案のうち、議案第161号ないし163号、166号、169号、172号に反対し、討論を行います。
まず、議案第161号、一般会計補正予算案のうち、小学校建設費及び中学校建設費計46億円余は、人工島中央公園の北東に位置する約4ヘクタールの土地を小中学校用地として購入するためのものであります。しかしながら、現在人工島には住宅はなく、開校予定の2007年度に人工島では子どもの数が確保できず、学校として成り立たないため「小中一貫校」や「学区制の撤廃」をしてまで建設しようとしています。このように、児童数の見込みすら立たない、必要性も緊急性もない中で、小中学校用地を購入しようとするのは、差し迫った博多港開発株式会社の借金返済の資金づくりのために他なりません。しかも、用地単価は近隣の公園・道路用地の取得単価の1.4倍と不当に高いものになっています。
人工島の破たん救済のために教育予算までつぎ込み、子どもたちまで犠牲にすることは許されません。
次に、港湾改修費のうち28億6千万円はアイランド西1号線、西2号線の用地購入など道路整備にかかる費用であります。本来、道路等の公共施設については開発者である博多港開発が整備するのが当然です。また、住環境整備費3500万円は、人工島住宅用地のうち積水ハウス株式会社・福岡地所株式会社グループの100戸と分譲共同住宅131戸に対しての補助であります。今回補正は3500万円ですが、今後も約44億円の補助金が積水ハウス・福岡地所の開発する住宅事業につぎ込まれる見込みです。これらは、開発者負担ですべきものを公共事業で肩代わりし、民間開発事業者に住宅市街地整備総合支援事業という国土交通省の制度を利用して、多額の補助金をつぎ込み、便宜を図るものです。
以上のように、人工島の破たん救済をしながら、市長はさらに博多港開発2工区の直轄化をはかろうとしています。すでに人工島にかかわる借金は市工区だけで約600億円にものぼっており、さらに博多港開発2工区の直轄化で、本市はこれまでの分と今後の分の事業費合わせて、約700億円もの新たな借金を背負うことになります。土地処分の見通しは立たず、資金計画についても無謀な借金を抱え込むことになるだけです。市長は、人工島事業について「将来の福岡に必要な事業」などと言われますが、市長が将来に残すのは莫大な借金だけであり、まさに「あとは野となれ山となれ」というまったく無責任な態度であります。
したがって、人工島にかかわる補正予算案のうち、小中学校建設費約46億円、住市総関連の約29億円については削除すべきであります。あわせて、博多港開発2工区の直轄化はやめるべきです。
次に、九州大学学術研究都市推進機構に対する予算補正についてであります。そもそも、九大学研都市構想は、公立試験研究機関やアジア総合研究機構などバブル時代の計画というべきものです。学研都市は今や全国いたるところで破たんし、多くの自治体がその後始末をどうしようかと苦慮しているのが現実です。同機構は、構想に盛り込まれている施設整備を推進する実働部隊であります。今後の経済状況などを考えれば構想が破たんし、本市の借金財政に悪影響を与えるのは明らかであり、今回の財団づくりは公共関与の新たなディベロッパー、言うなら「陸の博多港開発」になるのは目に見えています。
したがって、九州大学学研都市構想を実現するための九州大学学術研究都市推進機構の補正予算案は削除するとともに、学研都市構想については廃止し、財団設立はやめるべきであります。
以上で、わが党の反対討論を終わります。