2004年9月議会
学校の教室に冷暖房を
財源は、人工島の破たん救済やめればできる
2004年9月10日 中山いくみ議員
福岡市議会の9月定例会で10日、日本共産党の中山いくみ議員が一般質問に立ち、学校の教室冷暖房設置について取り上げました。
福岡市の小中高校の普通教室には、空港周辺を除いて、空調設備が設置されていません。
教室は36℃ 座っているのがやっと
今年は特に猛暑でしたが、市は教室温度の調査をしていません。中山議員は、ある中学校で調査した7月の教室温度が連日30℃を超えていることをしめし、学習効果だけでなく、授業中に突然生徒が鼻血を出すなど健康にも悪影響を与えていることを指摘。「小学生が45分間じっと座っているだけでもたいへん」と述べました。そして、文部科学省の定める基準を満たしていないことを明らかにし、冷房設置を要求しました。
冬は震えながらの授業
また、暖房については、市は一昨年温度調査をしたものの「衣類による調節をすればよい」などとして、暖房の必要はないと結論づけていました。しかし、この調査によれば、一時限目開始時では、10℃以下の日がほとんど。冬場の教室温度は文部科学省の基準では10℃以上が「望ましい」とされています。
中山議員は、「生徒は震えながら授業を受けている」と述べ、市の調査結果で基準に達していないことは明らかであり、「早急に暖房を設置すべきだ」と求めました。
全ての教室に冷暖房設置 費用は77億円
市教委の資料によると、一教室あたりの空調設置費用は約230万円。中山議員は、小中学校全ての教室に設置するのに必要な費用が約77億円だとの試算をしめしました。市が人工島に建設しようとしている小中学校の用地費と校舎建設費はあわせて82億円。「人工島の破たん救済につぎ込む予算をまわせば、教室冷暖房はすぐにでも実現できる。要は税金の使い方だ」と迫りました。
生田征生教育長は「冷暖房設置は今後の課題として研究する」と述べるにとどまり、定期的な教室の温度調査について検討することを明らかにしました。
日本共産党は教室冷暖房の実現へ、引き続きみなさんと力をあわせてがんばります。
「汗拭きタオルと水筒で対応」教育長答弁にびっくり
中山議員の質問に対して、教育長が「汗拭きタオルと水筒を持たせるなどして対応している」と答弁し、傍聴席はどよめきました。傍聴した学校関係者は「あの答弁には驚いた。現場の実態にあわないひどいもの」とあきれていました。