2004年予算議会
2月補正予算・議案に対する反対討論
2004年2月26日 日本共産党福岡市議団 倉元達朗議員
私は、日本共産党市議団を代表して、本議会に提案されている諸議案のうち、議案第1号、7号〜12号、14号、17号、18号、20号、22号、24号〜27号、29号、30号、32号、33号に反対し、討論を行います。
まず、議案第29号、人工島の道路用地の取得及び、議案第1号、一般会計補正予算案のうち道路取得関連予算についてです。これは、博多港開発1工区の住宅開発地域内の約1万7,000平方メートルをアイランド東1号線道路用地として本市が博多港開発から14億円余で買い取るものです。市長は、新事業計画が破綻し銀行への返済が滞った博多港開発に対し、45億円の緊急融資を行ったものの、その返済財源のめどが立たないため、都市計画道路6本、計8万平方メートルを公共整備することを決め、用地の大半を購入することを急きょ決定しました。今回の道路はそのうちの1つであります。しかもこの土地価格は、周辺地域の価格下落を反映せず、民間会社による住宅用地の購入希望単価を1万円も上回る、不当に高いものです。
道路などの整備は、本来、開発者が行うのが原則であり、埋立免許出願でも博多港開発の負担で整備することになっていたのであります。巨額の税金によって破綻を穴埋めすることは許されません。したがって、わが党は、本議案の撤回を強く求めるものであります。
次に、議案第27号、アイランドシティ中央公園「緑の建築」新築工事請負契約の締結についてです。これは、都市緑化フェアの開催にあわせて、15億円で植物園的な豪華な施設を整備するものですが、イベント誘致にともなう無駄づかいと言わざるを得ません。極めて厳しい現在の本市財政状況のもと、このような施設を急いでつくる必要は全くありません。よって、この契約は白紙に戻すべきであります。
人工島事業については、市長がわずか2年ももたずに破綻した新事業計画をまたも秘密裏に見直していっそうの税金投入をすすめようとしていますが、ケヤキ・庭石事件や、港湾局課長汚職事件に加え、照葉のまちづくり問題をめぐって広告代理店「博報堂」がこうむった7,363万円余の損害に対しテレビ広報番組委託で損失補てんした疑惑も浮上しております。人工島は、まさに金食い島、疑惑の島、利権あさりの島となっており、何がおこっているか分からない状況であります。わが党は、これまで博多港開発工区も含め人工島の埋立の即時凍結、税金投入の中止を求めてきましたが、今回見直しにあたっては、情報公開、第三者機関による抜本的見直しを強く要求するものです。
次に、議案第24号、伊都土地区画整理事業基金条例案、議案第10号、伊都土地区画整理事業特別会計補正予算案についてです。これは、伊都土地区画整理事業に基金を設置するとともに、6,600平方メートルの保留地を福岡県に売却した際の収入7億7,880万円を同基金に積み立てるものです。同区画整理における減歩率28.3%には、道路や公園など公共用地のほかに保留地までもが含まれており、今回積み立てる8億円近くもの基金は、住民の犠牲のもとにつくられた土地の売却収入に他なりません。減歩率の緩和など住民負担を軽減することこそ求められております。自治体が開発会社・デベロッパーのように振る舞うこうしたやり方は許されず、わが党は本議案に反対するものであります。
次に、議案第25号、権利の放棄についてです。これは、財団法人福岡県環境保全公社が新宮町における産業廃棄物最終処分場の設置を断念したことにともない、同公社に対して本市が有する3億4,300万円余の貸付金にかかる返還請求権を放棄するものです。わが党は、当公社の設立の際、地元住民の理解と合意が不可欠の前提であることを要望しました。ところが、新宮町では住民の強い反対で処分場建設の合意もできない中、県は約10億円かけて土地の先行取得を強行しました。さらに、県と本市による約8億円の貸付金は、久山処分場の杜撰な収支計画による赤字4億円の穴埋めに流用されたのであります。そして、新宮処分場の建設をすすめれば実に88億円もの赤字を抱えることが避けられなくなったために、県は処分場建設の断念を余儀なくされたのであります。こうした経過を見れば、まさに土地を買うことが目的だったのではないかとの疑惑が払拭できません。議会にまともな報告がなかったことも問題です。同公社の責任の所在についての質疑に対し、市長は明確な答弁を避けましたが、責任を曖昧にしたままの権利放棄にわが党は同意しがたいのであります。
次に、議案第26号、指定管理者の指定についてです。これは、きらめき通り自転車駐車場の管理を行わせる指定管理者を福岡新都心開発株式会社に指定するものです。この駐輪場は、わが党が12月議会で指摘したとおり、新都心開発が新築した商業ビルの付置義務駐輪場と一体不可分のものとして、本市が整備したものであり、その管理を新都心開発にさせるものです。そもそも指定管理者制度は、公の施設の管理を民間企業の儲けの対象にするものであり、利用料など市民負担が増大することや公正公平な管理運営に支障が出ることなど大きな問題があります。しかも今回の場合は、駐輪場の管理を新都心開発の下請会社に丸投げ委託することが想定されます。
福岡地所会長が社長を務める新都心開発に便宜を図り利益を与えるために、行政運営を不公正にゆがめることは許されません。したがって、本議案を撤回するとともに、自転車駐車場の管理はこれまで通りシルバー人材センターに委託すべきであります。
以上で、わが党の反対討論を終わります。