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議会報告

2004年予算議会

人事案件(名誉市民)に対する反対討論

2004年2月23日 日本共産党福岡市議団 比江嶋俊和議員

私は、日本共産党市議団を代表して、本議会に提案されている人事案件、議案第35号「福岡市名誉市民の選定について」に反対の意を表明し、討論を行います。

この人事案件は、さきに死去した前市長桑原敬一氏に、福岡市名誉市民の称号を贈るための議会の同意を必要とする議案です。本来、名誉市民として称号を贈る場合は、すぐれた文化的業績があるとか、科学的功績が顕著であるなど、全市民が異論なくその人の業績をたたえ、全市民の尊敬と感謝の意を表することのできる場合にのみ贈られるものであります。

しかし、山崎市長が今回選定しようとしている桑原敬一氏は、1986年12月から3期12年、福岡市長に在職した政治家です。政治家とは、その時代の階級ないし階層を代表し、その階級や階層の利益を守るために活動する人です。したがって、人によってその評価が異なることは当然であります。我が党は、これまでも、名誉市民として称号を贈るに値する人には、政治家は含まれるべきでないことを主張してきたところであります。

さらに、桑原氏の3期12年の市長としての業績について言えば、大企業奉仕で市民不在、市民犠牲の市政であったことは否めない事実であります。その顕著な事例を挙げれば、保育料は毎年連続値上げ、国保料は9回値上げと全国最悪の保険証取り上げなど福祉や医療の切り捨て、各種公共料金の値上げなど、市民負担を耐え難いものとしたことです。またアジアの拠点都市づくりと称して、人工島建設をはじめウオーターフロント開発、国際会議場、九大移転関連の学術研究都市構想、土地区画整理事業などの大型公共事業を次々すすめ、しかもバブルが崩壊すると開発破綻を救済するための税金投入を強行しました。さらに公共事業を食い物にする政官業の構造的腐敗も深刻となりました。

その結果、市債残高を1兆円以上増やして2兆円を突破させ、本市財政に深刻な危機をもたらしたのであります。このように、桑原氏は、大型開発推進で大企業・ゼネコン奉仕の市政を優先し、福祉や教育を削るなど市民犠牲の市政運営を続けたのであります。我が党はこうした評価をもっていますが、政治家については、それぞれの政治的立場などで評価は大きく異なるものであり、政治家を名誉市民として推薦することは誤りであります。

本市名誉市民条例によると、名誉市民とは「本市の発展、公共の福祉の増進又は文化の発展向上に貢献し、その功績が顕著で市民が深く尊敬し感謝するに値するもの」とされています。ところが、桑原氏は5年前、4期目の選挙に臨んだものの敗れた人です。桑原氏の開発優先・市民犠牲の市政運営は認めないというのが市民の審判だったのであります。市民が否定した桑原氏の「功績」が、「顕著で市民が深く尊敬し感謝するに値するもの」と評価できないことは明白であり、桑原氏が名誉市民にはふさわしくないものと断じざるを得ません。この選挙で桑原市政を批判した山崎市長自身が、そのことを最もよく知っているはずであります。市長がその後桑原氏と同じ政治路線へと転換したからと言って、桑原氏を名誉市民に推すことは全く納得できないものです。

よって我が党は、前市長桑原敬一氏へ名誉市民の称号を贈ることに同意しがたいのであります。以上で、我が党の反対討論を終わります。


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