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議会報告

2002年9月議会

2002年9月議会 意見書について

日本共産党市議団が立案した意見書案について、紹介します。


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「住民基本台帳ネットワークシステム」の中止を求める
意見書(案)の提案理由説明

2002年9月20日 ひえじま俊和議員

私は、社会民主党福岡市議団、ふくおかネットワーク及び日本共産党市議団を代表して、議案第19号「『住民基本台帳ネットワークシステム』の中止を求める意見書案」について、提案理由の説明を行います。

「個人情報が漏れるのでは」との不安の中、「住民基本台帳ネットワークシステム」(住基ネット)の第一次稼動が始まって一ヵ月半が過ぎました。稼動以来、「コード通知票を他人に誤って配達」「他人の住民票コードを印字し送付」などトラブルやミスが全国で続発しています。本市においても、9月9日までに3,417件もの問い合わせや苦情が寄せられており、住民票コード通知書の受け取り拒否は365件にも上っています。

これらは、すべての国民に11桁の番号をつけ、住所、氏名、生年月日、性別等の様々な個人情報を全国的なコンピューター網で一元管理するこのシステム全体が、個人情報保護対策を含めまだ整備されていないことを露呈するものであります。

「無責任な行政の体制では情報は必ず漏れますよ」「情報が漏れて悪用されたら、責任は誰がとるのですか」等など、一般新聞報道にもこんな声が掲載されるように、住基ネットへの国民の不安や懸念は日増しに強くなって来ています。

あの防衛庁のリスト作成問題は、公権力が国民を監視・調査する怖さを改めて示しました。住基ネットで自分の情報がどう使われているのか、知りたくても公開されませんし、このシステムにはプライバシー権や自己情報コントロール権もありません。

自治体の不安も広がっております。実施にあたって4自治体が参加せず、施行延期を要望した自治体は39に及びます。その後も、東京都中野区など接続を停止する自治体が出たり、また長野県の田中康夫知事が市町村長に中止、廃止を含めて提案する考えを示すなどの新たな動きもおきております。

もともと、住基ネットはプライバシー侵害の危険性が指摘され、1999年の法案審議のさいに、当時の小渕首相は「個人情報保護に関する法整備を含めたシステムを整えることが前提」と答弁していたものであります。ところが、先の通常国会で政府が提出した関係法案は、行政機関が目的外に使用することに罰則がないばかりか、逆に言論を規制する重大な内容のものであり、国民からきびしい批判を受ける事態となっております。実施の前提がないにもかかわらず、政府自らが約束を破り、無理やりスタートさせた責任は重大です。

たとえ個人情報保護法ができたとしても、コンピューターのネットワークシステムに「絶対安全」はありえないことが指摘されています。このことは、片山総務相がデータ流出などのトラブルについて「人間のやることだし神様じゃない」と述べていることからしても明らかです。個人情報の漏洩や不当な使用は避けられないところに根本問題があります。以上の観点から、民主・市民クラブ及び新政会が提案している議案第  号「住民基本台帳ネットワークシステムの施行に伴う個人情報保護制度の早期確立を求める意見書案」では不十分であります。

さらに、こうした国民の大きな不安と批判のなかで何ら省みることなく、住基ネットをおしすすめている自民党、福政会、公明党などの会派の姿勢は決して容認されるものではありません。

しかも、全国ネットで一元管理するシステムでは、いったん個人情報が漏れれば大規模なプライバシー侵害につながり、国民に取り返しのつかない損害を与えるのは必至であります。

現在、すべての国民に背番号をつけ、様々な情報を入れて、生涯一つの番号で管理すること自体、国民の合意はありません。「国民総背番号制」につながるのではないか、との危惧の声が起きるのは当然です。

政府は、この住基ネットを来年8月から本格稼動させ大幅拡大の方針を持っており、いっそう個人情報の漏洩と不当使用の危険が強まります。

したがって、政府は、多くの国民、自治体の不安の声を直視し、プライバシーを侵害する危険性が極めて強く、また、国民的合意も得られていない「住民基本台帳ネットワークシステム」は、今からでも直ちに中止すべきであります。

以下、案文を読んで提案と致します。

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「住民基本台帳ネットワークシステムの中止を求める意見書案」

2002年9月20日 ひえじま俊和議員

今年8月5日に「住民基本台帳ネットワークシステム」がスタートしましたが、全国各地で様々な問題を引き起こしています。住民票コード通知書を他人に誤って配達したり、他人の住民票コードを印字し送付するなどのトラブルやミスが続発しています。こうした中で、個人情報が外に漏れるのではないかとの不安や懸念の声が相次ぎ、本市においても9月9日までに3,417件もの問い合わせや苦情が寄せられており、住民票コード通知書の受け取り拒否は365件にものぼっています。

もともと、すべての国民に11ケタの番号をつけ、住民票など様々な個人情報を、全国的なコンピューター網で政府が一元管理しようとするこのシステムは、情報が盗み見されるなどすれば、プライバシーを著しく侵害する恐れの強いものです。しかも、このシステムの大前提である実効ある個人情報保護法も制定されておらず、たとえ制定されたとしてもコンピューターのネットワークシステムに「絶対安全」はありえないことが指摘されています。このため、8月5日の稼動時からこのシステムに参加していない4自治体に加え、その後離脱する自治体も出ています。また、実施にあたって、多くの自治体首長や議会から「見直し」や「実施延期」等の要望も出されています。

よって、福岡市議会は、国会及び政府が、国民のプライバシーを侵害する危険性が極めて強く、また、国民的合意も得られていない「住民基本台帳ネットワークシステム」を直ちに中止されるよう、強く要請します。

地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。


平成 年 月 日

衆議院議長
参議院議長内閣総理大臣
内閣総理大臣
総務大臣  あて

議長名

議員各位のご賛同をお願いします。


(反対多数で否決)

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東京電力事件の徹底調査と
原子力行政の改善を求める意見書

東京電力が長年にわたって原子力発電所の点検記録や修理記録などを虚偽記載し、損傷など重大事故を隠ぺいしていた事件に、国民の怒りと不安がかつてなく高まっています。福岡市等においても「九電玄海原発は大丈夫か」などの声が上がっています。

東電事件は、福島第二原発の炉心隔壁に大規模なひび割れを発見しながら、4年間も放置して運転し、また、福島第一原発の違法な溶接修理も隠し、さらに、柏崎刈羽原発の損傷隠ぺいへの東電幹部の関与など、本社ぐるみで事故隠しを行っていた疑いがもたれている、日本の原発史上最悪の事件です。今、政府が事件の徹底調査と緊急対策、再発防止に全力を挙げることは急務となっています。

今回、事件の背景として、政府が電力会社と一体となって原発を推進する一方で、原子力の安全性を確保するための規制部門まで電力会社任せにしてきた問題が指摘されています。国際原子力機関が定めた「原子力発電の安全基準」は、原発の推進機関から独立した規制機関の設置を求めています。内閣府の原子力安全委員会は権限も体制も極めて不十分であり、安全確保のための原子力行政の抜本的な見直しが求められています。

よって、福岡市議会は、国会及び政府が、安全性に疑問を突きつけられている東電原発の運転停止と調査、事件の全容の徹底解明、全国の電力会社に対する調査を行うとともに、安全確保のため現在の保安基準を早急に見直し、独立した原子力規制機関を設置して、原子力行政を安全優先に転換されるよう強く要請します。

地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。


平成 年 月 日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
経済産業大臣 あて

議長名

(全会一致で可決)

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