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議会報告

2002年3月臨時議会

2002年3月臨時議会 意見書について

2002年3月議会で採択された意見書のうち、日本共産党市議団が提案理由説明または討論をおこなった意見書について、紹介します。


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学級定数削減等の実施を求める意見書(案)の提案理由説明

2002年3月26日 星野美恵子議員

私は、福政会市議団、公明党福岡市議団、社会民主党福岡市議団、民主・市民クラブ、ふくおかネットワーク、新政会、日本共産党福岡市議団を代表いたしまして、意見書案第5号、学級定数削減等の実施を求める意見書案を提案いたします。以下、案文の朗読をもって提案理由の説明といたします。

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「学級定数削滅等の実施を求める意見書」

子どもと教育の現状は、学級崩壊、非行、いじめ、体罰、不登校の増加等、一層深刻になっており、学校教育の改善が求められています。30人学級の実現を求める署名は全国1800万人、県下で51万人余に及ぶなど、すべての子どもに行き届いた教育を保障するための少人数学級実現の世論が高まっています。国立教育政策研究所は、少人数学級の方が子どもの理解が深まるという報告を出しています。

昨年、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の改正によって、都道府県の判断による学級編制の弾力化が認められるようになり、全国的に30人学級実施の動きが広がっています。しかし、国の第7次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画は「少人数授業」への加配しか認めておらず、少人数学級編制を実施した際、国の基準を超える教員の人件費については自治体負担となっています。学級定数削減の実現には、国による財源措置が不可欠です。

よって、福岡市議会は、国会及び政府が、教員の加配など弾力的運用を含め、少人数学級の実現に向け教職員定数改善計画を早期に見直し実施されるよう、また、福岡県が、政府の改善計画策定までの間、独自措置で実施されるよう強く要請します。

地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。


平成 年 月 日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
文部科学大臣
福岡県知事
福岡県教育委員会委員長 あて

議長名

議員各位のご賛同をよろしくお願いいたします。

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安定した年金制度の推進を求める意見書(案)に対する
日本共産党福岡市議団の反対討論

2002年3月26日 比江嶋俊和議員

私は、日本共産党市議団を代表して、ただいま議題となっております意見書案第4号「安定した年金制度の推進を求める意見書案」について反対討論をおこないます。

同意見書案は、基礎年金の国庫負担割合を早期に引き上げるとともに、厚生年金保険の加入要件の緩和及び公的年金制度の一元化のさらなる推進を求めるものであります。

政府は1994年の改悪に引き続き、2000年3月に支給開始年齢の65歳への繰り延べや賃金スライドの停止、支給額5%削減など年金法を改悪し、国民の将来不安を一気に増大させました。この年金法改悪で、サラリーマン夫婦は生涯受け取る年金を1千万以上も減額され、現在受け取っている高齢者でも数百万円も減額となるのであります。とりわけ、支給開始年齢の60歳から65歳への引き上げは、現在の雇用状況ともあいまって、生存権を事実上否定することにつながるのであります。こうした改悪に引き続き、政府は2004年の年金見直しに向け、年金制度の再検討を行っているのであります。その中で、公的年金制度の一元化を念頭におき、各種年金の統合と共通部分についての費用負担の平準化を図ることを基本として、当面農林漁業団体職員共済組合と厚生年金保険を統合し、さらに国家公務員共済組合及び地方公務員共済組合の統合・一元化、私立学校職員共済については次期財政再計算時からの保険料引き上げの前倒しなどを具体化しようとしているのであります。これは国や大企業の負担を減らす一方で、国民、労働者に対しては保険料を引き上げ、受給額は低い方にあわせていくというものであります。本意見書案は、さらなる一元化の推進を求めておりますが、これはこうした政府の方針を先取り、実行せよと迫るものであります。

しかも、現在保険料が免除されている年収130万未満のパート労働者や専業主婦などの第3号被保険者からも保険料を徴収することを要求するものです。もしも、こうした事が行われれば、安定した年金制度の推進どころか、現在3割と言われている無年金者をさらに増大させて行く事は明らかであります。もともと、社会保険の役割は富める人から貧しい人への再分配です。公的年金の主要な財源である保険料も、所得に応じて徴収し、所得のない人からはとらないというのがあるべき姿であり、所得のない人から保険料を取り立てるやり方では年金問題は解決できません。いま年金改革で求められている事は、なによりも老齢年金受給者の大半が月額5万円といった劣悪な年金水準を改善することであり、年々増大する無年金者を無くすために最低保障額制度を設けることであります。

将来に希望がもてる公的年金制度を推進して行くためには、基礎年金への国庫負担割合を、直ちに3分の1から2分の1に引き上げることが必要です。そもそも、基礎年金への2分の1への国庫負担割合の引き上げは、94年に全会一致で国会決議され、法附則にも明記された事であります。それを未だに実現していないのは、国民に対する重大な約束違反であり、国庫負担割合の引き上げは当然の事であります。また、世界に例のない年金のためこみ方式を改めることです。現在、厚生年金の積立金は給付費などの支出総額の6.1年分、2000年度末で177兆円にもなっております。これは、国民から毎年6兆円から7兆円も余分に保険料を取り立ててきたからであります。アメリカが1.4年分、イギリスが2ヶ月程度と比較しても日本の積立金は突出しているのであり、巨額な積立金を計画的にとりくずし、給付と保険料軽減に充てるべきであります。さらに、本意見書案は「少子化」の進行を絶対に避けることができない、不動の前提としておりますが、少子化の進行はたんに年金の未来にとどまらず、国の将来に関わる大問題であり、その解決に最大の手当てをつくさなければなりません。保育所の増設や労働条件の改善など「少子化」対策に本腰を入れて取り組む事で、年金制度の展望が広がるのであり、年金の将来推計を見直すべきであります。

以上の立場から、我が党市議団は、本意見書案に賛同できないことを表明し、私の反対討論を終わります。

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外務省にかかわる疑惑の徹底解明と
抜本改革を求める意見書(案)の提案理由説明

2002年3月26日 倉元達朗議員

私は、公明党福岡市議団、社会民主党福岡市議団、民主・市民クラブ、ふくおかネットワーク、新政会、福岡平成会、日本共産党市議団を代表して、ただいま議題になっております意見書案第6号「外務省にかかわる疑惑の徹底解明と抜本改革を求める意見書案」について提案理由の説明をおこないます。

外務省報告書、証人喚問などにより、鈴木宗男衆議院議員と外務省にかかわる疑惑が日々深まる中で、国民の怒りが大きく広がっています。疑惑の真相解明と外務省改革に関わる国会と政府の責任が厳しく問われています。

鈴木議員をめぐる疑惑はあとをたちません。ムネオハウスと呼ばれる「日ロ友好の家」の入札の際に、鈴木議員は工事の入札参加資格を地元の「根室管内」に限定するよう外務省に求め、鈴木氏の意向を受けた外務省側は、事実上、根室管内に限定し、さらに、参加資格のない企業を入札説明会に参加させる偽装工作までおこなったことが明らかになりました。しかも、鈴木議員は、その受注企業から870万円の政治献金を受け取っており、謝礼ではないかという疑いをもたれているのであります。また、国後島桟橋工事でも、ムネオハウス同様の介入問題が突きつけられております。これは、族議員と官僚が癒着し、国益を守るべき外交がねじ曲げられ、税金が公共工事を通じて議員に還流したという重大な問題であります。

さらに、外務省人事への介入、コンゴ駐日大使人事にも圧力をかける、公務員と知っていながら秘書として使っていたムルアカ秘書疑惑、米海兵隊演習を地元に押し付け、それにともなう物資調達、施設建設を関連業者に受注させ献金を受けていた防衛施設庁・物資調達疑惑、自民党候補が総選挙で落選した報復・みせしめに予算執行を凍結させたという農地整備事業疑惑など、その関与はあの手この手で各省庁にわたっており、多方面に渡って真相究明が求められています。

また、鈴木議員が対ロシア領土交渉で「二島先行返還」論に立って二重交渉をおこない、現実に日本外交をゆがめていたことを示す、ロシュコフ・ロシア外務次官との会談記録が明らかになっており、重大な問題となっております。この会談によれば、鈴木議員は自民党総務局長としてロシア側と交渉しており、政府間の交渉とは別に、明白な二重外交、二元外交がやられていたこと、しかも、この席に東郷欧州局長という外務省の人物が同席し、一部の議員と結託して、二重外交を外務省幹部が進めていたという点でも、極めて異常であります。これは、領土問題の解決を願う多くの国民を裏切るものであり、日本の国益を損なうものといわなければなりません。

これら数々の疑惑が明らかになるなかで、鈴木議員は自民党を離党しましたが、世論調査では、「議員辞職すべきだ」が83%に達しており、国民世論は「離党」での決着を納得していないのであります。また、「真相は解明されていない」が88%にのぼっており、このまま疑惑の幕引きは許されません。国民は、外務省にかかわる疑惑の徹底解明と抜本改革を強く求めています。こうした疑惑をあいまいにしたままで改革が進まないのは明らかです。

自民党、福政会が本意見書案に「会派がまとまらない」などを理由に反対の態度をとっているのは、国民市民の疑惑の徹底解明と抜本改革の願いを真っ向から踏みにじるものであるとともに、鈴木議員がおこなってきた税金の還流がおこなわれていることについても、疑惑を闇に葬り去るものであります。

以上の立場から、外務省にかかわる疑惑の徹底解明と抜本改革を求める意見書案を提案するものであります。以下、案文を朗読します。

外務省にかかわる疑惑の徹底解明と抜本改革を求める意見書

アフガニスタン復興支援国際会議でのNGO(非政府組織)排除を発端に、鈴木宗男議員による外交私物化や外務省腐敗の事実が次々と明らかになり、国民の強い批判と怒りの声が広がっています。

外務省の調査報告書は、国後島の宿泊施設及び桟橋改修工事で、鈴木議員が入札参加の決定に深く関与していたことを認め、外務省側が「同議員の意向を推し量り、無視し得ないものと受け止めて、これを実現する方向に動かざるを得ない雰囲気が省内に存在していた」としています。しかも、受注業者から見返りに献金を受けていた疑惑も浮上しています。また、北方四島支援事業だけではなく、ケニアヘのODA(政府開発援助)問題、外国大使への身分証明票未発給問題、外務省人事への介入の疑惑なども明らかになっています。

今回の事件は国益に直接影響する外交が、特定の議員に牛耳られ、ねじ曲げられていたという前代未聞の事態であるとともに、国民の税金が利権のために不当に支出されていたことを示すものです。この問題の真相を徹底解明することは、利権政治にメスを入れるとともに、外交のゆがみを正すために避けて通れない政治の緊急課題となっています。

よって、福岡市議会は、国会及び政府が、外務省疑惑にかかわる文書を公表するとともに、鈴木宗男議員をめぐる外務省疑惑を徹底解明し、外務省の抜本改革に取り組まれるよう強く要請します。

地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。


平成 年 月 日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
外務大臣   あて

議長名

議員各位のご賛同をよろしくお願いします。


(日本共産党などの賛成多数で可決。自民党、福政会が反対)

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