2002年6月議会
日本共産党の反対討論
2002年6月18日 日本共産党福岡市議団 綿貫英彦
私は、日本共産党市議団を代表して、本議会に提案されている諸議案のうち、議案第123号ないし126号に反対し、討論を行います。
議案第123号、124号、人工島市施行2工区の地盤改良工事請負契約、および議案第125号、126号、コンテナターミナル新設工事請負契約についてであります。これは、臨海土地整備事業の2工区の地盤改良と、機能施設整備事業のうちコンテナターミナルの舗装など施設整備を、合計25億8405万円をかけて行うものです。
人工島事業については、「大型開発からの転換」という公約に反して継続推進してきた山崎市長が、銀行団の要求に応じて博多港開発工区の破綻救済に、明らかになっただけで1000億円を越す税金を投入する「新事業計画」を決めました。開発破綻を税金で穴埋めする、このような市長のやり方では、市民負担は途方もなく膨れ上がることは火を見るより明らかです。
今回議案の工事を含む臨海土地整備事業は、港湾関連用地や工業用地などとして売却することで、事業費を回収するとしていますが、土地の需要も売却の見通しもないというのが現状であります。工業用地17ヘクタールはバブルの全盛期である1988年の企業アンケートにもとづく数字であり、現在では、食料品製造業、出版・印刷関連、金属機械器具製造業、ともに、民間設備投資は冷え込み、土地需要は見込めないものであります。港湾関連用地についても、香椎パークポートでは、33ヘクタールのうち半分しか分譲できておらず、約16ヘクタールもの広大な土地が残っており、2007年度までに、約14ヘクタールを売却し、225億円もの収入を得るという人工島の事業点検による売却計画は実現の保障がありません。また、必要性もない消防用地と清掃工場用地約9ヘクタールを138億円で市が買い取る計画は、まさに税金の無駄遣いであります。博多港開発同様、市工区についても、開発破綻は明白であり、その救済への莫大な市税投入が危惧されるのであります。
コンテナターミナル建設など機能施設整備事業は、大型コンテナクレーンや野積み場などの施設を整備するもので、その使用料収入計画では、2008年には13億円余を見積もっています。その根拠とされているのは、人工島のコンテナ貨物量が37万個となるというものですが、これは現在香椎パークポートで取り扱っている量のコンテナがそっくり増える計算であります。消費不況の中、オーバーストア状態といわれる福岡都市圏で、博多港のコンテナが6年後に2倍化、14年後に3倍化するという計画は異常であります。また、15メートル水深航路も全く不要であり、既存ふ頭の再整備と有効活用で港湾貨物への対応は可能であります。
市長は、人工島事業の強行とその破綻救済への税金投入をやめるとともに、埋め立て工事を現状で凍結し、市工区も含め人工島事業を縮小、見直すべきであり、したがって、わが党は、今回の人工島工事関連議案に反対し、その撤回を強く求めるものであります。
なお、わが党が提出した議案第128号、福岡市介護保険条例の一部を改正する条例案、および議案第129号、福岡市在宅介護サービスの利用料の助成に関する条例案は、第1段階と第2段階の第1号被保険者の住民税非課税世帯に対して、保険料の減免と在宅サービス利用料の助成を行うことによって、負担を軽減し、利用を促進するためのものであります。本来、国が恒久的な低所得者対策を行うべきですが、それまでの間、本市独自の減免、助成を行うものです。今日全国で、保険料で431自治体が、利用料で825自治体がなんらかの独自減免を行っています。介護保険制度が抱える課題の中で、最も切実な低所得者負担軽減を実現するために、同議案への議員各位のご賛同をお願いするものであります。
以上でわが党の討論を終わります。