トップ > 政策と活動 > 予算要望 > 2020年度予算要望

日本共産党福岡市議団の政策と活動

2020年度予算要望

2020年度予算編成に関する申し入れ

2019年12月9日

福岡市長  髙島宗一郎 様
福岡市教育長 星子明夫 様

日本共産党福岡市議団
団 長 中山 郁美
幹事長 倉元 達朗
綿貫 英彦
堀内 徹夫
松尾りつ子
山口 湧人

安倍政権が消費税10%を強行したもとで、市民の暮らしはいよいよ厳しさを増しています。また、同政権は憲法9条改定に執念をもやし、「海外で戦争する国」づくりをあきらめていません。さらに、過去の植民地支配や侵略戦争に対する同政権の無反省が日韓関係を最悪なものにしています。

これらにくわえ、政府主催の「桜を見る会」などをめぐる安倍首相・与党の私物化、政治資金規正法・公職選挙法違反の疑い、公文書破棄などの疑いがもちあがっており、政権の腐敗・堕落は底なしです。

このような中で、国の悪政から市民の暮らしを守り、市民を代表して安倍政権の暴走を止めるために力をつくすことが自治体には求められています。

ところが髙島市長は、こうした政権の暴走に何ら声をあげないどころか、安倍政権の先導役となって大型開発と規制緩和の道を突き進んでいます。このようなやり方が市民の不信をまねき、市長がすすめたロープウエー構想や高齢者乗車券の縮小・廃止計画が市民の強い反対で挫折に追い込まれたことを肝に銘じるべきであります。

市長はこのような路線を転換する時です。若者や高齢者の単身世帯が増加し、市内世帯の半分近くが年収300万円未満の「低所得世帯」となり、髙島市政になってその率も数も増えているもとで、市民の暮らし・福祉と地域の小規模企業の経営をよくする手立てこそ急ぐべきです。そうすれば、市民の家計が温まり地域経済が活性化する、本当の意味での好循環が始まります。

よって、貴職が2020年度予算編成にあたり、以下の重点要望を実現されるよう申し入れます。

↑ 上へ

2020年度福岡市予算編成に関する日本共産党の重点要望

1、安倍暴走政治への追随をやめ、憲法と地方自治法の精神に立った市民本位の市政を

憲法改悪への策動、消費税の増税、侵略戦争・植民地支配への無反省な態度など、暴走を続ける安倍政権に対し、野党と市民の共闘が対決し、野党連合政権への道を開く、日本の政治の新しい時代が到来している。「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本」(地方自治法)としており、国の悪政から市民の暮らしを守り、そのために国に対して物を言うことこそ市政本来の仕事である。国政の根本的な転換へむけ、来年度の国の予算編成に関連し、以下の4点を求める。

(1)集団的自衛権の行使容認や安保法制の強行など、安倍政権による憲法と立憲主義の破壊、「戦争する国」づくりを許さず、安倍政権のもとでの憲法第9条の改定に本市として反対を表明し、同条項を変えないよう国に求めること。「全国首長九条の会」に髙島市長も参加すること。

(2)低所得者ほど負担が重くなる消費税は社会保障財源にはふさわしくなく、消費税に頼る道をやめ、大企業や富裕層に応分の負担を求める税制へと転換するよう国に求めること。緊急に消費税を5%に減税すること。

(3)「徴用工」や日本軍「慰安婦」問題に関連して、朝鮮半島に対する過去の日本の植民地支配が不法なものであったことを認め、そのことを真摯に反省する態度で臨むよう、日本政府に対して求めること。

(4)政府主催の「桜を見る会」は安倍首相や与党による私物化が大きな問題となり、安倍後援会主催の同前夜祭は公職選挙法・政治資金規正法違反の疑惑が取りざたされている。髙島市長は疑惑の解明を首相に直接求めるとともに、自身の「桜を見る会」および前夜祭参加について全容を明らかにした上で参加を今後取りやめること。

↑ 上へ

2、国保・医療・年金・介護・福祉・障害者施策など社会保障制度の充実を

安倍政権は社会保障費の自然増分を毎年5000億円に削減・抑制し続け、2020年度も5300億円に抑え込もうとしている。さらに、今後の査定では医療の診療報酬の削減等が進められる危険性もある。社会保障の抑制・削減路線は憲法25条が全ての国民に保障する「健康で文化的な最低限度の生活」を脅かし国民の暮らしと安心の土台を崩壊させるものであり「住民の福祉の増進を図ることを基本」とする地方自治体として容認することは許されない。したがって、以下の点について要請する。

(1)国民皆保険制度の根幹である国民健康保険制度の充実について

  • 本市の国保加入者は低所得者や高齢者が多いという構造的な問題のなか、世帯の平均所得は73万6千円、所得200万円以下の低所得者がその約86%を占めている。保険料は所得233万円の3人世帯で約41万円、所得122万円の1人世帯で約19万円となっており、中小企業の労働者が加入する協会けんぽの1.3倍もの水準である。異常に高い保険料が「払いたくても払えない」事態を生み出し、保険料滞納世帯が国保世帯の14.91%にのぼるなど深刻な事態となっている。その高い保険料の要因の一つは世帯の人数に応じてかかる「均等割」と世帯に定額でかかる「世帯割」という国保にしかない保険料算定方法にある。したがって国に対して全国知事会が要求している「公費1兆円の投入」で均等割、世帯割をなくし保険料の協会けんぽ並みへの引下げを可能にするよう求めること。
  • 福岡市の国民健康保険料の均等割は、家族が増えれば1人当たり年2万9248円の保険料の課税負担が増える。子どもに係る均等割は、3万1761人分で約6億3千万円であり、その分を補填する制度を新たに設けること。
  • 本市の保険料が高くなっている要因は、国の予算削減に加え、法定外繰入予算を髙島市長就任時と比較し35億円以上も削減していることにある。法定外繰入を大幅に増やし保険料を引き下げること。さらに、国や県の圧力をはねのけ、これまで通り、一般会計の法定外繰入による負担抑制や自治体独自の保険料減免を維持・拡充すること。
  • 本市の保険料が高くなっているもう一つの要因は、保険料の減額分20億円、減免分6億円、高額所得者の賦課限度額の超過分61億円を保険料に上乗せし、国保料の算定をしているからである。「上乗せ方式」をやめること。
  • 現在本市においては3人家族で所得696万円という到底高額所得者とは言えない世帯が年96万円もの保険料上限額を強いられている。賦課限度額の引上げは止め、「応益割」偏重の是正など、逆進的な国保料を生み出している算定式の見直しこそ行うこと。
  • 昨年度から導入された「都道府県単位化」は、給付費の水準が高い自治体、収納率が低い自治体、一般会計からの法定外繰入で保険料を引き下げている自治体等を浮き立たせ、県から市町村に対する「指導」を強化することを狙いとしている。国保の構造問題を解決しないまま自治体の主体性を奪い、住民負担増や滞納制裁強化、一般会計繰入の抑制等を強制するやり方は中止するよう国に求めること。また、県が示す「標準保険料率」はあくまで「参考値」にすぎず、福岡市がそれに従って保険料を上げないこと。
  • 治療費が窓口全額自己負担となる資格証明証交付世帯について本市においては7475世帯と国保加入世帯の3.4%と政令市最悪水準であり異常である。さらに、期限を区切った短期証の発行は2万1007世帯に上り、滞納世帯の実に61%にも達しており、政令市最悪となっている。このことにより、加入者は受診を我慢して重症化・死亡するなど、手遅れ事例が本市内でも引き起こされている。「特別な事情」の確認は、丁寧な調査をすればできることであり、現に横浜市では、資格証明証や短期証の発行をしていない。したがって、面談できないことを理由に「特別な事情」を調査しないまま保険料滞納世帯に対し機械的に資格証・短期証を発行するやり方は許されず、他都市の例にならい、資格証・短期証への切り替えをやめること。
  • 本市の保険料減免世帯比率はわずか3.84%に過ぎず、極めて低い水準にある。市独自減免制度については、当面、「所得の減収が前年比20%以上」に適用するよう元に戻して改善するとともに、所得減少の場合のみにとどめず中小零細業者や低所得者層の実態に即して、適用対象をひろげること。
  • 国民健康保険法44条に定める失業など所得減少世帯に対する窓口一部負担金減免制度について、本市では適用が7年連続0件という異常な事態となっている。本市の「国民健康保険のてびき」に記している「滞納していないことなど」の適用要件を削除すること。また、日常的に生活が厳しい人が適用されにくい「(前年度比)3割以上の減少」という収入要件は緩和すること。
  • 本市における国保料滞納者に対する差し押さえは、2018年度6025件(約10.2億円)と件数においては4年間で2.5倍、金額では1.6倍となり政令市ワースト3位である。中にはわずかな預金12円を差し押さえる事例や公的手当が入る口座を狙い撃ちにしたものも含まれているなど、そのなりふりかまわぬ異常なやり方に対し批判が高まっている。国会においては厚生労働大臣が「ぬくもりをもった行政を徹底していく」と答弁しており、公的手当をはじめ年金、子どもの学資保険さえも差し押さえる冷酷、異常、機械的なやり方はただちにやめること。

(2)後期高齢者医療制度について

  • 後期高齢者医療制度について、福岡県の保険料は全国的に見ても高い水準のまま推移してきた。加えて、2017年度から安倍政権が強行している特例軽減の段階的廃止縮小並びに賦課限度額の引上げ強行によって、2021年までに被保険者の約6割が保険料の引上げとなる見込みとなっている。低所得・低年金の高齢者世帯を狙い撃ちにした大負担増は許されず改悪を中止するよう国に求めること。
  • 後期高齢者の医療費窓口負担を2割へと倍増させる検討は中止し、高齢者を年齢で区切り、負担増と差別医療を押し付けている後期高齢者医療制度そのものを廃止し元の老人保健制度へ戻すよう国に求めること。

(3)医療制度について

  • 無料低額診療は経済的困窮者にも医療を保障する重要な役割を果たしている。本市において実施する医療機関を増やすための取り組みを強め、制度の広報を充実させるとともに、国に対して薬剤費への制度適用を求め、他都市にならい当面、本市独自に助成すること。
  • 「福岡市健康先進都市戦略」(「福岡100」)については、地域での住民同士の支え合いを前提とし、国家戦略特区を活用した「オンライン服薬指導」をはじめ、医療機関の縮小廃止と大企業の利益確保をセットで進めるなど、多くの問題をはらんでおり、撤回すること。

(4)こども病院、市民病院について

  • こども病院においては、小児・周産期医療の拠点としての重要な役割を果たす一方、地方独立行政法人福岡市立病院機構の方針の下、採算性が優先され、違法な働かせ方に対する労基署による是正勧告まで行われている。法令違反を是正するとともに、職員の勤務諸条件を改善し、職員の合意を大切にする民主的な病院運営へと転換するよう指導すること。また、バスのルートや便数を抜本的に増やすようバス事業者に強く要請するとともに、職員の駐車場利用枠を増やすこと。
  • こども病院、市民病院ともに医師、看護師等の不足が引き続き深刻となっており、職員を正規で増員すること。
  • 唐人町の旧こども病院の跡地については市民の財産であり、開発業者や営利企業に売り渡すことは許されず医療・福祉の拠点など、公共用地として活用するために独法から取得すること。

(5)真に安心できる年金制度の確立

  • 「マクロ経済スライド」を今後20年続けていけば、現在の25兆円の給付は7兆円減額されることが明らかとなり重大な問題となっている。高額所得者優遇の保険料を見直し1兆円規模で年金財政の収入を増やす、200兆円にのぼっている年金積立金を年金給付に活用する、賃上げと正社員化を進めて、保険料収入と加入者を増やすなどの改革で減らない年金制度にするよう国に求めること。
  • 公的年金制度の中に最低保障の仕組みがないのは先進国では我が国だけであり、最低保障年金制度を確立するよう国に求めること。

(6)介護保険制度の改善について

  • 2014年6月に可決された「医療・介護総合法」により要介護2以下の特別養護老人ホーム締め出し、一部利用者への利用料2割、3割への引上げ、低所得者の施設利用の際の「補足給付」の対象者絞り込み、更に「要支援1・2」の訪問介護と通所介護が「総合支援事業」へと移行させられるなど、連続改悪と利用者負担増が強行されてきた。さらに、国は、要介護1・2についても保険給付外し等のさらなる改悪を検討している。事業者も経営困難にさらされ、介護保険がまさに「保険あって介護なし」という崩壊の危機にさらされている。市長は、更なる改悪を中止し、元の制度に戻すよう国に求めること。
  • 改定のたびに引きあげられ、重い負担となっている介護保険料の引下げを図るとともに、滞納者に対するサービス取り上げ等のペナルティをやめること。
  • 本市の特養ホーム待機者は、直近の申込みにおいても2194人も生み出され、老々介護や家族の介護離職を生み出すなど深刻な事態となっており、抜本的な増設が急がれている。しかし、申込み者の数から「必要度の低い人」等と恣意的な判断によって人数を排除し必要整備量を絞り込み、今期(2018年度~2020年度)における整備計画は278人分という極めて不十分なものとなっている。このようなやり方は許されず、希望者全員が速やかに入所できる計画へと見直し、活用可能となっている公共施設跡地等を無償貸与し早急に待機者解消を図ること。また、小規模多機能施設やグループホーム、宅老所などの基盤整備と公的補助を強化すること。
  • 介護労働者の平均賃金は月21万円足らずであり、全産業平均より10万円も低い中、安倍政権が介護報酬本体を4.48%も減額する等改悪を続けてきたことにより、さらに深刻な状況となり離職者や事業所の廃業が相次ぎ、消費税増税も更に厳しさに追い打ちをかけている。市長は、国に対し、介護福祉士だけでなく、調理員等介護現場で働く全ての労働者の抜本的なベースアップの対策をとるよう求めること。また、本市において介護施設職員の人件費に補助を行う独自制度を設けるなど介護人材確保のための方策を講じること。
  • 介護認定業務の民間委託によって大幅な認定の遅れが生じ、必要なサービスが提供できない事態さえ生じさせた。新年度は元の直営に戻すこと。

(7)高齢者など個人給付等の拡充について

  • 高齢者乗車券については存続するだけにとどまらず、要望の強い所得要件及び利用上限額廃止を実現すること。
  • 加齢性難聴によって認知症悪化や社会参加の妨げとなること等が指摘されており、補聴器購入費の補助制度を求める要望がひろがっている。他都市に倣い補助制度をつくること。

(8)本市原爆被害者の相談事業や被爆証言活動が「原爆被害者の会」の会員減少等によって極めて困難になってきており、維持・強化するための運営費補助を拡充するとともに、新しい世代の「語り部」を養成する事業を広島市や長崎市のように市の責任で実施すること。また、障害者と同様に被爆者のふくふくプラザ駐車場使用料を早急に全額免除するとともに被爆者全員に市営地下鉄や渡船の福祉乗車(船)証を交付すること。

(9)アスベスト(石綿)対策について

  • 建設現場でアスベスト(石綿)を吸い込み、肺がんなどにかかった労働者やその遺族54人が、国と建材メーカーに損害賠償を求めている「九州建設アスベスト訴訟」の控訴審判決が11月11日福岡高裁であり、原告勝訴の判決が言い渡された。これで11回連続、国や建材メーカーの責任を厳しく断罪する判決が下されたことになる。司法判断を重く受け止め、上告を断念するよう国と建材メーカーへ要求すること。アスベスト曝露による健康被害を防ぐための規制強化、労働災害認定基準の大幅緩和、さらに建設アスベスト被害者の全面的、かつ早期解決に向け、国と建材メーカーなどが拠出する資金で、裁判によらず簡易・迅速に救済する「被害者補償基金制度」の早急な創設などを市として積極的に国に要求すること。
  • アスベスト対策を抜本的に強化するために、アスベストアナライザーを直ちに購入し、すべての解体現場でアスベスト含有調査を行うこと。大規模災害時の飛散対応等のため、アスベスト使用建築物のハザードマップを公開し積極的に市民に周知すること。アスベストを扱う建設労働者の防じんマスクの普及につとめ、市内業者への購入補助を行うこと。また国民健康保険の特定健診の問診において職種や経歴に応じてアスベスト被害を明らかにできるように対策をとること。成形板を含むアスベストの被害や対策などを記載したパンフレットを区役所、公民館などに設置し、市民がいつでも手に取ることができるようにすること。あわせて、アスベスト専門の部署を設置し、市職員の中に、日本で初めての石綿調査の公的資格制度である「建築物石綿含有建材調査者」などの専門家を育成、職員も大幅に増やすなど総合的なアスベスト対策をすること。

(10)生活保護行政の充実について

  • 安倍政権は、今年10月にも「生活扶助」の段階的な引下げを強行、今年は消費税の10%増税の時期とも重なり、保護利用者からは悲鳴があがっている。国に対し、生活扶助費などの切り下げの中止とともに、これまで切り下げた生活扶助費・住宅扶助費を元に戻すよう求めること。また、ナショナルミニマムにふさわしい水準への改善・向上を要望すること。
  • 消費税の10%増税は、保護世帯に重くのしかかっており、増税分をカバーするため、下水道料金減免制度の復活、年末の福祉見舞金の支給など、市独自施策を行い、利用者の生活を支援すること。特に、夏は災害並みの暑さをしのぐために電気代がかさみ、子育て世代にとっては夏休みで給食がなく食費がかさみ生活費を圧迫するため、市独自の夏季福祉見舞金を創設すること。
  • 市は市民にも議会にも説明せず、今年4月から全行政区の保護課面接室に1つ以上監視カメラを設置した。これは人権侵害であるとともに、監視されているプレッシャーを与え、相談に来る人を減らす新手の水際作戦であり、直ちに撤去すること。
  • 膨大な漏給、低すぎる捕捉率の早期解決が求められている。定期的な捕捉率の調査・公表、テレビやインターネットのCMの活用、公共施設などへのポスター掲示、市政だよりの1面への特集記事掲載などによる制度の周知徹底や相談の呼びかけ、誰もが手に取れるような場所に申請用紙を置くなど捕捉率向上策を講じること。申請権を保障するため「面接」「指導・助言」を口実に不当に保護申請を排除する「水際作戦」を根絶すること。このような改革をすすめ、生活保護法を「生活保障法」に改正するよう国に求めること。
  • 「一日でも早く自分の力で生活できるよう」など殊更自立を強調したり、保護を受給していても、居住用不動産や少額の保険、自動車、バイク等の保有が認められる余地があることを記載していなかったり、一面的で不適切な表現がホームページや「生活保護のしおり」にある。誤った情報や誤解を招く内容がないように精査して改善すること。
  • 健康状態や年齢などを無視した就労の強要は止めること。また、「何でもいいから急いで就職を」と機械的で本人の意思とかけ離れた就労指導は真の自立を遠ざけるため改めること。
  • 2013年生活保護法改正と2015年の実施要領改正を根拠に、利用者の「資産申告」を強要することは問題である。本市でもこれを根拠に預金通帳の提出を強要するなど著しい人権侵害が起きている。改定法は、利用者と福祉事務所とが協力して金銭管理の適正化を図るとしているだけで「資産申告」強要の根拠とはなりえない。本市として、生活保護法の趣旨に即した行政を徹底し、「資産申告」はやめること。申請時などにおいても、財布をひっくり返させて資産を確認するなど、相談者の人権が侵害されており、やめること。国に対し、誤解を招くような実施要領は撤回するよう求めること。
  • 本市のケースワーカーは大学を卒業して3年以内の職員が66%、経験年数4年以上はわずか4.9%と、依然として市職員としても、ケースワーカーとしても、経験が浅い職員が大半を占めるという現状である。日弁連は専門性の確保の必要性も指摘しており、社会福祉士や精神保健福祉士、弁護士など、国家資格を有する職員の採用や登用を行い、生活困窮者へのきめ細かな支援などノウハウが継承できる体制をつくること。
  • ケースワーカーの平均担当世帯数を減らすことは利用者の生活に寄り添った援助を行うために重要だが、2018年度も98.4ケースで、国の標準世帯数を20近くも上回っている。そのためにトラブルや誤った情報を伝えるなどといった事例が多数見受けられる。日本弁護士連合会も、生活保護法改正要綱(案)で、職員を増やさないと、寄り添ったケースワークはできないと指摘しており、国の標準数を守れるよう直ちに正規職員のケースワーカーを増員すること。
  • 大学、専修学校等への進学者を強制的に世帯分離して保護を打ち切るやり方は、進学をあきらめる子どもを生むと同時に新たな貧困を生み出すため、仕組みを改めるよう国に要求すること。教育扶助費や高等学校就学費用は実態に照らせばまだ不足しており、増額を国に求めること。

(11)貧困対策について

  • 市民全体の貧困実態・貧困率の調査を行い、本市独自の目標・指標を定めて総合的な貧困削減計画をつくること。また、子どもの貧困対策についても、他都市に倣って子どもの貧困率を公表し、削減目標を立て母子家庭への直接給付など具体的な施策に取り掛かること。これらを推進するために、生活保護の担当部局とは別に、貧困・生活困窮対策の独自の部局をつくること。生活保護申請や生活困窮者相談を役所で待つのではなく、出前相談会など必要な人に支援が届くようにアウトリーチを強化すること。
  • 消費税10%増税により、市民の暮らしはますます苦しくなっている。所得が低くなりがちな高齢者や障害者、ひとり親家庭に対して、水道・下水道・ごみなど貧困対策として有効な公共料金等の福祉減免を行うこと。
  • 生活福祉資金貸付は、就労しているなど、返済の見込みの有無を貸付の条件にしており、厳しい要件によって真に必要な人が受けられない仕組みになっている。制度を見直して、真に必要な人が受けられるよう国と県に要望すること。窓口はふくふくプラザで一本化せず、元にもどし、各区の社会福祉協議会で受けられるようにすること。
  • 水道料金・市営住宅家賃・住民税・国保料などの滞納は生活困窮のシグナルと捉え、ライフライン事業者の協力や局を越えた連携を行うこととなっているが実態は機能していない。実効性ある仕組みを構築すること。
  • 文部科学省の調査でも朝食を毎日食べていない子どもが増えており、行政の責任で朝食欠食対策を行うこと。「子どもの食と居場所づくり支援事業」の補助金は3年目以降にも支給を継続すること。合わせて、1箇所あたりの補助を増額すること。また、校外で自主的に学習支援などをおこなっている活動団体へ財政的支援を拡充すること。
  • ホームレスが施設への入所を求めた場合、感染症の検査などの理由からその日に入所できない仕組みを改めるために一時宿泊所を確保すること。あわせて民間ボランティアやNPO支援団体への委託費を大幅に増額すること。ホームレス患者を受け入れる医療機関の負担は大きく現行の入院協力金では不足しており増額すること。

(12)民生委員は担い手不足を解消するため、活動負担軽減が図られるように、業務量を抜本的に削減し、定数を大幅に増やすこと。業務量に見合った活動費となるよう増額すること。選出における推薦に際して、町内会や地域団体に過度の負担を押しつけることのないようにするとともに、欠員等が生じた場合に市の責任で補充する仕組みをつくること。

(13)障害者施策について

  • 障害当事者や関係団体から成る「福岡市障がい者差別解消推進会議」においては、福岡市障がい者差別解消条例に基づいて本市の施策のあり方を具体的に検証し改善につなげること。また、条例の差別的取り扱いを禁じる実体規定に「何人も」と挿入するとともに、事業者の合理的配慮の提供について努力義務から法的義務とするよう早急に議論を始めること。
  • 福祉乗車証について一旦廃止を決定したことについて市民に謝罪した上で「存続」方針を公式に発表し、療育手帳Bおよび精神障害者手帳2級まで拡充すること。福祉乗車券については所得制限を廃止すること。精神障害者に対する交通運賃割引をJRにも実施するよう強く申し入れること。
  • 障害者が65歳になるとそれまで受けてきた障害者サービスではなく介護保険による給付に強制的に移行させられ、担当の介護ヘルパーが次々に変わるなどサービスが継承・継続されず利用者は肉体的にも精神的にも大きな負担を感じている。法の根拠となっている障害者総合支援法の第7条(介護保険優先)の廃止を国に求めるとともに、新たな自己負担なしでサービス水準が維持できるよう市独自の手立てをとること。
  • 「手話言語条例」は27道府県を含む286自治体へと次々にひろがり「手話が言語だと認識された」「手話への興味が増した」と歓迎されるなど、大きな流れとなっている。国における法制定の推移を見るなどとして先送りすることは許されず、早急に制定作業に入ること。
  • 手話通訳者派遣事業の範囲を「他の施策との整合性」等として狭めず、「資格取得のための学校に通う」「趣味の講座を受ける」「ペットを病院に連れて行く」ことなど、当事者の要望を踏まえひろげること。市長会見をはじめ市主催の行事の際には手話通訳者をつけるよう市長に要請すること。通訳者への報酬を引き上げるとともに、養成講座等を参加しやすいものとして通訳者数を増やすこと。また、聴覚障害者用の情報提供施設を福岡市内につくること。
  • 「重度障がい者医療費助成制度」は所得制限をすべてなくすこと。
  • 児童発達支援センターは徐々に増設されてきたものの、療育が必要な障害児全てをカバーする状態には程遠い。「南部療育センター」をはじめ、抜本的な増設計画を立てること。
  • 行動障害の強い自閉症者が利用できる短期入所施設を増やし、必要なときに必要なだけ利用できるようにすること。また、「強度行動障がい者支援事業」はノウハウの蓄積、人材の育成、事業者への支援など充実すること。
  • グループホーム設置が進まないのは、現場の必要額に照らして報酬単価が極めて不十分だからである。国に増額を求めるとともに、市として運営費補助を創設するとともに、土地や建物の確保や新設時の改修費への補助を増額すること。また、国の家賃補助1万円では共有ルーム経費にあてられるなど、実質家賃補助にはなっておらず、市が独自に上乗せ補助を行うこと。
  • グループホームへの入所等を強調して、「地域への移行」など本人の意思に反して障害者入所施設から追い出すことがあってはならない。入所施設も「終の住処」として利用できるよう設備や職員体制の充実を図り「親なきあと」の不安を取り除くこと。
  • 障害者支援施設等労働者の処遇について、全産業に比べて10万円も低い賃金やそのことに起因する人材不足を直視し賃金を引き上げるための補助や家賃補助を創設すること。
  • 障害者の雇用について、本市職員の採用を抜本的に増やすとともに、精神障害者の採用枠をつくること。民間企業に障害者の採用増を要請し、そのための本市独自の補助制度をつくること。
  • 障害関連施設の指定管理者を社会福祉事業団から民間団体に移行する公募の動きは、めばえ学園のケースのように現場の混乱をひろげてきた。公的責任を後退させる民間移行や予算削減はやめ、事業団職員のノウハウや事業の更なる質的向上を図ること。

↑ 上へ

3、人工島・都心部など大型開発をやめ、防災・生活・安全優先のまちづくりへ転換を

(1)人工島事業について

人工島事業は、市が土地を税金で買い取り、髙島市長のもとで、こども病院・新青果市場・福岡市総合体育館など、公共施設を強引に移転させてきた。民間への土地分譲についても、建設単価さえも下回る分譲単価の大幅引き下げ、土地を購入した企業への数億円もの立地交付金の投げ渡しなどによって、ようやく売却しているのが実態である。

市長は土地の分譲が順調だと言っているが、市の計画どおりに土地処分がすすんだとしても最大で421億円もの赤字となり事業の破綻は明らかである。

  • 破綻した人工島事業に髙島市長は毎年約100億円を投入しており莫大な財政負担をもたらしている。これ以上の税金投入はやめること。
  • 博多港の国際海上コンテナ取扱量は、第9次福岡市基本計画で掲げた中間目標105万TEUさえ未だ達成できない状況である。さらに、人工島への6万 t級以上のコンテナ船は、2014年以降1隻も入港していない。C2岸壁の延伸事業、15m水深の人工島D岸壁の整備や大型コンテナ船対応のための東航路整備事業は必要性がなく税金の無駄使いでありやめること。
  • 不要不急のみなとづくりエリア4工区の基盤整備、地盤改良事業は凍結すること。
  • 民間住宅や道路・下水道などに助成する「住宅市街地総合整備事業」を使っての積水ハウスなど特定の大企業への露骨な税金投入はやめること。
  • 人工島進出企業に対する企業立地交付金制度は売れない土地を売るための方策に過ぎない。しかも進出企業の雇用計画人数の半数以上は非正規となっている。大義もなく雇用効果の薄い人工島進出企業への立地交付金をやめること。

(2)博多港港湾再編について

  • 箱崎ふ頭地区の水面貯木場及び海面処分場、65ha、ヤフオクドーム9個分もの埋立ては莫大な費用がかかり必要もなく検討をやめること。また、中央埠頭の新たな埋め立てをやめること。博多港港湾計画を大幅に見直すこと。
  • 事業主体として検討されている第3セクター「博多港開発」はケヤキ・庭石事件を起こすとともに、人工島事業の土地処分ができず、経営危機に陥り、市から4億円から64億円の増資を受け、会社2工区を市に399億円で譲渡するなど、市民に巨額の税金を投入させてきた会社である。そもそも市の外郭団体の見直しでは、廃止も含めて検討されてきたものであり、このような会社に埋立事業などを担わせることは許されず、会社はただちに解散し清算すること。

(3)市長が安倍政権と一体に推進する「グローバル創業・雇用創出特区」は、市民を守るルールを壊す規制緩和であり、本市の特区指定を撤回すること。

(4)「天神ビッグバン」や「博多コネクティッド」は、ビルについての規制緩和、「賑わい創出」と称しての関連施設建設への税金投入、特定企業への不当な優遇などを行うものである。地価の暴騰、住民や中小企業者の追い出し、渋滞・ラッシュ・災害混乱などのインフラのパンクを引き起こし、市民や零細企業には何の恩恵もないものであり、中止すること。

(5)ウオーターフロントの再整備計画は、ロープウエー構想が市民の批判の前に頓挫し、外国クルーズ船の寄港が減少するなど、推進の前提が大きく揺らいでいる。それにもかかわらず、同地区に地下鉄延伸を目論んだり、カジノを呼び込んだりする動きが与党・財界の中から強まっている。同計画は数千億円かかると言われながら未だ総事業費も明らかにならず、「経済効果」も特定企業や大企業にしか及ばないものであり、同計画はきっぱり中止すること。また、同地区では民間業者に運営権設定をする「コンセッション方式」が考えられているが、公共施設への公的な責任を放棄するものであり、導入をやめること。

(6)宿泊税には、市と県による二重課税になっていること、宿泊料金が低いほど負担が重くなる逆進性があること、零細な宿泊事業者にとって徴収や納付に関わる事務作業の負担が重くなること、宿泊税で集めたお金が「観光振興」を名目にして、MICE施設やクルーズ船受け入れ施設などのムダなハコモノ建設に注ぎ込まれることなど、多くの問題がある。集めた税金を、ゆがんだ「観光振興」に投入しても、市民には何も恩恵はなく、観光地が耐えられる以上の観光客が押し寄せる状態、いわゆる「オーバー・ツーリズム」と呼ばれる状況を生み出し、地元への負担を押し付けるだけで、観光政策の果実は大企業のみが味わう結果となる。したがって、来年4月からの宿泊税導入はやめること。

(7)福岡空港については、「東アジアトップクラスの国際空港」にすることを謳い文句にして、30年後に旅客数を現在の1.5倍にし、路線数を倍加させるなどといった見込みをもとに滑走路増設が進められている。こうした無謀な計画を前提にした滑走路増設をやめるよう国・県に要求するとともに、計画を見直すよう国に求めること。

(8)都市高速道路延伸事業について、人工島へは2.5㎞で当初250億円もの事業費だったものが次々と膨れ上がり、401億円にもなっている。福岡空港への路線もわずか2㎞の延伸に500億円を見込んでいるが、どこまで膨れ上がるかわからない。わずか数分の時間短縮のため途方もない公費を投入するこれらのムダな高速道路延伸計画は直ちに中止すること。

(9)箱崎九大キャンパス跡地について

  • 九州大学箱崎キャンパスの移転に伴うまちづくりの理念を示す「グランドデザイン」は、キャンパス周辺の4校区(東箱崎、箱崎、松島、筥松)が長年にわたって、住民の要望をまとめた「九大跡地利用4校区協議会」の提案がなんら具体化されていない。4校区提案の方向性や精神を踏まえたものにするために、市が責任を持って土地を確保し、各種救難資材の備蓄施設をつくり、市民の避難場所として活用するとともに研究機能も備えた防災ステーション拠点を設置すること。地元住民から存続の請願も出されている九州大学総合研究博物館は、箱崎キャンパスの歴史的建造物を生かして、保管・展示し市民に公開するよう手だてを取ること。
  • 「まちづくりの具体化」について、市は「大規模集客施設の提案なども含めて考えていかないといけない」と表明している。民間提案の中には、イオンモールやイトーヨーカドーなどの企業も入っており、巨大ショッピングモールが立地すれば、箱崎商店街など近隣の商店街に大きな打撃を与えるだけではなく、周辺の交通量は激増し住環境破壊になることは明らかである。地域住民が反対し、九大箱崎キャンパス跡地利用協議会で反対の声が出されている巨大ショッピングモールへの売却はしないように九州大学に要請すること。
  • 貝塚公園について、地元では「公園はそのままにしてほしい」「道路を通し分割することは反対」などという意見が出されている。一方、「グランドデザイン」では、憩い・賑わい・交流機能のある駅前空間を創出するとして、一部を再整備することが明記されている。公園利用者や周辺4校区住民の意見をまともに聴取しないやり方は、市民無視も甚だしく、現在の方針を撤回すること。
  • キャンパス内の発掘調査で、続々と発見された石積遺構が元寇防塁として「国指定の史跡」に指定されることになった。地元住民が求めているように元寇防塁跡を保存・活用し全体を公園として整備すること。遺構を壊しかねない都市計画道路は、計画を見直すこと。
  • キャンパス跡地を南北に分け、「再開発」や「区画整理」を行うのは、住民要望を無視するやり方であり、やめること。
  • キャンパス内の建物解体に伴い、粉じんやアスベスト飛散の不安が広がっており、周辺住民への健康調査、抜き打ちでの立ち入り検査、国のマニュアルにそった散水などを徹底すること。
  • 跡地は広範囲にわたり有害物質で汚染されており、キャンパス全体の土壌汚染調査と対策を行なうとともに、新しくつくる公園は汚染されていない場所に配置すること。また、地下水調査について、市が責任を持って実施し、有害物質が含まれる土や砂の飛散防止策を九州大学に求めること。さらに、全体の進捗状況について、市が責任を持って、適宜、住民説明会を行なうこと。
  • 市長が箱崎九大跡地を念頭に推進している「FUKUOKA Smart EAST」(スマートイースト)は、「先進的な技術や革新的なビジネスモデル等」の「実証実験」を行う場に同跡地を変質させようとするものである。全国一律の法律ではなく特区などの枠組みを使って、安全性の確認や社会合意がない技術を拙速に市内で「試す」ことは許されず、それを前提にしたスマートイーストの進め方を抜本的に見直すこと。また、同様の理由から市が国家戦略特区会議で提案した「電動キックボード」についての規制緩和を撤回すること。

(10)本来市民の財産である公共施設の跡地活用について、必要な認可保育園や特別養護老人ホーム等の公的活用に背を向ける姿勢は異常である。公共用地跡地を次々売却し、一部の大企業の利潤追求の場に提供することは許されず、市民のために福祉や子育て等に活用すること。

(11)住宅行政について

  • 住まいは生活の基本であり、憲法25条が保障する生存権の土台ともいうべきものである。「民間まかせ」「自己責任」を基本とする住宅政策を「住まいは人権」との立場に立った政策に転換することこそ求められている。ところが、市営住宅の応募状況は、いまだに一般枠で13.4倍、単身の高齢者・身体障害者は30.2倍など、深刻な状況は改善されていない。市民の居住権を守り、必要な市民が入居できるよう、大幅な新規市営住宅建設計画をたてるとともに、当面建替え時に計画的に管理戸数を増やすこと。またUR賃貸住宅の空き家や、民間賃貸住宅を借り上げて市営住宅にするなど多様な供給方式の具体化を早急に行うこと。
  • 市営住宅の現行の入居基準を見直し、年齢の制限を設けず、国も認めている若者の単身世帯枠をつくること。
  • 住民による市営住宅の共益費徴収や、草取り、駐車場の管理、電灯交換などの設備管理、住民トラブル等の住環境整備を管理組合に押し付けるのではなく、市が責任を持って行うこと。また、電灯は交換頻度が少ないLEDの利用を進めること。
  • 市営住宅の建替えに伴う余剰地については、第一義的には市営住宅の増設を図ること。それ以外の場合でも、住生活基本計画に基づき民間売却ではなく住民要望を反映し、「高齢者福祉施設等の誘致」など公的に活用すること。また弥永住宅の余剰地には住民要望にそって、高齢者福祉施設や地域交流施設等を設置すること。
  • 市営住宅の指定管理化は、登録した市内の中小業者へ優先的に発注されていた修繕等の業務が、委託先関連業者へ集中したり、値引きの強要が行われたりするなどの問題が出ている。また住民要望が反映されない問題があり、管理を市住宅供給公社にもどすこと。
  • 公営住宅への入居可能な収入階層世帯を目安に、民間賃貸住宅に居住する低所得の若者や高齢者世帯への家賃補助制度をつくり、安心して暮らせるよう支援を強めること。

(12)民泊の合法化により、近隣住民から見知らぬ人が出入りする、騒音、ゴミをちらかす等の苦情が出ている。加えて、違法民泊の問題も解決していない。違法民泊について市の責任で調査・把握をするとともに、届け出のある施設についても、問題が発生していないか日常的に把握して、専門相談窓口、連絡があればすぐに対応できる専門部署を設置し、市民の不安の解消に努めること。また、住宅密集地やマンションでの民泊を規制し、原則的に市独自で立ち入り調査などができる実効性のある旅館業法なみの条例をつくること。

(13)中高層建築物等建設にかかる紛争について

  • 近年、住民の努力で守られてきた良好な住環境を破壊する強引な中高層住宅建設の深刻な事例が後を絶たない。開発規制を強化するために用途地域の見直しを行うとともに、用途地域変更の住民提案、建築協定、地区計画の積極的な周知と適用に努めること。
  • 「福岡市建築紛争の予防と調整に関する条例」は現在、住環境を守りたいという住民の願いを実現する力となっておらず、市民に条例の見直しを約束しながらそれを反故にしている。現在の条例に、他都市ですでに実施されている標識設置期間の延長や、近隣説明会の義務付けと範囲の拡大、住民合意等を盛り込むこと。また工事協定も結ばないまま一方的に工事を強行するなど誠意がみられない業者に対しては、市工事の入札時にペナルティを課すなどの罰則規定を導入するなど、より実効性を持つ内容に抜本的に改定すること。

(14)動植物園をインバウンド対応の「観光や賑わいの場所」へと変質させることは許されず、再整備計画にない新たな種の導入など過度な投資をやめること。

(15)交通対策について

  • 「JR筑肥線と市営地下鉄の乗り継ぎ割引料金と割引区域の拡大を求める請願」が提出されたように、市営地下鉄とJR筑肥線の乗継割引を現在の20円から東部の西鉄との乗継同様60円へ拡大するようJR九州に強く申し入れ早急に実施すること。またJR九州の実施が遅れる場合、本市分については先行して割引額を引き上げること。加えて連続割引区間について、2区から3区に拡大すること。
  • 市営地下鉄やJR筑肥線の運行トラブルが起きた際に、折り返し運転や代替輸送を行うなど市民の交通手段を確保するためにJR九州や西鉄と連携をとること。
  • 8月に市民の切実な願いである「生活交通の充実、整備について」の請願が採択されており、公共交通空白地等における生活交通対策として、市が責任を持つコミュニティバスの運行を行うこと。
  • 西鉄は市内各地でバスの減便を強行し、住民は通院や買い物等の日常生活に大きな支障をきたしており、早急に従前同様の増便を図るよう西鉄に強く要請すること。また、生活交通の確保を、公共交通事業者の努力義務ではなく義務として明記するよう生活交通条例を改正すること。
  • JR博多駅をはじめ、市内のJR各駅にホームドアを早急に設置し、西鉄大牟田線についても福岡駅にとどまらず早急に設置するよう関係事業者に強く申し入れるとともに、国まかせではなく、市としても推進のための協議会を設置すること。また、ホームドアが設置されるまでの間、乗客の安全対策要員をホームに配置するよう事業者に申し入れること。

(16)自転車対策について

  • 市内の自転車保有台数の急増により、歩行者と自転車の事故が地域での課題となっており、通行不可の歩道を違法通行する自転車も後を絶たない。本市の「自転車通行空間ネットワーク整備計画」は、2022年までの10か年で約100kmを追加整備するとしているが、もともとこの整備計画自体が不充分であり、現状は、わずか26kmと極めて遅れており、交通安全施設整備費を抜本的に増額し、自転車道と自転車専用通行帯の整備を急ぐこと。併せて、自転車事故は年間2600件近く起きており、指導員の大幅増員・都心部以外への配置や指導内容の改善など安全対策を抜本的に強化すること。
  • 利用者が集中する鉄道駅などの周辺に市営自転車駐車場を増設すること。

(17)道路対策について

  • 「福岡市バリアフリー基本計画」での歩道のフラット化は進捗率88%にとどまっており、100%めざし、速やかに推進すること。また、重点整備地区を拡大し、全市的にフラット化を推進すること。
  • 今年5月に発生した滋賀県大津市の交差点での保育園児死傷事故は、防護柵があれば防げたのではないかと指摘されているが、本市において類似した交差点は153箇所ある。警察や、教育委員会、学校、幼稚園・保育園とも連携し、交差点改良、信号機の設置、自動車のスピード抑制、「ゾーン30」の設置、消えかかって見えにくい横断歩道や停止線の路面標示の改善、生活道路への自動車の流入抑制など、通学・通園路の安全対策・整備をすすめること。
  • この間の道路陥没事故を受け、日常パトロールや路面下空洞調査等の頻度を増やし、劣化や優先度の分析をおこなうとともに、抜本的な道路改修・維持対策を講じること。

(18)水道事業等について

  • 「水道法」は、水道施設の運営権を民間に移すコンセッション方式を可能としたことで、全国で民営化する自治体も出てきており、市民の不安は大きくなってきている。「公共の福祉の増進」を目的としてきた水道事業は、地方公共団体主体で健全な運営がなされるよう現行のまま直営を堅持し、民営化や広域化は行わないこと。
  • 水道配水管の耐震化率は58%であり、残されている配水管の耐震改修について、現行の年間45kmの更新ペースでは完了まであと40年間もかかるため計画を前倒しすること。また、災害時などに水を供給しなければならない重要給水施設として414か所を指定し耐震ネットワーク工事を進めているが、重要なインフラである駅ではJR博多駅と西鉄天神駅のみであり、避難所の多くも対象となっておらず、対象施設を抜本的に増やすこと。同様に本市の下水道管も69%が未耐震であり、早急に改善すること。
  • 本市の1日最大給水量45万1000㎥に対し施設能力は78万900㎥あり、すでに過剰である。一方、1日の生産水量5万tの海水淡水化施設は、年間約25億円の維持管理費等の経費をかけながら、実際の供給水量が日量1万8481㎥に激減しており、稼働する必要はない。したがって、これ以上の無駄遣いは許されず、海淡施設は廃止するよう福岡地区水道企業団に強く求めること。

(19)防災の強化について

  • 毎年のように、全国各地で豪雨水害、台風、地震、火山活動など、深刻で広範囲に被害が及ぶ災害が相次いでいる。気候変動の影響で過去に経験のない様相を見せる災害も起きており、従来の枠だけにとらわれない備えをとるよう「地域防災計画」を見直すこと。
  • 市民の生命、身体及び財産を災害から守ることは、災害対策基本法第1条で「国、地方公共団体及びその他の公共機関を通じて必要な体制を確立し、責任の所在を明確にする」と規定されているにもかかわらず、本市の「地域防災計画」においては、基本理念で「自助、共助」を強調して入れ込み、公的責任を放棄している。市民に防災の対策義務を押しつけるのではなく、市の責任で、地域防災力の向上に取り組むよう「地域防災計画」を改めること。
  • 防災対策は、災害が発生した後の応急対策や復旧・復興対策だけでなく、災害の発生を抑え、被害の拡大を防止するための予防対策中心に転換する必要がある。大型台風や線状降水帯が発生することにも備え、被害が最小限になるように「地域防災計画」で謳っている「災害予防計画」を見直すこと。九州で最も地震発生確率が高い警固断層が活動した場合でも、避難者を「2万5000人」としか想定しておらず、都心部の勤労者と来街者の増加に合わせて緊急に見直すこと。
  • 災害発生時に被災者救助の中心的役割を担う市の消防の体制は、国の指針に照らして、ポンプ車2台、救急車3台、人員は67人も不足しており、特に過去5年間で救急出動件数が約9800回も増えているのに、救急要員の充足率が90.1%と依然として低いのは問題である。本市の消防本部職員1人当たりの管轄人口は、1453人と政令市最高であり、京都市や大阪市のほぼ2倍という状況は異常である。また、一般会計の歳出に占める消防費の予算の構成比は1.7%と政令市最低であり、市民一人当たりの消防費も2018年度決算額で政令市最低額となっている。さらに、消防車の火災指令から現地到着までの時間は6分台になり、救急車の平均到着時間も7分30秒と長くなってきている。したがって、抜本的に予算を増額し、消防力を強くし、国の指針を満たすよう早急に増車・増員すること。
  • 木造戸建住宅の耐震化の助成制度については、対象外とされている1981年以後の住宅も対象とすること。市内の共同住宅の耐震診断と耐震改修助成の制度については、助成要件も緩和して抜本的に金額を引き上げ、制度の周知・広報も強めること。また、人命確保のための耐震ドア、耐震ベッド、窓や屋根の補強だけでも活用できるようにすること。
  • 国の被災者生活再建支援金の支援金上限額を300万円から500万円へ引き上げるとともに、支援対象を半壊や一部損壊世帯に拡大するよう国に求めること。
  • 公共施設の耐震性を確保することは、地震に対する予防対策の基本である。ところが、2018年度末時点で、市営住宅では3団地7棟663戸、水道施設では20%、下水道施設では4%の耐震改修が残されている。予防対策を後回しにするのではなく最優先で耐震改修を行うこと。
  • 避難対策について
    • 近年の自然災害時の市民の避難行動では、避難すべき住民の0.2%程度しか実際の避難行動をしていないことが問題視されている。市民に避難に関する情報が速やかに伝わり、実際の避難行動に結びつくよう調査・研究すること。
    • 土砂災害、浸水、津波のハザードマップや、揺れやすさマップについては、市民が災害時に自分のいる地域でどういう被害が起きるのか、避難経路や避難場所はどこかなどが理解できるよう、周知と啓発に努めること。長期停電となった千葉や台風での被害が大きかった関東・東北で発生しているように、災害発生時に避難や支援に関する本市のホームページにアクセスが集中して閲覧できなくなる事態が起こらないよう、対策をおこなうこと。
    • 2018年と2019年の台風や豪雨による災害では、避難所が満員で入れず別の避難所に移動したケースも見られた。福岡市の一時避難所は193か所、収容避難所は239か所しかなく、これでは災害の規模によっては収容しきれずに避難所難民を生むこととなる。現在の避難所に収容できる人数を計算し、不足分を公共施設や地域の集会所などで補足する計画を立てること。また、避難所の公的備蓄を抜本的に増やし、避難者数に見合う数量の確保をすること。
    • 情報が入手できるよう避難所にテレビやラジオを設置し、快適に過ごすことができるよう畳などを設置すること。収容避難所となる小中学校の体育館・講堂には、冷暖房を付けるとともに、トイレは主として洋式に改修し、マンホールトイレの設置もすすめること。また、いすやベッドなどの備品とともに、衣類やあたたかい食料・弁当が避難者にいきわたるようにすること。家族ごとに利用できるテントや間仕切りなどプライバシーを確保することをはじめ、被災者のストレスへの対策に万全を期すること。電源車と給水車の配置、通信の確保ができるよう、関係機関との事前協定を行うこと。
    • 福祉避難所については障害者や高齢者などの避難所としての機能を発揮できるよう万全を期すことが求められている。現在106か所を指定しているが、施設が被災し使用できない場合も想定し、指定箇所も抜本的に増やすこと。「避難行動要支援者名簿」の登録者だけでなく、その名簿から漏れている障害者に対しても、避難誘導、具体的な移動の手段の手配などについて、通常時から細かい個別計画を市の責任で策定するなどして対策を強化すること。福祉避難所の備蓄については、市の責任で進めること。また、被災時に施設運営で一番の課題となる職員不足については、協定を結んでいる他都市などとの協議を進め、福祉避難所に対する支援の受け入れ体制を事前に確立すること。
    • 「福岡県津波浸水想定」(2018年7月公表)では、本市の水位は3.4mが想定されており、津波ハザードマップにもとづき想定される被害状況と避難方法を、市民に周知、啓発すること。必要な津波避難ビルを確保するとともに、避難ビルの認証シールやオートロック対策など実効性ある対策を早急にとること。
    • 年々集中豪雨発生などによる危険が高まっているもとで、市内の急傾斜地崩壊危険区域の指定は31区域にすぎず不充分である。県と連携して、地権者の協力も得ながら、指定区域の拡大を求めるとともに、市としても安全確保の対策をおこなうこと。
  • 市内の二級河川においては、河床掘削、老朽化した護岸のかさ上げ・改修などの氾濫防止対策を急ぐよう県に要請するとともに、必要な河川には農業用ため池を治水池へ転用し雨水流出抑制を強化し、市有地や公園などの公的施設を活用して地下貯水施設等を設置すること。また、樋井川における河川への雨水流入抑制の活動をしている団体と情報共有を図りながら積極的な支援をすること。さらに、急激な浸水を避けるため、越水してもすぐに破壊しない耐越水堤防を整備し、避難する時間が確保できる対策を強めること。あわせて、バックウオーターや内水氾濫対策、浸水が予測される箇所の嵩上げ、バイパス雨水管などの整備、河床掘削や護岸整備を行うこと。
  • 市内約300か所のため池について、耐震性や豪雨による洪水の危険性などの調査点検を行うとともに、ハザードマップの策定や暫定的な避難方法の住民周知をすること。

↑ 上へ

4、地球温暖化対策をはじめとする環境問題について

(1)地球温暖化防止対策について

  • 気候変動から人類の未来を守るため、2050年ごろまでに「温室効果ガス排出実質ゼロ」にする目標を持つよう、国に対し強く要請すること。
  • 「福岡市地球温暖化対策実行計画」での温室効果ガスの削減目標は、2030年度で2013年度比28%に過ぎず、元々低い国の水準と比較しても何ら積極的と言えるものではなく、「2050年ごろまでに実質ゼロ」に準じた市全体の排出総量の削減目標に改めること。また、その際、排出量を増やし環境を悪化させる「天神ビッグバン」やウォーターフロント再整備等の都市乱開発はおこなわないよう、環境局として規制する立場に立つこと。
  • 世界では20か国1000以上の自治体が、日本でも長崎県壱岐市や神奈川県鎌倉市議会が地方自治体としての「気候非常事態宣言」しており、本市でも同様の宣言をすること。

(2)原発について

  • 原子力発電所は廃炉にし、破綻した核燃料サイクルから撤退し、「原発ゼロの日本」をつくることこそが、求められている。原発の再稼働という無謀な道をやめ、「原発ゼロ基本法」を制定し、「原発ゼロの日本」を実現するよう、国に求めること。また、福岡市として、市民の命と安全、地域経済を守るために、「原発ゼロ」の立場に立つこと。
  • 再稼働を急ぐために、スケジュール先にありで決められた原子力規制委員会の「新基準」は、福島原発の事故の検証にもとづかないもので、免振重要棟の即時整備を義務付けないなど安全基準とは言えない。その「新基準」の審査で合格し再稼働されているのが九州電力の玄海原発3・4号機であるが、特に3号機のプルサーマル運転は福岡市民への危険も大きい。したがって、市長は原発の再稼働について「国の判断にゆだねる」とした姿勢を改め、九電と国に対して、玄海原発の3・4号機の即時停止と早急な廃炉を強く要請すること。
  • いま、原発再稼働の同意権や事前了承権を周辺自治体にまで拡大すべきだという声は全国的に広がり、茨城県東海第二原発や静岡県浜岡原発では、新協定に向けた取り組みが自治体と電力会社とで始まっている。本市が九電と締結した「原子力安全協定」には、2次給水系事故などの報告義務が除外されているなど全く不十分である。したがって、どんな微細な事故であってもすべてを直接福岡市へ連絡させるとともに、事故後対策だけでなく、再稼働にあたっての本市への事前説明・了解、立入調査などの内容を盛り込むよう「原子力安全協定」の見直しをすること。
  • 福岡市は玄海原発から約35~60km圏内に位置しており、「福岡市地域防災計画」(原子力災害対策編)では実効性のある避難計画の策定が求められるが、屋内避難を基本としているため地震などの複合的な原子力災害に対応できていない。したがって、「防災計画」については、全市民の放射能被害を想定した避難計画を立てること。また、福岡市から他の都市への避難計画を立てること。

(3)再生可能エネルギーの推進について

  • 本市には再生可能エネルギーの市内利用可能量をすべて導入すれば市内全世帯の電力消費をまかなえる潜在能力がある。しかし本市の「福岡市環境・エネルギー戦略」の再生可能エネルギーによる発電規模目標は、達成しても2030年で市内電力量の8%を担うものでしかない。したがって、市は2030年までに電力需要の4割を再生可能エネルギーで賄う目標をもつこと。
  • 福岡市には風力発電の利用可能なエネルギー量は約90万世帯分の年間約4600GWhもありながら、「風況に恵まれていない」と決めつけてしまうのは何の道理もなく、風力発電にも積極的に取り組むこと。
  • 自治体による「みやまスマートエネルギー株式会社」や「株式会社浜松新電力」等を参考に、再生可能エネルギーを地産地消する地域エネルギー会社設立について、本市でも取り組むこと。
  • 市有施設・市有地で太陽光や風力、小水力などの発電の活用を抜本的に拡大すること。その際は、環境保全や住民の健康に配慮すること。また、太陽光発電の「屋根貸し」を普及するため補助制度を大幅に拡充すること。さらに、本市においても地域で市民自らが主体的にエネルギー事業に共同で参画する市民共同発電を真剣に育成していくこと。
  • 九州電力の再生可能エネルギーの出力抑制は、昨年10月以来常態化している。これは“原発優先給電”の仕組みであり、「原発固執政治」が再生可能エネルギー普及の最大の障害となっていることを示している。したがって、市は九電と国に対して、原発優先の「給電ルール」を見直し、再生可能エネルギーを優先するよう、要求すること。

(4)大気汚染、騒音等問題について

  • 自動車による大気汚染、騒音などの原因抑制をするためにも、「自動車交通公害防止計画」を再び策定し、自動車交通の総量規制をおこなうこと。併せて、市の公用車は全て電気自動車に切り替えていくこと。
  • JR福岡貨物ターミナル駅では、深夜の騒音が受忍限度を超えている。市は、日本貨物鉄道株式会社に対し、貨車の運行時間を夜12時までとし、深夜作業をやめるよう、国土交通省や環境省とも連携を図って、同社に実行させること。

(5)博多湾の和白干潟については、30年にわたるその干潟を守る保全活動が、日本ユネスコ協会連盟から「未来遺産」に登録(2013年)され、2016年4月の環境省の「重要湿地」として発表された「ラムサール条約潜在候補地リスト」でも登録基準をクリアしている。2018年の締約国会議では、東京都江戸川区の「葛西海浜公園」が新たにラムサール条約登録湿地になっており、本市として条約登録に向けた地域住民の理解をすすめること。和白干潟の「特別保護地区」指定を国に申請し、ラムサール条約登録地にされるよう積極的な取組みを推進すること。

(6)ごみ行政について

本市の2018年度のごみ処理量は、家庭ごみは4年連続増加、事業系ごみは3年連続増加し、総量57万6600tにもなっている。これは本市のごみ減量を目指した「新循環のまち・ふくおか基本計画」で掲げているごみ減量目標の47万tに対し約1.2倍に上り、ごみのリサイクル率も目標の38%に対し31.3%と遠く及んでおらず、抜本的なごみ減量と再資源化の取り組みが求められている。

  • 家庭ごみについては、3Rの促進とともに、紙類は、地域集団回収と合わせて、事業所ごみ同様に古紙として市の責任で分別収集すること。また、外国人を含む住民に、分別・ごみの出し方を丁寧に、繰り返し周知すること。あわせて、ごみ収集車の低公害化やハイブリッド仕様について他都市を参考に導入するための補助制度などについて検討すること。
  • 高齢者や障害者などを対象にした粗大ごみの持ち出しサービスは無料にすること。
  • 本市において廃プラスチックは燃えるごみとして焼却され大量のCO2を出し、さらに、本市で回収された海底ごみだけでも年間百数十tから200tにものぼっており海洋プラスチック問題も深刻である。「プラスチックをつくらない、使わない」という立場に立って、対策を講じるべきである。したがって、発生・製造抑制の観点からごみ回収のコスト負担を製造者側がするよう国に求めること。市の関係する諸会議や行事でのペットボトルや使い捨て容器の使用はやめること。「使わない、買わない、捨てない」という選択を一人ひとりの市民が実行できるよう環境意識改革に市が先頭に立って行動すること。

(7)本市の公共事業で発生される産業廃棄物である建設残土については、その処分が適正に行われているかどうかを現地に出かけて監督する義務があるが、2018年度には、市議会本会議において市外住民にも多大な被害をもたらすなど、杜撰な実態が明らかになった。福岡市の指定した処分場以外に持ち込まれる「自由処分」の残土は全体の85%にも達している。したがって、残土処分の総点検、チェック機能を抜本的に総ざらいして、「建設発生土の処理ルール」通りに実施すること。

↑ 上へ

5、中小企業・小規模企業の営業を守る総合的施策、農林水産業の再建を

(1)中小企業・小規模事業者対策および経済対策について

  • 本市の中小企業施策はスタートアップ都市づくりに27億64万円、観光・集客戦略の推進には19億2万円など企業や人を呼び込む施策など偏重した経済振興策となっている。福岡市中小企業振興条例第14条では「小規模企業者への配慮」がうたわれているにもかかわらず、中小企業・小規模事業者の振興予算は、融資と金融対策を除いて、わずか1億74万円と極端に低いままである。本市の経済と雇用を支えている中小企業・小規模事業者の振興予算を抜本的に増やすこと。
  • 「中小企業者の実態の把握」(条例第4条)を確実に行うために悉皆調査を実施すること。
  • 中小企業者や小規模事業者の意見を反映させるために、中小企業振興審議会の回数を増やし、部会を作るなどして、より専門的な活動ができるようにすること。
  • 地場中小企業・小規模企業の仕事づくりにつながる用途の制限がない住宅リフォーム助成制度や商店リフォーム支援制度を創設すること。
  • 競争入札資格のない未登録業者に対して、自治体が建設工事や修繕工事等を発注する小規模工事登録制度を実施すること。
  • 生活密着型の公共事業を地元中小企業、特に小規模企業へ優先して発注すること。官公需の発注状況について市内の小規模企業の実績がわかるように調査し把握すること。
  • 市発注の公共事業の下請け、孫請けの賃金について、従業員への聞き取り調査をおこない設計労務単価が守られているかを調査するとともに実効ある対策を講じること。
  • 自治体の仕事を受注する企業に人間らしく働ける賃金と労働条件を義務づける公契約条例の制定をすすめること。
  • 合計620万にのぼる免税事業者と簡易課税制度利用事業者を廃業に追い込むインボイス制度は、中小企業と小規模事業に大きな打撃となる。インボイス制度導入をやめるよう国に求めること。
  • 自営業・農業において、妻など家族従業者への給与を必要経費として認めない所得税法56条を廃止するよう国に求めること。

(2)雇用・労働条件の改善について

  • 過酷な労働条件、雇用環境で労働者を使い捨てにするブラックな働かせ方を強いる企業が少なくない。県や国に任せるだけでなく、専門職員を配置した労働相談窓口を各区につくり、街頭相談や電話やSNSを使った相談を実施すること。
  • 調査、相談、啓発を網羅した、ブラックな働き方をなくすための条例を作ること。
  • 雇用関係によらない働き方が急速に広がっている。雇用契約を結ばないため、労働基準法や最低賃金法も適用されず新たなブラックの手口が生まれており市独自の実態調査を行うこと。
  • 「働くあなたのガイドブック」は、抜本的に作成部数を増やすとともに、どのように配布し活用されているのかを把握すること。また、「働くあなたのリーフレット」を市内の高校、専門学校生、大学生全員に渡せるように作成部数を増やすとともに、労働者向けリーフレットを作成すること。

(3)農林水産業の振興について

  • 日米貿易協定は、日本が牛・豚肉や一部の乳製品など、約72億ドル(約7600億円)分の米農産物に対する関税を撤廃・削減することになっており、日本の農畜産業に大打撃を与える中身である。日本の経済主権・食料主権を守るために、国に撤回を求めること。
  • 花き、野菜の価格安定制度の改善・拡充を国に要望するとともに、市の「野菜花き生産安定事業」は品目を拡充すること。
  • 本市の農家の経営主の平均年齢が71.7歳となっている。農家戸数及び農業従事者数についても、2014年度と2018年度を比較すると、303戸、754人も減少している。農家の後継者づくりについては、生活支援や資金、技術、農地の面での総合的な支援体制を整え、農業への新規参入者を増やすこと。
  • これ以上耕作放棄地を増やさない手立てをとるとともに、活用については市民農園や体験農業、学校農園、農業ボランティアなどさまざまなチャンネルで市民の多くが農業・農村にふれ、生産にかかわる取り組みができるようにすること。
  • 有害鳥獣による農作物への被害額は4367万円となっており影響は依然大きい。被害の多くを占めるイノシシ対策のためワイヤーメッシュ、電気柵の設置など予算を増やすこと。
  • 新青果市場内の車両混雑の解消、青果物の品質管理のために営業用駐車場として利用している場所に屋根付きの買荷積込所の整備を行うこと。また営業用及び通勤用車両の駐車場を新たに確保すること。
  • 市内産木材を使用した住宅建設や改修に対してインセンティブを与え、地元木材の利用・販売促進に努めること。また、市公共施設における木材使用量を増やすために利用促進を義務付ける条例を制定すること。
  • 生物の生息・生育に適した水質・底質環境を成立させ、多様な生物が保全される博多湾になるように漁協が行っている漁場保全活動を支援すること。
  • 沿岸漁業者の操業に被害や危険を及ぼすクルーズ船など大型船舶への注意喚起や啓発を積極的に実施すること。

↑ 上へ

6、憲法と子どもの権利条約を生かし、子どもの成長・発達を中心にすえた教育・文化行政の推進を

(1)現在の本市の教育計画「第2次福岡市教育振興基本計画」は、「グローバル社会を生きるキャリア教育の推進」を掲げ、小学校低学年からの英語教育を推進し、子どもの発達段階を無視する歪んだ内容となっている。また、「あいさつ・掃除」「自学・とも学」「チャレンジ・立志」という新しい「福岡スタンダード」と名付けられたスローガンは、特定の価値観を子どもや教職員、家庭に押しつけようとしている。教育計画は、憲法と子どもの権利条約の立場に立ち、一人ひとりの子どもの個人の尊厳が大切にされ、子どもの発達と人格の完成を土台に据えたものへと抜本的に見直すこと。


(2)教職員の働き方について

  • いま、教職員の長時間労働が社会問題になっており、本市でも例外ではなく、慢性的な長時間労働を強いられている。精神疾患などによる休職者は減らず健康破壊が深刻で、最近では、教員志望の学生が減り始めている。教員の長時間労働の是正が緊急に求められているにもかかわらず、安倍政権は、教員の「1年単位の変形労働時間制」を強行成立させた。これは、学期を「繁忙期」として1日10時間労働まで可能にし、夏休みなどの「閑散期」と合わせて、平均で1日あたり8時間に労働時間を収める制度である。しかし、教員は今でも日常的に約3時間、月80時間を超える時間外勤務をしている状態であり、変形労働時間制を導入する前提が成り立たない。教員の長時間労働を改善するためには、教員を抜本的に増やし、業務を大幅に削減するべきである。したがって、本市において、8時間労働制を壊し、長時間労働の固定化につながる教員の「1年単位の変形労働時間制」の導入はしないこと。
  • 「閑散期」とされる夏休み中も、行政研修、壁塗りやワックスがけといった校内作業など連日ように業務がある。教員の業務を大幅に削減し、基本的に教員の義務的な業務が入らない、学校閉庁日を増やし、休暇を取得しやすい期間を設けること。
  • 新学習指導要領により道徳が教科化、小学校では英語が新しい教科となり、年間標準授業時間数は、3年生が945時間から980時間に、4~6年生が980時間から1015時間に増加する。標準時間数を上回る授業時間数が、子どもや教職員の負担が大きくなることは明らかである。子どもの負担や教職員の働き方をふまえ、教育委員会がイニシアチブを発揮して、各学校で授業時間数を大幅に削減するよう助言すること。さらに、教員の持ち時間数の上限を、1日4コマ(小学校で週20コマ、中学校18コマを上限)に定め、教員定数を増やすこと。
  • 正規採用を大幅に増やし、講師頼みではない人事政策へと転換すること。また、常勤講師の賃金や休暇制度などの処遇を改善すること。
  • 部活動ガイドラインで定めた「休養日は週2日以上、土日のどちらか休み」を徹底すること。教員が顧問になる義務はなく、顧問強制はやめさせ、部活動指導員と部活動補助指導員のさらなる増員を図ること。
  • いじめや不登校をはじめとする諸問題を改善するために、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、学校司書等の専門職員の位置づけはますます重要になっており、現場の願いも切実である。これら専門職員を正規化し、全校配置とすること。また、養護教諭の複数配置をひろげること。
  • 神戸市で起きた教員間の「いじめ」に衝撃が広がっている。これは明らかに犯罪や人権侵害であり、絶対に許されるものではなく、子どもへの影響も計り知れない。よって、本市においても、学校現場がすべての子どもと教職員の権利が保障される場となるよう、教員間のいじめやパワハラなどがないか、教育委員会として労働実態を調査すること。

(3) 一般会計の約6%と過去最低水準となっている本市の教育予算(権限委譲分を除く)は、抜本的に増額すること。

(4)本市における35人以下学級は小学校4年生までで打ち切られ、中学校は1年生のみ選択制となっている。現場の教員から、「5、6年でクラスが減って担任1人の負担が増える」「思春期を迎える子どもと向き合い、きめ細かな支援が大事だから少人数学級を」などの声が上がっている。必要な予算措置を行い、全ての学年、学校で35人以下学級を実施すること。

(5) 教育のあり方について

  • ことさら親への感謝を子どもに強要し、様々な事情を抱えた子どもに個人的な心情を発表させるような「二分の一成人式」はやめること。
  • 子どもと学校間の競争を激化し、教職員の負担を増大させている一斉学力テストや福岡市独自の生活習慣・学習定着度調査は、やめること。
  • 道徳については、本市として、評価の強制をやめること。
  • 起業家教育に特化した「アントレプレナーシップ教育」はやめること。
  • 中学校における職場体験学習の受入れ先に自衛隊が含まれている。本市でも、昨年度6校36人が参加している。自衛隊については、安倍政権が強行した安保法制によって憲法違反の集団的自衛権が付与された。このように、自衛隊は、他の一般の職業とは同列視できない異質のものである。この自衛隊を一職場として、「職場体験」先に選定することは、生徒の発達上問題があるので、職場体験学習の選択肢から外すよう学校に指導すること。
  • いじめはいかなる形をとろうとも人権侵害であると位置付け、学校及び教育行政の子どもに対する安全配慮義務、集団的に対応する学校の責務、いじめられた子、いじめた子に対する徹底したケア、被害者の「知る権利」を保障することを原則として、いじめ問題の解決に取り組むこと。厳罰主義には陥らず、子どもの安全に生きる権利を保障する方向で「いじめ対策法」を運用すること。
  • 掃除の際に、再三の指導に従わなかった生徒への平手打ちや、部活動指導の一環として夏休みの宿題をしていなかった生徒に対して、右手で生徒の口元を押さえ、生徒の身体を壁に押し当てるなどの体罰が発生している。相次ぐ体罰の根源にある要因を教育委員会として解明し、根絶のために取り組むこと。
  • 下着の色のチェックや頭髪黒染め強要など、いわゆる「ブラック校則」は、市民社会でも到底認められない人権侵害である。各学校で、人権侵害に及ぶような校則が存在しないか調査し、「ブラック校則」根絶にとりくむこと。
  • 学校・子ども・保護者に対して日の丸掲揚、君が代斉唱を実質強制しているやり方を改めること。
  • 教科書採択方法については現場教師の意見が重視されるよう当面元に戻し、より民主的な方法へと改善すること。教育委員会会議については非公開を改めて完全公開とすること。

(6) 教育を受ける権利の保障について

  • 生活保護基準の引き下げを理由に、本市の就学援助基準を改悪しないこと。クラブ活動費・生徒会費・PTA会費について項目に加え、国に対して財政措置を求めること。入学準備金を必要実態に合わせ更に引き上げること。
  • 不登校の子どもが増えている。子どもの教育を受ける権利、安心して休む権利、自分らしく生きられる権利などを保障する立場から、学校復帰を前提としない公的な施設の拡充や不登校の子どもを支える多様な場への公的支援を拡充することが必要である。まつかぜ学級・はまかぜ学級、すまいる学級と同様の施設を増設すること。また、フリースクールなどの民間教育施設に通う子どもが、学校の出席扱いにならずに進路決定に影響を与えている。学校の出席扱いについて校長の裁量や、フリースクールの教育内容によって選別することは許されず、すべてのフリースクールに通う子どもを学校の出席扱いとすること。
  • 公立夜間中学は、9都府県27市区に33校が設置されている。福岡県では、大牟田市が2021年度に夜間中学を設置する方針を決定した。本市でも、博多区の千代中学校で週2回元教師やボランティアの学生らで運営する自主夜間中学が行われるなど、ニーズはすでに明確であり、議会請願もなされるなど要望が強い。したがって、市立夜間中学を本市に設置すること。

(7)教育環境の改善について

  • 市長が「都市の成長」などとして人口流入を推し進めることで、毎年過大規模校が増えていく事態は全国的に見ても異常なことである。教育委員会として、開発抑制に関与するしくみをつくるように市長と協議を行うとともに、教育環境を守る立場から都市開発に歯止めをかけることができる条例を制定すること。
  • 学校教育法施行規則によると、小学校の学級数は、12学級以上18学級以下を標準としており、文科省は31学級以上の過大規模校について、速やかにその解消を図るよう促している。福岡市では過大規模校の状態が一定期間継続すれば適正化の手立てをとるとしているが、子どもの学校生活は一度きりであり、放置し続けることは許されない。「福岡市小・中学校の学校規模適正化に関する実施方針」を見直し、早急に過大規模校の解消を図ること。
  • 千早校区は駅前の開発とマンション建設の急増で人口が増え、小学校が2021年には1040人になる見込みである。したがって、分離・新設すること。西区の西都小学校の分離・新設については、2023年の開校予定を遅らせないようにすること。また、西区・元岡中学校も生徒数が増加し、過大規模校になることが見込まれており、学校用地を早急に取得すること。
  • 理科室や家庭科室などの特別教室、外国籍の子どもが通う日本語指導教室、不登校ぎみの生徒のためのステップルームとPTA会議室へもエアコン設置を早急に行うこと。
  • 災害時には、避難所になる体育館へのエアコン設置を早急に行うこと。
  • 学校の危険なブロック塀の改修が進んでいない。法律が定めた控え壁の設置がないと疑われる箇所もあり、早急に調査を行い、速やかに改修すること。また、通学路の危険なブロック塀の撤去も急がれる。抜本的に対象を広げ、補助額を増額して、通学路の危険なブロック塀をゼロにすること。
  • 校舎等整備費を抜本的に増額して学校施設の改修を大幅に進めること。依然として築30年以上の大規模改造未実施校が残されており、早期に完了すること。また、プールについては必要な改修・改築は速やかに実施するとともに、熱中症対策やプライバシー対策として全体を覆う日除けなどを設置すること。
  • 学校用務員の配置が拠点校方式となっているため、用務員のいない学校では、施設及び設備の維持管理に不十分な点が目立ち、修繕の対応に時間がかかるようになっている。現場では、用務員の配置を求める声が強く、児童生徒の安全で快適な環境を整えるために用務員を各校1人は配置すること。
  • 公共施設を考える会の調査では、アスベストアナライザーによって廊下の塗装が剥がれかけたところやスレート板の破損部分からアスベストが検出された。教育委員会は直ちに現場を調査し、アスベストの飛散が無いように緊急対策を図るとともに、対処後の報告をすること。また、アスベスト使用の建材などが学校施設のどこに使われているかを認識し、適切に管理すること。さらに、大規模改造にあわせて計画的に学校施設の「ゼロ・アスベスト」を進めること。
  • 洋式トイレの増設計画は完了までに、あと10年以上かかるとされているが大幅に前倒しすること。春吉中では、南校舎3階にトイレが男女それぞれ1カ所しかない状況である。トイレが不足している学校については増設を行うとともに、「臭い」「汚い」「暗い」「プライバシーが守れない」などの問題について早急に解消すること。

(8)おいしく、安全な給食のために

  • 朝食の喫食率が、本市は小学生で84.3%と全国平均よりも低い状況となっている。そのような中で、子どもの健全な成長を保障し、栄養をしっかり取れる学校給食は、全ての子どもにとって重要である。したがって、学校給食の無償化を目指すとともに一部無償化や一部補助を含めて検討すること。
  • 小学校給食の民間委託は中止し、現行の非常勤嘱託員制度を改め、文部科学省基準以上の人員を市の正規職員で配置し、責任を持った調理を直営で行うこと。また、給食室・控室については大規模改造を待たず直ちに改善するとともにエアコン・スポットクーラーを設置すること。

(9)特別支援教育について

  • 小学校における通常学級で学ぶASD(自閉症スペクトラム)やADHD(注意欠陥多動性障害)に加えて、発達障害の可能性のある児童が著しく急増している。自閉症・情緒障がい特別支援学級とLD・ADHD等通級指導教室を増設すること。
  • 特別支援学級の定員の児童生徒8人を担任1人で受け持つという基準では不十分であり、国に改善を求めること。また、市独自に小中学校の特別支援学級の教員を1クラス2人以上にするよう加配すること。
  • 特別支援教育支援員は、ここ数年ほぼ横ばいで推移している。支援員を大幅に増員して必要な児童生徒に行き届くようにすること。支援員については、短期の臨時的任用という配置は問題であり、雇用期間を1年以上にするなど安定・継続できる雇用にすること。

(10)高校・大学の教育について

  • 「市立高等学校活性化に向けた取組方針(第2次)」には、相変わらず、部活動の加入率、大会やコンテスト出場など学校を正当に評価するにあたらない詳細な成果指標が定められている。過度な競争に駆り立てる「方針」は撤回すること。
  • 本市独自の私学助成は拡充を図ること。
  • 市立高校のエアコン電気代は、一部をPTAが負担している。県立高校は公費で負担するようになってきており、早急にPTAや高校と協議を行い、設置者である市が負担すること。
  • 現在、学生の2人に1人が奨学金を借り、その返済のために生活が困難に陥り、自己破産する事例も少なくない。国の給付型奨学金は支給範囲が限定され、学生全体の2%に過ぎない。誰もがお金の心配なく学ぶことができるように、市独自の給付型の奨学金を創設すること。また、重要な役割を果たしている市教育振興会高校奨学金は希望者全員が借りられるよう改善すること。

(11)国の制度設計が不十分なため幼稚園類似施設に通う子どもたちが幼保無償化の恩恵を受けることができない。早急に国に見直しを求めること。また、子どもの間に不平等を生み出すことは許されず、実際に子どもの発達、成長を保障する一定の質を持った施設としての役割を認め、施設に対しての補助など市独自の施策を行うこと。

(12)本市の図書館の住民100人当たりの蔵書数は政令市最低レベルであり、予算を増やし総合図書館及び分館などの蔵書充実を図るとともに、地域による格差を是正するため、図書館増設を急ぎ、当面「移動図書館」(仮称)を実施すること。また、司書は正規職員として増員すること。「福岡市総合図書館新ビジョン」に基づく、図書館を営利追求の場に変質させる指定管理者制度はやめて、直営に戻すとともに、運営への民間営利企業の参入を進めないこと。

(13)社会教育施設について

  • 公民館が「自治協議会のセンター」に変質させられ社会教育施設としての機能を果たせなくなっている事態が起こっている。本来の役割を果たすため必要な人員を確保できるよう予算を増額すること。
  • 公民館の市民の利用にあたって、「目的内使用」で利用していたところを急に「目的外使用」となるなど、活動への行き過ぎた干渉や、トラブルが発生している。幅広い市民の使用が保障されるよう、館長や主事に対し、適切な対応のあり方について徹底すること。
  • 議員の「市政報告会」は、市民の市政参画を推進する上で重要なものである。会場使用料は政務活動費を充てることが認められた公共的なものであり、議会改革調査特別委員会においても、各議員が積極的に行うべきなどと意見が出されている。したがって、公民館を市政報告会の会場として利用する場合、「目的外使用」とする扱いはやめ、「目的内使用」とすること。
  • 今年度より、会計年度任用職員制度が導入されることに伴い、公民館主事の選考方法が、地域に十分説明されることなく変更されようとしている。住民からは、公民館主事を地域から選ぶのではなく、統一基準の下に市が選ぶことに混乱も広がっている。採用方法の変更について、地域の同意を得ること。
  • 早良区に建設予定の地域交流センターの整備に当たっては、ホールをはじめ諸室の設計に利用者の声を取り入れるとともに、早良区北部南部両方から乗り換えなしで行けるバス路線の充実を図ること。また、南区における整備計画も急ぐこと。

(14)文化行政について

  • 安倍政権が「稼ぐ文化」をめざし、芸術・文化に「経済効果」や「効率」を求めている中、本市でも、文化行政を経済観光文化局に集約して開発・観光や経済的利益のための文化行政にゆがめられている。経済観光文化局を改組し、文化行政を本来の姿に戻すこと。また文化芸術を経済に従属させる「福岡市文化芸術振興計画」の「主な取り組みの視点」にある「福岡スタイル」の創造」、「インバウンド施策の展開」は関係者などから総体的な共感を得られておらず全面的に見直すこと。
  • 科学館の展示室及びプラネタリウムの観覧料は、少年科学文化会館当時の観覧料と減免制度に戻すこと。
  • 市内における演劇等の専門性に対応できる中規模ホールは、拠点文化施設内に整備予定の800席の劇場型ホールだけでは足りず、そのほかにも計画すること。
  • 拠点文化施設は、社会包摂の場として役割を果たすよう検討を行うとともに、洗練された舞台芸術を「観る」ことだけではなく、舞台の創造、舞台芸術をささえる人材育成など本市における文化の拠点にすること。また、競艇場駐車場を使用することを想定した計画は文化施設にそぐわないため見直すこと。
  • 市民センターのホールで子どもが舞台を見えやすくするための子ども用クッションの貸し出しを行うこと。中央市民センターの敷地内に資材を運ぶトラックを駐車できるようにすること。
  • 音楽・演劇練習場の4施設は8割から9割の高い稼動率のため利用しづらく、直ちに未設置の西部地域につくるととともに、すべての行政区に設置すること。また、ぽんプラザホールも稼働率が高く、同様の小劇場を増設すること。 大橋の練習場は移転ではなく現地で建て替えを行うこと。
  • すべての小中学生が1年に1度は文化芸術に触れる機会をつくるために、芸術鑑賞にかかる経費を学校予算に上乗せすること。

(15)文化庁が求めているように埋蔵文化財を地域に親しまれた財産とするために、学校教育、生涯学習の場で活用できるようにするとともに、関係予算も増額すること。埋蔵文化財センターの収蔵物を積極的に市民へ公開するため展示スペースを確保すること。

(16)スポーツ行政の推進について

市内スポーツ施設の土日祝日の応募倍率は高く、スポーツをする権利が保障されていない。身近なスポーツ施設を新・増設し、推進すること。千代町の市民体育館は市民スポーツの拠点体育館として、大規模改修を行い使用し続けること。さらに、老朽化しているスポーツ施設は改善し、スポーツ用具については適宜、更新すること。

  • 障害者がスポーツ・レクリエーション等の活動を通して、障害者スポーツの振興と障害者の心身の健康増進、社会参加推進を図り、障害の有無にかかわらずスポーツを行うことができる本市のスポーツ環境を作ること。特に、拠点施設である「障がい者スポーツセンター」の改修要望にすみやかに応えること。学校跡地や市有地を使って絶対的に足りていない「障がい者スポーツセンター」の増設計画を立てること。
  • 小中学校のグランドは校庭開放によって地域のスポーツ振興に寄与しておりその必要な整備が求められている。堤小学校をはじめ要求が出ている防球フェンスの設置を行うこと。早良区にソフトボールのできる運動公園をつくること。
  • 住民のスポーツ参加を増進するための施策をすすめる専門職員の確保、指導者の配置を行うこと。担い手としての活動を支えるために、スポーツ推進委員の位置づけを高め、研修費や必要経費への補助金を充実させ、地域でのスポーツ振興への支援や奨励をおこなうこと。福岡マラソンや大規模スポーツ大会へのボランティアを強要しないこと。
  • 車で利用することが前提の総合体育館の駐車料金を値下げすること。
  • 本市の体育館やプールなどのスポーツ施設の管理については、利用者の立場にたった運営のために、営利企業による指定管理者制度ではなく直営にもどすこと。
  • 経費・収支の見込みもずさんな世界水泳から手を引くこと。
  • ↑ 上へ

    7、一人ひとりの子どもが大切にされ、安心して子育てできる市政に

    (1)保育行政について

    • 2019年8月時点で未入所児童数は1423人、待機児童は101人と、依然として希望する保育所に入れない子どもたちが多数残されている。定員増による詰め込みや認可外の保育施設で受け皿を確保するやり方を改め、こども病院跡地など公共用地を活用して、適正規模の認可保育所を抜本的に増やすこと。また、現在7園まで減らし続けてきた公立保育所は、せめて各行政区に設置すること。
    • 髙島市長が推進する企業主導型保育事業を巡って、助成金の詐取事件が発生した。逮捕されたコンサルティング会社社長が関わった博多区の企業主導型保育園では、保育士の給与が数ヶ月未払いであったり、保育園のテナント料や電話代なども滞納していたりなど保育所の存続の危機に追い込まれていた。このような問題の多い企業主導型保育事業をこれ以上推進することはやめること。
    • 企業主導型保育事業を委託されている児童育成協会の対応について、現場からは怒りや不満の声があがっている。国が、企業主導型保育園で不正や問題が起こっていないか調査し、設置・監査に責任をもつしくみに改めるよう国に求めること。
    • 市内の企業主導型保育園について、市が運営状況について調査を行い、適切な保育の実施に責任をもつこと。年1回の立ち入り調査は、園の問題を把握できておらず、形だけのずさんなものと言わなければならない。人員体制や回数を増やすなど、立ち入り調査や指導を強化すること。
    • 2019年10月より始まった、いわゆる幼保無償化は、対象年齢が3~5歳児に限定され、真の無償化にはほど遠いものとなっている。よって、対象年齢をすべてに広げるよう国に求めること。また、対象外となっている0~2歳児の保育料について、市独自の減免や無償とする手立てを講じること。さらに、保育料や給食費以外にも制服・遠足・文房具代等「隠れ保育料」と呼ばれる実費徴収費が保護者の重い負担になっている。これらの費用についても無料にするよう国に求めること。
    • 副食費について、国は月額4500円を目安として提示したが、それぞれの園に委ねられているため、その目安よりも高い副食費となっている園もある。副食費の額が保育園を選ぶものさしにもなっており、園の格差が広がることも懸念される。また、給食は保育の一環であり、食育の重要性や保育所の生活を豊かにする視点から乖離していると有識者から批判が相次いでいる。したがって、給食の副食費の実費徴収はやめるように国に求めること。加えて、100を超える自治体で、独自に副食費の無償化や減免のための条例制定などの動きが広がっている。市独自の手だてを取って、副食費を減免、無償とすること。
    • 保育士の給料は、全産業平均と比べ約10万円も低く、東京都の調査によると約2割の保育士が退職意向をもっており、理由は「給料が安い」(65%)、「仕事量が多い」(52%)、「労働時間が長い」(37%)である。本市の、保育士から「若い保育士が希望がもてずに、辞めていく」「あと月5万円アップすれば、将来に見通しがもてる」という声があがっており、公定価格の抜本増を国に求めるとともに、少なくとも「福祉職俸給表」にもとづく賃金となるよう、市独自の手立てをとること。処遇改善等加算Ⅰ、処遇改善等加算Ⅱなどの加算が適切に利用されているか、保育園職員の賃金状況を把握すること。また、保育士離職を防ぐため、勤続年数に応じて賃金が上昇するように「福岡市保育士勤続手当」を増額すること。
    • 非正規職員の賃金が低く、離職が相次ぎ、求人を出しても応募がない保育園もある。そうなると派遣会社に頼らざるを得ない状況となり、保育の質と安全が保障されないと切実な声があがっている。非正規職員への賃金は、時給1500円以上にし、フルタイムで働く非正規職員を正規職員にするために、財政措置を行うこと。
    • 保育士の離職防止を図るため、市独自の施策である家賃の一部助成や奨学金の返済支援などをさらに拡充して、保育士を確保することが必要である。よって、家賃補助は少なくとも毎月3万円に引き上げるとともに、非正規職員と給食調理員にも適用し期限をなくすこと。
    • 保育士と給食調理員の給料は大きな格差がある。アレルギー食や宗教食への対応、日々の子どもたちの様子を観察するなど、専門性が必要で、保育士とのコミュニケーションが欠かせず、保育の一環である給食を担う調理員の役割は大きい。調理員の処遇を保育士と同等にするよう改善を国に求めること。調理業務の特殊性に見合う手当を新設するなど、調理員の格付けを保育士並みにするよう、本市独自の手だてをとること。
    • 「希望するときに年休が取れない」「産休代替職員が来てくれないから、パートを含めてクラスをかけもちして交代で子どもをみている」など、現場は疲弊している。産休・病休等の代替職員を配置できるよう、予算措置を行うこと。
    • 保育士の労働時間の短縮を図り、子育てしながら働き続けられる労働環境を整備する必要がある。キャリアアップ研修とともに、保育士の業務の負担となっているのが、書類などの事務作業である。提出すべき書類などが多いために残業が増え、「休憩も十分に取れない」「子どもと向き合う時間や保護者とのコミュニケーションの時間が削られている」という声があがっている。保育士の労働実態を調査するとともに、どの業務が労働時間に当たるのか、労働時間内にすべき業務とそうでない業務など区別するガイドラインなどを作成し、保育士の業務の軽減を図ること。
    • 国の配置基準の低さが保育士の仕事量の多さや長時間労働を生み出し、サービス残業や持ち帰りの仕事を増大させる要因ともなっている。国に対し配置基準を引き上げるよう求めること。保育士対子どもの人数を0歳児は1対2、1歳児は1対4、2歳児は1対5、3歳児は1対10、4・5歳児は1対15へと改善をすること。
    • 保育標準時間認定対応の常勤保育士等の人件費の追加や加算など、市町村からの委託料が増額されているが、早朝や延長の保育で交代の保育士を実際に増やして対応するためには現在の公定価格では不十分であり、実態に見合うよう公定価格の内の管理費の引上げを国に求めること。
    • 政令市のほとんどが実施している産休明け保育を、本市においても市の責任で早急に実施すること。また、保育ニーズを踏まえて、休日保育、病児・病後児デイケア事業など特別保育事業を拡充させること。
    • 小規模保育事業など、認可保育所以外の施設・事業においては、保育基準が条例で定められているものの園庭の設置義務がなく、職員全員が保育士の有資格者でなくてもいいなどとされているため、保育所との間で保育の質に格差が生じるなど、課題が明らかとなっている。すべての子どもの最善の利益と発達の権利を保障するため、条例を見直すとともに、保育基準を認可保育所と同等に引き上げること。
    • 本市の認可外保育所への補助は、職員の健診費用など1369万円と、20政令市中10番目と低い額になっている。24時間保育や、一時・休日・延長保育、障害児保育など、市民の多様な保育要求に応え、地域の子育て支援、家庭支援に大きく貢献し、保育行政の補完的役割を果たしている認可外保育所の職員給与・修繕費・管理への補助を創設すること。あわせて、認可化をめざしているところには、財政支援をさらに増やすこと。
    • 近年、障害児と保護者をとりまく環境の変化などにより障害児保育のニーズが高まる中で、「障がい児保育の今後のあり方について」答申(案)では、障害の程度が重く常態として保育士と1対1の個別対応を要する児童について、将来的にはすべての保育所で保育を実施することが望ましいとされた。また、医療的ケア児の保育所での受け入れについても看護師を配置し、公立保育所および一部の指定保育所などで保育を実施すべきとした。この答申の方向性に沿って、少なくとも各行政区に1つ医療的ケア児を受け入れる保育所を設置すること。看護師の配置や保育士の加配、研修のための助成など抜本的に予算を増額すること。また、療育が必要な児童が、療育を受けられるように通園施設を抜本的に整備・拡充するとともに、保育所等と児童発達支援センターなどの連携を図ること。

    (2)子どもの医療費助成については、半数を超える政令市が通院、入院ともに中学卒業まで助成を広げている。本市では、入院は中学卒業まで無料化されたものの、通院については小学卒業までであり、かつ自己負担が導入されている。市長は、先の市長選で、「安心して子どもを産み育てられる環境づくりを進める」「子育て支援の充実が必要」と語っており、市民の願いに応えて、通院についても中学卒業まで、自己負担をやめ完全に無料にすること。

    (3)留守家庭子ども会について

    • 政府は児童福祉法にもとづく省令で定める基準の中で、唯一の「従うべき基準」だった学童保育の1クラス2人以上(うち1人は都道府県の研修を修了した放課後児童支援員)の職員配置基準を、拘束力のない「参酌基準」とし、自治体の判断で無資格者1人での運営も可能になるという法改定を強行した。学童保育は子どもの安全を守ることが第一義的に求められているのに、事故や事件、災害のときも1人で対応していいことになるtでもない改悪である。子どもたちの安全確保、質の低下、市町村格差拡大につながり、保護者の願いにも逆行するものであり、基準を元に戻すよう国に求めるとともに、本市として安易な職員配置基準の引下げをせず、引き上げを行うこと。
    • 現在、多くの留守家庭子ども会で、支援単位以上の定員の子どもを1つの大部屋で見ている状況である。留守家庭子ども会の支援単位は、必ず40人以下とするとともに、各単位に主任支援員を複数配置すること。支援単位ごとに専用の設備と専用室を備えること。
    • 施設の面積基準である子ども1人あたり1.65㎡を確実に保障し、児童数(会員数)の変動で狭隘施設が生じないよう、十分な余裕をもって改善すること。8㎡以上を確保した「静養するための機能を備えた区画」や、職員室、調理室、ホール(集会室)を備えるようにすること。安全、衛生上必要なトイレ、手洗い場を国の設置基準に沿って増設すること。
    • 子どもの成長・発達のためにも経験豊かな主任支援員・支援員こそ必要である。会計年度任用職員制度の導入により、人員の削減や労働条件が悪化することは許されず、子どもたちの安全確保と安定した運営のためにも手厚い人員体制と専門職にふさわしい労働条件への改善を図るとともに、正規化を進めること。あわせて、職員の再採用は4回を限度としているが、専門職であることから継続的な雇用が求められるので更新の制限はしないこと。
    • 社会福祉法人が行っている学童保育所の役割を明確にし、支援すること。

    (4)雁の巣幼稚園跡地について、住民から児童館の設置を求める請願が出されており、市が責任をもって児童館を設置すること。また、入部幼稚園及び内野幼稚園の跡地については、この間、2度の跡地を活用する民間事業者の公募が実施されたが、いずれも応募がない状況となっている。安易に民間に売却することなく、児童館など、子どもの居場所づくりを基本とし、住民要望にそった活用をすること。

    (5)福岡市の児童館は中央児童会館1館しかなく、1館体制では国の児童館ガイドラインが定める児童館としての拠点性や地域性は発揮できないことは明らかである。専門職員のいる児童館は、公民館など他の施設で肩代わりすることは不可能であり、早急に児童館を全ての行政区に設置するとともに、公立幼稚園や学校、こども病院跡地など公有地を活用して計画的に増やすこと。

    (6)児童虐待防止について

    • 本市の児童虐待の相談は過去最多の1908件(2018年度)と増え続け、深刻な状況が続いている。親身な相談活動ができるように専門職である児童福祉司、児童心理司、弁護士資格をもつ職員を大幅に増員すること。職員全体の4割程度の経験年数が1〜3年という状況を改め、職員の継続性と専門性を高めること。
    • 児童養護施設の職員配置基準については、全国児童養護施設協議会も、小学生以上は子ども3人に対し職員1人にするよう、きめ細かな職員配置を求めている。条例を改定し、さらに人員増をはかること。職員確保のための本市独自の支援補助制度を拡充するとともに、国に対しても措置単価引き上げを要求すること。
    • 新年度より、児童相談所内に児童心理治療施設を設置することによって、児童相談所の一時保護所が不足することは明らかである。里親や児童養護施設に一時保護を依頼することは無理がある。児童相談所がその役割を発揮できるように、一時保護所の不足解消を図るとともに、さらに相談所を増設すること。

    (7)養育・専門里親には高校進学までは里親手当、生活費や教育費等「措置費」が支給されているが、大学進学にあたっては「支度金」が一度支給されるだけで、進学支援というには程遠い。また、給付型奨学金制度が創設されたが、その対象は低所得者かつ成績優秀者と厳しく限定され、学生総数の2%にすぎない。したがって、大学進学について、少なくとも高校進学までと同程度の学費等に対する支援を行うよう国に求めるとともに、本市としても国任せにせず独自に支援を行うこと。

    (8)ひとり親家庭への支援について

    本市の「ひとり親家庭実態調査」においては「生活上の不安や悩み」に関する問いに対し「生活費」との回答が群を抜いており、「行政機関への要望」については「年金・手当の充実」「医療保障の充実」「県営住宅や市営住宅を増やす」等が上位を占め、経済的支援が切実に求められていることが浮き彫りとなっている。

    • ひとり親家庭の医療費について所得制限をはずし、18歳まで完全に無料にすること。
    • ひとり親家庭に対する独自の家賃補助を行うこと。
    • 児童扶養手当の抜本的増額を国に求めるとともに、当面市独自の加算を行うこと。

    ↑ 上へ

    8、清潔・公正、平和と民主主義を尊重する市政を

    (1)市長の政治資金管理団体「アジアリーダー都市研究会」の2018年報告内容によれば、政治資金パーティーで約5811万円の売上、5337万円の収益を上げており、利益率92%にも及ぶパーティー券の購入は対価的意義の乏しい事実上の寄附である。財界関係者や市の受注業者から巨額の政治資金を受け取ることは市政をゆがめるものとなる。市長政治倫理条例第3条には「道義的に批判を受けるおそれのある趣旨の寄附を受領しない」等の規定があり、「政治倫理基準に違反する事実があるとの疑惑をもたれ」(同条2)ているにも関わらず、市長は、利害関係者による購入の公開など「自ら誠実な態度をもって疑惑の解明に当た」(同前)ろうとしていない。このような疑惑をもたれる、市長の政治資金パーティーをやめること。

    (2)住民参加の政策決定について

    • 髙島市長による、ロープウエー構想、箱崎ふ頭の埋め立て計画など、市民も議会も無視した独断専行で、物事をすすめるやり方は許されない。市政の進め方については市議会と市民の意見をよく聞き、住民投票・住民意向調査・住民討論会などを活用して、住民参画の上での政策決定を基本とすること。 ② 2018年度、本市が実施したパブリックコメントは6事案であるが、意見提出件数は多いもので200件、中には0件という事案もあり、市民の意見を広く聴取できていないのが実態である。パブリックコメントの周知方法や期間の延長など進め方を改善し、多くの市民意見を集めること。また、市の施策への反対意見を無視するなど、実質切り捨てるという事が行われており、少数意見を排除しないこと。あわせて、市民の意見を市政に反映させるために、説明会や懇談会など行政が出かけて行き意見を聞くこと。また、各種審議会など委員の市民公募枠を新設・拡大すること。

    (3)「行革」、民間参入について

    • 人工島事業やウオーターフロント再整備構想、天神ビッグバン、博多コネクテッドなどの大型開発は聖域にする一方、教育、福祉、医療、文化、交通など市民サービスを切り捨てる、政策推進プラン、行政運営プラン、財政運営プランは撤回すること。
    • 市は市民の貴重な財産である公共施設の整備・管理運営にPFI方式といった民間手法を導入して、公的責任を完全に放棄している。また市が公共施設などの所有権をもったまま、運営権を民間企業に売却するコンセッション方式の導入も計画され、新たな大企業の儲けの場にしようとしている。PFI方式やコンセッション方式はやめること。
    • 公の施設の指定管理者制度がすすむ中で、市民サービスの低下につながる不適切な管理・運営、現場労働者の非正規化・低賃金・人減らし・劣悪な労働条件など、行政の責任放棄が顕著となっている。指定管理者制度における営利企業参入を抜本的に見直して、原則直営に戻すこと。併せて指定管理者制度が導入されている施設にはモニタリングの基準を強化するとともに、抜き打ち点検や専門家による現場点検、現場労働者から直接の聞き取り調査を厳しくおこなうこと。
    • 九州電力の利益を保障するために利益分を上乗せし市財政を食い物にしている「株式会社クリーンエナジー」や市政を財界いいなりに誘導する役割を果たしている、「福岡アジア都市研究所」は廃止すること。その一方、長年、福岡市の障害児や障害者施設など社会福祉施設の管理運営を担ってきた福岡市社会福祉事業団については、市民の願い反して、管理運営から外そうとしている。このようなやり方は許されず、「外郭団体のあり方に関する指針」を見直すこと。

    (4)市職員の配置と労働条件等について

    • 本市の人口1万人当たりの職員数は107人となっており、政令市最下位である。このような中、職員の労働強化と過重負担は深刻で、誇りとやりがいをもって市民のための仕事をしたくてもできない職場が多数ある。これ以上の削減は「過労死」をも生み出し、ひいては市民サービスを低下させるものとなるため職員定数を増やすこと。
    • 2020年4月から導入される会計年度任用職員制度について、本市でも留守家庭子ども会(学童保育)の支援員、公民館主事、図書館主事、学校司書など幅広い職種の非正規職員に適用され、労働条件の上で大きな影響が出ることが心配されている。期末手当が増える一方で、月々の給与を削減するなど、待遇の悪化は許されず、法の趣旨に従って待遇改善を行うこと。
    • 市職員の長時間・過密労働の実態は、残業時間を「年360時間以内」と定めている厚生労働大臣告示を超えて時間外勤務をおこなっている職員が584名に上るなど極めて問題であり、改善は急務である。サービス残業を根絶し、超過勤務手当は実態どおり支払うこと。
    • 市職員給与については、2000年と2019年を比較すると平均給与は94万9000円引き下げられるなど長年にわたっての賃金引下げ、抑制政策のもとにおかれてきた。このような状況は、公務員としてのモチベーションを低下させ、生活設計や地域の景気にも深刻な影響を与えている。臨時・非常勤職員を含む市職員給与の大幅賃上げで、地域経済に結びつく公務員賃金の改善を図ること。

    (5)市民団体が開く「平和のための戦争展」は、3年続けて名義後援を拒否され、アミカスで行われた女性団体の平和の取り組みでは「原発反対」の展示があることを理由に教育委員会から名義後援を取り消された。本来名義後援は、市民の自主的な活動を後援することを通じて市の事業目的を実現させるものであるが、後援しない理由に「特定の主義主張に立脚した内容が含まれている」としている。しかし特定の主義主張にあたらない意見などはありえず、様々な意見を積極的に保障する姿勢こそが行政の中立にあたるものであり、「名義後援の承諾に関する取扱い要領」を抜本的に見直すこと。また、「なみきスクエア」で、市民団体が施設を利用する際には名義後援がなければ認めないとすることは「住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的取扱いをしてはならない」とする地方自治法244条の精神に反するものであり、このような運用は改めること。

    (6)本市の総合評価方式による入札は、この間、評価内容について「知的財産保護の立場から公表できない」などとして議会にも明らかにしておらず、選定が適正に行われているのかが疑問視されてきた。今回見直された、企業評価項目に含められている「災害対策協力企業」に対する加点について、「防災協定」を締結している団体の加盟社に、最大で2点を加点するとしており、特定業者への便宜供与ではないかとの指摘が業界団体からされている。このような特定企業を利するやり方は導入せず、総合評価方式による入札について、評価内容の公開を行うなど、抜本的に改善すること。また特命随意契約やプロポーザル方式の在り方については、特定業者との癒着構造によって入札の公正・公平さが失われかねず、制度の総点検を行い抜本的な見直しをおこなうこと。

    (7)本市の消費生活センターは、相談業務が営利企業に委託され、啓発や事業者指導をおこなう行政担当職員との円滑なコミュニケーションができず、消費者安全法が求める消費生活センターとは大きくかけ離れている。2018年度の相談件数は1万1911件とここ数年横ばいであるが、現在の9人の相談員体制では過重負担となっており、相談員の増加や研修体制の強化のためにも予算を大幅に増やすこと。また消費者相談業務を民間に委託している政令市は本市しかなく、県弁護士会からは「営利団体への業務委託は不適切である」との意見書も提出されており、業務委託ではなく市直営でおこなうこと。

    (8)個人の尊厳とジェンダー平等のために

    ジェンダー平等を求める国際的潮流が大きく発展し、経済的・社会的差別をなくし、誰もが尊厳をもって自分らしく生きられる社会をめざすことが求められている。

    • 直近の世論調査でも賛成が42.5%と過去最高になるなど、選択的夫婦別姓導入を求める声は高まっている。国連の女性差別撤廃委員会からも、再三の勧告を受けており、民法を改正し、選択的夫婦別姓を法制化するよう国に求めること。また、女性のみ16歳となっている婚姻適齢、女性のみに課せられた再婚禁止期間、婚外子とその母親への差別規定など、いまだ民法・戸籍法などに残る時代遅れの差別的な条項をなくすよう国に求めること。
    • 市として市内事業所の男女の賃金格差を調査し、男女賃金格差の是正をはかる指標をもつとともに、「福岡市男女共同参画基本計画」や「福岡市働く女性の活躍推進計画」に盛り込むこと。
    • 福岡市特定事業主行動計画においては2020年までに課長級以上全体に占める女性の割合を15%程度とすることを目標にしているが、政府の目標40%程度と比べても低いものとなっており引き上げること。管理職への登用を抜本的に強め、昇任などの差別を一掃する手立てをとること。また、政策方針決定への女性の参画を高め、現在35.4%である各種審議会への女性の参加率を目標の40%に早急に達成すること。
    • 強制性交等罪の「暴行・脅迫要件」を撤廃し、同意要件を新設するなど、刑法の性犯罪規定を抜本的に改正するよう国に求めること。現在の性暴力被害者支援センター・ふくおかを抜本的に充実するとともに、本市独自のワンストップ支援センターや病院拠点型のセンターを創設すること。
    • DVの相談支援体制を充実させるため、各区の子育て支援課に臨床心理士を配置するとともに、アミカスを含めて子連れの相談者のために保育士や学習援助者の体制をつくること。2つの民間シェルターへの補助金など支援の拡充、中長期滞在できる中間的施設(ステップハウス)の開設・運営へ助成するとともに、自立に要する費用の補助を拡充すること。男性DV被害者が気軽に相談できる体制の強化をはかること。
    • ハラスメントは女性をはじめとする労働者の人権と働く権利を傷つける重大な行為である。国に対し、ILO条約を批准できる水準のハラスメントの禁止を明確にした法整備を行うよう求めること。本市としてハラスメントが違法であることを明確にした「ハラスメント禁止条例」を制定すること。市職員のハラスメントの相談・調査・判断をすべて同じ部署で行うことは問題であり、啓発・苦情処理・紛争解決のできる専門の窓口を設置すること。

    (9)本市の「人権教育・啓発基本計画」は、「同和問題の解決に向けた取り組みの手法・成果を生かす」などとして、実質同和問題や差別の問題のみに矮小化しており、ニセ「人権教育」の押し付けはやめ、憲法で保障された幅広い人権を取り扱うものに改善すること。市職員の研修、校区の人権尊重推進協議会などの学習会での同和・部落差別問題の押しつけはやめること。学校研修、連絡会等を通じての解放同盟の教育介入を排除し、学校やPTAへの「同和研修」の強要、部落解放同盟の運動や主張に加担する「研修」名目での職員の出張及び加配教員の偏重配置をやめること。特に、「部落差別解消法」の運用において、参議院の付帯決議を厳守し、「同和」の特別対策の復活や、人権侵害を生み出しかねない特別な教育啓発や実態調査を実施しないこと。

    (10)ヘイトスピーチ、外国人について

    • 本市は、「ゴキブリ」「じっくり苦しんで死んでください」「犯罪をおこす」など、外国人や観光客の多い天神などで、繰り返し行われている宣伝活動とデモをヘイトスピーチと認定しておらず、また、公共施設を使った集会などで明らかにヘイトスピーチがあった場合でも、使用を拒否しようとはしていない。民族差別をあおるヘイトスピーチを放置することは許されず、根絶するために、ヘイトスピーチを許さない宣言、公共施設の利用制限などを盛り込んだ規制条例の制定すること。
    • 増え続ける外国人労働者の人権や尊厳、労働環境を守る仕組みが極めて貧弱な中で、さらに、外国人の受け入れを拡大する改定出入国管理法が2019年4月から施行された。福岡市の外国人居住者は、2019年で3万7000人に達しており、今後も増え続けることが予想されている。現在でも、留学や技能実習生として来日し、労働法令違反の働き方を強いられ、ダブルワークやトリプルワークをしながら、過酷な毎日を送っている人も多く、気軽に相談できる市独自の労働相談窓口をつくること。また、外国人居住者の人権保障をすすめていくために、市として総合的な多文化共生推進計画をつくること。

    (11)日本と韓国の関係が悪化し、市内の飲食店など小規模事業者をはじめとする企業では「韓国のお客は9割減った」「廃業も考えている」など、深刻な影響が広がっている。打撃を受けている市内中小業者への支援をすること。また、中断している釜山市との姉妹都市交流を復活させるとともに、民間交流を積極的に行政として後押しするなど、日韓友好を強める施策を進めること。

    (12)市が自治会・町内会などコミュニティに依頼している業務は、年間約500にも及び、そのために過重になって担い手づくりが困難となっている。市の下請けにするこのようなやり方は抜本的に見直すこと。自治協議会共創補助金交付要綱の第4条第2項の「その全てを実施しなければならない」という箇所を削除し、自治協議会が主体的に決定できるようにすること。本市のまちづくりの基本点として、「公助」を明確に打ち出すこと。

    (13)投票率向上・政治参加の取り組みについて

    • 投票区を距離や地形などを総合的に判断して分割するなどして、投票所を抜本的に増やすこと。また、在宅投票制度、郵便投票、在外投票、洋上投票など、制度を周知徹底し、投票機会の保障をはかること。
    • 期日前投票は、その導入以降、期日前投票所の増設なども行われ、国政・地方選挙問わず制度の定着が進んできた。選挙実施のたびに利用割合が増加し、衆議院では 40%程度、参議院では 30%程度にまで上昇している。さらに投票率を高めるために、市内各地に「共通投票所の設置」「大学や商業施設等への期日前投票所の設置」をすること。また、現在唯一の「共通投票所」である市役所1階では、投票日前日も投票できるようにするとともに、投票日当日も、市役所と区役所は投票所として利用できるようにすること。さらに、病院や高齢者福祉施設への入院患者、入所者が施設内において不在者投票ができるよう、未指定施設等への働きかけを強めること。
    • 選挙公報は有権者に候補者情報を届ける最も重要な公的媒体であるにもかかわらず、全市的に配布日が投票日直前だとの苦情も多い。印刷も配布も、各1社に委託する体制を改めるとともに、委託業者数を抜本的に増やし、少なくとも投票日の1週間前に有権者に届くよう手立てをとること。

    (14)平和行政と基地問題について

    • 核兵器禁止条約は、11月25日現在80カ国が署名し34カ国が批准している。市長として、条約に背を向ける日本政府に対して批准するよう独自に要請すること。また、「ヒバクシャ国際署名」は、20都道府県1199市町村(1724全市町村の69.5%)の首長が署名している。髙島市長が署名するとともに、署名用紙を市役所や区役所、市民センターなどの受付などに置き、市民に署名を呼びかけること。
    • 福岡空港の滑走路増設工事に伴い、同空港内にある米軍板付基地の施設(倉庫等)が移転され、福岡市はそのための予算約4億円を支出していたことが判明した。市は市と地元住民団体などでつくる「板付基地返還促進協議会」や市議会にもこれを報告せず、市民と議会をあざむくものである。市は、米軍基地の固定・強化につながる税金の支出をやめるとともに、米軍板付基地の即時全面返還と福岡空港の軍事利用の中止を、国と米国に対して強く要求すること。
    • 博多港の軍事利用については、9月に5年ぶりに髙島市長によって米海軍ミサイル駆逐艦マスティンの博多港入港が許可された。これは、福岡市の「平和都市宣言」にも、「博多港港湾施設管理条例」にも反するものである。市は、博多港への米艦船及び自衛隊艦船の入港を拒否するとともに、「非核神戸方式」を導入すること。
    • 毎年、市民から市議会に、核兵器廃絶や非核三原則の遵守などを求める内容の「非核平和都市宣言の早期実現」を求める請願が、被爆者団体や高校生など幅広い市民から出されている。しかし、本市は、それらの請願に議会の「平和都市宣言に関する決議」や、「アジア太平洋都市宣言」で事足りるとする態度に終始している。市民の請願を真正面から受け止め、核兵器廃絶や非核三原則の遵守を明確に記した非核自治体宣言を行うこと。
    • 広島・長崎の被爆から2020年は75年目の節目を迎える。核兵器の禁止・廃絶へ、世界が大きく動こうとしており、特に、若い世代に戦争の悲惨さ・被爆の実相を伝えていく事業が大事である。そのために、国連の軍縮大使や各国政府代表などが参加している原水爆禁止世界大会や、広島・長崎市の原爆資料館に、高校生をはじめ若者や親子の派遣などの事業について北九州市等を見倣って予算化すること。また、市として、原爆資料展をおこなうこと。
    • 博多港は、終戦直後、約139万人が降り立ち、朝鮮半島や中国大陸に約50万人が帰国した国内最大の引揚げ港だった。その引揚げの記憶を風化させまいと福岡女子大学の学生や市内の高校生が体験の聞き取りや継承の活動をしている。市は2021年度までに引揚げ関係資料の展示の在り方について再考し活性化を目指すとしているが、市民からの資料収集を再開するとともに、引揚げ者などでつくる市民団体や関係者の意見も反映した展示施設にすること。その際、資料について説明する学芸員も配置し、博多港引揚げの史実を学校教育の課題に位置付け、子どもたちに戦争の悲惨さと平和の大切さを教える教材として使うこと。「引揚げ港・博多を考える集い」が刊行した『あれから73年 十五人の引揚体験記』の市内中学校への贈呈を受け入れること。引揚げ記念碑「那の津往還」は記念樹とともに、ウォーターフロントの再整備の中で移転することなく、維持すること。広島市、長崎市に次いでヒバクシャが多く、また日本最大の引揚げ港を持ち、犠牲者1000人を超える大空襲を受けた福岡市として、常設の平和資料館を設置すること。
    • オスプレイは、重大事故率が最も高い米空軍機であるが、自衛隊は新たに導入するオスプレイを佐賀空港に配備する計画である。また、自衛隊築城基地(築上郡)には、オスプレイ24機が常駐する沖縄の米軍普天間基地の「緊急時」の「能力代替」のためとして、米軍用の弾薬庫や2700ⅿまでの滑走路延長が狙われており、日出生台演習場での日米共同訓練においても参加したオスプレイが飛来している。自衛隊オスプレイの佐賀空港へ配備や、米軍オスプレイの築城基地への緊急配備が行われれば、自衛隊春日基地や福岡空港へ飛来することが想定され、市民への危険が及ぶ。したがってオスプレイが福岡空港や、雁ノ巣ヘリポートに飛来することがないよう国に要求すること。あわせて、そのような米軍の行動根拠となっている日米地位協定について、全国知事会同様に、改定を求めること。

    以上

    ↑ 上へ

    >>>「申し入れ」一覧に戻る
    >>>「声明」一覧へ
    >>>「政策と活動」トップへ

    PageTop