トップ > 政策と活動 > 予算要望 > 2004年度予算要望

政策と活動

2004年度予算要望

2004年度予算編成に関する申し入れ

2003年12月25日

福岡市長     山崎 広太郎 殿
福岡市教育委員長 西山 陽雄 殿

日本共産党福岡市議団
団 長 宮本 秀国
幹事長 原田 祥一
星野美恵子
比江嶋俊和
倉元 達朗
中山 郁美

日本経済は長期の不況のもと、勤労者世帯実収入、消費支出とも連続減少、完全失業率が過去最悪の5%台を続けるなど、ますます厳しさを増しています。福岡市においても企業倒産は依然多く、有効求人倍率も0.57と厳しく、市民の暮らしと雇用、経営は危機に瀕しています。いま、日本経済の主役であり土台である家計消費と中小企業にしっかりとした支援を行うことによって、内需を活発にし、日本経済を立て直す方策こそ、求められています。

ところが、小泉内閣が閣議決定した2004年度予算案は、生活保護の老齢加算・母子加算の削減、年金の物価スライドによる2年連続の支給カットなどの社会保障関係の削減と国民負担増を強行し、さらに年金改悪など大規模な国民負担増と給付削減へのレールを敷いて、ますます景気を冷え込ませるものとなっています。「三位一体の改革」として、義務教育費国庫負担金や公立保育所運営費補助金の削減など国庫補助負担金を1兆円削減し、地方自治体に負担を押し付けようとしていることも重大です。公共事業は3.3%縮減するとしていますが、「コスト縮減」の一方、都市再生プロジェクトの重点化で開発型公共事業は温存、拡大されています。

国債の新規発行は過去最高の36兆5900億円に達し、この借金財政のツケを庶民大増税に押し付けようとしています。また、自衛隊のイラク派兵を強行しようとしています。

そうしたなか福岡市は、小泉内閣の「構造改革路線」に追随し、完全に破綻した人工島事業を継続し、破綻穴埋めの2000億円を超す税金投入の泥沼を突き進み、新福岡空港、九大学術研究都市構想と合わせた三大プロジェクトをはじめとした異常な開発行政をすすめる一方、医療、福祉、教育、住宅、中小企業対策の抑制と削減など、市民犠牲の市政を続けています。また、人工島をめぐるケヤキ・庭石事件の捜索が続くなか、港湾局幹部が関与した汚職疑惑や市営住宅塗装談合などの事件が後を絶たない事態は、再発防止どころか、本市公共工事をめぐる政官業構造癒着と汚職腐敗が根深いことを深刻に示しております。

いま、「住民の安全、健康、福祉を守る」という地方自治の原点に立ち、国の悪政から市民を守り、暮らし、福祉、医療、介護、教育などの充実、構造癒着の実態解明と一掃、ゼネコン型公共事業の縮小・中止、水や自然、環境と調和したまちづくり、地場中小企業の育成・振興をはかるなど、文字通り「生活優先の市政」への転換が求められています。

貴職が、2004年度予算編成にあたり、以下の重点要望を実現されるよう申し入れるものです。

以上


↑ 上へ

2004年度福岡市予算編成に関する
日本共産党の重点要望(全278項目)

1 景気回復、雇用守る経済政策を国に要求し、市民の暮らし守る市政を

(1)小泉内閣の2004年度政府予算案は、税収低迷と過去最高の36兆円もの国債発行にたよる財政悪化のなか、大型プロジェクトや「都市再生」を重点化するなど公共事業を温存する一方、年金、医療、介護、生活保護などの抑制、削減と国民負担増を押しすすめ、義務教育費や公立保育所運営費など国庫補助負担金の1兆円廃止・縮減で地方自治体へ負担増を押し付けようとしている。市長は、国に対し、従来型公共事業の無駄や軍事費を削り、雇用・生活関連を充実させて景気を回復させる内容へ切り換えるよう要求すること。また、生活関連の国庫補助負担金と地方交付税の削減はせず、地方財政を拡充するよう要求すること。
来年度から実施予定の所得税・住民税の配偶者特別控除の廃止や均等割課税による増税、消費税の免税点の引き下げによる課税強化など、市民と零細業者への大増税をやめるよう要求すること。

(2)市長は、大型開発の継続と拡大、開発破綻救済への巨額の税金投入など開発優先の行財政運営を改め、市民に痛みを押し付ける国の悪政から市民を守り、暮らし、福祉、教育など市民生活を優先して不況打開へ役割を果たす市政運営へ転換すること。

(3)18%ともいわれる消費税率の大幅引き上げや、所得税の定率減税の縮減・廃止は、市民の消費をいっそう冷え込ませ、景気回復に逆行するものであり、市長はこれらの庶民増税にきっぱり反対すること。

(4)深刻な雇用問題を解決するために

  • 労働者の権利を守るための「解雇規制・雇用人権法」や違法なただ働きを禁止する「サービス残業根絶法」の制定、整理解雇4要件の法制化などによって、安定した雇用を増やし、雇用危機を打開するための緊急対策を講じるよう、国に要求すること。
  • 市内の主要な企業に対し、雇用と地域経済に重大な影響を与える強引なリストラをせず、雇用拡大に努めるよう申し入れること。雇用創出のために、賃下げなしの労働時間の短縮、「サービス残業」の根絶を指導した厚生労働省通達の厳正実施、及び労働基準法の改正による残業の上限の規制と、その際の中小企業に対する適正な助成措置を、国に要求すること。
  • 失業者の生活保障のため、雇用保険給付の条件緩和や期間延長などの拡充をはかるよう、国に要求すること。
  • 公的な雇用拡大をはかるため、本市職員を増員するとともに、特に教育、福祉、防災などの分野で雇用を拡大すること。また、緊急地域雇用創出特別交付金事業は恒久的雇用につながっておらず、実施期間の延長や雇用期間など抜本的に改善するよう国に要求すること。
  • 高校生や学生の就職難など青年の雇用問題は極めて深刻であり、市として、市内の企業に新規採用枠の拡大を要請するなど、特別の手立てをとること。鳥取県などで行われている雇用創出支援奨励金制度を導入すること。また、女子学生に対する就職差別をなくすため、実態調査と指導を国に要求するとともに、市としても必要な措置をとること。
  • シルバー人材センターは「臨時的・短期的就業」に限定せず、福祉、環境、公園などの仕事を増やして充実すること。

↑ 上へ

2 国の年金改悪をやめさせ、国保・介護・福祉・障害者対策など社会保障制度の充実を

(1)連続負担増と給付減の国の年金改悪に反対すること。

  • 厚生労働省の「年金改革」は、厚生年金保険料を年収の約18.35%まで毎年引き上げ、給付水準は50%台に大幅削減するもので、新年度は税金の公的年金等控除や老年者控除も縮小・廃止する一方、国民年金(基礎年金)の国庫負担2分の1引き上げは先送りするという、国民の老後保障を破壊するものである。したがって、こうした年金改悪に反対するとともに、国庫負担の早急な引き上げ、雇用政策の拡充で安定した年金の支え手を増やすこと、175兆円もの年金積立金の計画的有効活用などを政府に強く要求すること。
  • 「最低保障年金制度」創設や障害基礎年金の支給要件緩和など低年金者や無年金者の救済対策を要求するとともに、社会保険庁・各事務所による「差し押さえ」など年金保険料の強制徴収をしないよう求めること。

(2)医療保険制度の改善を求めること。

  • 政府が実施した高齢者医療や健保本人の窓口負担増は深刻な受診抑制と病気悪化を招いており、元に戻して見直すとともに、国民健康保険の患者負担を2割に引き下げるよう国に要求すること。
    また、国庫負担を大幅に引き上げ、高過ぎる薬価にメスを入れるなど医療保険財政の健全化をはかるよう、国に求めること。
  • 老人保健医療の高額医療費払い戻し支給申請を周知徹底するとともに、対象者が病院窓口で限度額を超えた分を払わないで済むよう、国保の「受領委任払い制度」を導入すること。

(3)皆保険制度の根幹である国民健康保険制度の充実をはかること

  • 本市の国保料滞納者は、6万世帯以上にのぼっており、2004年度の保険料値上げは行わないこと。
    また、一般会計からの繰り入れは保険料の20%程度にとどめず、真に保険料軽減につながるよう大幅に市費繰り入れを増やして、「払いたくても払えない」高過ぎる国保料を引き下げること。
  • 全額自己負担の「資格証」発行は、1万4000世帯以上にものぼっており、国民健康保険法(第9条3項)に定める「特別の事情」がある人からも保険証を取り上げるなど、人権侵害におよぶ制裁措置をやめ、保険証は原則交付して市民の医療を受ける権利を保障すること。
  • 本市の保険料減免制度は、災害等により所得が前年比20%以上の減収となった時に限定するなど、中小零細業者や低所得者層の実態に即しておらず、「生活保護基準の130%」の所得までは申請減免できるように拡充すること。
  • 国保の傷病手当や出産手当を国庫補助金の対象とするよう国に要求するとともに、当面、市費繰り入れで、同手当を創設すること。

(4)高齢者が安心して必要なサービスが受けられるよう、介護保険制度の改善充実をはかること。

  • 介護保険の国庫負担割合を25%から50%まで拡大して恒久的な低所得者対策や特養ホーム等基盤整備の拡充をはかるよう要求すること。
  • 第2期保険料の引き上げで低所得者の保険料収納(普通徴収)はいっそう低下してきている。こうしたなか、本市独自の低所得者保険料減免は、第2段階の人のわずか1.3%程度しか実施されておらず、預貯金・資産等の厳しい要件をなくして拡充すること。また、減免制度は少なくとも第1段階は全額免除、第2段階は半額以下にするなど真に実効あるものに改善すること。併せて、その財源は必要に応じ一般会計から補填するとともに国にも求めること。
  • 本市における要介護認定者にかかわる所得税等の障害者控除については、昨年度わずか27人しか適用されておらず、対象者全てに認定申請書を送付して周知徹底し必要な人の認定を促進すること。
  • 在宅介護サービスは、対象者の3割がサービスを利用できず、支給限度額の利用率も30%台にとどまっており、重い利用料負担のため必要な介護が受けられない深刻な実態にあり、少なくとも第1段階無料、非課税世帯は3%に軽減するなど、低所得者の利用料減免・助成制度を設けること。
    また、政府の介護保険利用料の自己負担2〜3倍引き上げに反対すること。
  • 市の特別養護老人ホーム待機者は、3895人にのぼる深刻な実態にあり、早急に第2期整備計画を見直し、待機者解消のために必要な増設整備をすること。
  • 新たな「特別養護老人ホーム入所指針」によって、必要な人を締め出さないこと。また、特養の個室化に伴い、部屋代や水光熱費などの新たな自己負担(ホテルコスト)を課さないこと。
  • 本市の介護サービス評価システムは、全事業所のわずか9%しか受けておらず、義務付けして促進するとともに、市民参加の「福祉オンブズマン制度」を創設し利用者の権利擁護やサービス向上をはかること。
  • 本市の市民福祉サービス公社の体制は、独立採算制の一事業所扱いを改め、市民の「最後のよりどころ」となるよう利用者を選別することなく、市が必要な持ち出しをしてヘルパーの増員や労働条件の改善をはかるなど、体制拡充を行い公的責任を果たすこと。

(5)介護保険外の高齢者施策の拡充について

  • 介護保険外の保健・福祉サービスは、要介護度別の対象者や利用回数の制限を撤廃し助成限度額を大幅に引き上げること。
  • 社会福祉協議会のふれあい3事業は、ランチサービスの回数を増やすなど補助費を増額するとともに、地域住民の支え合いにたよるだけでなく保健福祉活動支援員や保健婦等を大幅に増員し公的責任を果たすこと。
  • 1区に1カ所しかない本市の老人福祉センターは地域の実態に即して増設するとともに、狭小老朽化している老人憩いの家の改築・拡充を急ぐこと。
    また、民間宅老所への大幅な助成増額や虚弱高齢者のための「高齢者生活支援ハウス」を各区に増設すること。

(6)個人給付事業の改善・充実について

  • 本市の高齢者乗車券制度は所得制限を撤廃し、70歳以上の全ての高齢者に交付するとともに、給付額も増額してお年寄りの生き甲斐である社会参加を促進すること。また、渡船料の高齢者無料制度を復活すること。
  • 老人医療費助成制度については、125万円以下の所得制限を元に戻して対象を広げること。
    また、対象年齢を75歳へ段階的に引き上げる国の老人医療改悪に追随することなく67歳からの本市制度を継続するとともに医療費助成を拡充すること。
  • 乳幼児医療費助成制度については、入院だけでなく通院治療についても就学前児童まで拡大するとともに、初診料や往診料を無料とすること。併せて、同制度を国の制度として実施するよう要求すること。
  • 障害者医療費助成の等級制限を緩和して対象を拡大するとともに、母子医療費助成については、児童扶養手当支給制限強化に連動した対象制限をやめ、元に戻すよう国や県に要求すること。併せて、本市に対する母子医療費補助格差是正と乳幼児や障害者医療費補助交付適用を福岡県に要求すること。

(7)市立病院(こども病院と市民病院)の統合による人工島への移転は、開発破綻救済の無駄遣いであり、撤回して再検討すること。

(8)難病患者医療費の一部自己負担導入によって、大幅な受診抑制がもたらされ患者は生命の危機に瀕している。国に対し元に戻して自己負担をなくすよう要求するとともに、本市においては当面、独自の難病治療公費負担制度を設けて救済すること。

(9)癌など終末期医療患者の緩和ケア施設(ホスピス)が不足しており、公的に増設すること。併せて、民間病院の緩和ケア病棟などを促進するための補助制度を設けるとともに、NPOなどのボランティア体制を支援すること。

(10)本市原爆被害者の相談事業を維持・強化するための運営費補助や長期入院患者見舞金及び死没者遺族弔慰金補助を増額するとともに、鍼・灸・マッサージ治療費を補助すること。併せて、被爆者全員に市営地下鉄や渡船の福祉乗車(船)証を交付すること。

(11)市民の保健・衛生向上のために

  • 「保健福祉センター」については、窓口一本化の名による保健所行政の切り捨ては許されず、地域住民の保健・予防・衛生に責任を持つという保健所本来の機能と役割を果たすため、所長を医師にするとともに保健婦や診療放射線技師等を増員配置して健診・相談・指導体制を強化すること。
  • 新型肺炎SARSに対する受け入れ病院施設の専門医体制の充実、アイソレーターや陰圧個室等の増設拡充など本市の感染症対策を強化すること。併せて、相次ぐ院内感染(セラチア菌、MRSA)への対策・指導を強めること。
  • 急増する結核に対し予算の増額を国に要求するとともに、本市においては、予防体制や健診の徹底をはかり、結核受け入れ医療機関を増やすこと。
  • インフルエンザ・ワクチンの不足をきたしており、国に安定供給を要求すること。本市においても医師会等に協力を求めて市民に情報・啓発を徹底するとともに、市立病院に必要量を確保して万全を期すこと。予防接種法一部「改正」に伴う65歳以上高齢者のインフルエンザ・ワクチン接種料は、無料とすること。また、CTによる肺がん健診を実施するとともに、成人病健診料を引き下げるなどミニドッグの受診向上をはかること。
  • 「健康日本21福岡市計画」は、市民一人ひとりの主体的な努力や自治会まかせなど「自立・自助」を強調するものとなっており、予算措置の裏付けなど公的責任を明確にすること。また、地域の自主的な健康づくり活動にトレーナーやカウンセラーを派遣するなど支援すること。

(12)食品の安全性を確保すること。

  • O−157や狂牛病の発生、相次ぐ食品偽装問題、輸入食品や市場外流通食品など食品の安全性確保が重要課題となっており、本市の検査、監視、指導、研究体制を強化すること。とりわけ、学校、保育所など年12回の法定通り立ち入り検査が実行されておらず、保健所の食品衛生監視員を増員して食中毒対策などに万全を期すこと。
  • 国の「食品安全基本法」は、消費者の権利が明記されておらず、科学的な評価が未確定な物質の使用を禁止する予防原則も定められておらず不充分である。独立した食品安全委員会に消費者等関係者を参加させ、輸入食品等の安全性チェック体制を強化するとともに、食品安全性確保のために農業者や中小業者への財政支援をするよう要求すること。
    また、本市においても食品の安全の確保に関する総合的な基本方針を早急に策定し、市民・消費者等が参加する常設委員会を設置すること。
  • 「食品衛生法」の改正に伴い、輸入農産物や加工食品の原産国原材料表示義務化、食品添加物の指定制度移行、品質保持期間の併記義務付け、遺伝子組み替え食品の安全性確保、輸入検疫所や食品衛生監視体制の充実など、真に実効ある施策を行うよう国に要求すること。

(13)憲法第25条(生存権)をくらしに生かす生活保護行政の確立について

  • 政府の「物価値下げ」を口実とする生活保護支給費の切り下げや老齢・母子加算の廃止など国庫負担を4分の3から3分の2に削減する計画は、憲法で保障された最低限度の生活をいっそう悪化させるとともに、地方財政に多大な負担を押し付けるものであり、撤回を強く国に要求すること。
  • 生活保護法の主旨に反する「123号通知」(1981年)を廃棄するよう国に要求するとともに、「同意書未提出」あるいは「面接」「指導・助言」を口実に「適正化対策」と称して不当に保護申請を排除したり、人権侵害におよぶ予告なしの訪問調査、扶養義務の強要、病気や年齢等を無視した就労強制、辞退届けなどをやめること。
  • 憲法25条の生存権と生活保護法に基づき言い渡された、中嶋学資保険裁判での福岡高裁判決を受け入れて上告を直ちに取り下げるとともに、保護費の使い方が、原則として自由でなければならないとした同判決に従い、学資保険の保有を認めること。
  • 子どもの貯金やアルバイト料まで収入認定して子どもの夢や向学心を傷つけるような指導をやめること。併せて、保護費を積み立てた預貯金を収入認定せず、生命保険等の解約返戻金、交通事故補償金などについても一律に収入認定しないこと。
  • 生活再建と自立のために車を容認した秋田県裁決にならって、本市においても通院、障害者などに必要な自動車やバイクの保有・借用を認めること。
  • 貴重な生活補給金となっていた福祉見舞金(夏期・年末手当て)を復活し、拡充すること。
  • 保護世帯がいつでもどこでも安心して受診できるよう、現行の医療券方式をやめ、「医療証」に変更すること。併せて、通院及び入院治療に必要な保険外負担金や寝巻き・オムツ等を支給すること。
  • 家や土地など実態を無視した資産活用強要はやめること。また、ローン付き住宅を保有している人にも保護を適用するとともに、保護世帯の市営住宅入居については連帯保証人を免除する措置を講じること。
  • 長引く不況のもとで、生活保護は市民の「最後のよりどころ」となっており、要保護者の申請権を保障するため、生活保護の全ての申請用紙を各区福祉事務所のカウンターに常設すること。併せて、「生活保護のしおり」を市民が自由に取れるよう各区役所や公共施設の窓口に置いて制度の周知徹底をはかること。

(14)不況リストラのもとで、市内のホームレスは600人以上にも急増しており、国の「自立支援法」に基づき巡回相談の実施、本市に1カ所しかない救護施設の増設やプレハブ仮設、自立支援センター等を建設するとともに、民間ボランティアやNPO支援団体等に対して必要な補助を行うこと。
また、住所不定者の生活保護は857件の相談中わずか139件しか受けられておらず、とりわけ病気入院による生活保護の場合、退院即打ち切りでなく、療養が継続できるよう居宅の確保や就労斡旋などの抜本的な自立支援策を講じること。そのための財政措置を大幅に増やすよう国に要求すること。

(15)生活保護受給世帯や障害者、母子・高齢者世帯など生活困窮者の水道料金滞納を一律・機械的に給水停止することなく実態に応じて、猶予及び減免措置を実施すること。併せて、下水道使用料についても生活保護受給者のみの申請減免でなく、対象者を広げて救済すること。また、餓死・孤独死等の悲劇防止のため電気・ガス会社等にも同様の措置をとるよう強く申し入れること。

(16)福岡市葬祭場は、築23年しか経ておらず、BCS(日本建築業協会)賞を受けた建築文化財でもある。全面建替は、外郭団体に委託し一期分約53億円もの随意契約にするなど入札過程や建替規模にも大きな問題があり、市民合意も得られていない。したがって、契約を撤回して計画を見直し改築・改修で行うこと。

(17)障害者施策の充実・改善を促進すること。

  • 2003年4月始まった障害者支援費制度は、必要なサービスが受けられないという深刻な事態を招いている。ホームヘルプサービス、ショートステイ事業や施設整備等に係る国庫予算を大幅に増額するよう要求すること。
  • 本市においても、必要なサービスが保障できるよう相談窓口に専門ケースワーカーを増員配置してケアプラン等を作成するなど地域生活支援センターを設置すること。また、サービス水準を後退させないため、支給量の上限は決めず、サービスの併用を認めること。そのために支援費額を国基準に上乗せすることや重度施設加算、低所得利用者負担の公的減免等を実施すること。
  • 障害児療育については、「詰め込み療育」や施設を毎年変わる事態が生じるなど、知的障害児が増加するなか施設不足が深刻になっており、希望者が全員受け入れられるよう整備拡充すること。
  • 西部療育センターの子どもと保育士・児童指導員の比率を肢体不自由児については1.5対1、知的障害児については3対1にするなど専門職員の増員配置で行き届いた安心できる療育訓練ができるよう体制を確立すること。また、東部療育センターを2005年度までに前倒して建設・開設し運営は民間委託しないこと。
  • 障害者への日常生活用具・補装具等の給付については、所得制限を撤廃し、自己負担を軽減するとともに、音声パソコン機器の視覚障害者給付や盲導犬ハーネスも認めるなど必要な品目を増やし数量制限を撤廃すること。
  • 視覚障害者の安全確保と誘導をより確実にするために、不足している音響式(鳴き交わし式)信号機を増やすこと。また、市営地下鉄に赤外線を利用した音声誘導装置等の歩行支援システムを全路線に設置すること。
  • ガイドヘルパー派遣事業は市外や車利用の場合も認めるなど実態に応じて拡充すること。
  • 障害者の生活や労働の場である小規模作業所については、認可施設に移行しても、市が独自に行っている現行補助を、国の運営費補助に上乗せして増額すること。併せて、福祉(身体・知的)及び共同(精神)作業所の本市補助は、運営費(実地研修費補助)も施設整備費も早急に格差是正して増額すること。また、仕事が確保できるよう市として支援すること。
  • 養護学校高等部卒業後の障害者(児)の進路対策として、通所更正施設等の整備計画を抜本的に見直し、障害者の自活・職業訓練の場である市立の授産施設及び更正施設を大幅に増設すること。併せて、民間法人の同施設整備についても積極的に「市有地無償貸与」を行い、促進すること。
  • 失業率が過去最悪の水準になるなかで解雇される障害者が急増しており、市職員への障害者採用の職域を拡大し大幅に増やすとともに、障害者就労支援センターのジョブコーチ等専門体制を強化して民間就職斡旋や就労対策をいっそう促進すること。
  • 障害者の社会参加を保障するため、福祉乗車証助成制度の対象要件(度級数や所得制限)を撤廃するとともに、福祉タクシーは利用制限も撤廃すること。併せて、腎臓病で人工透析を受けるための通院送迎ボランティア事業に対して補助を行うこと。

(18)福祉のまちづくり事業の推進について

  • バリアフリー対策の充実が求められており、既存の公共的施設を整備するとともに、必要な助成措置等を実施すること。
  • 「福岡市交通バリアフリー基本方針」に基づく対象施設を拡大し、JR周船寺、竹下、香椎駅、西鉄高宮、平尾駅など既存駅へのエレベーター、エスカレーターの設置を促進すること。 また、道路段差解消や車進入・駐車標識普及など交通弱者対策を強化すること。
  • 福祉バスについては、利用回数や時間の制限を撤廃し、シーズン期に増発するとともに、リフトバスは、低床バスを導入し台数を増やすこと。西鉄の市内バスについても、低床バスの増便並びに路線の拡大を求めること。リフトカーの台数も増やすこと。

(19)あんま治療を本市国保助成事業の対象にすること。また、鍼灸・あんま・マッサージの無資格者営業については調査・摘発し厳格に対応すること。

↑ 上へ

3 開発破綻の人工島などムダな大型開発をやめ、生活優先のまちづくりへ転換を

(1)本市最大の事業・人工島事業は計画破綻により泥沼化の様相を呈しており、総点検と見直しを行うこと。

  • 今後2000億円以上の投資を必要とする人工島埋め立ては、すでに開発破綻が明白であり、市工区含め埋め立てを凍結し、市民参加で計画を見直すこと。
  • 税金のむだづかいとなる都市緑化フェアと総合公園計画を見直すこと。
  • 巨費の投入につながりかねない「照葉プロジェクト」を含め、住宅用地の大半を市住宅供給公社に押し付けるやり方はやめること。
  • 市立病院の統合移転や鉄軌道導入など2000億円を超す税金投入となる「新事業計画」は白紙に戻すこと。
  • 必要性のない15m水深の航路・岸壁づくりなど新港湾計画を見直すこと。
  • 経営破綻に陥っている博多港開発㈱について、融資や土地買い上げなど破綻救済をやめ、埋め立て等事業部門を廃止し、現行資産の活用と管理のみの会社に縮小整理すること。

(2)「新福岡空港構想」に基づく新空港建設が莫大な地元負担をもたらすことは明らかであり、構想を白紙に戻すとともに、地元として事業を推進する行政行為をやめること。また、空港問題は新北九州空港や佐賀空港との連携、既存ストックの有効活用での解決をめざすこと。

(3)九州大学移転については、整備が完了した工区など移転先の土地を協定どおり、早急に買い戻すよう、九大と国に要求するとともに、大学側の資金計画破綻を穴埋めする不要な土地の購入は行わないこと。また、バブルの計画とでもいうべき「九州大学学術研究都市構想」の推進はやめること。

(4)ホテルや第2期展示場などウォーターフロントの残事業は、きっぱり廃止を決めること。また、「サンピア博多」の一部買取など破綻救済に税金を投入しないこと。

(5)シーサイドももちのソフトリサーチパークでは、IBMなど民間6社は「2期計画用地」をコイン駐車場などとして整備・使用しており、2期計画を放棄したことは明白であり、土地売買契約と協定に基づき違約金の請求など適正な処分を行うこと。

(6)下川端再開発事業が大失敗に終わり、経営も破綻した第三セクター「㈱都市未来ふくおか」から直ちに出資を引き上げるとともに、解散を要求すること。

(7)第三セクター「福岡地下街開発㈱」がすすめている「天神地下街延伸事業」をめぐっては、地元銀行などが融資に難色を示すほど採算性に問題があり、破綻救済となる同社への16億円の出資は撤回すること。

(8)地価下落のおり、市街地での区画整理は成り立たなくなっており、香椎駅周辺地区土地区画整理事業については様々な問題を引き起こしている。もともと同事業については、多くの住民が反対しており、事業を中断し、まちづくり計画を白紙に戻して、住民参加で見直すこと。

(9)香椎副都心地区土地区画整理事業については、特に要求の強い名香野駅前地区について、住民の意向に沿う現地換地、または移転となるようにするとともに、減歩緩和など住民負担の軽減をはかること。市としても特別の支援策を行うこと。
また、同地区内に文化施設、特別養護老人ホームなど老人施設、児童館等を建設すること。

(10)伊都地区土地区画整理事業については、住民合意を貫き、減歩緩和など住民負担軽減をはかること。地下鉄橋本駅周辺のまちづくりについては、情報の公開とともに、計画の段階から住民参加、住民合意を貫くこと。

(11)六本松のまちづくりは、情報は常に公開するとともに、「六本松を考える会」など多くの住民の参加と合意を徹底すること。また、九大跡地の活用については、周辺住民をはじめ、広く市民の意見も反映させること。

(12)河川・水害対策の強化について

  • 2003年7月19日未明に襲った集中豪雨は、4年前の6・29大水害を上回り、都市機能も完全に麻痺するなど市民生活への深刻な影響が出ており、市民の生命と財産を守るための総合治水計画を立てること。
  • 4年で2回もはんらんしJR博多駅周辺一帯冠水など都市機能麻痺をもたらした御笠川は、「激特事業」を毎秒1000トンに対応できるように見直し、河床掘削工事など早急に完了させるとともに、すでに完了している都市基盤区間についても護岸の嵩上げを直ちに行うこと。
    また、特定都市河川浸水被害対策法の「河川及び流域」に指定されるよう国に働きかけること。
  • 御笠川流域で小中学校グランドや公園など公的施設を利用し遊水地(池)や地下貯留施設を計画的に整備していくこと。また、山王公園などの地下雨水貯留施設の整備を早急に行うこと。
  • 今回の水害でも地下空間対策に欠かせない正確な情報が徹底されておらず、民間ビルの施設管理者に対して、現行制度を改善し洪水予報などの情報を敏速に伝達する方法を確立すること。また、止水板設置に助成を行うなど整備を支援し、その的確な使用を徹底すること。
  • 水害常襲地帯である原田地域の水害対策として、宇美川、綿打川、須恵川の堤防の嵩上げを行うとともに、西月隈、板付北、浦田、若宮、七隈地域など水害常襲地帯での河川改修等を早急に行うこと。また、護岸決壊などの被害が出た椎原川の河川護岸改修を早急に行うこと及び被害者補償を県に要求すること。
    床上浸水緊急5ヶ年事業に指定された東区湊川の河川改修については、体制を強化し事業を期間内に完了させること。
  • 被災者に対する災害見舞金は中小零細事業所も対象にし大幅に増額するとともに、災害復旧資金は「集中豪雨復旧特別資金」並にし、常設するなど改善を行うこと。
  • 地球温暖化現象の下で集中豪雨による大災害が頻発しており、その水害の危険性が指摘されている那珂川など水害シュミレーションを行い、防災対策を検討すること。
  • 今回の大水害でも、通報、避難勧告が十分に機能せずに被災者の厳しい批判が出ており、この教訓に立ち水害等の災害発生の情報をいち早く市民に徹底し被害を軽減するために、広報車や放送施設などの情報伝達体制を強化すること。

(13)本市の合流式下水道区域面積は、博多区、中央区を中心に約2500ha、下水道整備面積の約15%を占め、都心部での悪臭、合流管の能力不足による浸水被害、博多湾の汚濁などの問題がある。これらの問題の解決をはかるため、「汚水」と「雨水」の処理を別々に行う分流式下水道に改造が求められており、そのために達成年度を明確にした整備計画を立て、直ちに事業化をはかること。

(14)都市膨張政策による需要増大に合わせる現行水需給計画では、水問題は解決されず、水需要を拡大する都市開発・膨張政策を社会、経済情勢を反映した水需給計画に抜本的に見直すこと。また、工業用水の水道用水への転用を促進するとともに、五ヶ山ダムの工事を凍結し、必要性について再検討するよう県に要求すること。
当面の節水策として大口需要者への節水規制の強化、ホテル等大型事業所・事務所ビルに対する中水道化、雨水利用などを促進すること。

(15)17年度を当初とする水道事業の次期財政収支計画策定にあたっては、企業債の借換えによる金利負担の軽減をはかるなどにより、水道使用料値上げを前提としないこと。

(16)交通対策・改善について

  • 福岡一極集中による都市膨張と交通対策を無視したまちづくりによって、都心部を中心に交通渋滞の深刻化、さらに都市環境破壊が進行しており、天神一極集中の開発の是正、自動車交通の総量規制など、抜本的な都心部交通対策を確立すること。
  • 天神や博多駅地区など都心部における自転車駐車場整備を推進するとともに、放置自転車をなくすために街頭指導員をひきつづき配置すること。また、50cc超のバイクの駐車場を整備すること。
  • 西鉄宮地岳線と地下鉄との乗り継ぎを解消し、区間を三苫まで延長する相互直通運転のために、西鉄との協議を急ぎ、アイランド線事業と切り離し早期事業化をはかること。
  • 人工島の鉄軌道計画は、多額の事業費と杜撰な需要予測など赤字経営は必至であり、計画を断念すること。
  • 香椎操車場地区のJR鉄道高架を延長し、香椎参道付近の交通渋滞を解消すること。また、名島地区及び東箱崎地区についても鉄道と道路の平面交差をなくすこと。
  • 交通渋滞を早期に解消するため、東区の国道495号(旧国道3号)線の拡幅を急ぐこと。また、博多バイパス(水谷—下原間)の早期整備をはかること。藤崎四箇線(原—早良口間)、及び国道263号の道路整備を急ぐこと。
  • 西南部交通対策の一環として外環状道路の早期整備をはかること。
  • 市営渡船能古〜姪浜航路を増便すること。また、台風等による欠航時には、学生等の利用者の避難場所を確保すること。
  • 南部地区の交通対策の一環として、環状型大量輸送交通機関の整備を検討すること。
  • 事故が多発している六本松及び大濠1丁目交差点については、歩行者の安全をはかるため、歩車分離信号設置を含めた交差点改良整備を急ぐこと。
  • 福岡都市高速道路5号線の月隈〜堤間の暫定供用に伴う、利用料金の値上げは行わないこと。

(17)住宅行政について

  • 公的住宅政策の撤退といっそうの市場原理を迫る政府・財界の住宅政策ではなく、居住保障を生存権の基盤として位置付け、居住の公的保障が求められている。住宅金融公庫や都市基盤整備公団の存続を要求するとともに、県住宅供給公社の存続を求めること。 また、長引く不況によるリストラ、倒産等々で、低廉な住居を求める声はさらに広がっており、市営住宅の入所希望者は増え続け、公募倍率は19.53倍にもなっている。したがって、建替中心の建設抑制政策を改め、市民の住宅ニーズに応えるべく新規市営住宅を大幅に増やすよう見直すこと。
  • 単身者向け住宅の倍率は43.63倍、高齢単身者住宅は28.88倍と依然高く、高齢者向け借り上げ住宅の戸数を早急に増やすこと。また、母子世帯・心身障害者世帯の入居枠を増やすこと。
  • 市営住宅の不正入居の疑惑が指摘されており、公正公平な入居が行われるよう、不正への監視を強めること。また特別随時入居制度など公募外の基準については市民への周知徹底、手続きの簡素化、厳正な適用を行うこと。
  • 保有資産の多寡で入居基準を狭める検討を行わないこと。
  • 戸建て住宅に比べ、重い負担を強いられているマンション居住者の不利益をなくすために、マンション敷地内を公共性の強い空間としてとらえ、ごみ置き場や公園の固定資産税減免や維持管理費等の補助、防犯灯や受水槽の電気代等の補助などを行うこと。
  • 日本ERIをはじめ民間の確認検査機関に正確・公正な審査を強く要求するとともに、国に厳正な指導を行うよう求めること。請願が出されている件については、住民の請願権を保障するため、少なくとも請願審査終了まで確認しないように市として要求すること。「建築紛争の予防と調整に関する条例」は、事前説明における市民と建築主との不公平措置の是正、「近隣住民」の定義の拡大、関係住民の同意など、実効あるものに改正し、運用にあたっては業者に守らせること。
  • 現行の開発許可制度を改め、住民参加を抜本的に強化すること。事前公開の強化、住民説明会の義務付け、工事協定など住民合意の尊重をはじめ、住民参加を具体的に保障する制度を設けること。また、一定規模の開発には遊水地を義務付けること。
  • 短期滞在型のウィークリーマンションが用途制限の最も厳しい第一種低層住居専用地域に建築されようとしている。国に法的整備を求め、定住を目的としない居住施設の建設並びに運営に関して規制条例をつくるとともに建設計画を改めるよう指導を強めること。

(18)新たな用途地域の指定で、市民の住環境を損なう開発規制緩和が行われようとしている。日照障害、交通問題、自然環境破壊など、中高層建築物に起因する近隣住民との紛争が多発しており、自然と住環境の保全をはかる立場から建築物等の規制強化とともに建築協定、地区計画の積極的適用に努めること。

(19)市街地は、開発によって緑が激減しており、緑地保全(保全林)の地区指定を促進するとともに、予算を大幅に増額し、市民との共同で都市緑地の保全・買取を積極的に推進すること。また、風致地区の本市の基準は第1種、第2種に指定し直し、開発に対する基準を強め、緑の保全に努めること。

(20)動植物園の再生計画は市民、職員の意見がよく反映されるよう努めること。また、生態系展示など多様な展示手法の導入、飼育環境の改善とともに職員の増員を行い、教育的施設としての役割を果たせるようにすること。

(21)九州電力に対して、原子力発電所の総点検にとりくみ、安全性に少しでも疑問が出た原発については運転を停止し、安全を確保するとともに、市民への報告と情報公開を求めること。地域防災計画に原発事故を想定したマニュアルを入れること。

↑ 上へ

4 市民負担増の異常なごみ行政を転換し、自然環境の保全を

(1)ごみ処理基本計画「循環のまち・ふくおか」の見直しについて

  • 一般家庭ごみの有料化は、他自治体の例を見てもごみ減量にはつながっておらず、「負担の公平」と称して、本市の行政責任を放棄し市民に新たな負担増を押し付けるものであり、撤回すること。
  • 事業系ごみについては、中小・零細事業所のごみ処理手数料を引き下げ、減免制度を拡充するとともに、リサイクル等を推奨してごみ減量を促進すること。
  • 本市のごみ処理基本計画は、大量生産・大量消費による大規模焼却を前提にしたものであり、生産者発生抑制、分別の徹底、リサイクルの推進などを基本にした計画に抜本的に改めること。
  • 既存の清掃工場は、すでに過剰な状態になっており、新東部清掃工場の建て替えにあたっては300トンもの増設をする必要は全くなく、施設規模は大幅に縮小見直しをすること。また、福岡クリーンエナジー㈱による新東部清掃工場の建設運営は、ごみ処理に係る市の責任を曖昧にして九州電力の利益保障を行うものであり、民間委託をやめ、直営で行うこと。
  • 臨海清掃工場の設置目的や建設時の住民に対する説明にも反する、臨海工場への大野城・太宰府両市からのごみの持ち込みは許されず、一般廃棄物区域内処理原則にも違反している。したがって、「広域行政」を口実とした他都市から本市へのごみの受け入れを直ちにやめること。また、都市圏南部環境行政推進協議会で行われている、南部工場建て替えなど広域処理の協議は中止すること。
  • 臨海工場は住宅地に極めて近く、周辺の環境調査を常時行い、その結果を地域住民に報告するとともに、住民参加の環境保全委員会を充実させていくこと。
    また、同工場のPFIによる余熱利用施設タラソ福岡㈱は運営委託会社を変更し、利用料金値上げとリストラを強行して市民から批判が出ており、料金を元に戻すとともに、同施設内のふれあい交流館の利用は、校区住民の要望を反映し改善すること。

(2)産業廃棄物施設及び処分場については、厳重な立ち入り監視・調査・指導を行うとともに、ボーリングを含めた実態調査を行い市民に公表すること。また、水源地などに産廃処理施設を設置することができないように位置規制を盛り込むなど「廃棄物処理法」の改正を国に要求するとともに、「福岡市産業廃棄物処理施設の設置に関わる紛争の予防及び調整に関する要綱」を条例化して同様の主旨を盛り込み、違反者への罰則規定を強化すること。

(3)ごみ清掃や下水道などの委託人件費が年々下がってきており、積算にあたっては、委託労働者の基本給や各種手当を増額し、労働条件の改善をはかるよう市が責任を持って委託企業を指導すること。

(4)市民本位のごみリサイクル体制の確立について

  • 粗大ごみの収集を無料にもどし市の責任で収集するとともに、高齢者、障害者に対する大型ごみの持ち出しサービスを無料にすること。
  • 「家電リサイクル法」の実施に伴い不法投棄や家庭内滞留も増加している。国に対して製造者責任を明確にした抜本改正を要求するとともに、低所得者の軽減をはかるために本市独自の助成制度を設けること。不法投棄は市が責任を持って処理すること。
  • 製造企業の引き取り義務、オフィス紙ごみなどの産業廃棄物指定、びん、缶等のデポジット制度の導入など、国に対して要求すること。また、「容器、包装リサイクル法」は、「発生抑制」の明記や事業者責任の明確化などがなく不十分であり、容器包装廃棄物の減量化を実効あるものに改正するよう、国に要求すること。
  • 一般家庭から排出される空き瓶・ペットボトルが、リサイクル効果を生むための再生受け入れ施設を市直轄で整備すること。また、自治体の大きな負担になっているペットボトル収集運搬などの費用をメーカーに負わせる措置を国に要請すること。
  • 全ての区にリサイクルプラザを整備するとともに、校区の古紙回収ボックスを増やすこと。また、地域集団回収報奨制度や回収業者助成を増額し、ごみ減量リサイクルを支援すること。

(5)地球温暖化防止のため国に対し、「地球温暖化対策推進大綱」に炭酸ガス排出枠の個別事業者の割り当てや事業所ごとの削減計画義務付け、第3者機関の検証などの実効ある措置を盛り込むよう求めること。さらに事業活動に伴う温室効果ガス排出量の公表、新エネルギー電力買取りなどの法制化及び体制の整備を行うよう求めること。
本市としても、市民参加のもとにエネルギーの浪費や公共事業の無駄をなくし、低エネルギー構造への転換をはかるなど実効ある施策を確立すること。

(6)博多湾の水質は年々悪化しており、「博多湾水質保全計画」の数値目標すら達成しておらず、汚染を防止するため、下水排水や湾内部生産の抑制など保全策の充実強化をはかること。また、環境基準点を増やすこと。

(7)シギ・チドリ類など多様な種が飛来し、休息場や餌場となっている国際的に重要な湿地である和白干潟は、人工島建設工事の進行に伴い渡り鳥や干潟生物が激減している。同地区の国設鳥獣保護区指定の範囲を人工島擬似湿地も含め拡大すること。さらに同地区を国設鳥獣保護区特別保護地区に指定させ、直ちに「ラムサール条約」の登録湿地とすること。また今津湾を含め、博多湾全体を国設鳥獣保護区にすること。

(8)天神地区の二酸化窒素が環境基準を達成しておらず、光化学オキシダント、浮遊粒状物質は市内の観測地点全てで基準を上回っており、大気汚染は深刻な状況が続いている。本市庁用車の低公害車導入を大幅に増やすとともに、民間事業所への普及をいっそう促進し、「第二次自動車交通公害防止計画」に都心部への交通量総量規制を盛り込むなどの抜本策を講じること。また、国に対して自動車排ガス規制の強化を要求すること。

(9)国道3号線の博多区千代、堅粕は低騒音舗装を行ったにもかかわらず、自動車騒音は改善されておらず、国に対して抜本的な改善措置をとるよう、強く要求すること。また、本市の責任を棚上げすることなく、国道3号線沿道住民の住環境整備、緑地帯保全等の切実な要求に誠実に応えること。

(10)ダイオキシン類の発生源とされる塩化ビニールについて、発生と結びつく物質の製造・流通・販売・回収などについて規制を抜本的に強化するよう国、県、機関に働きかけること。また、関係業界への働きかけを市として強化すること。あわせて、清掃工場や焼却施設、最終処分場等の排煙、排水、焼却灰、土壌など、ダイオキシン対策に万全を期すこと。

(11)化学物質について排出量の届け出、公表を義務付けるPRTR法に環境ホルモンとして疑われている全ての物質を指定するよう求めるとともに、環境ホルモンの削減対策を要求すること。市として、環境ホルモンの実態を調査し、公表すること。

↑ 上へ

5 深刻な不況から中小企業の営業を守る総合的施策、農林水産業の再建を

(1)本市経済の主役である中小企業のための予算を大幅に増額し、事業内容を抜本的にくみかえ、既存事業者を含めた支援策を拡充すること。また、そのために、計画的に事業所の実態調査(訪問調査)を行い、実態を把握するとともに全庁を通じた対策会議を設置して中小企業の振興・育成をはかること。併せて必要な人員増を行うこと。

(2)中小企業向け官公需の発注率は02年度47.9%にまで落ち込み、額も4年前と比べて130億円も落ち込んでおり、大企業ゼネコン型の公共投資を福祉、教育、住宅など生活密着型に転換するなどで発注比率を70%以上に引き上げ、大手に発注した工事の下請けを地場企業が受注できるよう強力に指導すること。併せて、大企業優遇となるプロポーザル方式については、地場企業の振興・育成の観点から、あり方を見直すこと。

(3)公共工事の発注にあたり、2次3次含め全ての下請け契約書の提出を義務付け、実態の調査・点検を行うとともに、現場の労働者に適正賃金(積算単価の反映)が支払われるよう「公契約条例」を制定すること。また、全ての下請け企業への代金不払いや遅延、倒産が発生した場合、下請け企業と労働者の救済に努めること。

(4)大型店の出店から地元商店街を守り、地域社会の環境を守るには、現行法では不備であり、出店を許可制にするなど大店立地法の抜本改正を国に要求すること。また、市独自の規制を検討するとともに、当面、出店にあたって影響を及ぼす範囲の中小零細業者や住民を加えた調整のための協議会の設置を条例化すること。
大型店の撤退に伴う中小零細テナントの救済及び支援を行うこと。

(5)商店街振興のため、体制も強化して既存商店街と個別に話し合いを行い、各商店街ごとの支援策を具体化すること。また、空き店舗対策や、駐車場・駐輪場の整備及び確保に係る支援策の拡充を行うとともに、商店街対策の予算を増やすこと。

(6)中小業者への融資制度について

  • 銀行や信用保証協会に対し、本市の制度融資の主旨が徹底されるよう、強力に指導するとともに、保証料の引き下げを信用保証協会に要請すること。
  • 既往借入金の返済凍結など返済条件の変更を柔軟に行えるようにし、条件変更中でも必要な融資が受けられるようにすること。また、商工金融資金の納税要件をなくすこと。
  • 消費不況の影響は深刻であり、無担保無保証人融資については利率を引き下げるとともに保証料の全額補助を実施すること。また、小口の直貸し制度を新設すること。
  • 平成10年度及び13年度に実施した「緊急融資」は好評であり、年末や盆など資金需要の高い時期に実施すること。
  • 新製品開発や別の事業への転換をする事業者などを対象に、条件を大幅に緩和した新規融資制度を創設すること。

(7)貸し渋りや貸しはがしをやめさせるとともに、国による特別保証を復活させるよう政府に要求すること。また、ヤミ金融、日掛け業者など違法な貸金業者に対する取り締まりを関係機関と協力してすすめること。

(8)農林水産業の再建と振興について

  • WTO協定について、農産物自由貿易主義の転換、ミニマムアクセス米の廃止、内政干渉条項の削除、ダンピング輸出補助金の禁止、消費者の不安に応える安全基準の確立などの内容で改定するよう国に要求すること。また、「食料・農業・農村基本計画」は農家に負担を押し付けるだけのものであり、これを見直すとともに、政府による農産物の価格保障など真に食料自給率を50%に引き上げる具体策を求めること。
  • 大規模農家だけに施策を集中し、大多数の農家を切り捨てる「コメ政策改革大綱」の撤回と見直しを要求すること。自主流通米価格に下限価格を設定し、必要に応じて政府が買い支えること。また、ミニマムアクセス米の輸入量を大幅に減らすとともに、実質的減反の拡大や青刈りの中止を国に要求すること。福岡市の減反率を県平均より下げること。
  • 野菜や花卉などが安い輸入農産物の影響を受けて農業経営が成り立たない状況に追い込まれており、セーフガードの発動で輸入調整を行うよう要求すること。また、市内の農家を保護するため、市として独自施策を拡充するとともに、予算を大幅増額し、公共事業中心でなく農産物の価格補償や農家の所得保障などに切り換えること。
  • 「株式会社の農業参入」政策に反対するとともに、市として農業特区の申請はしないこと。また、「市街化区域内農地の宅地並課税」を実施しないこと。
  • 魚価の低迷、漁獲量の減少、後継者不足などに的確に対応する振興策と予算を拡充すること。また、国内水産業保護のための輸入の抑制や規制を国に要求すること。

(9)西部市場は現在でも、相当数量を取り扱っており、3市場(青果)の統合は行わず、古い施設は建て替えること。

↑ 上へ

6 憲法、教育基本法にもとづき、一人一人の子ども達を大切にし、健やかな成長を保障する教育・文化行政の推進を

(1)教育行政について
今日、重大で衝撃的な少年犯罪が相次ぎ、いじめ、児童虐待、少女買春なども起きており、多くの国民が不安を持ち、心を痛めている。社会の道義的な危機を克服することが極めて重要である。今日の教育の深刻な荒廃は、教育基本法に起因するのではなく、法の民主主義的な理念や原則にそむく、長年の教育政策のゆがみがもたらした結果であり、「人格の完成」、「人間の育成」から、財界の要求する「人材の育成」へと根本から覆そうとする教育基本法改悪にきっぱり反対し、一人一人の子どもの成長と発達を中心に置いた教育に転換すること。そのために、戦後最低となっている本市教育予算を増額すること。

(2)学校教育について

  • 2002年4月実施の新学習指導要領は、「愛国心」の強制や「習熟度別学級」の導入で差別・選別教育をさらに強化するものであり、憲法や教育基本法に照らして根本から見直すよう国に要求すること。また、「愛国心」など子どもの内心の自由にかかわる項目は、通知表の評価項目に入れないこと。学校での「日の丸・君が代」の押し付けを行わないこと。
  • 義務教育の国庫負担金は、教育の機会均等、教育の水準の維持・向上をはかるための国の義務である。「税源委譲予定交付金」を突破口にした地方への負担転嫁は許されず、制度を堅持するよう国に要求すること。
  • 2004年は、小学校教科書採択の年である。採択にあたっては不当な圧力や介入を排除し、採択地区の細分化・展示場での意見聴取など教師や父母の意見がより反映される民主的な制度にすること。採択のための教育委員会議を公開すること。
  • 全国民的要求になっている少人数学級はいまや34都道県3政令市で実施され、大きな成果も上がっている。県教育長は、市町村が独自に少人数学級を行う場合には「同意」することを明らかにしており、今ある加配の活用等で市の責任においてできるところから少人数学級を実施すること。また、「少人数授業」でのごまかしや「習熟度別学級」の固定化をやめ、正規職員を大幅に増やし30人以下学級を即時実現するよう国・県に強く要求すること。
  • 学校選択制や学校評価システムは競争を激化させるものであり、導入を行わないこと。
  • 教職員は休みたくても休めず長時間過密労働を強いられ、精神疾患による休職者割合が増加している。夏期休暇等は、自主研修による教師としての自己研鑽や健康回復にとって重要であり、出校の強制や膨大なレポートの提出を求める等をやめること。
  • 「指導力不足教員」政策と「新勤務評価制度」は、ILO・ユネスコからも「教員の地位勧告」に抵触すると指摘されるなど問題であり、実施しないこと。
  • 同一校3年で異動希望を出させる現行の人事異動方針は、異動の強要につながるだけでなく指導の継続性を損なうものであり、元に戻すこと。
  • 子ども達の相談相手となっている養護教諭の複数配置を急ぐとともに、養護教諭や心の教室相談員の意見が、学校全体の教育指導に生かされるよう保障すること。また専門のカウンセラーを大幅増員し、各学校でのいじめる子、いじめられる子の心を癒すとともに、教師の指導上の深刻な悩み等を気軽に相談できる体制を確立すること。
  • 中学校部活動は顧問や指導員不足による廃止や運営費不足が深刻化しており、補助指導員の増員や予算の増額をはかること。
  • 体罰による「指導」は違法であり、不登校や子どもの暴力行為を生む大きな原因にもなっている。また、体罰の隠蔽・容認は、教師や市教委への信頼を失墜させており、体罰によらない教育の徹底をはかること。
  • 標準服や校則の強制をやめ、子どもや保護者の意見を反映した学校での論議と決定に委ねること。また、子どもや保護者に物心ともに過大な負担を強い、特定業者との癒着を生みかねない学校指定用品は、基本的に廃止すること。
  • 不登校児童にとって重要な役割を果たしている「学校適応指導教室」(早良区・中央区)を、当面各区に1カ所増設するとともに、ボランティアによる不登校児童などのためのフリースクール等の実態調査を行い、支援すること
  • 学校図書室に、専任の司書教諭を早急に配置すること。兼任の司書教諭については授業時数の軽減をはかり、司書業務を行える条件をつくること。
  • 学校内への侵入者による子どもたちへの被害が各地で起きており、本市においても、安全対策を講じること。
  • 深刻化する不況のもと就学援助制度の充実は、さらに切実になっており、国庫負担の廃止・縮小、交付基準改悪などを許さず、補助対象や基準単価の引き上げを国に要求すること。また市費を増額し、実態に合わせて支給単価や内容の改善をはかること。また必要な全ての家庭が受けられるように適用基準を大幅に広げ、周知徹底すること。「医療券」はいつでも、どの病院でも受診できるよう「医療証」方式にするとともに、当面、「医療券」発行前の治療でも領収書で後日、後払いできるようにすること。

(3)学校教育施設について

  • 老朽校舎の改築や耐震診断は急務であり、抜本的計画をつくり、予算の確保を行うこと。また、トイレや外壁の改修等については学校からの意見を日常的に聴き、必要なものは前倒しを含め、早急に実施すること。
  • 小中学校の教室暖房を即時実施すること。さらに冷房について計画を策定すること。
  • 「空き教室」の名のもとに必要な教室まで他に転用することをやめ、学校教育に有効活用すること。
  • 姪浜中の移転新築にあたっては、配置や設計・校区選定の段階から学校関係者や地域住民の意見を尊重すること。内浜小など児童急増校などの教室増設を急ぐこと。

(4)障害児教育について

  • 障害児教育については、子どもと保護者の選択権を重視し、適正就学指導委員会の判断結果の一方的な押し付けを行わないこと。また、希望の進路に添った学校の受け入れ体制を整えること。
  • 小中学校の特殊学級は保護者と子どもの意見を重視し、本来の学校区への通学を基本に大幅に増設すること。
  • 養護学校教員免許保持者は、基礎免許に関係なく養護学校小中高等部のいずれでも勤務できるようにすること。また、習熟した専門性を活かすため、肢体不自由養護学校勤務の教師の場合は、1校7年間までという勤続制限をやめ、希望によってはそれ以上の期間、同一校で勤務を継続できるようにすること。
  • バリアフリー化をすすめるため肢体不自由児が通う全小中学校へのエレベーター設置を早急に行うとともに、新築・改築工事が行われる小中学校へも順次設置すること。
  • LD(学習障害)やADHD(注意欠陥多動性障害)など障害の多様化に対応する支援体制の充実をはかり、重度の障害児が安心して通学できるよう介助員・補助員制度を導入すること。

(5)高校教育について

  • 県立高校「再編」計画は、「学力向上」どころか、いっそうの「選別・競争激化」を招きかねず、撤回するとともに、国民的要求となっている30人学級を実施するよう県に要求すること。
  • 推薦書や、調査書等で子どもの「人格」を入試の対象としたり、学校ごとの入試問題作成や、一部だけの中高一貫校導入は、適正評価どころか受験を小学校に持ち込み、競争を激化させ、教育をゆがめ子どもの成長を阻害するものであり、このような高校入試制度の抜本的見直しを県に要求すること。
  • 定時制高校は、不況のもと経済的に進学できない人や不登校児等の最後の「受け皿」となっている。通学に便利な場所に、普通科の定時制高校を早急に設置するとともに、県にも要求すること。
  • 2004年に市立高等養護学校が開校するが、1年生の定員は30名となっており、入学希望者数に照らして不十分である。定員を増やすとともに、高等部Bコース(軽度学級)を各養護学校に設置し、全員が希望するコースに入学できるようにすること。
  • 一部の高校で実施されている冷暖房の実質全額父母負担を改め、公費での補助を行うこと。
  • 福岡地区では約5割が私立高校に通学し、公立の約4.8倍の学費を負担している。負担軽減のために私学に対し、授業料補助を含む助成を行い、助成額を大幅に増やすこと。また、国に対し私学への経常費補助の削減などを行わないよう要求すること。
  • 保護者の失業や倒産等による進学や通学の断念など、子どもたちの高校教育を受ける権利が脅かされている。市教育振興会の高校奨学金は、入学支度金、奨学資金を実態に見合うよう増額するとともに、基準を緩和し、必要な予算措置を講じること。また、返還免除を、現行の「死亡、疾病等」のみでなく、生活保護基準の2倍までに拡大すること。 

(6)私立幼稚園の運営は幼児の減少や人件費の負担増などで極めて厳しい状況にある一方、共働き家庭の子の預かり保育の実施による対応にも苦慮しており、教諭の待遇改善をはかるためにも、運営費補助等を大幅に増額すること。また就園奨励費の引き上げをはかるとともに、第2子、第3子の加算措置について文部科学省に要求し、市単独事業分についても同様に加算すること。

(7)学校給食の改善について

  • 教育としての学校給食実現のため、調理員体制の改悪は許されず、現行の非常勤職員制度を改め、文部科学省基準以上の人員を市の正規職員で配置し、責任を持った調理を行うこと。また、退職者の補充は直ちに正規職員で行うとともに、有休の代替要員は市の責任で確保すること。各小学校に栄養士を配置すること。
  • 輸入食品の受け皿にもなっている「統一献立・一括購入方式」をやめ、地元農業の振興にも資する地元農水産物中心の給食に転換すること。また大型化、広域化した給食センターでは、大量の食中毒が懸念される。改善に向けて検討すること。
  • 中学校の食器とおぼん一体のトレイ型食器は、食べにくく、マナー上も問題があり、生徒や教師の声を生かして安全で食べやすい食器へ改善すること。

(8)人権・同和教育について

  • 本年3月県同和教育研究協議会への教員研修派遣は違法との判決が下され、県教委は派遣を引き上げた。しかるに本市では、「市同和教育研究会」等へいまだに、事実上の教員の派遣を行っており、直ちにやめること。また解放同盟の教育介入を排除すること。
  • 同和枠から一般対策に移行された加配教員を、実質的に「同和」枠として配置していることは許されず、市費の講師等を含め、少人数学級の実施など真に教育上必要な学校への配置とすること。
  • 法期限後もなお市教委が「同和地区児童」を特定し調査することは、まさに差別をつくりだす憲法違反の人権侵害であり、直ちにやめること。また部落問題をゆがめる副読本は廃止すること。
  • 人権教育のための本市の「行動計画」は、「同和問題の解決に向けた取り組みの手法・成果を生か」すなどとして、「差別」のみに矮小化しており、このような人権を侵し、差別を温存する同和教育の延長となるニセ「人権教育」の押し付けはやめること。
  • 「校区人権尊重推進協議会」への「同和研修」を強制する市の指導や補助金支出をやめること。PTAや公民館などへの「同和研修」の強要をやめ、また解放同盟の運動や主張の押し付けを行わないこと。

(9)留守家庭子ども会について

  • 今日子どもをめぐる状況は深刻でいつ犯罪に巻き込まれるかわからない状況である。共働き世帯も増えており、留守家庭子ども会の必要性はますます高まっている。希望者全員が入会できるよう施設の拡張充実、指導員の配置を見直すこと。
  • 土曜日の開設を行うとともに、未設置校区や養護学校への設置をすすめること。
  • 当面受け入れ可能な子ども会では、4年生の夏休みだけでも入会できるようにすること。また障害児は、5年生以上でも継続して入会できるようにすること。
  • 正規指導員を最低2人、児童数50人以上の子ども会には3人以上配置し、健全育成に責任が持てる体制とすること。また障害児受け入れの子ども会へは、まず正規指導員1名を加配し、その上で、障害児童数に合わせ指導員を加配すること。
  • 指導員の更なる賃金引下げは許されず、引き上げること。
  • 児童の健全育成のためにも経験豊かな指導員こそ必要であり、5年間の任期付き雇用を撤廃すること。希望する職員については、そのまま採用するとともに、補助指導員へ公務災害補償が適用できるようにすること。
  • 整備されていない各子ども会にトイレや手洗いなどの施設の整備を行い、冷暖房を設置すること。
  • 「留守家庭子ども会」事業が保健福祉局へ移管されたことにより、「学校の対応が冷たくなった」など現場で様々な問題が生じており、教育委員会に戻すこと。

(10)保育行政について

  • 政府が来年度行おうとしている公立保育所への1700億円にのぼる補助金削減は、国の責任を放棄するものであり、撤回を強く求めること。また、保育所運営費、施設整備費の一般財源化に反対するとともに、市として営利企業の保育への参入を認めないこと。公立保育所の民営化はしないこと。
  • 民間保育園は、職員や法人の犠牲的な努力によって運営が行われており、相次ぐ補助金の削減は許されず大幅に増額すること。
  • 2004年度の保育料の値上げはしないこと。高過ぎる保育料はすでに限界を超えており、他都市並に市費を繰り入れ、保育料を引き下げるとともに、第2子以降の減免は保育料の高いほうを減免し、第3子以降は無料とすること。
  • 2003年10月現在、待機児は727人おり、今なお深刻な状況である。つめこみにつながる定員増ではなく、新設や既存保育園の増改築などの緊急対策で待機児解消をはかること。その際、在園児を追い出すやり方はしないこと。
  • 無認可保育所は、24時間保育や、休日、延長保育、障害児保育などの多様な保育を行い、市の保育行政の補完的役割を果たしており、条件の整った無認可保育所は直ちに認可するとともに、全ての無認可保育所への助成制度を創設すること。また、認可を推進していくために、財政的な措置を含めて支援すること。
  • 職員配置・施設などの最低基準を抜本的に改善するよう国に求めるとともに、当面市独自に、保育士対子どもの人数を1歳児1:6を1:4へ、3歳児1:20を1:10へ、4〜5歳児1:30を1:20へと改善すること。
  • 障害児を受け入れる保育所全てに保育士を加配すること。また、巡回指導や障害児保育研修、個別観察指導・保護者カウンセリングなどの体制を整えることとともに、看護師等を配置すること。
  • 政令市の7割が実施している産休明け保育を、本市においても公的責任で早急に実施すること。
  • 延長保育や夜間、休日保育などの特別保育事業を実施している保育所は、通常保育へのしわ寄せや、保育士等の勤務条件の低下をきたしており、市として正規職員の増員と労働条件の改善で安定的に実施できるようにすること。また、保育ニーズを踏まえて、特別保育事業を充実させること。
  • 地域子育て相談室の設置に伴い、業務が多忙化しており、不足する必要な人員と予算を措置すること。また、保育制度の改正に伴い、複雑多様化する事務処理のため事務職を各園1名、正職で配置するとともに、園の開所日数相当額の予算措置を行うこと。

(11)児童虐待での子どもの死亡増加や不登校など深刻な相談が急増するなか、児童福祉司の負担は増えており、児童相談所の児童福祉司を増員すること。また、児童虐待についての通報システム化と体制の充実をはかること。

(12)アトピー性皮膚炎等アレルギー疾患患者は多様化、増加の傾向にあり、市において独自の研究予算を組み、乳幼児検診時にとどまらず早急に全ての保育所や学校で実施し、アレルギー対策を強化すること。
アレルギー児に対応できるように、予防教室の開設や全ての保健所に相談窓口を設置すること。また、市立病院へ小児アレルギー疾患を専門に担当する医師を配置すること。
除去食の給食を行っている保育所に補助を行うこと。また、当面ぜん息とアトピー性皮膚炎を学校病の指定に加えるよう国に要求すること。

(13)子どもたちが安心して、のびのび遊び、社会性を培う児童館の必要性はますます高まっており、これまで18団体22万筆以上の請願署名が寄せられている。専門職員のいる児童館を小学校区ごとに早急に設置すること。

(14)博物館等における展示について、戦争美化につながる展示は行わないこと。

(15)公民館事業について

  • 一方的に地域自治協の事務室を設置させる等、公民館の社会教育機関としての役割を変質させる区役所への所管がえはやめ、地域の社会教育の要としていっそうの充実をはかること。
  • 現在でも、地域コミュニティの支援などとして市の福祉や環境行政等の支援までも押し付けられており、抜本的な職員体制の充実と処遇改善を行うこと。
  • 木造館・狭隘館の増改築や身障者・男女別トイレの設置を急ぐこと。また、ビデオプロジェクター等の視聴覚機器の全館設置を急ぐとともに、印刷消耗品費や広報活動費の予算の増額、必要な駐車スペースの確保に努めること。

(16)総合図書館や分館の司書は正規職員として増員すること。また遠距離の市民でも総合図書館の書籍等の活用ができるように、公民館や配本車などで検索・貸出・返却ができるシステムづくりを行うこと。

(17)埋蔵文化財など文化遺産の調査、発掘、整理、保存に従事する専門家を増員し、調査員の身分保障と待遇改善、人員の確保に努めること。

(18)野球・テニス・サッカー・ラクビー場などを便利な場所へ増設するとともに、ダンス練習場を設置すること。

(19)香椎操車場跡地に、多目的ホール、音楽・演劇練習場や会議室を備えた「総合文化ホール」を設置するとともに、塩原土地区画整理事務所跡地や西部地区等にも音楽・演劇練習場や児童館を新設すること。

(20)文化やスポーツの名で、不必要に莫大な市費をつぎ込むイベント行政は抜本的に改めること。また、自主的活動を行っている本市の市民文化団体への運営費助成や、事業補助を大幅に増額すること。

(21)老朽化し、手狭になった青年センターは、青年の要望を反映したセンターへと建て替えを行うこと。また、青年が安価で文化芸術・スポーツやサークル活動等に活用できる施設を市内各地に整備すること。

(22)地域交流センターに、住民票等の受付・交付窓口(出張所)を開設すること。また、早良区・西区の新設にあたっては、児童館の併設等住民の要望を反映すること。

↑ 上へ

7 女性の声を市政に生かし、真の男女平等社会実現へ

(1)「男女共同参画社会基本法」には、企業責任や母性保護の権利が明記されておらず、日本の男女差別撤廃と女性の地位向上のために、女子差別撤廃条約選択議定書などの国際条約を批准し、女子差別撤廃委員会・ILO社会権規約委員会などからの度重なる勧告に基づく法改正を行うとともに、計画の充実と実効ある施策を国に求めること。
また、選択的夫婦別姓制度の導入、再婚禁止期間の短縮、非摘出子の相続差別廃止など民法の改正をすみやかに行うよう求めること。

(2)労働基準法の女子保護規定の撤廃後、女性の健康・母性破壊が深刻化しているとともに、残業や深夜労働ができない女性は退職や非正規労働への転換を余儀なくされ、男女格差が拡大している。女子保護規定の条項を復活させるよう国に要求すること。

(3)財界の雇用多様化戦略のもと、増え続けるパートや派遣労働者の7〜8割は女性であり、雇用の不安定に加え、正規雇用との賃金や処遇の不当な格差は年々拡大しており、国連からも法律に明記して差別を禁止するよう勧告が出されている。雇用形態が異なる場合にもフルタイム労働者と同等の条件を保障するILOパートタイム労働に関する条約の批准、現行パート労働法の実効ある改正をはかるよう国に求めること。

(4)男女共同参画に関する条例制定にあたって

  • 日本社会に根強くある男女不平等の実態を明確にするため名称を「男女平等基本条例」とし、憲法及び女子差別撤廃条約などに示された平和や人権、男女平等などの諸原則を理念に明記すること。
  • 母性保護の権利を明記すること。
  • 雇用の場における男女差別の是正のために企業の責任を盛り込むこと。
  • 性別による差別の禁止とともに、コース別人事管理など事実上の差別となっているものも含めて男女差別の禁止を明確にすること。
  • 男女共同参画の推進に関する苦情処理及び救済を行うための機関(オンブズパースン)を設置すること。

(5)政策、方針決定への女性の参画を促進するために、女性委員がいない13の審議会を解消し、目標35%の達成を急ぐこと。

(6)市の女性役付職員で課長級以上は1人しか増えておらず、技術職を含めてもわずか5.4%であり、全国水準8.9%に比して大きく下回っており、「雇用における平等」を、まず本市が率先して実現する立場から、女性の採用、管理職への登用を積極的にすすめ、昇給、昇任などの差別を一掃すること。

(7)男女とも働きつづけるための条件整備をはかること

  • 育児・介護休業法の内容の周知徹底をはかるとともに、取得や請求による不利益取り扱い禁止への指導を強めること。休業中の所得保障を6割に引き上げるよう国に求めること。また、看護や授業参観のための「家族休暇制度」の創設、パートや派遣労働者への運用など制度の改善を国に求めること。
  • 市職員の育児休業取得状況は、全て女性で、男性は取得しておらず、とりたくても取れないというのが実態である。男女とも利用しやすくするために、給与保障、代替要員の確保などの措置を講じること。
    また、民間事業所でも促進させるために賃金保障、期間の延長など、内容充実へ指導、啓発を行うこと。
  • 介護休業制度については、給与保障、代替要員を配置するなど安心して活用できるように改善すること。

(8)女性の人権を傷つけるセクハラ行為が、職場、学校、団体、社会に残されている。男女雇用均等法の改正のなかでセクシャルハラスメントの防止は「事業主の配慮義務」と規定されているにもかかわらず事業所の対応が極めて遅れており、指導を強化するよう国及び県に要求すること。本市でも「セクシャルハラスメント防止条例」をつくり、その一掃に努めること。当面、セクシャルハラスメントや女性労働者の様々な訴えに対し助言・指導・勧告が効果的に行えるよう、相談・苦情処理・紛争解決のできる専門の窓口を各区に設置すること。

(9)気軽に低料金で利用できる女性センターを、各区の便利な場所に建設すること。

(10)夫婦間等の暴力をなくすためにDV法を普及し、実効ある救済のため、被害者女性の安全確保として24時間受け入れできる一時保護、シェルター、避難所の拡充、民間シェルターへの助成の増額など、被害者の保護と就労・経済的自立の支援の体制の強化をはかること。また、更生と再発防止のために加害者・男性へのカウンセリング、教育などを行うこと。本市に配偶者暴力相談支援センターを設置すること。

(11)深刻な不況、倒産、リストラなど社会的背景のもとで離婚が激増し、母子家庭は増加の一途をたどっており、DVによる入所者も増加している。不足している母子寮を直ちに増設するとともに、就労、自立支援、機能の充実、運営の民主化をはかること。

(12)政府は児童扶養手当について1998年、2002年8月に続き、2003年4月からは受給開始から5年経過すると支給額を減額し、父親からの養育費を母親の所得に加算して支給額を減額する改悪を行った。国に対して改悪をやめるとともに、所得制限については1998年以前に戻すよう要求すること。
02年8月から、県から市に権限が委譲されており、市独自の「上乗せ手当」の支給などの措置を行うこと。

(13)父子家庭にも児童扶養手当を適用するよう国に求めるとともに、母子家庭同様、所得(就労)、住宅、医療、教育、家事などへの援助策を講じること。

(14)児童手当については、真の子育て支援となるよう、所得制限の撤廃、支給年齢の引き上げや支給額の大幅引き上げを行うよう国に要求すること。

(15)母子・寡婦福祉資金は、無利子・無保証人にし、貸付金額を増額するなど施策の改善を行うこと。また、各種貸付制度は申し込みから2週間以内に貸与できるように借入れ手続きを簡素化すること。また、修学資金貸付は、生活福祉資金と同様に無保証人とすること。

↑ 上へ

8 汚職腐敗を正し、清潔、公正、平和、市民参加の市政へキッパリ転換を

(1)市長の三位一体の市政経営戦略プランは、財政健全化をすすめるとしながら、人工島・新空港を特に重点的にとりくむ事業として、人も予算も「集中」させる一方、市民に対しては「共働」「受益者負担の適正化」の名での市の仕事の押し付けや負担増を行うものである。住民を守り、住民に奉仕する自治体の役割を変質させる同プランは撤回するとともに、ゼネコン浪費型公共事業は縮小・廃止し、介護や医療など社会保障、教育、農業、中小企業といった生活関連事業を充実するなど、市民本位の行財政改革をすすめること。

(2)山崎市長の5年間で借金は4928億円も増え、2003年度末には総額2兆6685億円に膨れ、公債費比率は23%以上へと深刻さを深め、その上PFI的手法での隠れ借金増発など、本市財政はいっそう破綻への道を突き進んでいる。人工島や新空港など大型開発や破綻救済のための借金増発はやめること。また、政府資金や公庫資金の繰上げ償還の恒久化、本格的な低利借換え、返済期間の延長を要求すること。

(3)港湾局課長の収賄事件は、上司である港湾局理事の関与など組織的汚職腐敗疑惑が浮上しており、極めて深刻な事態である。したがって、贈賄側の㈱日本港湾コンサルタント及び関係職員の聴取など徹底した調査と事実の解明、及び公表、厳正な処分を行うこと。また、ケヤキ・庭石事件の「特別背任罪」等の告発に関する捜査処分を早期に下すよう福岡県警に申し入れること。

(4)内部告発制度については、外郭団体・第三セクターを対象に含め、調査主体は第三者機関など外部とし、また告発者の保護についても匿名通報、不利益取り扱い禁止などを盛り込んだ条例を制定すること。

(5)本市の汚職腐敗は極めて深刻であり、入札制度の改革を行うこと。

  • 公共工事における不正を防止するために、公募型指名競争入札では談合を防止できず、一般競争入札の対象事業を広げ、施工体制は二次以下の下請けまで契約書の提出を義務付けるなど適正化をはかること。指名競争入札は指名選定を厳格に行うこと。また談合を排除するため、一定数の入札参加業者の除外や予定価格の決定に抽選くじを導入すること。
  • 談合情報が寄せられた場合、入札の延期を行うとともに、疑惑企業を入札から排除した上で参加業者数をくじ引きで半数に減らすなどの措置をとること。談合が判明した場合は、登録を抹消し損害賠償義務を負わせるなどペナルティを厳しくすること。
  • 地元中小企業を優先させる観点から、一般競争入札を原則としつつ、工事規模に対応して入札参加資格を限定する「条件付一般競争入札」とするとともに、一定額以下は大企業を排除する逆ランク制度を採用すること。
  • 随意契約及び委託契約のあり方については、いっせい点検を行い、制度の抜本的な見直しを行うこと。

(6)政官業構造癒着の根を断つために、本市の政治倫理条例に、企業・団体献金の禁止を盛り込むこと。また政治資金パーティーについては、本市発注公共事業の受注企業のパーティー券購入の禁止を盛り込むこと。

(7)市の退職幹部の外郭団体や利害関係のある民間企業への天下りを禁止し、口利き・斡旋に対する規制措置を講ずること。

(8)市の都合に合わせた拙速な校区「自治協議会」づくりの押し付けは、自治組織の解体につながりかねず、やめること。

(9)同和特別対策を終結すること

  • 関係者を含め多くの国民の長期にわたる努力の結果、生活環境の改善や偏見の社会的克服も進み、国もすでに同和特別対策を終了しており、これが全国の大きな流れである。にもかかわらず本市では、まさに「部落差別」を温存・固定化し、いまだに同和対策事業の継続を行っている。真に部落問題の解決をはかるため、一般対策の事業も含め、「同和」を要件とする特別な施策は直ちに終結すること。
  • 同和行政推進のために、市長・教育長以下大量の幹部職員が出席して、毎年行われている部落解放同盟との従属的で異常な予算要求交渉は、直ちにやめること。
  • 部落解放同盟福岡市協議会への市補助金4930万円は、予算総額5383万円(人件費7名分4815万円含む)の92%を占めるものであり、運動団体を行政が丸がかえするこのような異常な補助金は、直ちに全額打ち切ること。
  • 同和地区の改良住宅の入居・管理については、不正行為を是正し、公正・民主、公開の管理運営を確立するために、「住宅管理組合」等の関与を排すとともに、地区内募集をやめ、一般公募など一般行政に移行すること。

(10)111におよぶ外郭団体・第三セクターなどは、その運営、事業及び予算の執行について厳正な監査・指導を行い、情報公開を徹底するとともに、抜本的に見直すこと。博多港開発など採算性のない無駄な開発をすすめる第三セクターは、経営破綻や破綻懸念が顕著になっており、廃止・縮小を積極的に行うこと。

(11)市職員の労働条件向上について

  • 5年間で合計140万円以上にのぼる年間給与引下げは、職員にとってまさに「死活問題」であり、生涯の生活設計をも脅かすものであり、やめること。また不利益の遡及を行わないこと。
  • 人事委員会勧告で毎年長時間労働の改善を指摘されてきたにもかかわらず、さらに人員削減をすすめてきた結果、精神疾患の職員が増えるなど事態はいっそう深刻になっている。常態化している長時間・過密労働を是正するとともに、サービス残業・超勤の未払いをなくし、恒常的に配置されている嘱託・臨時職員は定数化して雇用拡大をはかり、市民生活のサービス向上につなげること。また加茂過労死裁判については控訴を撤回すること。

(12)監査委員については、公正かつ透明性のある行政運営をはかるために、市の退職幹部職員からの選任をやめるとともに、監査事務局はさらに体制及び機能の強化をはかること。

(13)指定管理者制度の適用にあたっては、「公の施設」の管理を営利企業にまかせることになれば、自治体責任が曖昧になり、個人情報漏洩の危険も伴う。指定管理者は、公共的役割を保持できるよう、民間営利企業を除外すること。

(14)行政監視については、住民代表が行政を監視する「市民(行政)オンブズマン」制度を確立すること。

(15)プライバシーを侵す危険が大きい住民基本台帳ネットワークから離脱すること。

(16)自衛隊のイラク派兵は、憲法違反の海外での武力行使に道を開くものであり、その根拠となるイラク特措法の条件さえ満たしておらず、市民の反対世論も高まっている。市長は、イラク派兵に反対し、国に対し計画の中止を申し入れること。また、憲法改悪に反対すること。

(17)イラク戦争に参加し、先制攻撃のミサイルを発射し民間人を殺傷した米巡洋艦カウペンスなど今年だけでも三隻の艦船が、博多港に入港し市民に不安を与えている。いかなる名目であれ米軍及び自衛艦等による博多港・港湾施設の軍事利用を拒否するとともに、市民の願いである板付基地の全面返還を強く要求すること。また、博多港に「非核神戸方式」を適用するとともに、「福岡市非核平和条例」を制定すること。

(18)博多港はわが国最大の引き上げ港であり、福岡大空襲を含む各種資料の収集、展示のできる平和記念資料館等を、市民の意見を反映して建設すること。また、毎年展示会を開催すること。


●この文書に関するお問合せは下記までお願いします。
日本共産党福岡市議団
〒810‐8620 福岡市中央区天神1の8の1 福岡市議会棟11階
TEL 092-711-4734
FAX 092-741-4627


↑ 上へ

関連記事来年度予算編成に関する重点要望を申し入れ

>>>「申し入れ」一覧に戻る
>>>「声明」一覧へ
>>>「政策と活動」トップへ

政策と活動
議員の紹介
トピックス
議会報告
市議会ニュース
リンク
お問い合せ

↑上へ