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政策と活動

2023年7月7日

世界水泳選手権福岡大会についての緊急申入れ

福岡市長 髙島宗一郎殿

日本共産党福岡市議団
団長  中山郁美
幹事長 倉元達朗
市議  堀内徹夫
市議  綿貫康代

世界水泳選手権2023福岡大会について、費用・契約などのあり方をめぐりわが党は当初から問題点を指摘し、中止を申し入れてきましたが、開催が目前に迫る中で、わが党だけでなく、新聞やテレビで問題点を指摘する報道が増えるなど、市民からの批判・疑念の声はいよいよ無視できないものになっています。

6月議会の一般質問でわが党はあらためて中止を求めましたが、貴職は中止はおろか、立ち止まって見直しを検討することさえしようとしませんでした。汚職・腐敗が問題になっている電通との関わりを是正している他の自治体の首長と比べても、あまりにも頑なな態度と言わざるを得ず、このままでは重大な禍根を残す恐れがあります。

そこで、大会直前ではありますが、一般市民の当たり前の感覚に照らして必要最小限と思われる見直しを行うよう、以下の通り貴職に緊急に申し入れます。

一.大会にかかわる本市の費用負担分のこれ以上の増額を拒否するとともに、具体的な縮減額を決め、「世界水泳選手権2023福岡大会組織委員会」に提起すること。

当初、大会事業費は100億円、うち本市負担分は35〜40億円とされていましたが、結局それぞれ225億円、120〜130億円となり、本市負担は3倍にも膨れ上がりました。市は繰り返し「削減に努める」と述べたにもかかわらず逆に増え続け、2月議会でも同様の答弁をしましたが、6月議会で再度尋ねても全く削減されませんでした。あまりにも不誠実な対応であり、市民の不信が募るのも無理はありません。これらは最終的に市民の負担となるものであり、「削減ポーズ」だけで許されるものではありません。

二.成功報酬型契約の予算、経済波及効果の根拠の公開、電通グループの関与のあり方などを直ちに見直して、市民への最低限の説明責任を果たすこと。

本大会は、東京五輪で汚職・腐敗が大きな問題となっている電通グループに依存しています。他都市では同社の指名停止や取引排除などの手立てが取られているのに対して、本市は6月議会でも「特定事業所を重用し、優遇しているとのご指摘は当たらない」などと開き直り、まともな手立てを全く取ってきませんでした。この点でも市民の不信が増大しています。五輪招致をめざす札幌市は、外部有識者による委員会を設置し、運営を見直し始めています。6月議会などでわが党がただしたように、成功報酬型契約の予算を明らかにすること、大会の経済波及効果の根拠を事前に公開すること、電通グループの関与のあり方を見直すことなどを含め、市民に最低限の説明ができるようにすべきです。

三.7月14日に予定されている航空自衛隊のアクロバット飛行チームブルーインパルスの展示飛行を中止すること。

貴職は昨年10月、「本大会を成功に導く」という目的で、自衛隊に対して、ブルーインパルスの展示飛行を要請し、大会開催にあわせた今月14日に飛行が予定されています。

ブルーインパルスは、これまでも1961年、65年、82年、91年、2000年に墜落事故を起こし、2014年には2機が接触し緊急着陸をしています。また、2020年の東京オリンピックでは雲に接近・突入する航空法違反の飛行を行った疑いが指摘されており、直後の東京パラリンピックでは、事前の取り決めを破って低空でカラースモークを使用し、1200台の車両に塗料が付着するなど住民に被害を与え、担当自衛官は懲戒処分になっています。

福岡市は「曲技飛行はしないから」として、あたかも問題がないかのように述べています。しかし、ブルーインパルスは2017年3月には、愛知県小牧市で国土交通大臣の許可を得ないまま、機体の姿勢を急激に変化させ、地上2㍍の超低空を飛行するなどの曲技飛行を行いました。これに対し住民388人が「航空法違反だ」として名古屋地検に告発しましたが、自衛隊側は「曲技飛行ではない」と強弁し続けたのです。「曲技飛行はしない」とする自衛隊の説明がいかにあてにならないものか、この一事を以てしても明らかです。

ブルーインパルスが過去に幾多の事故を起こし、法令や住民との取り決めを破り、さらに住民を欺く説明・行為をし続け、まともな反省や改善が見られない中で、福岡市民の不安が高じるのは当然です。貴職がこれらの経緯を真摯に検討した上で依頼をした形跡は見当たらず、さらに閣議了解で本大会について新型コロナウイルス感染症対策を求め、県も引き続き「不特定多数の人がいる混雑した場所」を避けるよう奨励していることからも、第9波の懸念が高まる今、あえて不要不急の人出を作り出すべきではなく、展示飛行の依頼を撤回し、中止させるべきです。

四.前掲の3項目について見直せないのであれば、大会を中止する措置を取ること。

前掲の3項目は市民への説明や安全確保のための最低限の貴職の責任であり、それすらも果たせないのであれば、今からでも大会を中止する措置を取ることを強く求めます。


以上



問題だらけの世界水泳福岡大会、天神ビックバンをただし、映画「標的」上映会名義後援取り消し撤回を求める(2023年6月20日 中山郁美市議の一般質問・2023年6月市議会)


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