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政策と活動

2023年6月2日

物価高騰についての緊急対策の要請

福岡市長 髙島宗一郎殿

日本共産党福岡市議団
団長  中山郁美
幹事長 倉元達朗
市議  堀内徹夫
市議  綿貫康代

先に行われた市議会議員選挙の際に、私たちは市民のみなさんから物価高騰に対する悲鳴ともいうべき切実な訴えを数多く聞きました。

一部に政府の対策や賃上げで物価高騰の影響が緩んだかのような報道がありますが、5月は800品目、6月には3300品目、今年全体で3万品目が値上げとなり、インフレは今後も猛威をふるう見通しです。また、賃金も名目では一定上がったものの、かつてない物価上昇によって実質賃金指数は未曾有の低水準に落ちこんでいるのが実態です。

このため、私たちが聞いた中には、「給付金とかの一時金はありがたいが、一瞬で“蒸発”してしまう」「恒常的な支援がほしい」という声が少なくありませんでした。この20年で保険料・税など公的な負担は1.4倍となり、実収入の伸び(1.1倍)をはるかに上回るペースで引き上げられ、「自由に使える可処分所得を圧迫し、個人消費の伸び悩みにつながって」おり(5月10日付「日経」)、その恒常的な負担軽減は急務です。

給付金の給付にかかわっては、3月30日に議決した「令和5年度福岡市電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金」(住民税非課税世帯などに1世帯あたり3万円)、「子育て世帯に対する生活支援特別給付金」(児童扶養手当受給世帯などに子ども1人あたり5万円)の給付が実質7月からと言われており、「遅すぎる」「一体いつもらえるんですか」という苦情を私たちはたびたび聞きました。

また、物価高騰の影響が大きいのは住民税非課税世帯だけではありません。今回給付対象とならない課税世帯の方でも、年金だけでは暮らせず就労してなんとか暮らしている高齢者世帯など、非常に苦しい生活を強いられている実態があり、手立てを講じる必要があります。

さらに、自治体から委託された事業における、大手人材派遣会社や旅行代理店等による人件費の過大請求が相次いでおり、給付事業のあり方をめぐる不信の声も、選挙が終わってからも多くの有権者からいただきました。

市内の中小業者は、燃料費および光熱費高騰分への支援が5月で終了し、コロナ関連融資の返済が始まっているなか、引き続く物価高騰の影響が大きく、資金繰りに苦労しています。さらに、10月からのインボイス制度の導入で新たに課税業者にならざるを得ない事業者の方もおられ、この機会に廃業を選択する方も増えている状況があります。

また、医療・介護施設からは選挙終了を待ちかねるように私たちに懇談の要請があり、やはり物価高騰のもとでの対策を強く求めておられました。

お話をうかがった医療法人は電力・ガス・食材の費用の値上がりが前年度比で合計5263万円の増加となる一方で、自治体からの補助金等は2057万円(うち福岡市からは181万円)しかなく、負担増加分の39%しかカバーできませんでした。聞き取りの中で、同法人の方は「コロナが5類に引き下げられても感染の拡大・収縮は繰り返されるから、このままでは地域の医療機関としての役割が果たせず、『発熱難民』や『コロナ難民』が大量に生じないか不安だ」と述べられていました。

介護施設についても物価高騰分は7割しかカバーできておらず、やはり経営が引き続き苦境に立たされています。全国介護事業者協議会などの調査で、施設の3割が廃止・倒産の危険を感じており、全国老人保健施設協会などの調査では介護現場の職員の今年の賃上げ率はわずか1.4%にしかなっていません。

ところが、貴職は国が用意した「電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金」の今後の実施計画には、医療・介護施設の支援策を組み込んでおらず、こうした事態に対して無策に等しい対応になっています。

以上のことから、わが党としては以下の緊急対策を貴職に対して要請するものです。


  • 学校給食費の無償化、国民健康保険料・介護保険料の負担軽減、上下水道料金の引下げ、家庭用ごみ袋代の値下げなど、教育・社会保障・生活施策の恒常的な経済負担軽減を行うこと。
  • 「令和5年度福岡市電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金」、「子育て世帯に対する生活支援特別給付金」を早急に支給するよう手立てを取ること。また、国に対して給付の対象を拡大するよう求め、市独自にも全世帯を対象に物価高騰対策としての給付を実施すること。さらに、給付事業を委託された民間事業者が不正などを起こさぬよう現在のチェック体制を見直すこと。
  • 物価高騰に苦しむ中小零細業者の経営を支える新たな給付型支援を行うこと。また、国に対してインボイス制度の延期を緊急に求めること。
  • 医療・介護施設について、新たな物価高騰対策を「電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金」の今後の実施計画に緊急に組み込むなど、市独自の支援を早急に具体化・実施すること。
  • 物価高騰対策として、診療報酬・介護報酬の引上げを国に対して要望すること。

以上


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