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政策と活動

2022年8月9日

故安倍元首相の「国葬」に反対し、
弔意押しつけをしないよう求める申し入れ

福岡市長 髙島宗一郎殿

日本共産党福岡市議団
団長  中山郁美
幹事長 倉元達朗
市議  綿貫英彦
市議  堀内徹夫
市議 松尾りつ子
市議  山口湧人

岸田文雄首相は、参院選遊説中に銃撃を受け亡くなった安倍晋三元首相について、今秋に「国葬」を行うと発表しました。

もともと「国葬」は戦前、天皇と皇族、「国家に偉功のある者」に対して、「国葬令」にもとづいて行われ、天皇中心の専制国家を支える儀式でした。戦後、「国葬令」は失効しており、「国葬」に「法令の根拠はない」(1968年5月9日衆院決算委の蔵相答弁)というのが政府の公式見解です。「国葬」の要件を定めた法規がないもとで、国会審議も経ず、国会が関われない内閣府設置法を根拠に「国葬」を実施しようとしている岸田内閣の手続きは法治主義に違反するものです。

岸田首相が「国葬」とする理由について、「憲政史上最長の8年8カ月にわたり卓越したリーダーシップと実行力で…内閣総理大臣の重責を担った」「東日本大震災からの復興、日本経済の再生、日米関係を基軸とした外交の展開等の大きな実績を様々な分野で残された」「その御功績は誠にすばらしいものがある」などをあげたことは重大です。

日本共産党は安倍元首相が無法な銃撃で殺害されたことに対して、深い哀悼の気持ちをのべ、民主主義に対する暴挙への厳しい糾弾を表明してきました。政治的立場を異にしていても、亡くなった方に対しては礼儀をつくすのがわが党の立場です。

しかし、それは安倍元首相に対する政治的評価とは全く別の問題です。日本共産党は安倍元首相の在任時に、その内政・外交政策の全般、その政治姿勢に対して、厳しい批判的立場を貫いており、その立場は今でも変わりません。

国民のなかでも、無法な暴力で命を落とした安倍氏に対する追悼の気持ちをもっている人々も含めて、安倍元首相の政治的立場・姿勢に対する評価は、大きく分かれています。そのことは、共同通信社が実施した世論調査で同氏の国葬に「反対」「どちらかといえば反対」が計53.3%となり、「賛成」「どちらかといえば賛成」の計45.1%を上回ったことにも現れています。

しかも、安倍元首相の内政・外交政策の問題点は、過去の問題ではなく、岸田政権がその基本点を継承することを言明しているもとで、今日の日本政治の問題点そのものでもあります。

岸田首相が言明したように、安倍元首相を、内政でも外交でも全面的に礼賛する立場での「国葬」を行うことは、国民のなかで評価が大きく分かれている安倍氏の政治的立場・姿勢を、国家として全面的に公認し、安倍氏の政治を賛美・礼賛することになります。

またこうした形で「国葬」を行うことが、安倍元首相に対する弔意を個々の国民に対して事実上強制することにつながることが強く懸念されます。弔意というのは誰に対するものであっても、弔意を示すかどうかも含めて、すべて内心の自由にかかわる問題であり、国家や行政が弔意を求めたり、弔意を事実上強制したりすることは、あってはならないことです。

その点に照らして、本市が7月11日に副市長名で各所属長・各施設長に対して安倍氏を悼む目的で弔旗掲揚を指示し(総総第330号)、各施設で実際に掲揚させたことは、施設利用者をはじめとする市民への事実上の弔意強制に他なりません。また、すでに首相の座を辞し、特定政党(自民党)の一政治家でしかなかった安倍氏についてこのような弔旗掲揚を求めたことは、行政の中立性を損ねるものと言わねばなりません。

以上の点を踏まえ、貴職に次のことを強く要請します。


  • 安倍元首相の「国葬」に反対し、国に対し中止を求めること。
  • 7月11日付の通知(総総第330号)の対応を真摯に反省し、「国葬」が強行されたとしても市の施設での弔旗掲揚・黙祷要請など、市民への事実上の弔意強制を行わないこと。

(教育長宛)故安倍元首相の「国葬」に反対し、弔意押しつけをしないよう求める申し入れ


以上


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