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政策と活動

2022年1月25日

世界水泳関連ビデオ等の児童生徒への押しつけに抗議する

福岡市教育長 星子明夫殿

日本共産党福岡市議団
団長  中山郁美
幹事長 倉元達朗
市議  綿貫英彦
市議  堀内徹夫
市議 松尾りつ子
市議  山口湧人

福岡市教育委員会は、学校企画課長名で「世界水泳応援リーダー 松岡修造氏からのビデオメッセージの児童生徒の視聴について」と題する協力依頼文書を昨年12月23日付で市内学校長あてに発出しました。また、今年1月5日付で同課長と市民局世界水泳担当課長の連名で、前述の協力依頼に関連する資料の送付と通知文書の発出を行いました。

それらによれば、市立学校の全児童生徒を対象に、3学期始業式の日にビデオを流し、関連する授業を行うことなどを求めたものでした。

この協力依頼等には次の3点において重大な問題があると言わなければなりません。

第一に、第19回FINA世界水泳選手権2022福岡大会(世界水泳)については新型コロナウイルス感染症のパンデミックが収束の見通しもないもとで開催を強行すべきはないという声が市民から広範に上がり、市民の代表である市議会でも批判・疑問が噴出する中で、大会開催を一方的に礼賛する内容を子どもに視聴させることは、あまりに世論を無視し、議会を軽視したものだという点です。

特に、オミクロン株によるかつてない感染拡大が引き起こされ、世界水泳自体が再延期を余儀なくされた中で、市民の不安はいっそう高まっており、このような一方的宣伝の不合理は際立っています。

第二に、「資料」として配布された「ビデオメッセージ視聴の展開例」によれば、「福岡市ってすごい街」とする授業を行うことになっており、その中身は福岡市について「国内外から高い評価」「(人口が)増えているのは選ばれているから」などと特定の指標および現市政を賛美する内容を教え込み、教育への「不当な支配」(教育基本法第16条)を押しつけている点です。

例えば、福岡市への人口増・人口流入についていえば、昨年12月6日の西日本新聞で「九州各地からの人口が福岡市や都市圏に流入する『一極集中』が進み過ぎており、地方の経済衰退を招く一因になっている」との他県幹部の証言が紹介されているように、歪んだ政治・経済構造の産物である可能性は高く、単純に「人口増加数」が「1位」だから「すごい街」などと手放しで礼賛するのはあまりに異常です。真理を探究する教育とは無縁の、「髙島市長によるプロパガンダ」と言われても仕方がありません。

第三に、コロナ禍で多忙きわまる教職員にさらなる負担を押しつける点です。

特に、昨年末からオミクロン株による爆発的な感染拡大によって、修学旅行をはじめとする重要行事が急きょ延期・中止となり、リモート授業が増加するなど、変則的な事態が一気に教職員のもとへ押し寄せています。こうした実情も踏まえず、不要不急のイベントの宣伝を、仕事に忙殺される学校現場に市長の思惑でねじ込んだことは、言語道断と言わねばなりません。現場の教職員からは「実情を何も踏まえていないやり方だ」などの怒り・疑問の声が私たちのもとにも寄せられました。

以上の諸点にかんがみて、わが党は貴職に対して厳しく抗議し、二度とこのような押しつけを学校現場に行わないよう猛省を促すものです。


以上


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