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政策と活動

2021年8月30日

感染爆発・医療崩壊への緊急対策の申入れ

福岡市長 高島宗一郎殿
福岡市教育委員会教育長 星子明夫殿

日本共産党福岡市議団
団長  中山郁美
幹事長 倉元達朗
市議  綿貫英彦
市議  堀内徹夫
市議 松尾りつ子
市議  山口湧人

新型コロナウイルスの感染が拡大し、厚生労働省の専門家組織であるアドバイザリーボードが「これまでに経験したことのない感染拡大が継続している」「公衆衛生・医療体制が…災害に近い局面」(25日)と指摘する事態になっています。

福岡県および本市でも状況は深刻になっており、当市議団として緊急に以下の諸点を貴職に申し入れます。


一、医療機能を強化した宿泊療養施設や、臨時の医療施設などを、大規模に増設・確保するよう県に求めること。その際、福岡市の大規模施設・用地を利用するよう具体的な提案・協力を行うこと。

政府は8月3日、重症患者と重症化リスクの高い患者以外は「原則自宅療養(自宅待機)」という重大な方針転換を行いましたが、これはコロナ患者を事実上「自宅に放置」する無責任きわまるものです。

福岡県ではこの国の方針に追随して、25日現在で入院・療養者1万1181人のうち、「自宅療養」が8709人と8割近くにのぼり、うち福岡市は4679人を占めています。市内の宿泊療養施設は1427しかなく、しかも、そのうち500人分しか活用されていないのが現状です。

「原則自宅療養」という国のやり方に追随することは許されません。症状におうじて必要な医療をすべての患者に提供することを大原則にすえるべきです。

和歌山県知事は、“「自宅療養」者のうち肺炎となり、その中からすぐにICUに入らなければ命にかかわるような人が一定割合で生じる”という認識に立ち、全国唯一「全員入院」を死守しています。同知事は“原則を変えてしまえば、行政が療養施設や医療施設を確保するインセンティブが働かなくなる”と警告し、「行政が対応不能だからといって原則を変えるのは間違っています」と断言しています。

このような姿勢に、本市および県も立つべきではないでしょうか。

「自宅療養」者に対して、現在本市は「全員にパルスオキシメーターを貸与」とし「保健所による健康観察(毎日)」を行なっているから大丈夫であるかのように述べています。しかし、当市議団が医療機関などに聞き取りをして調査したところによると、陽性者70人ほどのうち3日後までにパルスオキシメーターが手元に届いていた人は1人しかいませんでした。

また、「保健所による健康観察」は原則どおり行なっても1日1回しかなく、電話すらできない状態になった時には、役に立ちません。しかもこの「健康観察」は実際には原則どおりに行われていません。

すなわち、現在の県・市の「自宅療養」対策では現状に対応できているとは言えず、これでは市民の命は守れません。

当市議団が市内の医療機関に対して聞き取りを行った際に、医療従事者からは「当院のコロナ病床は常に満床状態だ。軽症患者を受け入れて治療ができる宿泊療養施設の増設と、軽症治療施設の設置を急ぐべきだ。マリンメッセや体育館等に臨時設置ができないだろうか」「酸素療法やステロイド投与の適宜開始が必要ではないか」という要望が出ていました。市として真剣に検討し、県と協議すべきです。


二、学校・保育園・学童保育などで大規模な検査を行うこと。

当市議団は3日に、髙島市長に対して、職場や家庭などでの検査の抜本的拡充を申し入れました。いくら病床やホテルを用意しても、感染が拡大し続ければ破綻してしまうからであり、感染源を減らし、取り除くための対策が必要だからです。「いつでも、誰でも、何度でも」という検査体制へ転換すべきです。

とりわけ学校の夏休みが終了し、子どもたちが学校に通いだす中で、新たな感染拡大が懸念されており、当市議団にも数多くの心配の声が寄せられています。

子どもたちの学ぶ権利の保障と、感染拡大の防止を両立するためには、現在市教育委員会が打ち出している対策だけでは不十分です。なぜなら、コロナ感染は半数が無症状感染者からであり、無症状感染が多いとされる、子どもたちの中で感染者の発見と保護が感染対策に欠かせないからです。

国は小中学校等に抗原簡易キットを配布することにしていますが、全国で80万程度、1校あたり数十にしかならず、症状のある人への緊急のものにすぎません。ドイツでは児童生徒に週2回、迅速抗原検査をしており、本市でも、学校を中心とする子ども関連の施設において、教職員・子どもに対して週2回程度自宅で可能な迅速検査を大規模に行うよう求めます。

その際、学校現場では採取に必要な場所も防具もないなどの問題があり、無理なく活用できる対応策を具体的に示すことをあわせて提案します。


以上


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