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政策と活動

2021年4月28日

コロナ「第4波」対策に関する申入れ

福岡市長 高島宗一郎殿

日本共産党福岡市議団
団長  中山郁美
幹事長 倉元達朗
市議  綿貫英彦
市議  堀内徹夫
市議 松尾りつ子
市議  山口湧人

新型コロナウイルスの感染が「第4波」ともいうべき勢いで再拡大しており、緊急事態宣言が4都府県に発令されました。福岡県も新型インフルエンザ特措法第24条第9項にもとづき、福岡県内全域を対象に不要不急の外出自粛などを要請するとともに、福岡市内の飲食店等を対象として、営業時間の短縮を要請しました。

こうした事態に立ち至ったのは、政府・行政がやるべきことをやらなかった結果であり、今度こそやるべきことをしっかりやるよう強く求めるものです。

まず、十分な補償なしに国民の協力はとうてい得ることはできません。中小企業については売上高に応じて1日2.5万円〜7.5万円、大企業については、売上高減少額に応じて最大20万円を県が第5期の福岡県感染拡大防止協力金として支給するとしていますが、飲食店、喫茶店、一部の遊興施設しか対象になっていません。ゴールデンウィークにさしかかって市民全員の外出自粛が要請されているもとで飲食店等以外の業種でも大きな影響が出ており、「経営がもたない」という悲痛な叫びが寄せられています。

また、協力金の支給開始日は現時点で決まっておらず、「少なくとも申請期間の5月20日から6月19日よりも後になる」(県担当課)、「従来の実績では申請から3〜4週間」(県コールセンター)などとされており、このままでは資金が続かなくなる店が生まれかねません。

ワクチン接種が間に合わない中で、検査を抜本的に増やして感染を抑えこむことが不可欠です。4月27日には県全体で感染者が新たに277人確認され、106人に変異株の疑いがあると県は発表しており、変異株は福岡でも急速に広がっています。

東京大学大学院の稲葉寿教授によれば、マスクやソーシャルディスタンス、宴会制限などの他施策との混合により人口の5%程度の検査を行うことで、実効再生産数を「1未満」にして、感染の増加を抑えていくことができます。

特に、「第4波」では子どもの感染が目立っており、福岡県では変異株への感染疑いは10代以下が全体の18.5%を占め、従来株よりも高くなっています。照葉小留守家庭子ども会(東区)でクラスターが発生し子どもたち全員に検査を受けさせたことに見られるように、すでに子ども施設の現場では対応を変えざるを得なくなっているのが現状です。

生理の貧困も深刻です。全国調査では学生の5人に1人が「生理用品を買うのに苦労」と答えており、政府や県の対策が始まりましたが、これだけでは不十分です。

さらに、コロナ患者受け入れの有無にかかわらず、地域医療を支える全ての医療機関への支援を抜本的に拡充することが求められます。医療用マスクが再び不足し、グローブ(非滅菌手袋)が高騰、緊急包括支援交付金による補助の終了などで経営が苦しくなっています。

また、感染が収束する見通しがない今夏に東京オリンピック・パラリンピックを開催することはできません。しかも、開催中の感染拡大を想定して、同組織委員会が日本看護協会に看護師約500人の“タダ働き動員”を要請した文書が発覚し、コロナ対策にとって逆行するものでしかないことが明白になりました。

よって、以下の7点を、貴職に緊急に要請いたします。


  • 県の協力金の対象以外の業種への支援を国・県に要請するとともに、市独自の支援金制度を創設すること。協力金の申請・支給日を前倒しし、一刻も早く協力金が手元に届くよう県に要請すること。
  • 高齢者・医療・障害者施設への社会的検査を週1回程度に広げることや、感染急増地域の住民全体を網羅的に検査するなど、PCR等検査を抜本的に拡充すること。特に、学校・保育園・留守家庭子ども会など子ども関連施設にも子ども・職員全員への無料の社会的検査を広げること。
  • 変異株の検査数を全数検査に引き上げること。
  • 地域医療を支えている全ての医療機関に対する減収補填を行うよう国・県に求めるとともに、市独自に支援する制度を創設すること。
  • 市独自に困窮世帯への生理用品の無償配布を行うとともに、公共施設や学校での無料配布をすること。
  • 感染拡大防止に逆行する東京オリンピック・パラリンピックは中止するよう国に要請するとともに、福岡での5月の聖火リレーの中止を県に求めること。
  • 上記の6点を踏まえた補正予算を組み、緊急に議会を招集して審議すること。

以上


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