政策と活動
2020年7月31日
新型コロナ対策にかんする緊急申入れ
福岡市長 髙島宗一郎殿
日本共産党福岡市議団
団長 中山郁美
幹事長 倉元達朗
市議 綿貫英彦
市議 堀内徹夫
市議 松尾りつ子
市議 山口湧人
市内の新型コロナウイルスの感染急拡大は「第2波」(髙島市長)ともいうべき水準となり、きわめて憂慮すべき事態となっています。感染の急激な拡大が、医療の逼迫、さらに医療崩壊を引き起こし、救える命が失われることが、強く懸念されます。
にもかかわらず貴職は、国と同様に感染拡大抑止のための実効ある方策を打ち出さず、反対に感染拡大を加速させる危険をもつ「Go To トラベル」について国に見直しを求めるどころか「基本的には大きく歓迎」などとしていることは、重大です。
現在の感染急拡大を抑止するには、PCR等検査を文字通り大規模に実施し、陽性者を隔離・保護するとりくみを行う以外にありません。
この立場から、以下、緊急に申し入れます。
1.感染震源地(エピセンター)を明確にし、その地域の住民、事業所の在勤者の全体に対して、PCR等検査を実施すること。
現在の感染拡大は、全国でいくつかの感染震源地(エピセンター)――感染者・とくに無症状の感染者が集まり、感染が持続的に集積する地域が形成され、そこから感染が広がることによって起こっていると考えられます。
本市の感染者数、陽性率は全国的に見ても高く、感染震源地の広がりが危惧されます。国会では児玉龍彦・東京大学先端科学技術研究センター名誉教授が「福岡・中洲にもエピセンターがあると推定される」と証言しています(7月21日、参議院予算委員会)。市として、全市の感染状況を分析し、感染震源地を明確にし、そこに検査能力を集中的に投入して、大規模で網羅的な検査を行い、感染拡大を抑止するべきです。
これらの大規模で網羅的な検査を行う目的は、診断でなく防疫であること、すなわち無症状者を含めて「感染力」のある人を見つけ出して隔離・保護し、感染拡大を抑止し、安全・安心の社会基盤をつくることにあることを明確にしてとりくむべきです。
本市はこれまでも防疫目的で、中洲地区の接待を伴う飲食店の従業員を対象に、症状の有無に関わらず無料のPCR検査を実施しており、すでに実績のあるこの方式を拡大すれば十分可能です。
2.地域ごとの感染状態がどうなっているのかの情報を、住民に開示すること。
本市では市内の地域ごとの検査数、陽性率が明らかにされていません。これではどこが感染震源地なのかを、住民が知ることができません。
ニューヨークなどでは、地域ごとの感染状態が細かくわかる「感染マップ」を作成し、明らかにしています。
感染状態の情報開示は、あらゆる感染対策の土台となるものです。
3.医療機関、介護施設、福祉施設、保育園・幼稚園、学校など、集団感染によるリスクが高い施設に勤務する職員、出入り業者への定期的なPCR等検査を行うこと。必要におうじて、施設利用者全体を対象にした検査を行うこと。
感染拡大にともなって、これらの施設の集団感染が本市でも全国でも発生しており、それを防止することは急務です。
わが党の要求に対して、これまで市側は医師の診断が必要である旨を議会で答弁してきましたが、すでに市は防疫目的での調査を市内各地で広く行なっており、もはや市側が拒否する理由はありません。
4.検査によって明らかになった陽性者を、隔離・保護・治療する体制を、緊急につくりあげること。
市は、「確保していた宿泊療養のためのホテルを再び開き、現在入院している軽症者や無症状者を順次移して病床の確保に努める」としていますが、エピセンター対策にふさわしい数の確保を緊急に行うべきです。また、自宅待機を余儀なくされる場合には、生活物資を届け、体調管理を行う体制をつくる必要があります。また、中等症・重症のコロナ患者を受け入れる病床の確保を県に要請すべきです。
新型コロナの影響による医療機関の減収補償は急務です。減収によって、医療従事者の待遇が悪化するなどは絶対に許されません。医療従事者の処遇改善、危険手当の支給、心身のケアのために、思い切った財政的支援を国に求めるとともに、当面の間、市の責任で行うことを強く求めます。
以上