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日本共産党福岡市議団の政策と活動

2011年5月23日

こども病院移転計画調査委員会報告書を受け
人工島移転の断念等を求める申し入れ

福岡市長 高島 宗一郎 様

日本共産党福岡市議団
団 長 宮本 秀国
副団長 星野美恵子
幹事長 中山いくみ
熊谷 敦子
綿貫 英彦

去る5月15日に市長に提出された「こども病院移転計画調査委員会」の報告書は、こども病院の人工島移転を決定したプロセスの合理性、妥当性について、現地建替え費用を1.5倍にした市の説明には根拠がなく問題があったと指摘する一方、妥当性の有無の両論を併記しました。この報告書を受けて市長は来月初旬に結論を出すとされていますが、一部報道では人工島移転の方針を決めたと報じられています。


わが党市議団は当初から、こども病院の人工島移転に反対し、とりわけ現地建替え1.5倍問題など、前市長時代に行われた「検証・検討」が市民世論を無視した人工島移転先にありきの偽装だったことを暴露、追及してきました。そして、移転計画を中止し、市民や患者家族、専門家など第三者による再検証、徹底調査を行うよう求めてきました。

こうしたなか進められた調査委員会は、市民に公開して行われ、市当局の立場を追認する結論を出すのではなく、「全体としてプロセスには、合理性、妥当性に欠けていた」「市が行ってきた意思決定のプロセスに対し、納得できない、疑念を拭い去れない」など、市民の意見を一定反映したことは従来にない前進面です。

とくに、現地建替え費用を1.5倍とするに至った経緯については、「具体的に何を根拠に『現地建替え費用は、更地に建てる場合の1.5倍が見込まれる』としたのか明らかにできない以上、説明責任を果たせない意思決定ということであり、手続き上問題があった」と判断し、市に猛省を促したことは画期的なことです。わが党が指摘してきたとおり、前市長時代の決定過程には何ら妥当性がなかったことがはっきりしました。

報告書は両論を併記し、また7対3で意見が分かれたと報道されましたが、委員会では票決は行われず、決定過程の妥当性に対する批判や疑問が繰り返し出され、市当局の説明にもかかわらず妥当性があったという結論には至らなかったというのが事実です。

市長がこうした結果を重く受けとめるならば、人工島移転の決定過程に妥当性がなかったという立場に立ち、計画を白紙に戻すべきです。


人工島がこども病院の立地場所としていかにふさわしくないかが、調査委員会の議論でますます浮き彫りになりました。とくに東日本大震災を受けて、防災面から懸念する意見が出されました。宮城県立こども病院院長の林委員は、大地震の際、病院建物は免震構造のため被害を受けなかったものの、電源が確保できずに呼吸器停止など危機的状況に直面したことを報告し、「大災害においても通常の診療が維持される必要がある。その点から考慮すると、アイランドシティは、もっとも弱い場所であり、孤立化する可能性がある」と指摘しましたが、これは極めて重要な見解です。

警固断層を震源とする大地震は市内どこであっても震度6以上の強いものとなることが想定されており、警固断層から離れているから人工島が安心というのは何の根拠もありません。東日本大震災の被災状況を見ても、液状化現象の発生は「想定」の範囲を超えており、人工島で起きないという科学的根拠はなんら示されていません。人工島は電力をはじめライフラインが寸断し、「孤立化」する危険性が最も高い場所と言わなければなりません。また、大津波を目の当たりにして「こども病院を海岸沿いにつくるなんてあり得ない」という声もあがっています。

防災上の問題だけではなく、そもそも、こども病院の人工島移転には、総計30万筆の署名が集められたように、市民の強い反対があります。それは、こども病院が現在地からなくなれば代わりになる病院はなく、市内の小児救急医療の適正な配置バランスが崩れてしまい、とくに西部地域の患者にとって人工島は救急搬送でも通院でもリスクが高まり、子どもの命が危険にさらされること、人工島が公共交通による通院に非常に不便なこと、大規模な港湾施設に隣接することによる療養環境に心配があること、などの市民の声に示されており、わが党が議会で繰り返し指摘してきた通りです。市民の納得や共感を得るというなら、人工島移転はきっぱり断念する以外にありません。


一方、現地建替えについて、調査委員会の報告書は「さまざまな課題がある」と指摘しましたが、これは市当局による誘導があったと言わなければなりません。委員会では、市当局が、病床数や延床面積、駐車場などを現病院から大幅に拡大する「新病院基本構想」を前提にして、敷地面積の狭さや工事期間の長さ、騒音・振動など困難さばかりを強調しました。また、住民訴訟対策として再試算したローリング費用(更地に建てる場合の1.41倍)を提示し、あたかも現地建替えが高コストであるかのように説明したのも問題です。当局側に立ったこども病院院長の福重委員は現地建替えのデメリットを繰り返し発言しました。他の委員から病院規模や医療内容の前提について意見が出されても、市当局はあくまでも「新病院基本構想」に固執しました。現地建替えを不可能にするような過大な病院をつくることを前提にした「新病院基本構想」にこそ問題があります。市長は「新病院基本構想」そのものを白紙撤回して、最適な立地である現在地を基本に、病院の規模を含めて建替え計画を最初からやり直すべきです。


したがって、わが党は高島市長に対し、こども病院の人工島移転を断念し、新病院基本構想を白紙撤回するとともに、現地建替えまたは近隣地において適正な規模のこども病院整備を早急に行うよう申し入れます。


以上


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