2008年11月25日
こども病院人工島移転の住民投票条例の直接請求に
ともなう臨時議会を終えて
日本共産党福岡市議団
こども病院人工島移転の是非を問う住民投票条例の直接請求にともなう臨時議会が 11月18、19日開かれ、「住民投票は必要ない」との吉田市長の意見に従った自民、公明、民主、みらい福岡、福政の反対多数で住民投票条例案は否決されました。「市民の意見を聞いてほしい」という願いを踏みにじった吉田市長と自民、公明、民主ら推進勢力の暴挙にわが党は断固抗議します。
住民投票を拒否する吉田市長と徹底抗戦した日本共産党
今回住民投票条例案は、市民が地方自治法の規定に従って3万545人の有効署名数をもって直接請求したものですが、市長は「市民に説明し意見を聞いた上で総合的に検討して人工島が適地だと判断した」「議会で審議され議決された」などとし住民投票条例を制定する必要がないと意見表明しました。日本共産党は徹底審議を求めましたが、臨時議会はわずか2日間でした。
日本共産党は住民投票条例案に賛成して奮闘しました。こども病院を人工島に移転すれば子どもの命が救えず、公立病院としての役割も果たせなくなることを厳しく指摘し、道理のないこども病院の人工島移転を中止せよと市長に迫りました。どんな言い訳をしても市長の公約違反は明白であり、子どもの命よりも人工島推進と財界・銀行を優先する市長は許せません。さらに、市民の声を無視し続ける市長に何の正当性もありません。市長は患者家族に対し「心の叫び、気持ちは痛いほど分かる」などと寄り添うような振りをしながら、その切なる願いを切って捨てましたが、まさに「偽善」です。また、当局が市立急患診療センターと保健所5ヵ所の急患診療所における小児診療を廃止して夜間・休日の急患を新こども病院に一本化することを検討していることが明らかになりました。日本共産党はこうした「新病院構想」のでたらめさを徹底的に暴露しました。そして、他会派に対しても、こども病院人工島移転についての民意が議会に反映されておらず、住民投票の実施で市民に是非を問うべきだと主張しました。
自民、公明、民主などが市民の願いに反して住民投票条例を否決
これに対し推進勢力は市民を愚弄する態度に終始しました。民主市民クラブは住民投票条例案について「一部の限定的な主張。議会での議論を軽視しており断じて容認できない」「市の説明に論理的な反論がなく、単に病院移転地の是非のみを問うという議論の矮小化を図るもの」などと、患者家族の声に耳を閉ざして開き直り、「市民は口出しするな」と言わんばかりに批難。「有権者は専門的知識が少ない他、ムードや感情に左右され、合理的、長期的判断が難しい」などと住民投票そのものを完全否定する異常な態度を示しました。自民党と公明党、みらい福岡、福政市民クラブは、質疑も討論もしませんでした。住民投票に反対する理由を何一つ述べることができなかったことは、無責任の極みであると同時に、これらの政党・会派が追いつめられていることを示すものです。自民、公明、民主などが多くの市民の願いに反する勢力であることがいよいよ鮮明となりました。
人工島移転は今後いくつものハードルが 中止へ引き続きがんばります
今回、吉田市長と推進勢力が住民投票条例案を否決しましたが、こども病院の人工島移転に反対する市民の世論は一層高まることは必至です。
今後、12月に基本構想が発表され、来年3月に基本計画が策定される予定ですが、3月の予算議会に議案が提案されるほか、病院事業運営審議会での審議、総務省の許可、県審議会における増床協議、土地購入手続きにかかる協議と契約、PFI公募など、いくつものハードルがあります。そして、新病院の建設着工前の 2010年秋には市長選挙が、2011年春には市議選挙があります。
こども病院人工島移転に反対する患者家族や専門医師、幅広い市民の世論と運動を総結集することが求められます。日本共産党は、こども病院の人工島移転を中止させるために、市民と共同して引き続き奮闘する決意です。
以上