2008年7月15日
福岡市長 吉田宏様
日本共産党福岡市議団
団長 宮本 秀国
「香椎花園前駅の森」の保全を求める緊急申し入れ
福岡市東区香住ヶ丘において、住民が保全を強く求めている「香椎花園前駅の森」が伐採されようとしています。マンション建設を計画している西日本鉄道株式会社等が住民への説明も不十分なまま着工を強行しようとしており、緊迫した事態となっています。
周知の通り、「香椎花園前駅の森」の保全については、周辺住民によって組織された「香椎花園前駅の森を守る会」が福岡市議会に2度にわたり請願を提出されています。
2月7日の市議会第4委員会における請願審査では、わが党はもちろん、紹介議員である自民党をはじめほとんどすべての会派の議員から「福岡市にとって大切な緑であり、西鉄あるいは市の責任でぜひ保全を」との強い要望が出されました。
また先月6月議会に提出されました、自然環境保護推進のため当該樹林地の保全を求める請願によると、「香椎花園前駅の森」において「福岡県の希少野生生物—福岡県レッドデータブック2001」で絶滅危惧種˘類に指定されている陸貝「キュウシュウナミコギセル」が生息していることが確認され、さらに貴重な生物(カクレミノなど)の生息の可能性も指摘されているとのことです。また、近辺の樹林地間を行きかう生物の生態系にとっての当該樹林地の評価の必要性も指摘されています。こうした生態学的な現況調査を行うとともに、森の保全をはかる必要性がいっそう高まっています。
吉田市長は3月の条例予算特別委員会総会でわが党市議団の質問に対して「緑地保全林地区の指定について協力いただくよう、西鉄に対して可能な限り働きかけていきたい」と答弁しています。こうした市の要請を無視する西鉄の態度は、公共交通機関を担う地場大手企業としての社会的責任の自覚に欠ける極めて不誠実なものであり許されません。
福岡市では、緑地保全に対する市民の要望は強く、これまでも住民と市議会そして進藤元市長をはじめ、桑原元市長、山崎前市長と一緒に、マンション業者の方たちのご協力も得て、鴻巣山やふくろうの森、長尾の里山等々の緑地の保全が実現してきました。吉田市長のもとにおいて、9,000ʄもの貴重な緑地が失われることがあってはなりません。
よって、わが党市議団は、吉田市長が西鉄に対して「香椎花園前駅の森」の伐採することなく、周辺住民との話し合いに応じることを強力に指導されるよう緊急に要請致します。あわせて、当該樹林地の開発計画を断念し緑地保全に協力するよう西鉄に働きかけ、あるいは買い取って市として保全することを改めて強く要請します。
以上