2008年6月
2007年度政務調査費の収支報告書の提出にあたって
日本共産党福岡市議団
日本共産党福岡市議団は4月30日、2007年度政務調査費の収支報告書を議長に提出しました。その内容とともに、政務調査費についてのわが党市議団の考え方を市民のみなさんにお知らせします。
(1)政務調査費の透明化はまったなし
地方議会における政務調査費とは、地方自治法で「議員の調査研究に資するため必要な経費」(第100条13項)と定められているもので、福岡市では「政務調査費の交付に関する条例」に基づき、議員一人あたり月額35万円が会派に交付されています(議員個人に26万円、会派に9万円に分けて交付することも選択可能)。その使途は「市政に関する調査研究のため必要な経費以外のものに充ててはならない」(同条例第8条)と基準が定められ、「資料作成費、資料購入費、研究研修費、広報広聴費、補助員等雇用費、調査旅費、事務所費、諸事務費、その他」の9項目と、その内容が決められています(福岡市政務調査費の交付に関する条例施行規程)。
したがって、すべての福岡市議会議員は、この目的と使途基準に従って政務調査費を適正に使用することが厳しく求められています。
しかしながら、自民党とみらい福岡が政務調査費を使って大量の切手を購入したり、海外視察に多額の費用を充てたりしたことが明らかになり、問題となりました。政務調査費の透明化は待ったなしの課題となっています。また現在、政務調査費返還請求の住民訴訟も提起されています。
(2)自主的に全面公開します
わが党は、政務調査費が厳格に使用されるために、また市民の納得が得られるために、詳細な支出内訳と全ての領収書を公開することによって透明化を図るよう、繰り返し提案してきました。ようやく先の議会で政務調査費条例が全会一致で改正され、領収書の全面公開が導入されることになりました。また、政務調査費の使途のルールなどを定めた「政務調査費の手引き」が全会派の合意で作成されました。
ところが、これは2008年度分から適用されるものであり、2007年度分については依然として、内容が分かりにくい「収支報告書」と、1件5万円以上の領収書の写しに限定されたままです。
そこで今回、わが党市議団は先駆けて、2007年度政務調査費について、収支報告書とあわせて、支出内訳一覧と全ての領収書を自主的に公開することにしました。
(3)日本共産党市議団の使途内容の概要と特徴について
日本共産党市議団の2007年度政務調査費の交付額は2,310万円でした(2007年5月~2008年3月の11ヵ月、すべて会派交付。個人交付はなし)。
支出合計は2,258万8,647円で、年度末残額518,231円(預金利息6,878円を含む。全体の2.2%)を返還しました。支出の項目ごとの金額と構成比は下記の通りです。
資料作成費 | 2,309,523円 | 10.2% |
---|---|---|
資料購入費 | 1,035,657円 | 4.6% |
研究研修費 | 193,840円 | 0.9% |
広報広聴費 | 9,659,862円 | 42.8% |
補助員雇用費 | 6,307,838円 | 27.9% |
調査旅費 | 207,030円 | 0.9% |
事務所費 | 0円 | 0.0% |
諸事務費 | 2,858,182円 | 12.7% |
その他 | 16,715円 | 0.1% |
広報広聴費と補助員雇用費で全体の約7割を占めているのが特徴です。
広報広聴費は、市議会ニュースなどのビラ作成費、市政懇談会やアンケートの実施、ホームページ更新などの経費です。わが党市議団は、議会論戦と世論によって市政を動かすため、市民との対話・双方向型の活動を重視し、市民の声をしっかりと聞くと同時に、議会論戦の内容や市政の問題点について市民に広く知らせる活動に力を入れており、この費用を政務調査費の中心にすえています。2007年度は、高すぎる国民健康保険料に関するビラの全戸規模での配布(40万枚)をはじめ、合計22種類100万枚以上のビラを作成しました。配布は地域の協力者によるボランティアに依頼しており、一部は新聞折り込みをしました。広聴活動としては、市民から直接要望を聞く「市政懇談会」を年3回開きました。若年層の雇用と労働の実態と要求を把握するため「青年おしごとアンケート」を35万6000部作成し、現在配布中です。各議員の地元地域で懇談会や報告会、生活相談会を開き、市政の要望聞き取りに取り組んでいます。こうした取り組みは、議会での質問の他、市長に提出した「予算編成に関する重点要望」(262項目)などに反映されています。
また、こうしたわが党市議団の調査研究活動・広報広聴活動を徹底して行うために、必要不可欠な補助業務に従事する専任の事務局員(政務調査補助員)を2人雇用し、必要な書籍、資料、備品などを購入しました。地元事務所の経費は政務調査費から支出していません。
(4)つねに見直し適正使用に努めます
日本共産党市議団は、政務調査費の支出について、①政務調査費の目的と使途基準を厳格に守り、市民の理解を得られるものであること、②原則として領収書のないものは認めないこと、という基本姿勢で取り扱っています。この間の裁判判決や全国的な合意による新たな到達点を踏まえ、つねに支出内容を点検し見直してきました。さらに今回、「政務調査費の手引き」に示されたルールに従い検討しました。
例えば、研究研修費のうち研修会実施経費については従来、全額を充当していましたが、今回改めて検討した結果、議員と補助員以外の参加者(助言者等)の分については除外しました。これに伴い、2006年度についても研修会経費を修正し、55,695円を返還することにしました。
また、補助員等雇用費については「後援会事務所や選挙事務所、政党事務所に勤務する者を補助員等として雇用する場合は、勤務の実態に合わせ経費を按分する」(手引き)とされており、事務局員が政務調査補助の業務に従事しなかった場合その実態に応じて人件費を一部除外しました。これは従来からわが党市議団が採用してきた方法です。
今後も市民のみなさんの理解が得られるよう力を尽くします。
以上