2008年6月20日
14万署名運動の力で国保料引き下げを実現。
いっそうの引き下げを求めてがんばります
日本共産党福岡市議団
福岡市は6月、今年度の国民健康保険料の所得割料率を決定し、加入世帯への通知を始めました。多くの世帯が前年度と比べて引き下げ、または据え置きとなっています。
日本共産党は昨年来、市民と共同して国保料の引き下げを求める請願署名にとりくみ、福岡市政史上最高の14万6千筆が提出され、こうした世論の高まりによって国保運営協議会の答申に保険料の引き下げ要望が盛り込まれました。毎年のように引き上げられてきた国保料の引き上げをストップさせ、一部引き下げを実現したことは、こうした運動の成果です。市民から「去年より安くなってよかった」「署名にがんばった甲斐があった」と喜びの声があがっています。
半数の世帯で所得割が引き下げられます
今回、医療分と支援分をあわせた所得割料率が前年度から 0.52 下がり12.49 %となりました。
引き下げとなるのは、所得割のある人(年所得33万円以上)で保険料賦課限度額59万円に達しない場合で、国保世帯全体の約半数にあたる11万2千世帯です。たとえば所得200万円の場合、年間で約1万円の引き下げとなります。他の政令市や周辺自治体で国保料が引き上げられるなか、半数の世帯での引き下げを実現したことは重要です。
所得割料率の引き下げの要因について、市は、今年度から75歳以上の高齢者が国保から「後期高齢者医療制度」へ移行されたこと、退職者医療制度の廃止に伴い退職被保険者のうち65歳〜74歳が一般保険者に入ることなど、国による制度変更の影響を受けたためと説明しています。すなわち、市が積極的に引き下げたものとは言えず、また高い国保料に苦しむ市民にとっては不十分なもので、料率をさらに大幅に引き下げるべきです。
低所得世帯の保険料はすえおき
一方で、所得割がない年所得33万円未満の低所得者(約10万世帯)の国保料は引き上げをやめさせたものの、前年度と同じ額となります。均等割と世帯割が据え置かれたからです(均等割2万8,735円、世帯割3万3,217円)。
いま不況や物価高、増税や負担増に苦しむ自営業者や年金生活者、ワーキングプアと呼ばれる非正規雇用で不安定な労働者など、低所得者にとって国保料が高すぎて払えない事態が広がっており、引き下げはまったなしです。
そのためには、均等割または世帯割を引き下げる必要があります。日本共産党市議団はすべての国保加入者を対象に国保料を引き下げるため、均等割を1万円引き下げる予算組み替えと条例修正案を予算議会に提出しましたが、こうした対策こそ求められます。
一般会計繰入金を増やして、国保料をさらに引き下げよ
高すぎる国保料をさらに引き下げるためには、国保会計への一般会計繰入金を大幅に増額する必要があります。市は今年度予算で後期高齢者医療制度の実施を理由に国保会計への一般会計繰入金を7億円も減らしましたが、医療予算を抑制したのは明らかであり許されません。
市は財政難を理由に「繰入金をこれ以上増やすことは困難」と拒否していますが、一方で人工島の企業誘致のために1社最大10億円の立地交付金を投げわたそうとしており、こうした人工島などムダな大型開発とその破たん救済への税金投入をやめれば、財源を生み出すことは可能です。税金の使い方を見直し、医療を始め社会保障予算を最優先すべきです。
もともと、福岡市の国保加入者は年所得200万円以下が8割を占めるように低所得者で構成されており、「相互扶助」といっても無理があります。国の社会保障費の削減方針を改め、減らし続けた国庫負担金を元に戻すなど、憲法25条に基づき、すべての国民の医療を受ける権利が保障される必要があります。
日本共産党市議団は、福岡市に対し、国保料をさらに引き下げるよう強く要求するものです。国保料の引き下げを求める市民との共同をさらに強めて、誰もが安心できる国保行政の実現へいっそう奮闘する決意を表明するものです。
以上