2008年1月22日
福岡市長 吉田 宏 様
日本共産党福岡市議団
団 長 宮本 秀国
幹事長 中山いくみ
星野美恵子
ひえじま俊和
倉元 達朗
熊谷 敦子
原油高騰に対する緊急対策を求める申し入れ
昨今、投機マネーの暴走などを背景にした原油価格の異常な高騰が続いています。国内の石油製品価格も軒並み上昇し、福岡県でもガソリンは1.5倍(1リットルあたり88.9円→130.1円)、軽油は2.2倍(34.8円→77.4円)、灯油は2.3倍(34.8円→78.7円)となっています(昨年11月現在、2004年初頭と比べて)。関連した食料品の値上がりは、福岡市民の暮らしと営業、地域経済に深刻な影響を与えています。
とりわけ低所得者世帯への影響は深刻です。生活保護世帯はこの間、福祉見舞金や老齢加算の廃止など、保護費が減らされ、従来の冬季加算では配達料を含めれば必要な灯油さえ買えないのが実態であり、食費を削って灯油を買うか、寒さを我慢しなければならない状況に追い込まれています。また、高齢者にとって寒さは健康や命に関わる問題です。市民から「灯油が高くて大変だ。灯油購入に補助金を出してほしい」など救済策を求める声があがっています。年末以降、厳しい寒さに見舞われる日が続いており、暮らしと健康を守るための「福祉灯油」の実施が強く求められています。
また、農家からは「ハウスをあたためる燃料代がかかって大変」、漁業関係者からは「船を出せば出すだけ赤字になる」、クリーニング業、運送業など燃料油を使う中小業者からは「これでは経営がたちゆかない」など燃料費の値上がりに悲鳴の声が上がっています。影響は商店にも広がり、消費者の食料品等の買い控えによって「売り上げが減った」という声も上がっています。原油高騰によって深刻な影響を受けている農漁業者、中小業者への支援もまったなしです。
こうした中、広範な世論や運動に押され、政府は昨年12月11日主要閣僚・与党幹部による「原油高騰・下請中小企業に関する緊急対策関係閣僚会議」を開催して、「基本方針」を策定し、12月25日に「原油価格の高騰に伴う中小企業、各業種、国民生活への緊急対策の具体化について」の「取りまとめ」を行いました。その実効性について不十分さはあるものの、地方自治体の対策に要する経費に対する特別交付税措置が盛り込まれており、本市としてもこれを活用した制度の拡充など、緊急かつ実効性ある対策をとることが求められています。
よって、わが党市議団は、貧困と格差の広がりに拍車をかける原油高騰に対する緊急対策として以下の点を申し入れるものです。
記
- 生活保護世帯や高齢者、障害者、母子・父子世帯などの低所得者世帯に対し、「福祉灯油」として灯油購入費を支給する制度を創設すること
- 原油高騰に苦しむ中小業者、農漁業者に対して、燃料代の補助、融資制度の拡充、緊急の減税措置などを講じること
- 社会福祉施設(福祉作業所や特別養護老人ホームなど)への暖房費高騰分を助成する制度をつくること
- 本市として実態を調査すること。また相談窓口を設置すること
以上