2007年1月11日
福岡市長 吉田 宏 殿
日本共産党福岡市議団
税務職場への派遣社員の導入をやめるよう求める申し入れ
福岡市は、来年度の機構見直しの一環として、税務関係の職場に派遣社員を導入しようとしています。その内容は、市税滞納者への電話催告業務や納税課の証明窓口の受付業務の一部を民間企業に委託し、そこに派遣社員を配置するというものです。
言うまでもなく、行政は市民の個人情報を厳格に取り扱う義務と責任があります。納税者にとっては、税金の納付状況は最も他人に知られたくない個人情報の一つです。そのため、とりわけ税務関係職場においては、専門性と同時に守秘義務が厳しく課せられており、地方税法において罰則を含む守秘義務が規定されています。
しかし、税務関係の職場に派遣社員を導入すれば、市職員以外の者が市税の滞納の有無やその内容などの重要な個人情報を扱うことになります。これは、納税者の人権とプライバシーを脅かすものに他なりません。また、納税者とのトラブルが増えたり、正規職員の業務が増えたりする事態を招くことになると思われます。さらに、職場に待遇の異なる労働者を混在させることも問題があります。こうした点から、税務関係の職場への派遣社員導入は、断じて認められません。
そもそも、非正規雇用の労働者が増え、新たな貧困と格差が大きな社会問題となっている今日、その打開を目指すべき行政が、自らの職場に派遣を導入すること自体、許し難いものです。
本市の職員数は異常に少なく、職員は長時間、過密労働にさらされています。なかでも税務職場は、国の税制改定によって多忙を極め、新年度は市民税の税源移譲や定率減税廃止など大きな変更が予定されており、これに対応できるよう、税務職場の正規職員を大幅に増員することこそ求められています。
したがって、わが党は、福岡市に対し、市税滞納者に対する電話催告業務など税務関係職場への派遣社員の導入をやめるよう、強く要請します。
以上